2013年2月20日(水)
それでは最後に、開発スタッフの方のショートインタビューをお届けします。お話をうかがったのは、今回ルールを教えてもらったシルバーブリッツの木村翔平ディレクターと、営業部の片桐知也部長です。(インタビュー中は敬称略)
▲画像左が片桐部長、右が木村ディレクター。 |
――ソーシャルゲーム『天空のスカイガレオン』をTCG化することになった経緯を教えてもらえますか?
木村:『天空のスカイガレオン』はちょうど2年ほど前にリリースされたんですが、私もそのころからmixiでプレイしていました。ソーシャルゲームでSNSが主体となっていたので、オフ会も開かれていたんです。私が初めて参加した新宿のオフ会が大きめの規模のもので、そこで当時のプロデューサーの矢代修隆さんにお会いしたんです。私は弊社に入社して2カ月ぐらいのころでした。その場では「いつか一緒にお仕事ができたらうれしいですね」といったお話をしたんですが、さらにその1カ月後にお返事をいただいて、TCGの企画が決定したんです。
――すごいですね。入社してすぐにオフ会に行ったら、遊んでいたゲームのTCG化が決まってしまうとは……。オフ会で決まるというのも、ソーシャルゲームらしい気がしますね。
木村:えぇ。片桐に話をした時もびっくりしていました(笑)。ソーシャルゲームのカードゲームというのは、話題性もあっていい企画だとは思っていたのですが、私がカードゲームを作るのが初めてだったので少し不安はありました。ですが、私は元々カードゲームのプレイヤーでしたし、ソーシャルゲームの『天空のスカイガレオン』も遊んでいましたので、仲間を巻き込んで盛り上がれるようなゲームにしたいなと思っていました。
――オフ会に参加するということは、やはり『天空のスカイガレオン』もやり込んでいたんですか?
木村:当時は20個ぐらい階級がありまして、上から3番目の“中将”という階級にいました。その上に“大将”と“上級大将”という階級があるんですが、その後何度か“上級大将”になって、今は“大将”に収まっています。ランカーの部類には入ると思います(笑)。
――かなりやり込んでいますね(笑)。『天空のスカイガレオン』を始めたキッカケはなんだったんですか?
木村:mixiは、友だちが遊んだゲームの履歴などが残るじゃないですか。一時期、○○さんが『天空のスカイガレオン』を始めました、カードを手に入れました、といったメッセージで僕のmixiが埋まったんですよ(笑)。それを見ていて、「なんだなんだ、楽しそうだな」と思いまして。天の岩戸のような話ですよね。
――『天空のスカイガレオン』の魅力について教えていただけますか?
木村:『天空のスカイガレオン』はTCGとそん色ないぐらい、考えることができるゲームなんです。ですので今回のTCGも、実物のカードで友だちと一緒に考えながら遊んでみたいと思い、企画を提案しました。
――先ほどカードゲームのプレイヤーでもあったとお話がありましたが、メインで遊んでいたのはどのゲームだったんですか?
木村:『Lycee』ですね。大分頑張っていました(笑)。
――なるほど、それでシルバーブリッツさんに入社されたわけですね。
木村:『Lycee』は非常に対戦が楽しくて、いろいろなところに行って遊んでいました。ですので、『スカイガレオンTCG』を広めやすいんです。地方に行っても、いろいろな人があいさつをしてくれるのは、『Lycee』のお陰だと思いますね。
――それは元プレイヤーならではのエピソードですね。ソーシャルゲームをカードゲーム化するにあたっての苦労はありませんでしたか?
木村:ATを上げたり下げたりする数値の変化の処理が、ソーシャルゲームでは当然コンピュータで行われるんです。その係数が、0.7~0.1などになってしまうんですが、当然ゲーム中の数値はそれを考慮したうえで設定されたものなんですね。カードゲームで“0.7上昇する”という処理は複雑すぎてできませんので、いかにソーシャルゲームの感覚を残しつつTCGに落とし込むかが難しかったです。何度もテストプレイを重ねて、ようやくまともな対戦ができるようになりました。
――根気がいりそうな作業ですね……。
木村:『天空のスカイガレオン』で、《C かまかぜ》と《UC ジン》を使った“かまかぜジン”というコンボがあるんですが、そういったコンボなども再現したかったので、ステータスを調整しました。ただ、思っていたより数値をいじらなくても、コストバランスなどは大丈夫でしたね。「コイツが2回攻撃したらコイツは落ちるだろう」といったプレイ感覚から、HPを調整することは多かったです。
片桐:ソーシャルゲームの雰囲気は残したかったんです。ですので、全体のバランスを考えながら、その感覚を再現するのは試行錯誤でしたね。
木村:とはいえ、強いカードがないと買ってもらえないので、ソーシャルゲームの感覚は残しつつ、TCGなりのバランスを目指しました。
――特技の効果などは、基本的に『天空のスカイガレオン』のままなのですか?
木村:ATをアップさせたりする効果などはそのままなのですが、『天空のスカイガレオン』には“行動済み”という概念がありませんので、“相手を行動済みにする”といったような効果はTCGオリジナルのものになっています。『天空のスカイガレオン』では、“行動済みにする”といった効果は、“行動確率を100%下げる”というものになっています。
――他に『天空のスカイガレオン』と異なる部分はありますか?
木村:『天空のスカイガレオン』では、同じカードを掛け合わせると、カードが強くなるという仕組みがあるのですが、TCGではそれを再現できませんでした。ですので、カードがレベルアップしていくということはないですね。
――確かにTCGでは再現が難しそうですね。『スカイガレオンTCG』は、イラストが似たカードがあるのも、『天空のスカイガレオン』をそのままカード化しているからなのでしょうか。
木村:はい。体験会のカードはかなり似ているのですが、製品版では片方を光るカードにして、もうちょっとはっきり区別できるようにするつもりです。
▲こちらの2枚は別のカードなのですが、騎士が首を持っているかいないかというだけで、パッと見ほぼ同じ。製品版では《R デュラハン》が光るようになるそうです。 |
――TCGから始めるプレイヤーには、どのように遊んでほしいですか?
木村:TCGでひと試合終わったら、ソーシャルゲームをプレイするといった具合に、ソーシャルゲームと一緒に遊んでほしいですね。公式大会では、大会の合間にそういった光景が見られると思っています。
――体験会に参加したユーザーさんの反応はいかがですか?
木村:一番多く言われるのは、“ダメージカウンターが少ない”ということですね。体験会では、専用のダメージカウンターを用意していたのですが、少し足りなかったと感じました。実際には、カウンターの数字を増やして、両面印刷にすれば対応できるかなと思っています。
片桐:ダメージカウンターを使うところが、一般的なTCGとは少し異なるかなと思います。先手と後手が入れ変わらないというのも他のTCGにはありませんし、カードゲームファン以外に、たとえばボードゲームユーザーの方などにも楽しんでいただけるのではないでしょうか。
――ダメージカウンターを、今後製品として販売される予定はありますか?
片桐:現状では、体験会や大会などで配ろうと思っています。
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