2013年9月7日(土)
国民的ハンティングアクションとして、期待を一身に集める3DS用ソフト『モンスターハンター4』。発売直前となる今回、開発秘話はもちろん、今作の肝となる高低差のアクション(そこから生まれる新たな立ち回り&コミュニケーションも)、武器の新要素など、気になっていることを辻本プロデューサーと藤岡ディレクターに時間が許す限り聞いてきました。それではどうぞ!
▲辻本良三プロデューサー(写真左)と藤岡要ディレクター(写真右)。毎作品でインタビューさせていただいておりますが、今回も濃密なお話をうかがうことができました。 |
――発売間近でお忙しい中、本日はお時間をいただきましてありがとうございます! 今日は『MH4』について、いろいろお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
辻本:こちらこそよろしくお願いします。そういえば、野村さんからのインタビューって久しぶりですね。
――言われてみると、『MH3(トライ)』か『MH3(トライ)G』以来でした。すっかりご無沙汰しております。さて、早速インタビューをさせていただきます。『MH(無印)』『MH2(ドス)』『MH3(トライ)』と、今までナンバリングタイトルは据え置き機で展開し、それをベースに携帯機で『MHP 2nd』や『MHP 3rd』などを出してきたと思いますが、今回は初めて携帯機でナンバリングを出すという形になりました。従来の発売から流れが変化したわけですが、開発を進めるうえで変わったことや新たに挑戦したことはありますか?
辻本:ナンバリングという意味で言うと、ナンバーが付くタイトルはすべてナンバリングと呼んでいるので、『MHP 2nd』も『MH3(トライ)』も『MHP 3rd』も、すべてナンバリングタイトルという扱いです。
ナンバリングタイトルの開発って、だいたい2年か3年かかるんですが、「4を作ろうか」「4を出す時にモンスターハンターってどうなっているかな」といったことを藤岡と話していた頃というのは、『モンスターハンター』シリーズをプレイしてくれる方が相当多くなってきた状況でした。『モンスターハンター』でユーザーの方が一番遊んでいる部分、いわゆるアクション部分に対して、変な話、飽きがくるんじゃないかとか、慣れてきたんじゃないかとか、そういった感覚の人も当然増えてくるだろうし、作っている方としても、このままのアクションで『モンスターハンター』がずっと継続するとは思っていませんでした。
そこで今回の『MH4』は、一番基礎となるアクションの部分に対して「何らかのステップアップを考えよう」「そのための時間をとろう」という話をして……。そのうち、高低差や壁のアイデアが藤岡から出てきて、ストレスフリーなアクションのさらなる追求という、藤岡がずっと考えてきた部分も含め、それらを実現する開発ターンに入っていくという流れがありました。
――お話の中で“飽きる”というフレーズが出てきましたが、作り手として“飽きてきた”部分ってありましたか?
藤岡:飽きてきたわけではありませんが、アイデアの枯渇というか……。今までのシステムをベースに、作品を重ねるごとに新しい要素を乗せ続けるというのは、「これはこのアイデアとぶつかるし、これはこれとぶつかるし……」といったことが往々にして発生し、アイデア自体がどんどん細くなっていってしまうんです。そして、思い切ったことができなくなっていく。新しい鮮度のあるアイデアを目いっぱい入れられないことを、作り手側として感じていました。
あと、普通に『モンスターハンター』というゲームを1つのアクションゲームとして見た時、ベースとなっているのは9年ぐらい前に発売されたゲームなわけです。それを考えると、『MH4』の発売タイミングでは、時代を感じさせるゲームになってしまうんじゃないかというのが僕の中にありました。今の世代、次の世代に対するアクションゲームとして考えた場合、もっといろんなことを考えなきゃいけないというか、もっといろいろ挑戦しないといけないのかなというのがあって……。どちらをするにしても、作り手のアイデアの出し口をもっと広げる必要があり、そもそもユーザーの方に、もっと鮮度のあるアイデアやアクションゲームをお渡ししたいというのもありました。
オンラインゲームとしての『モンスターハンター』で考えると、昨今の携帯機のゲームはオンラインにつながるので、自分たちが今までやってきたことと考えてきたことはそのまま乗せられる。また、携帯機で培った経験もふんだんにあるので、それも乗せられます。『モンスターハンター』というキーワードが失われない、一番いい形となると、携帯ゲーム機との相性がよく、今の世代と次の世代に『モンスターハンター』を感じてもらいたいと思いました。そして、『モンスターハンター』を1つのアクションゲームとして考え、今回のような高低差を含めたアプローチになっています。
▲1つのアクションゲームとして、時代に即した形に進化した『MH4』。「オンラインゲームとしての『モンスターハンター』で考えると」という藤岡さんの言葉から、シリーズ共通のコンセプトの1つとなっている“オンラインゲームとしてのおもしろさ”を、今作でも追求していることがうかがえる。 |
――結局、何年ぐらいかけて開発したことになるんですか?
辻本:構想期間も含めたら、3年弱ぐらいかな?
――2年前の“ニンテンドー3DSカンファレンス 2011”で初めて『MH4』が発表されたじゃないですか。あの時点でどのぐらいまで開発が進んでいたんですか?
藤岡:ある程度は作れていたんですよ。
――動いている映像が出展されたので、結構開発が進んでいるんだなと思ったことを記憶しています。
藤岡:あの時点で、クエストとして遊べるものはあったんですよね。あれからもう、2年ぐらい経つんですか……。
辻本:無駄話とか構想で言ったら『MH3(トライ)』の開発が終わって、食事を食べに行ってからの話になりますね。
藤岡:構想自体は早くからスタートしていて、『MH3(トライ)G』と並行しつつって感じでした。
→シリーズ共通のこだわりと、ロゴのコンセプトとは?(2ページ目へ)
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