2012年10月9日(火)
――nob0117さん他、多数の方からいただいた質問です。「体験版を何度も配信するというのは新しい試みですが、そのようなことをしようと考えるに至ったきっかけはなんでしょうか?」
浅野:自分のまわりにはオンラインゲームやソーシャルゲームを作っている人が多いのですが、ユーザーの反響や反応を見ながらクオリティアップを続けていくというのがうらやましくて、それをやってみたかったというのがきっかけです。
体験版配信の流れとして、イベント、街、バトル、ダンジョン、総まとめという形でだんだん要素を増やしていくというのは、早い段階から決まっていました。実機の3DSでしか見られない街のグラフィックの立体感や、“ブレイブ”と“デフォルト”のバトルシステムについては、実際にプレイしていただくのが一番手っ取り早いので、しっかりアピールしたいなと。
中原:最初に聞いた時は「体験版を5つって、正気ですか?」と思いました(笑)。ゲームの序盤を切り出すのではなく、本編の開発と並行してオリジナルのものを5つも作るという形で、開発的にはかなり苦労したのですが、めったにない経験をさせてもらって楽しかったです。
普通は開発の段階でユーザーさんの声を聞ける機会はほとんどないのですが、今回は体験版のたびにそれを聞けて、なおかつゲーム中に反映できたので、おもしろい作り方だなと思いましたね。
▲Vol.1では風のクリスタルの神殿を移動して少しイベントが見られる程度だったが、最後の体験版はそれまでの要素がすべて詰まっており、かなりのボリュームに! |
――次の質問も、クルースニクさんをはじめ、たくさんの方が気になっているようです。「セーブデータは通信システムの都合上1つのみとのことですが、周回プレイや、ミスると取り返しのつかない要素の有無について教えてください」
中原:コンプリートに関係するものについて取り逃がすことはないのでご安心ください。1つのデータでやり込み続けられる仕様になっています。その部分に関しては不備がないよう、特に気を使いました。
浅野:セーブデータを1つにした理由として、すれちがい通信を行う場合に2つ以上のセーブデータがあると、どのセーブデータとすれちがいを行うかなど、設定が難しくなってしまうんです。特に何も考えずに持ち歩けばいいというほうが利便性が高くてわかりやすいので、このような形にしました。
▲9月に配信された体験版を遊んだ人からの評価が高くて、安心したとのこと。かなりボリュームがあり、製品版への引き継ぎ要素もあるので、まだ遊んでいない人はぜひ! |
――次は、ほいっぷさんからの質問です。「情報の初出から発売までとても長ーい開発期間だったと思いますが、開発がつらかった時期と楽しかった時期、それぞれのエピソードが聞きたいです!」
中原:つらかった時期といえば、全部なんですけど(笑)。一番大変だったのはバランス調整でしたね。作っている最中に「大丈夫? これ」とか言われながら何回も調整を重ねて、これなら大丈夫というバランスに仕上げるのに時間がかかりました。
アビリティの数が膨大なので、それを実装しながら調整しながらバグを取るというのが大変でした。楽しかったのは、今まで仮のものだったグラフィックやイベントシーンなどがどんどん本番のものに差し替わっていく瞬間ですね。イベントシーンはボイスなしでずっと見てきたのですが、ボイスが入った途端にまるで別物のように臨場感がアップしました。Revoさんの音楽もそうですけど、でき上がったリソースが一気に入ってくる時が一番楽しかったですね。
浅野:企画立ち上げ時に“国内向けの新作RPGを作る”というコンセプトを周囲に理解してもらうのには苦労しましたね。シリーズものではなく完全新作となるので、そのプレッシャーは大きかったです。
楽しかった時期としては、今が一番楽しいです(笑)。最後の体験版がけっこうなボリュームで、これがユーザーさんにどう受け止められるか不安なところもありましたが、皆さんにすごく楽しく遊んでもらっていて、発売までの期待が高まっていると感じていますので。
→Revoさんが手掛けた音楽について聞きました!(3ページ目へ)
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