2013年4月24日(水)
佐々木:これだけロゴについて偉そうに語っちゃったけど、正直『DOD3』ってうちのチームで宣伝を担当するとは思ってなかったんですよね。『DOD1』、『ニーア』を売ったチームの仕事だと思ってたんですよ。
松下:まぁ、あちらのチームも別のプロジェクトで忙しそうですからね。
佐々木:だからね、いきなりっていう言い方はおかしいけど、予備知識が少ないままに『DOD3』の担当をすることになって、この作品をいったいどういったとらえ方をすればいいのか、ずっと悩んでいた気はする。
ヨコオ:そんな大袈裟なシリーズじゃないと思うんですが……って僕が言うのもどうかと思いますけど。
佐々木:いやいや。ヨコオさんと仕事をすること自体が初めてなうえに、『DOD』シリーズや『ニーア』から引き続き、ものすごい愛を注いでくれるファンが大勢いるタイトルを担当するということで、これはヘタなことできないぞって。正直、いろいろ考えたんですよ。
染谷:(佐々木さんの前にデザートをそっと置く)
佐々木:だから、そういうファンのみなさんに嘘をついたりすることなく、真正面から向き合うために、どこかのタイミングでヨコオさんとは、腰を据えて話をして、ていねいにご意見をうかがったりしたいとずっと思っていたんですよ。そういう意味でも、今日のこの座談会はありがたかった。ヨコオさんには重荷かもしれませんけど。
ヨコオ:重荷ではないですけど。さっきも言いましたが、文句をつけるところからやり取りが始まったことがすごいなーと思いながら、僕はメールで、「ない。ちょっとないです」みたいな話を全員返信で投げるみたいな……。こう、無茶苦茶をしてますしね。
佐々木:ヨコオさんは気にしてくださっていますけど、結果として僕、ロゴはすごくよくなったと思ってるんですよ。今の『ドラッグ オン ドラグーン』のロゴになったなとすごい感じるんで。
ヨコオ:僕も気に入ってます、このロゴ。最初に見た時に思ったのは、これまでシルエットだったドラゴンを、陰影を抜いて使ってるんですよね、今回って。これは今までと違うぞって。
松下:たしかに。こうやって見ると全然違った印象ですよね。
ヨコオ:これ、最初はデザイナーさんがIllustrator(イラストレーター)のプラグインかなんかで、画像をびゃびゃびゃびゃって加工してちょっと微調整したくらいの、いわゆる手抜きの処理をしたなって思ってたんですよ。
佐々木:はい。
ヨコオ:でも、よくよく見ると『DOD1』とも『DOD2』とも違う、新しいビジョンを提示しているなって思えて、素直にいいなぁと思えたんですよね。
佐々木:デザイナーさんからはいろいろな案が出てきたんですけど、そのヌキの加工とかっていうのはすごくピンときたんですよ。だからこれは1つの案として、同じシルエットだとしても、抜いたバージョンと抜いてないバージョンの両方を見せてほしいっていうお願いをしたんです。
ヨコオ:これ、いいと思います。なんだろう、縛られてない感がすごいして。正直に言うと、ドラゴンの羽のあたりとかって、絵を抜いているぶん、形状がわからなくなってぐちゃってしていますけど。そんなことより、情報が多くあることが『DOD』っぽくないなって。すごくよかったです。ありがとうございます。
佐々木:結果的に『DOD』っぽいイメージにはちゃんと落ちついたと思うんですよ。まったく変えちゃうのもこちらとしてはアリなんだけど、ユーザーさんが見た時にちゃんと親和性があることも重要だと思いますしね。
ヨコオ:佐々木さん、いいお話をしてくれている時にごめんなさい。安井さん、それ僕のデザートの食べかけなんですけど(笑)。
安井:あれ? じゃあ僕のデザートは……ない?
染谷:(慌てて安井さんの前にデザートを差し出す)
▲『DOD3』のロゴのバックにデザインされたシルエット。『DOD1』や『DOD2』ではシルエットでしか入っていなかったドラゴンの姿を、加工しているとはいえしっかりと見せているのが特徴だ。 |
→『DOD3』にサブタイトルがつかなかった理由(4ページ目へ)
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