2012年10月26日(金)
日本ファルコムが9月27日に発売したPS Vita用ソフト『イース セルセタの樹海』。その開発秘話満載のインタビューをお届けする。
▲日本ファルコムの社長であり、『イース セルセタの樹海』のプロデューサーを担当した近藤季洋さん。 |
――まずはそもそも、本作を開発することになったきっかけと、目指したコンセプトについて教えてください。
『イース』シリーズ25周年を記念する作品を作りたいという部分もありましたが、元々のきっかけはセルセタのエピソードを我々自身が1回もゲーム化していない(日本ファルコムの原案をベースにしたライセンス作品のみ存在)ので、いつかはやろうと思っていました。もう10年以上前から出ていた話ですが、25周年というタイミングのよさと、新ハードとなるPS Vitaの話を企画の初期段階でSCEさんからいただいていたので、そういったタイミングが重なって開発が始まりました。
――普通に考えると、新ハードの1作目は完全新作ではなく、移植作品などで開発のノウハウをためるという流れもあったと思うのですが、『イース』シリーズの最新作を投入することはスムーズに決まったのでしょうか。
チャレンジではあったと思いますけど、せっかくの新しいハードですからね。初期は移植的なタイトルが多くなると予想できましたが、逆にそういう中で新作を出せたらおもしろいとも思いました。だから、チャレンジではあるけれども、ぜひやってみようとスムーズに決まりました。
▲1987年にPC用ソフトとして第1弾が発売され、今年で25周年を迎える人気A・RPG『イース』シリーズ。その最新作はPS Vitaで9月27日に発売された。 |
――新ハードということで、開発で苦労された部分はありましたか?
基礎研究的な部分には、やはり時間はかかりました。PS Vitaになってできることもたくさん増えたので、開発していて大変だった部分は……まあ、よくよく考えるといろいろありましたけど(笑)、全体的な印象としてはスムーズだったと思います。むしろ、PSPで作っていた時よりも理想的な形に近づけることができたので、ゲームの完成度的にはすごくよかったと思いますよ。
――細かなタッチ操作の気持ちよさとか、ストレスを感じずに遊べました。
メニュー周りの操作を全部タッチで行えることは、一見すると地味ではあるんですけど、実はアクションの中に組み込んでみると非常に操作がしやすくて、ゲームのテンポを崩さないんですよね。これはテストプレイの際にも顕著で、タッチ操作とキー入力による操作とどちらが遊びやすいかを聞いたら、断然タッチ操作が好印象でした。ユーザーさんからもタッチ操作が遊びやすいという声をいただいているので、タッチ操作を導入してよかったです。
――個人的に、魔法具やアイテムの選択、地図の確認は、タッチ操作オンリーで遊んでいました。キー入力でメニュー画面を開いて選択をすると、どうしてもツーアクション、スリーアクションとなってしまう部分が、タッチ操作ではダイレクトに選べるので、とにかくテンポがいいんですよね。
そういったメニュー画面の階層をなくして、ダイレクトに選べるというのは、アクションゲームとしては非常にうれしいですよね。
▲画面上のアイコンをタッチすることでダイレクトにメニュー画面で移行できる他、タッチ操作を使ったパズル的な謎解きも用意されている。 |
→作品のキーワードは“樹海”と“記憶喪失”!(2ページ目へ)
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