日本の軽戦車は『World of Tanks』でどのように戦うのか!? その傾向と対策を指南します!!【めざせ！ 戦車道免許皆伝 第14回】

文：田中尚道

　『World of Tanks（ワールド オブ タンクス）』（以下、『WoT』）で、昨年末に一挙実装された日本戦車の数々。「弱い弱い」とさんざん腐していましたが、その予想を踏まえて使えば、思ったほど弱くはないというのが面白いところ。史実における【Tiger】や【KV-1】の無双ぶりから生まれる過信から、ゲームの中での被撃破率は、日本戦車よりもこれらのマッチョな戦車のほうが高くなってしまっている今日このごろです。

　戦い方の好みにもよりますが、実は『WoT』におけるもっとも重要なパラメータは防御力でも攻撃力でもなく、機動力なのではないかと最近感じています。その点、日本戦車は走攻のバランスに優れた車両がそろっています。また、大破させられる最大の原因はやはり慢心なのだと、改めて認識することもしばしば。過信できない戦車だからこそ、丁寧なプレイを心がけることにもなるので、日本戦車は初心者が『WoT』を理解するのに実は適しているかもしれません。今回は、そんな日本の軽戦車の使い方について解説します。

■クセはないけれど、突出した何かもない日本の軽戦車!?

　日本戦車は軽戦車と中戦車で共通するパーツが多く、開発を進めるための経験値が少なくて済むため、上位Tierにサクサクと進みやすいのが特徴です。また、装備が共有化されていることで、軽戦車と言えども中戦車同等の砲撃力を備えていたり、低Tierの戦車でも広範囲の通信能力を持っていたりします。

　日本の軽戦車は車体が小さく、隠蔽率が高めですが、速力はあまり高くありません。視認範囲もおおよそ優秀。反面、砲塔の旋回能力は低めです。いずれの面でも、各国の軽戦車の平均値に収まる性能ですが、逆に言うと突出した何かがないので、高速で回り込んで相手の背面を取るとか、準主力戦車として戦線を押し進めるといった戦い方は、あまり得意ではありません。

▲日本戦車が実装された直後の戦場。Tier Iでは、見事なまでに【Renault Otsu】一色でリストが埋め尽くされていました。皆さん、首を長くしてお待ちかねだったのですね。

　運用のポイントは、とにかく主力部隊に随伴し、敵をスポット（発見）したらすぐ隠れること。攻撃力はそこそこあるので、相手にトドメを刺すことは可能ですが、装甲が薄いので直接ぶつかり合うと軽戦車同士でも撃ち負けます。この装甲の薄さは致命的と言っても過言ではなく、駆逐戦車と出会い頭で鉢合わせした時なんて、絶望以外の言葉が出てきません。

　苦手な相手は他にもたくさんいます。例えば、足が速くて手数の多い機関砲装備の軽戦車。そして装甲貫徹力に劣るものの、与えるダメージの大きい榴弾砲を装備した戦車です。

　とにかくセオリーに忠実に、普段は隠れたままでいて、攻撃されないことが確定するまでこちらからは攻撃しないこと。単騎駆けなんて絶対しないと、臆病に臆病を重ねるくらいでなんとか敵と対等に戦えるでしょう。なお、Tier Iの【Renault Otsu】以外は車両のレイアウトがフロントエンジンとなっているので、真正面から敵の弾を受けるのもオススメできません。装甲が薄く、エンジン故障や火災を引き起こすことが多々あります。

▲日本の軽戦車は偵察任務に徹するのが吉。装備アイテムの迷彩ネットと双眼鏡、そして迷彩は必須です。慢心すなわち死というくらいの慎重さで。忍者の国ですから、隠密なるを良しとしましょう。

■【Renault FT】より強いはず？　【Renault Otsu】（Tier I）の傾向と対策！

　【Renault FT】の発展型として開発され、日本にも【Renault Otsu】として導入されたRenault NCですが、フランスの開発ツリーにある【Renault FT】と比較すると、装甲が厚くなった分、足の遅さが気になります。ただ、移動時に発生するレティクルの拡散は【Renault FT】ほどひどくないため、照準は合わせやすく、砲の威力もやや増しているのでちゃんと戦えます。まぁ、Tier Iの段階では全体的にさほど性能差がないので、ここら辺は一長一短というところでしょうか。

　砲に関しては、37mm砲と13mm機銃の2種類から選べます。これも好き好き。Tier Iの戦車なら、13mm機銃の貫徹力で装甲を十分抜けますし、この機銃は砲口径の小ささから反動も少なく集弾性能が優秀なので、上手くやればワンマガジンで敵を撃破できることも可能です。

▲『WoT』で使用できる3種類のルノー戦車の比較です。装甲は圧倒的に【Renault Otsu】が厚くなっています。貫徹力には劣るものの、比較的攻撃力が高い中国の【Renault NC-31】よりも破壊力のあるダメージ量は魅力です。Tier Iでは、それほど装甲の厚い戦車は出てきませんし。

▲【Renault Otsu】の主砲を選ぶ際、現状では13mm機関銃を装備するのがスタンダードになっている気がします。使い比べてみれば、確かに強い。ちなみに、この後に開発することになる【Type95 Ha-Go】では13mm機関銃が使えません。何とも残念。

→さらに上位の軽戦車について、その特徴をレクチャーします！（2ページ目へ）

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