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2009年8月13日(木)

【経営者は語る 第1回】なぜ今ブラウザゲーが注目を集めるのか――SeedC社長インタビュー

文:電撃オンライン

●国内ゲームメーカー、パブリッシャーも注目しているブラウザゲーム市場

『SeedCインタビュー』

──ブラウザゲームのブームというのは、海外特に欧米では数年前に起きたいまさら珍しくないものですが、日本ではおっしゃるようにMMORPGに変わる新しい収益源となりうるものです。すでに大手オンラインゲームメーカーが動き出しているようですね。

崔:はい、日本市場でブラウザゲームに参入しようという企業は多いですよ。『Webゲー』のリリースを出してからは、1週間で4社から問い合わせがありました。弊社も実は去年の4月から用意し始め、秋にはサイトオープンする予定でしたが、いろいろトラブルがありまして7月末になってしまいました。

──その間、一足先に某社がほぼ『Travian』型(※)のブラウザゲームのサービス提供を開始してしまいましたね。人気も高いようで、だいぶ悔しい思いをされたのではと想像しますが(笑)

崔:くやしくないと言えばウソになりますね(笑)。あまり大きな声では言えませんが。

──ところで、プレイヤーの分身とも言えるキャラクターという存在がブラウザゲームの場合は存在しないため、アバターアイテムという形での有料課金ができません。その代わり多くのブラウザゲームではコインや金貨をチャージといった形で、使えば使うほどプレイが有利になるシステムを採用していますね。実際の課金率はどの程度なのでしょう。

『SeedCインタビュー』 『SeedCインタビュー』

山田:アクティブユーザーに対する課金者率は、サービス国を問わずだいたい全体の10%というのが平均ですね。

──10%というのが高いか低いか、今ひとつ伝わりにくいのですが。

山田:既存のMMORPGでは1ヶ月に4万~6万円分のアイテムなどを購入してくださる高額な課金者がいたりしますが、それはユーザー全体のわずか数パーセントでしょう。ブラウザゲームはほんの数千円を1ヶ月に使うだけで、プレイがぐっと楽にそして有利に運べます。ごく限られた課金ユーザーではなく、広く浅く、多くのユーザーにお小遣い程度の課金をしてもらうのがブラウザゲームのビジネスモデルです。

崔:企業という目で見ると、ヨーロッパのゲームはとにかくゲームを楽しんでもらうというところに力点が置かれていて、「もうちょっとくらい、お金を払ってもらう仕組みを考えようよ」と思うことがあります。逆に中国の作品はとにかく他人との競争に重点が置かれていて、「これはさすがにすごいな」と思うくらいにお金を使わせるギミックが組み込まれているんです。

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