『World of Tanks』で人気の戦車を攻略せよ！ 注意しなければならない車両の特徴と対策!!【めざせ！ 戦車道免許皆伝 第15回】

文：田中尚道

■アウトレンジ攻撃に注意！　高火力戦車の脅威

　低Tierで高火力を誇る戦車（例えば駆逐戦車）は、その引き換えとして装甲が薄いものです。位置を特定された駆逐戦車などは、攻撃力の低い軽戦車でも撃破できるカモネギ状態。しかしながら、位置がわからないと周りの味方戦車が見る見るうちに撃破されていくという、ホラー映画のような悲惨な状況になります。

　駆逐戦車は特に隠蔽率が高いため、重戦車や中戦車では発見が遅れる可能性があります。ただ、駆逐戦車は旋回砲塔を持たないことが多いため、障害物に隠れるのが苦手です。

　旋回砲塔を持つ戦車なら障害物の陰に隠れ、旋回砲塔を90度回転させ、敵に向けて車体を前後させて攻撃することが可能ですが、砲塔を持たない駆逐戦車は真横に攻撃するのが不可能。さらに、攻撃力が高いということは砲口径が大きいということであり、これは装填時間の長さにつながり、攻撃の手数を減らします。

　相手の位置が分かっているなら、一撃をかわしつつ近接して攻撃することも不可能ではありません。そして、もしも弱点を攻撃できるなら、砲塔旋回装置や、砲身を破壊して相手の攻撃を封じることもできます。自分と相手との距離にもよりますが、中近距離で正対してしまったら、そのまま下がっても撃破されるだけなので、全速力で相手に接近するほうが生き残れる可能性が増えるかもしれません。

●要注意戦車その2！

【T18】［駆逐戦車］（Tier II）
【T82】［駆逐戦車］（Tier III）
【T40】［駆逐戦車］（Tier IV）

　アメリカツリーの駆逐戦車は、Tier IIの【T18】からTier IVの【T40】まで、いずれも同じ特性を備えているのが特徴。すなわち、搭載された破格の大口径砲です。【T18】は75mm Howitzer（榴弾）砲を装備することが可能で、その装甲貫徹力は38mm。さほど高い数値ではないと思われるかもしれませんが、Tier IIでこの砲を防げる装甲を持つ車両はほぼありません。

　そして、75mm榴弾砲の平均ダメージは175。装甲を抜かれれば、ほとんどの戦車が消し飛びます。正面装甲が厚く、こちらの砲弾を弾くのも厄介です。特に、駆逐戦車キラーの軽戦車の機関砲弾も、正面なら貫通しません。

　【T18】の弱点は、ほとんど俯角の取れない砲と旋回スピードの遅さ。また、正面装甲が厚いとはいえ、Tier IIの中では厚いというだけであって、100％抜けないほど厚いわけでもありません。とにかく、見つけてしまえばそんなに脅威でもないでしょう。発見第一で。

▲駆逐戦車というよりは、自走砲と言った方がしっくりくる性能。旋回能力以外は機動性も高く、装甲も厚くて、Tier IIではイヤな奴の筆頭です。

　【T82】は、下位Tier戦車のスイーパーとして猛威を振るう105mm重榴弾砲を、Tier IIIで唯一装備できる車両です。反面、見た目の通りで装甲は紙。さらに乗員室が露天式なので、榴弾にも弱いと。こちらも発見すれば排除は容易です。

　【T40】は【T82】の装甲強化型。【M3 Lee】の車体を流用しているので、【M3 Lee】を撃破できる攻撃力があれば対処可能です。ただし、【M3 Lee】より車高が低く、砲も強力なので、やや注意が必要ですが。

【M10 Wolverine】［駆逐戦車］（Tier V）
【M18 Hellcat】［駆逐戦車］（Tier VI）
【M36 Jackson】［駆逐戦車］（Tier VI）

　【M10 Wolverine】と【M18 Hellcat】【M36 Jackson】は、アメリカ駆逐戦車の変り種。これらはすべて、旋回砲塔を備えています。【M10 Wolverine】の火力は【M4 Sherman】とほぼ変わらず、【M4 Sherman】より装甲が薄いために埋もれがち。一方、【M18 Hellcat】と【M36 Jackson】は90mmAT Gun M3を搭載できます。

　【M4 Sherman】はその発展形が【M4A3E8】と【M4A3E2】の2種で、両方とも攻撃力は【M4 Sherman】とあまり変わりません。どちらもTier VI戦車としてはやや物足りなさを感じる性能ですが、その点、【M18 Hellcat】と【M36 Jackson】が装備できる90mm砲は装甲貫徹力160mm、平均ダメージ240と、十分な性能を持ちます（Tier VIの重戦車【M6】の砲と同じ）。

　また【M18 Hellcat】は特に機動性に優れ、重戦車の入り込めないような場所から射撃してきます。さらには旋回砲塔を持っているため、隠れるのも得意。装甲が薄いのがせめてもの救いですが、重戦車とともにいることも多く、ちょこまかしながら痛い攻撃をしてくるイヤな奴です。対応策は、見つけたらたとえ重戦車がそばにいても、優先して撃破すること。【M18】の持つ機動性は、攻撃力や防御力より実感しにくいものの、『WoT』における最重要スペックなのですから。

【M4 Sherman】［中戦車］（Tier V）

　【M4 Sherman】自体は非常にオーソドックスな性能を持った中戦車ですが、特に105mm榴弾砲を装備したタイプは要注意。Tier IVくらいまでの中戦車以下を、消し炭のように吹き飛ばします。ただし、こちらが重装甲を持つ戦車の場合は、ろくにダメージを食らわないので、気楽に相手することが可能です。なお【M4 Sherman】は、中戦車としては群を抜いた俯角を取れるので、稜線で対峙するのは危険だと覚えておきましょう。

【Hetzer】［駆逐戦車］（Tier IV）

　「使っている人は性格が悪い！」とまで言われるほど手強い【Hetzer】。旋回能力を含めた機動性、隠蔽性ともに高く、迷彩および迷彩ネットとの併用でさらに発見を遅らせることができます。さらに低い車高で狙いにくく、傾斜した前面装甲は避弾性能も優秀で、小さい車体は物陰に潜みやすいと、かなりズルい性能。小官も、遭遇戦の陣地に張り込んでスコアを稼ぎ続けたことがあります。さらに、この性能で105mm砲を装備できるので、思わぬ場所に潜んでいて相手の側面をズドン！　なんてことがよくあります。

　とにかく怪しい場所に近づかないことが、この手の事故を防ぐ唯一の方法。拠点の裏など、戦略的に重要な場所に潜んでいることが多いので、いる場所を想定してあちらの射線を外しながら移動しましょう。【Hetzer】は市街戦など障害物の多い場所も苦手なので、障害地形に誘い込んで後ろや側面を狙うのも、対抗策としては有効でしょう。

【Pz.Kpfw. IV】［中戦車］（Tier V）

　【M4 Sherman】と同様にオーソドックスな中戦車ながら、105mm砲装備型が要注意となる中戦車。ただし、【M4 Sherman】ほど俯角が取れるわけではないので、稜線で対峙してもそんなにプレッシャーは感じません。【M4 Sherman】にしても【Pz.Kpfw. IV】にしても、そう強い相手という印象がないため、ちょっとした油断から撃破されることがあるのが一番の問題な気がします。

【KV-1S】［重戦車］（Tier VI）

　装甲の厚いTier Vの重戦車【KV-1】の高機動型。装甲が薄くなった分だけ機動性が増していますが、それより何より、搭載砲の122mm D-2-5Tが非常に強力。低Tierでの122mm砲は榴弾しか撃てないのですが、この砲はなんと徹甲弾が発射できるのです。おかげで装甲貫徹力175mm、平均ダメージ390と、Tier VIの戦車としてはかなりの威力となりました。

　ただし装填時間は長く、15秒以上掛かります。つまり弱点は、この装填時間の長さと、薄くなった側面および背面の装甲。ちなみに122mm D-2-5Tは最終砲なので、必ずしも【KV-1S】が装備しているわけでないことに注意してください。初期砲の76mm ZiS-5は威力が低いものの、4秒に1発を撃つことができるので、射撃間隔を見極めて突撃してください。

【Alecto】［駆逐戦車］（Tier IV）

　【Alecto】はイギリスのTier IV駆逐戦車。装甲貫徹力はさほどでもないものの、最終砲のQ.F.25-Pr.AT Gun/How.Mk.IIIが同Tierの他戦車より高めのダメージを与える、油断ならない相手です。イギリス版の105mm榴弾砲といえる3.7-inch AT Howitzerを装備している車両もあるので、他の駆逐戦車と同様の対処が必要です。

→重装甲戦車との対決ではどこを狙うべき!?（3ページ目へ）

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