アクションは好きでもパズルは苦手！ そんな脳筋ゲーマーに『クウォンタム コナンドラム 超次元量子学の問題とその解法』をプレイさせてみたら……？

文：コジ

■パズル要素とアクション要素がほどよく絡み合った難易度

　最初のステージは簡単な謎解きから始まり、その解き方を踏まえたうえで次のステージでは応用問題的な謎解きをと、パズル要素の難易度は段階的にステップアップしていきます。謎解きに詰まった時は、これまでに解いた仕掛けを思い出しながら、とにかく手当たりしだいにスイッチを押してみたり、今できることをひと通りやってみたりすると、なんとなく仕掛けの流れがわかってきます。

　とりあえずの行動で“解けてしまう”のではなく、“解き方が見えてくる”というところがポイント。解き方が思いつかなくても、何をすればいいのかまったくわからないわけではないので、パズルゲームが苦手な私でもほぼ全ステージ自力で解法にたどりつけました。ただ、1カ所だけ解き方がわからずつい人に聞いてしまいましたが、“どうにかする場所”は合っていたので、もう少し頑張ればなんとかなったかと思います。

▲プロフェッサーQの話には、謎解きのヒントがたくさん含まれています。謎解きに詰まった時は、ステージをリスタートしてまた最初から話を聞いてみるのもいいでしょう。

　解き方がわかったからといって、スムーズにクリアできるとは限りません。ジャンプや次元を切り替えるタイミング、素早い移動や視点の操作など、アクション要素の部分が残っています。けっこうシビアな操作を求められるステージもあるので、アクションゲームが得意でないとちょっと苦労するかもしれません。

　ただ、このアクション要素の入り方も決して唐突なものではなく、パズル要素からの応用になっています。まずはパズル要素を解くことで仕掛けの挙動や次元切り替えの効果を覚えて、そこで覚えたことがその後のアクション要素に組み込まれていくといった流れになっており、このバランスのよさが脳にほどよい刺激を与えてくれるのです。また、ステージ内で1つの仕掛けを解くごとに細かくオートセーブされるので、リトライがさほどストレスに感じないのもいいところですね。

■ありえないけれど理にかなった物体の挙動に思わず感心！

　プレイヤーが起こすアクション自体はシンプルなのに対して、それによって起こるリアクションが秀逸で、自分がやったことであるにもかかわらず「なるほど！」と思わずにはいられないことが多々ありました。というのも、次元が切り替わるといった通常ではありえない状況下でも、物体の挙動は理にかなっていて「ここで次元をこうすると、こうなるんだ」と納得がいくため、その挙動を組み込んだ仕掛けの巧妙さに感心してしまうのです。すべてが“物理の法則”に従っていて、その挙動にも違和感がなく、次元の切り替えをコントロールする感覚がすごく心地よかったです。

▲回るファンの前にふわふわ次元で軽くした物体を置くと、風に吹き飛ばされて反対側の壁に貼り付きます。

　特におもしろいと思ったのが、さかさま次元と物体の慣性について。物体が動いている途中で次元を切り替えると、慣性を引き継いだままその次元における物理の法則に従って挙動が変化するのですが、そこで物体がどう動くのかを予測するのはなかなか楽しいものです。現実にはありえない挙動だとはいえ、物理の法則自体は誰もが普段から体感していることなので、頭の中で想像しやすいのでしょう。

▲物体が自由落下している時にさかさま次元に切り替えても、物体には下向きの慣性が働いているので、すぐには上向きに落下しない。重力の方向は反転しても慣性の方向は反転しないので、それを計算に入れた操作が求められます。

▲飛んでいくソファーの上に乗っかり、通常の次元とさかさま次元を切り替えて上下に移動しつつ慣性で前に進んでいく仕掛け。

→一度クリアした後もまだまだ楽しめるんです！（3ページ目）

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