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2013年12月27日(金)

『World of Tanks』に登場した日本戦車の背景を解説します! 『ガルパン』グッズのプレゼントも!!【めざせ! 戦車道免許皆伝 第13回】

文:田中尚道

■日本の中戦車

●Chi-Ni(Tier II)

『World of Tanks』

 次に紹介する【Type97 Chi-Ha】と制式化を競ったのが、【Chi-Ni】(試作中戦車チニ車)。八九式中戦車の後継として開発されました。全体的な性能の向上を要求した現場と、コストやインフラの問題からもっと軽量コンパクトにしたいと考えた参謀本部および陸軍省の要求の齟齬から、2種類のバリエーションが開発されたと言われています。参謀本部案の【Chi-Ni】は、大阪造兵廠が開発を担当しました。

 【Chi-Ni】の最大の特徴は、五七粍戦車砲を積んだ砲塔。これは1人用なので大変コンパクトで、車体に対して砲塔が非常に小さい、独特なシルエットになりました。ところが、この小さい砲塔が戦車兵からはものすごく不評で、さらに日華事変が起こったことで急きょ現場案が採択され、結局【Chi-Ni】はお蔵入りとなりました。

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●Type97 Chi-Ha(Tier III)

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 太平洋戦争における日本軍の主力となったのが、【Type97 Chi-Ha】(九七式中戦車チハ車)。その生産台数は2123両と、現在に至るまで日本の戦車としては最多です。当時としては画期的な空冷ディーゼルエンジンを搭載していました。

 開発当時、どこの国でも中戦車は歩兵の支援を目的としており、搭載砲の九七式五糎七戦車砲は八九式中戦車の砲とほぼ同等で、対戦車戦に不向きでした。南方でアメリカの【M3 Stuart】と対するようになると、その貫徹力不足が問題となり、口径を縮小しても装甲貫徹力を増した一式四十七粍対戦車砲を搭載した改修型も作られました。この砲は【M3 Stuart】のみならず、【M4 Sharman】の装甲も貫徹できたそうですが、前面25mmという【Type97 Chi-Ha】の装甲では対等に戦うのはかなり難しかったようです。

 最多生産車両である本車は、多数の派生戦車を生み、一式中戦車チヘ車、三式中戦車チヌ車、一式砲戦車ホニ車、二式砲戦車ホイ車などのベースになりました。

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●Type1 Chi-He(Tier IV)

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 【Type97 Chi-Ha】を強化したのが、【Type1 Chi-He】(一式中戦車チヘ車)。【Type97 Chi-Ha】と同様のシルエットを持つものの装甲厚は倍の50mmとなり、リベットを多用していた【Type97 Chi-Ha】に対し、新たに採用された溶接装甲のおかげで防御力もアップ。とはいえ、Tier IVの戦車としてはかなり物足りない防御力です。

 搭載砲は、【Type97 Chi-Ha】と同様の一式四十七粍砲なので、攻撃力の向上は見込めず、性能が向上したのは防御力と機動力のみと、かなり心もとない状況。なお、生産されたほとんどの車両が本土防衛に回されたため、実戦を経験することはありませんでした。Tier Vの【Type3 Chi-Nu】を開発するルートは、【Type1 Chi-He】からでも【Type5 Ke-Ho】からでもOKなので、もしかすると【Type5 Ke-Ho】から開発したほうが手軽かもしれません。

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●Type3 Chi-Nu(Tier V)

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 軽戦車としては【Type5 Ke-Ho】が最終となるので、Tier V以降は軽戦車ツリーが中戦車ツリーに合流します。【Type97 Chi-Ha】を発展させた【Type1 Chi-He】をさらに性能アップさせたのが【Type3 Chi-Nu】(三式中戦車チヌ車)。その開発の経緯については第7回の記事でも書きましたので割愛します。

 【Type1 Chi-He】の車体をそのまま使いながら、砲を七糎半と大幅に強化したので、攻撃力は向上したものの、かなり不安の残る状態になっています。また、砲が重くなったのに車体は変わっていないので、機動性は低下。プレミアム戦車として実装された【Type3 Chi-Nu-Kai】同様、ロングレンジからの射撃に活路を見出すしかないようです。

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●Type4 Chi-To(Tier VI)

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 それまでの歩兵支援戦車を対戦車戦に転用するという発想から、ついに最初から対戦車戦を想定するという設計で開発されたのが、この【Type4 Chi-To】(四式中戦車チト車)です。1942年から開発が開始されたものの、生産が始まった1945年2月と、終戦の半年前。しかも、エンジンと主砲の生産が追い付かず、完成したのは2両のみでした。1両はアメリカ軍に接収され、1両は浜名湖に沈められたと言われています。

 搭載したのは、【Type3 Chi-Nu】の九七式七糎半戦車砲より強化された、五式七糎半戦車砲。九七式は野砲からの転用ですが、五式は高射砲からの転用なので、さらに初速が増しています。また、48口径だった九七式より砲身も伸びて、56口径になってます。なお、試作の段階では長砲身の四十七粍砲や五十七粍砲も検討されたようです。車体は前面75mmと【Type1 Chi-He】のおよそ1.5倍の厚みになり、やっと同Tierの戦車と肩を並べられるようになりました。

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●Type5 Chi-Ri(Tier VII)

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 旧日本軍の最後となった中戦車が、【Type5 Chi-Ri】(五式中戦車チリ車)。1942年9月に【Type4 Chi-To】とともに開発が決定されました。ちなみに、新中戦車(甲)がチト車、新中戦車(乙)がチリ車です。開発当初は砲塔をもたない駆逐戦車であり、主砲も57mmだったそうですが、その後75mm砲を装備する中戦車として計画が刷新されました。また、装甲も当初の50mmから75mmへと強化されています。

 【Type4 Chi-To】がたった2両の生産で終戦を迎えたように、【Type5 Chi-Ri】は砲塔と車体が完成したところで終戦となり、量産はもとより配備もされませんでした。高射砲転用の75mm砲や、75mm厚の装甲など、スペック的には【Type4 Chi-To】とそう変わりがないように思われますが、半自動装填装置を搭載する予定だったため、『WoT』でも研究を進めると、3発の連射が可能になります。

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■メイドカフェ“メイリッシュ”で“もっともえもえ作戦”が展開中!

 秋葉原の各店で現在展開しているスペシャルキャンペーン“World of Tanks meets ガールズ&パンツァー 秋葉原上陸作戦です!”。この一環として、メイド喫茶カフェ“メイリッシュ”では、店内の装飾『WoT』仕様となり、限定コラボメニューも用意されています。

『World of Tanks』 『World of Tanks』
▲店内に入ると、メイドさんたちとともに『ガールズ&パンツァー 』の秋山殿がお出迎えしてくれます。▲フードやドリンクも『WoT』仕様。コースターやステッカーなど、オリジナルグッズがもらえます。
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▲コラボメニューを注文するともらえるステッカーは、全部で6種類。

 店内には『WoT』の試遊台もあり、こちらで試遊すると、“もっとわくわく作戦”と“もっとぴこぴこ作戦”でもらえるプレゼントのうち、いずれか1つを受け取ることができます。キャンペーンは1月上旬まで。なお、いずれも数量限定のため、なくなり次第終了となります。

『World of Tanks』 『World of Tanks』
▲店内は『WoT』一色に! そのこだわりはトイレの中にまで。いくら常在戦場とはいえ、少々落ち着かないかもしれません……?

→Tier VIII以降は自衛隊の戦車も登場!
ガルパングッズが当たる読者プレゼントも(3ページ目へ)

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データ

▼『World of Tanks(ワールド オブ タンクス)』
■メーカー:ウォーゲーミングジャパン
■対応機種:PC
■ジャンル:ACT
■配信日:2013年9月5日
■価格:無料(アイテム課金)

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