2014年2月28日(金)
そんな軽めのジャブ(?)から始まって、次なる話題は『ガールズ&パンツァー』のOVA版“アンツィオ戦”へと進んでいきます。
▲『ガールズ&パンツァー』のOVAで大洗女子学園と対決するアンツィオ高校のメンバーたち。ファンにはアンチョビ隊長の白タイツ姿が好評ということでしたが、その人気は希少価値ゆえかもしれません。 |
昨年11月のあんこう祭での既報の通り、OVAには隊長のアンチョビ以下、2名の名前のついた生徒が登場します(一般生徒の制服も紹介されました)。金髪&ロングヘアーのカルパッチョは漫画版からの逆輸入、ショートカットのペパロニは新規書き下ろしのデザインとのこと。
興味深かったのは制服の設定にまつわる話で、今までは特にモデルなどはなかったにもかかわらず、アンツィオ高校に関しては吉川さんの監修で、実資料に基づいた“イタリア軍テイスト”を実現したとのこと。副官たちの服は空艇服の襟なしの服を参考にしたり、サファリアーナという熱帯服やイタリア少女団を参考にしたりと、見る人が見れば唸るデザインとなっています。
中村さんからは、「ボタンの隠れた機能的なデザインが素敵です。実物の写真も見せていただきましたが、ちゃんとアニメの絵に落とし込まれているのに驚きます」というコメントが。一方、杉山さんによれば「制作側から言えば、OVAを1本作るためだけに用意する衣装の量じゃない」ということで、劇中で居並ぶ姿を早く見てみたいものです。
続いては、やはり戦車の話。『ガルパン』OVAに登場するのは、TVアニメ版で撃破された姿を見せた3両の戦車、カルロ・ベローチェとセモヴェンテ、そしてカルロ・アルマート。「画面に出たからには、物語の中でもきちんと出す」という既定路線なのだそうですが、放映された場面で手描きのものとなっていたため、今回のOVAでは3Dモデルを1から作っているそうです。杉山さんいわく、衣装デザインと同じで「OVA1本作るのに掛ける労力じゃない」とのこと。吉川さんによる監修のもと、リベットひとつひとつにまでこだわったグラフィニカ(戦車の3DCGを担当するスタジオ)渾身のモデリングということで、こちらも戦車隊の雄姿を早く見たいものです。
▲アンツィオ高校の戦車隊を構成する3種類の戦車。非常に線が多く、リベットも省略することなく細やかに設定画が描かれています。 |
ところで、イタリア軍研究家の吉川さんからは「なんでこの3両なのか不思議!」との疑問が。それもそのはずで、カルロ・ベローチェ 3/33 タンケッテは最初期に開発された驚くほど小さい豆戦車。セモヴェンテは一般名詞で自走砲のこと。そしてカルロ・アマート P40はイタリア降伏直前に開発された車両で、実際の運用はドイツ軍でのみ。それぞれ、登場した年代もバラバラとなっています。ただ、中戦車がいないためにバランスは悪いものの、“戦車の格”としては大洗女子学園にといって“好敵手”とも言える布陣。どのような戦いが展開することになるのか、非常に楽しみです。なお、アニメの尺(収録時間)は既に当初の予定からどんどん伸びているそうで、OVAの試合パートはかなり白熱したものになりそうです。
この後は3両それぞれの解説と、イタリア戦車の魅力についてのトークが約20分続き、吉川さん秘蔵の写真資料と共に楽しいお話がうかがえました。個人的には、このトークの生中継がアルタ前の広場でどのように受け止められたのかが興味深いです。たまたま待ち合わせをしていたという人は、この熱いトークを聞き始めたら、最後まで聞かないと気になってしょうがない状態になってしまったのでは?
このトークのオチとしては、宮永さんに『WoT』のイタリア戦車実装についてお願いする格好に(実は現在のところ、『WoT』にはイタリア戦車が登場していません)。宮永さんからは、「戦車のパイオニアとして自負のあるわが社ですが、負けず嫌いの本社の方に、日本人が先にアニメでイタリア戦車を完璧に動かしたことを報告しておきます」と、今後の実装について前向きなコメントが飛び出しました。
そんな『ガールズ&パンツァー』のOVAは、7月5日から全国で劇場限定公開が決定。映画館で買える限定版のOVAパッケージは、アンチョビの胸像が付くという豪華仕様だそうです。
トークライブのラストには、3月29・30日に茨城県大洗町で開催されるイベント“海楽フェスタ2014”の紹介もありました。カジキの解体ショーや大洗高校ブルーホークスの演奏といった、地元ゆかりの催しの他、『ガールズ&パンツァー』にちなんだ企画も多数用意されているとのこと。まだ大洗を訪ねたことがない『ガルパン』ファンは、この機会に足を運んでみては?
▲海楽フェスタ情報をダイジェストでお送りします! |
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