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2013年12月21日(土)

PS Vita『魔法少女まどか☆マギカ』富澤祐介P&開発陣にインタビュー! オススメのプレイ方法、それは……“浮気厳禁”!?

文:さくたろう

■最初は“浮気”をしないプレイがオススメ

――合体攻撃である“コンビネーションマジック”や“コンビネーションアタック”は本作オリジナルの要素ですが、これはどのようにして生まれたのでしょうか?

山本さん“魔法少女たちの絆”が本作のテーマとしてありますので、絆が深まることで起きる何かがほしいと思ったんです。ジャンルがアクションということもあるので、それならば戦闘部分で絆の深まりを表現していこうと。

 次に考えたのは「魔法少女2人だったらどうやって攻撃するのだろう?」ということですね。これは、アニメを見たりしながらイメージをふくらませて決めていきました。

富澤さん絆を深めていくと、コンビネーションマジックだけでなく、パラメータやボイスが変化していったりとさまざまなところで変化を楽しめると思います。例えば最初はかわす言葉もどこかそっけなかった魔法少女たちが、絆値が深まっていくことで「お前のことだけは守る」みたいなセリフになっていったりします。

 その部分に関しては複雑にはしていません。頑張ってプレイした分だけ魔法少女たちの親密度が上がっていくというわかりやすい要素ですね。コンビネーションマジックに関しても、そういう深まりがわかりやすく感じられる要素です。

『魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』 『魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』
▲ゲーム中盤くらいになって、ようやく使えるようになるコンビネーションマジック。習得するためのイベントも用意されている。

――実際にゲームをプレイしてみて、同じペアではなく、いろいろなキャラクターのペアでプレイしてみたら、途中から難易度が高いと感じるようになったのですが……。

宇留間さんそれは“浮気”をするからいけないんです(笑)。

――えっ、浮気ですか!?

『魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』

宇留間さん例えば、まどかとさやかのペアで夜パートのバトルに挑むと、この2人の絆値が上がります。でも、その後でまどかとほむらのペアでバトルしたり……といった具合に、バトルのペアを替えると、絆値が平均的にしか上がらないんですよね。浮気と言ったのは、そういうことです。

林さん絆値というシステムは、ペアを決めて深めることで強くなる反面、多数の相手と一気に絆を深めようとしても、どうしても浅くなってしまうんです。難易度が高いと感じたのは、それが原因でしょう。

 そんな人のために“輪廻の魔女結界”という救済措置を設けています。これは、経験値がもらえるバトルステージですね。ただし、夜パートのバトルは、プレイヤーキャラに選んだ魔法少女とパートナーに選んだ魔法少女の絆が深まりますが、“輪廻の魔女結界”ではレベルアップはするものの、何度戦っても絆が深まりません。

 ただ、ひょっとしたら一途に同じペアで出撃していても、難易度が高いと感じる方がいらっしゃるかもしれません。そんな時にも“輪廻の魔女結界”で戦ってレベルを上げていただければだいぶ楽になるのではないでしょうか。

――魔法少女のレベルと難易度の関係については、電撃オンラインのレビューでも動画を2本掲載してお伝えしましたが、先ほど富澤さんが言っていたように“頑張れば報われる”ような難易度になっているかと思います。

林さんまずは1周目でゲームをクリアしたぞという達成感を持ってもらいたくて、少し難しめなゲームバランスにしています。ゲームをクリアしてもパラメータなどは引き継げるので、2週目以降は強くなった魔法少女たちを使える爽快感を味わえると思います。

――次に、皆さんのお気に入りのキャラクターについて教えてください。

山本さん個人的にはさやかちゃんが好きなんですけど……。今回はDLC(ダウンロードコンテンツ)のメガネを付けたほむらで(笑)。これを装備した状態でまどかと一緒に委員長の魔女に挑むんです。それで“時間停止”使用中に魔女のスカートに“お手製爆弾”を投げ込むんです。これを1人で夢中になって遊んでいました(笑)。

富澤さんメガネほむらのDLC衣装は、唯一モーションが変化する衣装なんですよ。通常のほむらは銃火器で攻撃するんですけど、この衣装の場合、ゴルフクラブで攻撃するようになります。

山本さんこれはモーション担当が原作への思い入れが強くてこうなったんですよ。「ゴルフクラブで戦わなくてどうするの!」と、愛があふれてしまってモーションを追加したそうです(笑)。

宇留間さん個人的によく使っていたのはマミさんでしたね。最初に開発した魔法少女ということもあって思い入れがありますね。それに、左スティック+△ボタンの範囲攻撃が使いやすいんですよ。そうした点では初心者向けのキャラクターとしていいと思います。

小谷さん私はやっぱりまどかですね。開発に一番苦労したというのもありますけど、そのぶんいい感じに仕上がったキャラクターだと思っています。『魔法少女まどか☆マギカ ポータブル』では、身体をふくらませて体当たりしていく“パニエ・ロケット”という魔法がありましたけど、それを本作で再現できなかったのは、ちょっと心残りでもあります(笑)。

林さん私は杏子ですね。攻撃していて一番男らしいというか、直線的な動きで遊びやすいですね。3Dアクションで敵をたくさん倒していきたいという人は、杏子なら気持ちよく敵をなぎ払えると思います。

富澤さん僕はやっぱりさやかですね(笑)。

――皆さん空気を読んで、キャラがかぶっていませんね(笑)。

『魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』

富澤さん開発段階だとさやかが強すぎて、“ワイドスラッシュ”(※)を強化するとそれだけで使い魔たちを倒せるということもありましたが、縦のラインや横のラインの攻撃が出せて、とても使いやすかったキャラクターです。本作のバトルはヒット&アウェイが爽快にできるのも特徴で、特にさやかはこの部分を生かした戦い方が得意ですね。それに追撃性能もあって、本当に使い勝手のいいキャラクターになっていると思います。

※:さやかが使う魔法の1つで、横一文字の衝撃波を発生させ、複数の敵を一気に倒せる。

→各キャラクターのアクション部分を動画でチェックする

――『まどか☆マギカ』という作品においては魔女も忘れられない存在ですが、お気に入りの魔女は誰(?)ですか?

小谷さん作る上で苦労したという点では、ダントツで影の魔女ですね。動かしたらまずいけど、動かないと攻撃を食らい放題なのでどうしようかと悩みましたね。

山本さん私はお菓子の魔女ですね。戦った時に、マミさんがガブっとやられるのを絶対に見たかったので。プログラマーさんにどうしてもこれだけは入れてくださいって(笑)。

『魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』
▲アニメでも印象的だったこちらのシーン。アクションでもその威力はしっかりと再現されていました。

――まだレベルが高くない時にあの攻撃をくらうと、一撃で力尽きますよね。

宇留間さん制作サイドとしては、プレイする皆さんに1回はあの攻撃をくらってもらいたいです(笑)。

富澤さんそれと、薔薇園の魔女の椅子が強いんですよ。魔女のそばに大きな椅子のオブジェがあるな~と思ったら、いきなり飛んできて大ダメージをくらいますからね。

――予備知識なしで薔薇園の魔女に戦ったら、きっとたくさんの人があの椅子の餌食になると思います。他に気になった演出というと、ほむらのスペシャルマジックの“時間停止”がおもしろいですね。

林さんそう言ってもらえてよかったです。

――パートナーの動きだけでなく、ほむら自身が撃った銃弾も止まって、時間が動き出してから一気に攻撃が始まる。その瞬間がとても気持ちいい技でした。

林さん“時間停止”の演出って、実はハードにものすごく負担をかけるんですよ。バグの不安もあって、最初はこの要素を外しましょうとお願いしたことがあるんです。でもアートディンクさんは本当に愛情を持って本作を作ってくださっていて、「ほむらが時間停止できないんなら、アクションでやる意味がない!」とまでおっしゃってくれたんです。責任はちゃんと取るので、実装させてくださいと言われて、その覚悟に押し切られました。

富澤さんちょっと大げさに言っていますが、だいたいそんな感じでした(笑)。時間が止まっている間は、ハードにどんどんと処理の負荷が溜まっていくので、何秒まで止められるんだろう? と、制作側でもかなりヒヤヒヤしていました。

山本さん止められる時間はスペシャルマジックのレベルに応じて増えていくんですけど、DLC衣装の特典としてさらにスキルの発動時間を伸ばすものもあるので、より長く時間を止めて遊びたいという方は、ぜひDLCも検討いただきたいですね。

富澤さんこの特典というのは衣装コンプ特典というもので、DLC衣装には5系統の衣装があり、それを全キャラクターで1系統ずつそろえると、特殊なサポートスキルが手に入るんです。そのサポートスキルはかなり強力なスキルとなっているので、ぜひ試してもらえるとうれしいですね。

 とは言え、最初からそのスキルを使ってしまうとゲームの楽しみを損ねてしまう部分もあるので、まずはゲーム本編をしっかりプレイした後で、これらのサポートスキルで爽快に楽しんでもらえればうれしいですね。

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