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2011年9月30日(金)

【No Game, No Life Vol.3】おもしろい! でも何かがひと味足りない『Too Human』

文:電撃Xbox

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どんどんたまって、どんどん売られていく装備

 本作はハック&スラッシュなので、敵を倒して経験値をためつつ、敵が落とした装備やアイテム、お金を集めていくのが主な目的となります。また、本作は素材から装備を作るタイプのゲームではないので、装備そのものが拾えます。この装備集めが本作の醍醐味であり、ストーリーをクリアした後もついついプレイしてしまう要因と言えるでしょう。

アイテム
▲手に入れた武器はさりげなく表示されますが、気にせずに敵を倒していきましょう。特殊な武器を手に入れたときはファンファーレが鳴って自己主張します。

 1ステージのうちに敵が落とすアイテムは大量にあり、入手したアイテムで持ち物がすぐにいっぱいになってしまいそうですが、そのあたりは何も心配することはありません。アイテムがいっぱいになったら、価値が低い装備から自動的に売ってお金にしてくれるので、気にせずにどんどんと取っていけばいいんです。しかもわざわざ街へ戻ったりする必要もありません。戻ろうとすればステージ中いつでも街に戻って、また同じ場所から戦線復帰できますけどね。

戻れる
▲戦闘中でもメニューを開けばすぐに街へと戻れます。街から戦線への復帰も即可能。さすが神ですね。

 なお、手に入れたお金は主にブループリントと呼ばれる設計図から特別な装備を作るのに使われます。必要な資金は通常の装備に比べると10倍前後と高額ですが、装備を大量に手に入れて売ればいいだけのこと。ブループリント自体も比較的高く売れるので、自分に必要のないブループリントは売ってしまえばさらにお金が増えてラッキー。

ブループリント
▲ブループリントは通常の装備よりも特別な性能がついているものが多い。

 また、本作の装備にはすべてレベル制限がかけられていて、設定されたレベルに達するまでその装備を身に付けることはできません。ステージ中に手に入る装備はレベルの低いものから、自分よりもちょっとだけレベルの高いものまで手に入りますが、前述の自動売却システムと合わさって、レベルの低いものは手に入れたことすら気づかずに売却されます。結果的に適性レベルの装備とレベルが少しだけ高い装備が残るというわけです。

 ハック&スラッシュをプレイするうえで常につきまとう「アイテムの整理の面倒くささ」というものを効率化したこのシステムは、その後のゲームにも採用して欲しかったんですが、同様のシステムを採用しているゲームは現在でも見当たりません。残念です。

 しかしこのレベルのシステムについては、本作は誤ったゲームデザインも施してしまっています。それは自分のレベルが上がると、敵のレベルも相応に上がるという点です。これによりレベルが上がっても強くなった感じが得られにくく、装備による強化も以前の装備と比べれば強い、といった相対的な評価でしか見られません。もちろん、レベルが上がれば習得できるスキルが増えるので、多少はラクになりますが、焼け石に水ですね。

スキル レベル
▲レベルを上げてスキルを習得すれば、戦いがいくぶんラクになる。▲敵の周りに表示された数字は敵のレベルを表している。このエリアは序盤エリアなのに自分に合わせたレベルになっている。

 その結果、強くなっても相変わらず昇天していくバルドルを切ない目で見ることになってしまうのです……。

ヴァルキリー
▲やっぱり死ぬ。

それで3部作のうちの第2作目は……?

 『Too Human』シリーズは、本作の発売前から開発元であるシリコンナイツにより“3部作”であることが表明されていました。実際、ストーリーモードをクリアしてみると、黒幕である敵キャラクター(コイツも神の1人)が、再起をかけて潜伏している様子が描かれていました。今作では主人公バルドルが神として誕生した秘密や、妻の最期の真相などは明かされましたが、根本的な問題としては何一つ解決していない状況なんです。

バルドル
▲ストーリー終盤でバルドルは隠された自らの秘密を明かされる。

 それなら次回作では……! と言いたいところなんですが、残念ながらいまだ次回作『Too Human 2』の正式発表は行われていません。シリコンナイツの代表であるデニス・ダイアック氏は、2010年春頃に海外ゲームメディアで3部作すべての制作を表明していますが、少なくとも表立って進展は見られないというのが現状です。

 PCにて『Diablo』が1997年に発売されてから、こういったさまざまなハック&スラッシュタイプのゲームが登場してきました。そのなかでも本作は、爽快感という点では群を抜いて素晴らしい作品であると思います。達成感の乏しさの解消とオンライン4人協力プレイが実現できていたら、本作は真の意味で名作として評価されていたのかもしれません。

Too Human is a trademark of Silicon Knights, Inc., with registrations pending around the world. All rights reserved.
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