『ビジュエルド』のシステムとソーシャルゲームの要素が融合！ 『ビジュエルド伝説』のシニアプロデューサーが開発秘話を語る

文：電撃オンライン

■自分たちの得意なことを盛り込んだ『ビジュエルド伝説』

――先日配信された『ビジュエルド伝説』は、東京オフィスが中心となって開発されたと伺いました。本作の開発経緯を教えてください。

　ご存じのように、ポップキャップ・ゲームズはグローバルな会社です。ここで指すグローバルとは、多くの場合で北米と欧州を意味します。それら2つのマーケットは似ているので、北米でヒットすればヨーロッパでもヒットすることが多いですし、逆もまたしかりです。

　我々東京オフィスの使命は、ポップキャップ・ゲームズのブランドを日本国内で広めること。それをするために生まれたアイデアが、日本発のモバイルソーシャルゲームの形をとった『ビジュエルド』を作った経緯です。

　日本のモバイルソーシャルゲーム市場で『ビジュエルド』を流行らせるのは、ポップキャップ・ゲームズにとって『ビジュエルド』を世界中で流行らせることを達成する1つの手段になります。

　日本のモバイルソーシャルゲームのシステムはユニークです。現在、その概念が日本以外の市場で受け入れられ始めています。なので、我々がモバイルソーシャルの市場で成功するということは、そのまま北米や欧州に出していくことができる。それらを踏まえて、東京オフィスで開発することになりました。

――『ビジュエルド伝説』は、他の作品と比べて世界観や物語性を重視しているようなイメージを受けたのですが、いかがでしょうか？

　いい質問ですね。日本で作られた『ビジュエルド伝説』にストーリーや世界観が入っているのは、日本市場を意識した結果です。北米で『ビジュエルド』について聞いてみると、皆さんが「ただのおもしろいパズルゲーム」と答えるでしょう。

　一方で日本のゲーム市場を見ると、キャラクターがいたり物語性があったりした方が没入できることがわかりました。それらを『ビジュエルド』に組み込むことで、誰からも身近に感じてもらえる作品にしようとしたのです。

――遊んでみて、ストーリーやミッションが違和感なく入っていることに驚きました。

　誰もが親しみやすいゲームにするために、物語やミッションを入れたことが受け入れられるのであれば、『ビジュエルド伝説』は海外でもヒットすると思います。実際に、アジアや北米のオフィスにいるスタッフからは、すごく高い評価をもらっています。ミッションがあるので、これまでとは別のモチベーションで遊べて、物語に没入できると。

――日本のソーシャルゲーム市場を意識したということですが、ゲーム性を削り、もっと気軽に楽しめる作品とすることもできたと思うのですが、ゲーム要素を残したのはあえてなのでしょうか。

　ソーシャルゲームのシステムは、あまりゲーム的な要素が中心に置かれていないゲームから始まっているように思います。我々は、現在の“ソーシャルゲーム時代”は大事だと考えているし、無視することはできません。しかし、既にある他のゲームと同じ仕組みでゲームを作るべきと考えているかといえば、そうではないのです。原点に戻るのですが、ポップキャップ・ゲームズとして一番大事なのは、誰でも楽しめて、なおかつおもしろいこと。そこを外してゲームを作るのは、そもそも得意じゃないんです。そのため、今回は『ビジュエルド』の要素を中心に据えつつ、ソーシャル的な要素が入っている作品を作りました。

　さらに言うと、“ソーシャルゲーム時代”は動いています。市場は、僕らが望むようなゲームがしっかり入っているところに向かっていると考えています。例えば、最近ヒットした『パズル＆ドラゴンズ』は、今までのソーシャルゲームになかったようなゲーム的な要素がしっかり入っている。このようにユーザーがしっかり楽しめる作品は今後も増えてくると思いますし、そのほうがやりやすいと感じています。

――通常の『ビジュエルド』と差別するために、バランス調整の苦労したことはどこですか？

　苦労したのは、既存の『ビジュエルド』に対して我々が加えた、ミッションやボスという要素のバランス調整です。例えば、とあるミッションは50,000点を取ることでクリアできるのですが、ポップキャップ・ゲームズのメンバーでこの点数を取れない人はいないんですね。

　ただ、これまで『ビジュエルド』を遊んだことがない人にとって、このスコアがどれくらい難しいものなのかが、わからない。この調整は苦労したところですが、一方で楽しかったところでもあります。

　話は戻るのですが、我々のゲームは、ライトユーザーだけでなくコアなユーザーも楽しめないといけない。初めて遊ぶ人にバランスを調整しつつ、『ビジュエルド』をプレイしている人も満足させるバランスにする。そこには気を使いましたよ。

開発者による攻略は3ページ目で！

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