『龍が如く5 夢、叶えし者』はゲーム界随一の“超絶豪華な幕の内弁当”であるッ！ 【電撃PSプレゼンツ この冬はこれで遊べ！】

文：電撃PlayStation

■そして『龍が如く5』はどのような“進化”を遂げたのか？

　さて、ようやく本題の『龍が如く5』についてですが、本作は前述のようなシリーズの魅力が究極まで詰まった、シリーズ最高峰の作品と言っても過言ではありません。いやホントに。

　まず、本作の大きな特徴として、物語の軸となる5人の主人公と、舞台となる5つの都市の存在があります。ちなみにナンバリングタイトルとしての前作『龍が如く4』でも4人の主人公がおり、複数の主人公の立場から1つの大きな事件が描かれていましたが、その手法自体は今回も変わらず。ですが、本作は“夢”というテーマを5人5様の形で描いていること、そしてそのドラマを風土の異なる5つの都市を舞台に描いているのが、前作との大きな違いになります。

▲従来のシリーズで迷いのない信念をプレイヤーに示してきた桐生一馬。だが本作では、大切な人の夢のために過去を捨て、福岡・永洲街で暮らしており、そこでは自分自身の“夢”の形に迷う桐生の姿が描かれる。

▲前作で25年の獄中生活から脱しながら、仲間たちとの“夢”のために、北海道の刑務所で再び身を洗おうとする冴島大河。しかしその夢はもろくも崩れ去り、彼はその真実を知るため札幌・月見野の街を目指す。

▲これまで桐生とともに暮らしてきた澤村遥。彼女は自分、そして自分に想いを託した人々のため、桐生と離れた大阪・蒼天堀の地で、アイドルという“夢”の実現に向けて奮闘する。

▲自分の経営する街金融・スカイファイナンスの支店設立のために大阪を訪れた秋山駿。そこで遥と出会った彼は、その“夢”を助けるべく動き出す。

▲かつて野球賭博疑惑により、たった一度の打席で野球界を追放された品田辰雄。現在は名古屋・錦栄町で風俗ライターとして極貧生活を送る彼は、1人の男との出会いをきっかけに、自分の失った“夢”の真相を探ることになる。

　……といった5人の主人公が4つの都市でドラマを紡ぎ、そのドラマの終着点となるのが、シリーズおなじみの舞台となる東京・神室町になるわけですが、とにかくそのストーリーは「一度プレイしたらやめられない」のひと言。“先が気になる”度合いはシリーズNo.1と言ってもいいでしょう。第一部となる桐生編のラストですら、もうすでに盛り上がりがハンパないです。

　その一方で、メインストーリーそっちのけで後述のアナザードラマやサブストーリー、街のさまざまな遊び要素に夢中になってしまうという矛盾も、これまでのシリーズ以上（笑）。どの主人公も異なるゲーム性とおもしろさがあるのですが、個人的に新鮮だったのは、ダンスバトルという、まったく新しいシステムをひっさげ、シリーズ初の女性主人公となる遥編と、シリーズで最も情けない、でも最も人間臭いエピソード＆サブストーリーが満載の新キャラ・品田編でしょうか。

　あと、登場するサブキャラクターに魅力あふれる人物たちが多いのも本作の特徴。序盤から登場する近江連合の若頭・渡瀬や、桐生の勤めるタクシー会社の社長・中嶋、冴島の同房の仲間たち、遥の才能を見出した朴社長、品田の奇妙な相棒となる高杉などは、特に“濃い”魅力が満載です。

▲近江連合若頭・渡瀬勝（CV：西凜太朗）。過去作で真島吾朗や郷田龍司といった登場人物が好きだった人なら間違いなくツボに入る男だ。

▲遥の所属するダイナチェア芸能事務所の女社長・朴美麗（CV：朴 ろ美 ※ろは王へんに路）。彼女の“夢”をきっかけに、桐生と遥の人生は大きく動き出すことになる。

　次に全国5都市の描写についてですが、こちらの再現度もスゴイ。東京・神室町と大阪・蒼天堀は過去の作品でも登場済みですが、新たな都市である札幌・月見野、名古屋・錦栄町、福岡・永洲街も、一度各都市を訪れた人なら、モチーフとなった街の再現度に感動するはず。未訪問の都市については、まさにゲーム内で旅行気分が味わえます。

→ある意味、本作の真骨頂“アナザードラマ”（3ページ目へ）

(C)SEGA

データ

関連サイト

• 『龍が如く5 夢、叶えし者』公式サイト
• 電撃オンライン内特設ページ“電撃PlayStationプレゼンツ この冬はこれで遊べ！ タイトルラッシュ2012”