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2013年11月8日(金)

『ガールズ&パンツァー』にも登場する『World of Tanks』の戦車を、アニメカットとともに解説! 【めざせ! 戦車道免許皆伝 第6回】

文:田中尚道

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■M4までのつなぎとして活躍する【M3Lee】(Tier IV)

『World of Tanks』 『World of Tanks』

 1年生チーム(ウサギさんチーム)が乗り込む戦車は、アメリカの【M3Lee】。この戦車、いろいろとややこしく、Lee(リー)とGrant(グラント)という、同じ2種類の車両があります。Leeがアメリカ軍の制式採用車で、対するGrantがイギリス軍のオーダーで砲塔を変えたもの。ドイツのフランス侵攻により多くの戦車を失っていたイギリスは、アメリカに戦車の製造を依頼したものの、当時のアメリカは戦車開発の後進国。とりあえずアメリカ陸軍で採用されているLeeの砲塔に無線機を内蔵するという、イギリス軍の注文を反映させました。これにより、砲の口径は変わらないものの、砲塔は大型化した“グラント戦車”が誕生したわけです。

『World of Tanks』
▲砲塔の一番上には、7.62mm機銃を積んだキューポラ(砲塔)があり、M3Grantではこれが廃されて、その分だけ37mm砲塔が大きくなっていました。

 現在のところ、残念ながら『WoT』のイギリス軍ツリーに“グラント戦車”はおりません。まあ、100%アメリカ製ですし。M3Leeのリーは、南北戦争における南軍将軍のロバート・E・リーから、グラントは北軍将軍のユリシーズ・S・グラントが由来となっています。日本で言うなら足利尊氏と楠木正成とか、そんなところでしょうか。

『World of Tanks』
▲M4と並んでみると、車体の構造や前面装甲などがとても似ています。M3の発展形がM4だということが分かりますね。

 この戦車をややこしくしているもう1つの要素、それは砲が2門あること。M3Leeが登場する頃には、ドイツ軍では7.5cm砲を搭載した戦車が出始めていて、アメリカとしても75mm砲を積んだ中戦車を期待していました。ところが、戦車開発の後進国だったアメリカは、そんなに大きな砲塔持った戦車を作ったことがなく、やむなく75mm砲を車体固定にし、それとは別に37mm砲を車体上部に砲塔として載せました。それゆえに、こんなけったいな格好をしております。

『World of Tanks』
▲砲塔の上に、さらに小さな砲塔が重なるM3Leeの不思議な構造。さしずめ、往年のゲーム機“メガドライブ”のようだと思うのは、小官だけでしょうか?

●『WoT』での【M3Lee】

 M3Leeを手に入れた時、てっきり37mm砲が使えるのかと思っていたのですが、残念ながらゲームの中では車体固定の75mm砲しか使えません。つまり、中戦車という扱いなのに駆逐戦車と同様、相手に向かって車体の正面を向けねばならないのです。しかも、駆逐戦車より圧倒的に背が高く、物陰に隠れるのは苦手。なかなか困った戦車なのですが、車体装備の75mm砲の攻撃力が高く、同Tierで戦う分にはさほど困りませんでした。

 ところが、上位Tierの戦場に放り込まれると、さして厚くない装甲と背の高さがネックになり、悲しいまでの被撃破率を記録してしまうことになります。戦い方としては、駆逐戦車と同じくあまり前に出ず、待ち伏せが吉です。

『World of Tanks』
▲背が高いのが欠点とはいえ、普通の茂みに隠れるくらいなら問題ありません。

■走攻守そろった傑作重戦車【B1】(Tier IV)

『World of Tanks』

 “そど子”こと園みどり子が率いる風紀委員チーム(カモさんチーム)が搭乗するのが、フランスの重戦車【B1】。なおアニメに登場するのは、正しくはその改良型であるB1bisです。ちなみにbisは“2”の意味で、2型とか改とかに相当します。M3Leeと同様、2門の戦車砲を持っていますが、複数の砲塔を持つ“多砲塔戦車”は、1920年代から30年代にかけての流行でした。

 旋回砲塔は全周の敵を攻撃できますが、大きな砲は重いので、それを動かすのは大変でした。ほとんどの戦車は旋回を手動で行っていましたし。ですから、大口径の戦車砲を車体に固定し、小型の戦車砲を砲塔としていたわけです。

『World of Tanks』

 戦車の役割は、榴弾による味方歩兵の支援、徹甲弾による対戦車戦闘の他に、トーチカをはじめとする敵の防御拠点の撃破もありました。動かない目標を攻撃することを想定していたので、車体に固定してあっても問題がなかったのです。ちなみに、M3Leeの75mm砲は左右に若干(15°程度)動きますが、B1の75mm砲は左右に対して完全に車体固定です。

 また、B1の重装甲はフランスに侵攻したドイツ軍にとって脅威だったようで、8.8cm砲以外には、有効な打撃を与えられる火砲がなかったと言われています。エンジンも、B1では120馬力だったものが、B1bisでは300馬力までパワーアップ。軽快とまでは言えませんが、鈍重というほど遅くはなかったようです。

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▲『ガールズ&パンツァー』では「カモに似ている」と言われていましたが、車体前部に砲塔があって、かつ丸みを帯びているので、確かにそう見えますね。

●『WoT』での【B1】

 ドイツのD.W.2とともに、Tier IVから登場するB1ですが、比較するのが申し訳ないほど、B1の方が扱いやすいです。側面の防御こそD.W.2にかないませんが、被弾経始に優れた装甲は敵の砲弾を弾きますし、47mm砲もD.W.2の5cm砲と比べて性能にそん色ありません。

 また、エンジンを300馬力のものに換装できるため、操作にストレスを感じることはないと思います。B1の前段階で使うことになる【D2】があまりにも遅いので、乗り換えた時にはその速さに感動を覚えました。一方、弱点は前後に長い車体でしょうか。側面装甲が薄いので、横からは攻撃を受けたくないのですが、長い車体のせいで建物の陰に隠れても、お尻が飛び出てしまうことがあります。まさに頭隠して尻隠さず。敵に対してはなるべく正面を向くようにして、相手からの攻撃に備えましょう。

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▲装甲の厚さが魅力のB1。軽戦車との撃ち合いなら負けません。

■ガレージがハロウィン仕様に!

 先日のアップデートで、日本の中戦車【Type 3 Chi-Nu Kai】と中国の軽戦車【Type 64】がプレミアム車両としてリリースされ、新マップ“ノースウェスト”も追加されました。さらに、ガレージがハロウィン仕様に! 季節に合わせた催しなので、現在はもとのガレージに戻ってしまっているんですが、次はクリスマス仕様になるのですかね? 細かなことですが、ちょっとした楽しみとして、季節イベントのチェックもお忘れなく。

『World of Tanks』
▲カボチャのランタンやロウソクなどが飾られ、オドロオドロしい雰囲気に一変したガレージの様子。

■うまくいかないもので……

 気分的には、Tier IとIIが初心者向け、Tier III~VIIあたりが中級者向けという感じの『WoT』ですが、そろそろ上位Tierに進もうと思った小官。フリー経験値もたまったので、【StuG III】(III号突撃砲)を開発してみました。ところが、いざ購入となってクレジットが足りず、あわててしまいました。直前に“改良型射撃装置”を買っていて、残高が少なくなっていたんですね……。経験値とクレジット、どちらが足りない状態でも、新しい戦車は買えません。ご利用は計画的に!

●今週の教訓
 経験値とクレジットのバランスが大事!


【『WoT』プレイヤーのおもしろエピソードを大募集!】

 『WoT』の連載企画“めざせ! 戦車道免許皆伝!!”では、『WoT』をプレイしている時に起こったおもしろエピソードを募集します! わずかな戦力で大逆転した経験や、思いがけず発生した突飛なアクシデントの様子など、あなたの好プレイ珍プレイをお聞かせください。ご応募いただいた方の中から抽選で3名に、『WoT』の特製オリジナルカレンダーをプレゼント! 締め切りは11月30日(土)です。

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(C) GIRLS und PANZER Projekt

データ

▼『World of Tanks(ワールド オブ タンクス)』
■メーカー:ウォーゲーミングジャパン
■対応機種:PC
■ジャンル:ACT
■配信日:2013年9月5日
■価格:無料(アイテム課金)

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