2014年3月11日(火)
バンダイナムコゲームスから5月15日に発売されるPS3用ソフト『劇場版マクロスF 30th dシュディスタb BOX』。『劇場版マクロスF』2作品に新規映像や未公開映像、資料集を収録したこのアイテムを買うかどうか、迷っている方も多いのではないでしょうか。
本作は『劇場版マクロスF』の前後編に加え、エンディング『dシュディスタb』の新規映像、収録時間250分以上におよぶ映像コンテンツ『マクロスF映像ヒストリア』、PS3用ビューアー型コンテンツ“PlayView”の機能を使った設定資料集&メイキング映像『劇場版マクロスF デジタルアーカイブス~Macross Frontier The Movie Digital Archives~』が1つになったディスク3『プロジェクトF アルティメット☆ハイブリッドディスク』が収録されています。
▲映像ヒストリアには、声優陣の新規インタビューや、『マクロスF』関連のCM・PV集、VF-25の変形機構を河森正治監督が解説してくれるインタビューなどをはじめ、さまざまな映像が収録されています。 |
さらに、A4サイズ約200ページにわたる『劇場版マクロスF設定美術原画集』も付属。作品をより深く掘り下げて楽しめることができるわけです。最近は攻略本や資料集などで“PlayView”が浸透してきたとは言え、具体的にはどういうものなのかイマイチわからない……なんて人もいるのではないでしょうか?
劇場版のBlu-rayはすでに2作とも発売済みですが、まだ持っていない人にとっては間違いなく“買い”なアイテムです。しかし、すでにBDを持っている人にとって、手に入れる価値があるのかどうか?
そこで今回は、電撃オンラインの『マクロスF』マニアな編集&ライターを収集。実際にPlayViewを操作してレポートしつつ、そのあたりを『マクロスF』好きな編集&ライターが座談会形式で探っていこうと思います。
えまぬえる:『マクロス』関連の記事を担当しているライター。新旧問わず、あらゆるロボットアニメに詳しいが、詳しすぎて引かれることも。
ごえモン:『劇場版マクロスF 30th dシュディスタb BOX』特集を企画した電撃オンラインの編集。『マクロス』シリーズには並々ならぬ想いを抱いており、本作の劇場版Blu-rayもすでに購入済み。飽きるほど見たが、まだまだ飽きていない様子。
YU:座談会に女っ気がなさすぎるために、急遽収集された電撃オンライン所属の女性編集。『マクロス』シリーズを見たのはTV版『マクロスF』から。
▲えまぬえる | ▲ごえモン | ▲YU |
えまぬえる:今回は『劇場版マクロスF 30th dシュディスタb BOX』に収録されるPlayViewを触りながら、このアイテムについて話していきたいと思います。
ごえモン:それはいいんだけど、『劇場版マクロスF』のBDは両方とも持っているんだよね。初めて買う人は絶対お得だと思うんだけど……。僕みたいにBD版を持ってる人が買っちゃってもいいかどうか、この座談会で確認したいかな。
YU:いきなり核心を突くところから切り込んできましたね!
えまぬえる:『マクロスF』好きであれば、間違いなく買って損はないと思いますよ。そもそも、本編自体がこれまでに発売されたものとは違いますから。『イツワリノウタヒメ』には、劇場でのみ流されたイントロパートが、『サヨナラノツバサ』にはエンディング『dシュディスタb』の新規映像が入っているんですよ。さらに、ディスク3にはPlayViewと映像ヒストリアが入ってるんですから、超お得じゃないですか。
ごえモン:それは知ってるけど、まだ見てないからイマイチ魅力がわからないんだよ。
えまぬえる:そんなアナタのために、ここで一緒にPlayViewがどんなものなのかを見て行こうというわけですよ!
YU:で、今さらこのタイミングで言うのもなんですが……“PlayView”ってそもそもなんですか?
えまぬえる:簡単に言えば、静止画や文章、動画などを同時に楽しめるデジタルコンテンツです。本編の映像に合わせて設定画を見たり、設定画のシーンをすぐに再生できたりといった“動く資料集”ですね。
(1)氷川竜介のアニメガイド:アニメ評論家氷川氏による劇場版2部作の解説集。
(2)劇場版マクロスF ビジュアルメイキング:シナリオから絵コンテ、タイムシートと映像を合わせたメイキングガイド。
(3)キャラクター&メカ設定集:キャラクターの線画や設定、ライブシーンなどを映像と合わせて収録
(4)美術/美術設定集:作中の背景やメカニックなど、貴重な設定美術集を掲載
(5)版権イラスト集:ファミリーマートとのコラボ広告など、各媒体で使用された版権イラストを収録
YU:あっ、すごい! ここを押すと中村悠一さん……じゃなくてアルトが! アルトがコンテンツを説明してくれるんですね!
ごえモン:こっちはランカが解説してるのか。なるほど、キャラクターが解説してるって設定なんだなあ。
えまぬえる:って2人とも、ちゃんと資料部分に注目してくださいよ!
YU:いやいや、声は重要じゃないですか。声オタ的に考えて。
ごえモン:そうだよ、まったく。ちゃんとPlayViewの内容を見てるんだから茶化さないで!
えまぬえる:……なんで俺が怒られてるんですか? まあ、いいです。そんな感じでツカミはOKと。じゃあ、順に氷川竜介さんのアニメガイドから見ていきましょうか。
(しばらく見入る3人)
ごえモン:……うわ~、いきなりやられたわ! この氷川さんのアニメガイドめっちゃいいじゃん。自分の家でじっくり読みたい。
えまぬえる:PlayViewでもイチオシのコンテンツですね。初代『超時空要塞マクロス』から、作品の歴史と意義がちゃんと語られています。
YU:……ごえモンさん、座談会そっちのけで、無言で読んでますね。
えまぬえる:かなりの分量があるので、続きは買って読んでください!
ごえモン:この座談会よりも、氷川さんのアニメガイドを読んだほうが100倍くらいためになる気がしてきた! さすが氷川さんだな……もう僕たちいらないんじゃない?
YU:企画を根底から否定してどうするんですか!!
えまぬえる:氷川さんのアニメガイドでも『マクロスF』を振り返ってますけど、TV版の時点から相当盛り上がっていましたよね。
YU:ええと、私あまり詳しくないんですけど、TV版と劇場版って完全にパラレルワールドなんですよね? アニメガイドにも“TV版を劇場版にする方法論:パラレル・ワールド化”とありますが……。
えまぬえる:別に驚くことではないですよ。『マクロス』シリーズの映画化について言うと、初代『超時空要塞マクロス』でも劇場版で同じ手法を採用していましたから。キャラクターは一緒で設定は違うという手法は、シリーズファンにはおなじみなんです。
YU:私、実は『マクロスF』以外のシリーズ作品を見ていないんですよ。
ごえモン:な、なんだって!? じゃあ、YUは『サヨナラノツバサ』のラストでイサムらしき声と、聞こえてくる「イヤッホー!」で何も感じなかったと言うのか?
YU:そんなのありましたっけ? そもそもイサムって誰ですか?
ごえモン:……。
えまぬえる:……。
ごえモン:ぬおお、怒りのリミッターが解除されてしまう! あのシーン、僕らは『マクロスプラス』のイサムがキターってめっちゃ盛り上がってたというのに!!
えまぬえる:機体と声だけでしたけどね。確か、付属している設定美術原画集のメカニカルアート部分にイサムスペシャルが載っていますよ。
ごえモン:マジで!? う~ん、でもまだ買うかどうか悩むなぁ……。
YU:ごえモンさんが悩みだしちゃいましたけど……。往年の『マクロス』ファンにとっては、驚くようなところだったんですね。
えまぬえる:確かにイベントでファンの方に話を聞くと、『マクロス』シリーズを見始めたのは『マクロスF』からという人や、そもそも『マクロスF』しか知らないYUさんみたいな人が多かったんですよ。今の若い子にとっては、完全に『マクロス』=『マクロスF』なんですね。
ごえモン:『マクロスF』って旧作のオマージュが多いから、僕らみたいなオッサンが好きな過去のシリーズも見ておくと、もっと楽しめるよ?
えまぬえる:ランカをバルキリーでキャッチするところは、初代『マクロス』のヒロイン・ミンメイをキャッチするシーンのオマージュですし、他にも劇中で『マクロスゼロ』の映画を撮影するシーンがあったり、オズマが『マクロス7』に登場するバンド“FIRE BOMBER(ファイアーボンバー)”のファンだったり。シリーズを見てるほど楽しめるような小ネタが多くて、放映当時は終始ニヤニヤしっぱなしでしたよ。
ごえモン:イサムの手の形をアルトが再現していたり、そもそも今回の『dシュディスタb』も『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』で追加された『天使の絵の具』のオマージュだったりね。
▲『サヨナラノツバサ』では、ミシェルやクランたちが“FIRE BOMBER(ファイアーボンバー)”のコピーバンド(?)として登場するシーンも。 |
YU:あれ? でも、初代ってTVと映画でパラレルワールドなんですよね? 『マクロス』シリーズの歴史って、どうつながってるんですか?
えまぬえる:そこは問題ありません。そもそも『マクロス』シリーズは、どの作品も実際にあった史実を再現した“劇中劇”という設定ですから。
ごえモン:だから、TVと映画で設定が違ってても問題なし! 『マクロス7』や『マクロスF』みたいに設定のイイトコ取りをしても大丈夫。
YU:それって、ファンも納得できるウマい方法かも。そういうリンクを感じさせるネタがいっぱいあるなら、他の『マクロス』シリーズを見てみようかな?
ごえモン:よく言った! じゃあ、まずはBD-BOX化が決まった『マクロスII』からマラソンで……。
えまぬえる:オオバリィ(チョップの効果音)! なんで、そこからなんですか! 見るなら初代からでしょ! それはさておき、PlayViewの話に戻りましょう。ほら、最初の劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の放映告知ポスターが載っていますよ。貴重ですよ、これは!
ごえモン:今見ると、さすがにミンメイは時代を感じるデザインだね。“ミンメイ最・大・戦・速(マクロスピード)!!”とか“今、はじめてのヴァージン・ショック!”とか、ポスターのキャッチが時代を感じさせるね。
えまぬえる:画面ではいいことを言ってるのに、アナタは本当にどうでもいいことにこだわりますね……。まあ、そんなわけで氷川さんとシリーズの歴史を追っていくと、劇場版の解説が読めるわけです。ところで、劇場版の話をする前に皆さんに1つお聞きしたいんですけど、そもそもTV版の『マクロスF』を見た時にどう感じました?
ごえモン:放送前は、かなり変わっちゃったな~という印象だったかな。でも見てみるとやっぱり『マクロス』シリーズだと実感したよ。
▲TVシリーズ『マクロスF』の放映告知ポスターも収録されています。 |
えまぬえる:それは1話を見て実感したんですか? それともしばらく見続けてからですか?
ごえモン:しばらく見続けてかな。最初から歌と戦闘は『マクロス』だなと感じられたんだけど、ランカとシェリルのきゃぴきゃぴ感が現代的で、正直に言うと戸惑った。
YU:そりゃ、現代のアニメだから当たり前じゃないですか?
えまぬえる:ヒロイン2人が両方ともアイドルなのって、実はシリーズ初なんですよ。だいたい片方はアイドルじゃありませんから、『マクロスF』は豪華だなぁと。
ごえモン:他には、戦闘が進化しすぎていて驚いたなあ。『マクロスゼロ』の時点で3DCGによる戦闘シーンはすごかったんだけど、まだぎこちなかった。そこから一気に進化していて、CGなのにセルアニメに引けを取らないアクロバティック感があるんだよね。
えまぬえる:空力抵抗の表現とかスゴイですよね。ちゃんと、宙間戦闘をCGで魅せてくれた『マクロスF』は、TVでもこんなに素晴らしいものが見られる時代がきたんだな、と感心しました。
YU:そこまで驚くことなんですか?
ごえモン:言いづらいけれど、CGが使われ始めたばかりのアニメって、「え、なにコレ?」って言いたくなるような作品が多かったんだよね。だから、僕らみたいなオッサンであるほど、CGにネガティブなイメージがあるんだよ。
えまぬえる:昔はダサいCGで変形しているメカが当たり前のようにありましたっけ……。そういうネガティブイメージを完全に払拭したのが『マクロスF』なんですよね。映画やOVAでCGがすごい作品はありましたけど、TVアニメでこのクオリティですからね。
ごえモン:とまあ、僕らが語るよりも説得力がある考察や、おもしろいお話がたくさん載ってるのがこの“氷川竜介のアニメガイド”ってわけだね。
えまぬえる:ダメな話の大半はアナタのせいですが……。個人的には、このコンテンツだけでもPlayViewはオススメだと思いますよ。
YU:絵コンテって、普通はなかなか見る機会がありませんし、見ても私たちには理解できないところもありますが、それでも『劇場版マクロスF』の作り込みのすごさが伝わりますね。
えまぬえる:こちらは“劇場版マクロスF ビジュアルメイキング”ですね。これは絵コンテやタイムシートを見たり、ライブシーンの完成映像と絵コンテを見比べたりできるものです。
ごえモン:そうそう、絵コンテを見ていたら、最後のデュランダルとルシファーの戦闘シーンでおもしろいところをみつけたんだよ。ブレラがインプラントを使って話してるところって、ファンの間だと“脳内会議”って言われるじゃない。
YU:ありましたね、このシーンですか?
ごえモン:それそれ。そのシーンのコンテにアフレコで誰のセリフが入りますっていうテロップが映るんだけど、そこに“脳内会議”と書いてあって、ああ、制作陣もあれを脳内会議って呼んでたんだなってわかる。
YU:本当だ! “ブレラ脳内会議”ってテロップが出てきましたね!
えまぬえる:こういうところを見てニヤっとできるのが、資料集の楽しいところですよ。でも、ごえモンのせいでこのシーンを見ると、笑っちゃう気がしますね。
YU:せっかく、絵コンテと映像を比較できるいいコンテンツなのに!!
ごえモン:ああ、言われてみれば、絵コンテだけを収録した本はよくあるけど、こういうタイムシートや映像と一緒に見比べることができるのはPlayViewならではだよね。
えまぬえる:絵コンテと比較しながら見ても、『サヨナラノツバサ』のクライマックスシーンはカッコよくてしびれますねぇ。
YU:絵コンテそれぞれに対応した映像を選択すると、すぐに再生できるところがいいですね。かゆいところに手が届く感じ。
ごえモン:マクロス風に言えばデカルチャー!
えまぬえる:ムリに『マクロス』風に言わなくてもいいです。絵コンテだけでなく豆知識もいっぱいあるので、読んでるだけでも楽しいですよ。
ごえモン:“板野サーカス”とかの用語も、『マクロスF』でシリーズを初めて知った人向けに解説されてるところがニクイね。知らないでしょ、板野サーカス? 知らないでしょ?
YU:(う、ウザイ……)板野さんって言われても……AKB48の話ですか?
ごえモン:ジェネレーションギャップ!
えまぬえる:YUさんみたいな人でも、PlayViewを見れば立派な『マクロス』オタになれるハズ! 他の『マクロス』作品にも接しやすくなりますよ。
ごえモン:歌の話になるけどさ、ランカとシェリルの歌どっちが好き? いや、そもそもどっちのヒロインが好みだった?
えまぬえる:なんですぐ脱線するんですか……。う~ん、付き合ったら楽しいのはランカでしょうか? でも、最終的にはシェリルのほうがいい女だと思います。だけどシェリルは、きっと付き合ったらめんどくさいですよね。めんどくさい女だけど、その行程が楽しそう。
ごえモン:僕はシェリルが好きかな。恋人にするならシェリルで、結婚するならランカ。
えまぬえる:俺は逆ですね。付き合うならランカで、結婚するならシェリル。
YU:正直、どっちもめんどくさいと思うんですけど……。クラン・クランやナナセちゃんのほうがいい女じゃないですか?
えまぬえる:シェリルは、ほっといても生きていけそうな感じがいいんですよ!
ごえモン:ほっといたら死んじゃうけどね、作品の設定的に。
えまぬえる:シェリルだと、向こうが仕事をしている間に、自分も好きな仕事をしていられる感じがするじゃなでいすか。そんなところもいいんですよね。。
YU:そうですか~? 現実にいたら、メールをガンガン飛ばしてくるような気がしますけど。
えまぬえる:いいや! メールを送るくらいなら直接会いに来るタイプの女ですよ、シェリルは。
YU:それは重い……。
ごえモン:その点ランカは、お兄ちゃんと義理のお兄ちゃんのWお兄ちゃんがもれなくついてくるくらいだから……って、どっちも重いな。
YU:なるほど、重すぎるからアルト君はTV版で答えをにごして、劇場版では……。
ごえモン:いろいろとこじれそうだからキャラクターの好みは置いといて、彼女たちのライブはどれが好き?
えまぬえる:ランカは、“まさにアイドル”って感じの歌が多いので聞きやすいですね。昔のアイドルみたいです。
YU:シェリルの場合は、アイドルと言うより、歌手のイメージが強いです。
ごえモン:なるほど。シェリルは浜崎あゆみで、ランカはAKB48みたいな感じ……かな?
えまぬえる:うん……うん? まあ、言いたいことはなんとなくわからないでもないですが。
YU:ランカが『星間飛行』を歌うところは、かなりアイドル力があるな~と思いながら見ましたよ。
えまぬえる:あれはストーリー的にも盛り上がりましたね。
ごえモン:『マクロスF』って、女の子と一緒にカラオケに行ったら歌ってほしい歌が多いよね。劇場版だと『放課後オーバーフロウ』が好きかな。
えまぬえる:劇場版はやっぱり『サヨナラノツバサ』が最高ですよ。映画のラストシーンが滅茶滅茶盛り上がりますね!
YU:TVも映画も両方デュエットしながら戦っていますけど、映画版は曲と映像のシンクロ率が高くて、TV最終回よりも感動しました!
えまぬえる:そういったライブシーンをすぐに見られるのがPlayViewのいいところなんですよ。2人が着ている衣装の設定も見られますし、ホラ。
YU:ああ、アルカトラズのライブシーンもいいですよね。最初に現実のライブ映像を撮って、そこから会場の音も取り込んだりと、手間がかかっているらしいですよ。
ごえモン:『ユニバーサル・バニー』のステージギミックや機械の動きとか、アニメーターさんスゲエとしか言いようがないわ。
(しばらく見入る3人)
えまぬえる:……は、イケナイ! つい見入ってしまった! 次いきましょう次!!
YU:さっきライブを見てて思ったんですけど、この資料集に収録されている衣装のバリエーションってものすごく多いですね。
えまぬえる:劇場版のランカちゃんが、まだCMでドサ回りをやってる衣装も全部入っていますからね。納豆のネバネバとか、バルキリーを着てオタクに囲まれるところが好きです。
ごえモン:これ、ちゃんとガウォークに変形(?)してるんだよね……うん、かわいい。
えまぬえる:変形した後のランカの表情がいいんですよ。恥ずかしげな顔をバシバシとカメラで撮影されて……たまらないですなあ。
YU:このオッサンども……。
ごえモン:オホン。こうやって、資料を見ながら気になったところを見られるのもいいけど、設定画などでスタッフが注意点や気になったところを書き留めているのも興味深いよね。
えまぬえる:ランカがドサまわりした際の衣装設定とかおもしろいですね。納豆の衣装を着ている時には「歩幅がとれないのでちょこまか歩かせてください」とか。
YU:これ、PlayViewに映像が収録されていますけど、本当にちょこまか歩いているんですよ(笑)。
えまぬえる:この工事現場で働く際どいCMはちょっとけしからんですね。この薄着はオズマに超怒られそう。
YU:胸にかいてある“開拓中”が意味深というか……。
えまぬえる:いや、意味深も何も、資料集にちゃんと(←エロ)って書いてありますから!
ごえモン:いったい誰が開拓してるんだろうね。アルト君かな(ゲス顔)?
YU:ちょっとはマトモなこと言えないんですか!
えまぬえる:『射手座☆午後九時 Don’t be late』の設定もすごいですね。髪やアクセサリーの細かい部分や、あの髪形をどうやって作るのかまできちんと描かれています。
YU:資料集と一緒に見ていくと、ランカとシェリルの衣装バランスがだんだん逆転していくことがわかりますね。
えまぬえる:普通の女の子からトップアイドルへ成長して、衣装も派手になっていくランカ。それに対して、途中で捕まって囚人服を着るまでになってしまうシェリル……。
ごえモン:『虹いろ・クマクマ』のシーンでも、シェリルが小さいランカごしに大きいランカを見るシーンが象徴的な演出だったね。こういうのは『マクロス』ならではだよなあ。
えまぬえる:ランカが2人出てくるシーンは、アニメならではのライブ演出でよかったですよ。
YU:こうして見ると歌が多くて、本当にぜいたくな作品ですねえ。
えまぬえる:美術設定を見て気付かされるのは、背景設定がすっごく細かいってことですね。あと、メカオタ的にメカ設定がたまりません!
ごえモン:そうそう、これだけは座談会で絶対言っておきたいってことがあるんだよ!
YU:な、なんですか急に?
ごえモン:アーマードパックってあるじゃん。あれ、昔の『マクロス』だとアーマードバルキリーっていう形態で、アーマーをパージしないと変形できなかったんだよ。でも、アーマードパックだとパージしなくても変形できる。つまり、メカニックの進化からも『マクロス』シリーズにおける時間の流れがわかるだろ! それから、それから……。
YU:はあ。
えまぬえる:こんなに複雑な機体が、関節もちゃんと動かせるオモチャが出ているって、スゴイことなんですよ!?
YU:なんか2人に変な火がついちゃった……。そういえば、さっきのポスターでも見ましたけど、昔の機体ってシンプルですねえ。
えまぬえる:『マクロスF』の機体と比べると、シンプルに見えますよね。でも、初代『マクロス』に登場したVF-1だって、完全変形で見栄えがいいフォルムのものが出てきたのは最近なんですよ。それを『マクロスF』では、最初から複雑な変形機構を再現している。これはひとえに、河森監督のデザインのなせる技ですね。
ごえモン:他のロボットアニメだと、変形によって質量も変化してるだろ! ってこともあるんだけど、バルキリーはそういうことがないんだよね。実際にオモチャで変形できるところは、さすがだと思う。
えまぬえる:アニメガイドにも収録されているんですけど、バルキリーは河森監督が毎回ブロックで試作を作っているという有名な話がありますね。
ごえモン:あれって、空力がどうのとか、どこが曲がるとか、すごくこだわっているんだよね。
えまぬえる:ちゃんと理屈を持たせることで、メカ好きなファンも納得できるんですよ。しかも、動いて完全変形するのはもう……。河森監督がブロックで作ったバルキリー、発売してくれればいいのに。
ごえモン:本当に売れると思うよ。ただ、1個作るのに相当な時間がかかるらしいけど。
YU:試作品をいろいろ作ったこととか、河森監督自身の話を聞けると楽しいですね。
えまぬえる:監督自身の設計もあるんでしょうけど、かなり前に『超時空烈伝真空路守』でSD武者バルキリー(張斬)が出てた時代から考えると、本当にスゴイ進化ですね。
ごえモン:言われるまで忘却の彼方だったけど懐かしいな、それ。ガンダムと違ってなくなっちゃったねSDマクロス……。
YU:すみません、おっさんたちの会話についていけないんですけど……。
えまぬえる:これを読んでるおっさんは懐かしくなるからいいんです!
YU:本当ですか? それにしても、こうしてPlayViewを見ながら劇場版を振り返っていると、本編をもう1回見たくなっちゃいますね。
ごえモン:それで気になったシーンをPlayViewで見て、もう1回本編に戻ってと……無限ループにはまりそうで怖いな。
えまぬえる:製作側の資料を見てからだと、見方も変わりますからね。BDで見飽きるくらい楽しんだ劇場版でも、まだまだ楽しむ余地があるんだと、思い知らされます。
ごえモン:劇場版って、TV版を見ていた人がミスリードするような裏切りの連続で、サプライズがすごいんだよな。特に『サヨナラノツバサ』は二転三転して楽しめた。
YU:TV版でしか見ていない人も、絶対に楽めると思うんですよね。劇場版を見ていないようだったら、間違いなく買いですね。
ごえモン:あとはゲームで知った人。『スーパーロボット大戦UX』とか、ゲームでも再現できない「映像美!」(声:陶山章央さん)の部分は、劇場版でぜひ見てほしい!
えまぬえる:そういうところでしか知らない人にも、ぜひご覧いただきたいですね。
ごえモン:でも、結局僕みたいに本編をすでに買ってる人はどうなの? PlayViewがおもしろいのはよくわかったけどさ。
えまぬえる:そういう人は『dシュディスタb』の新規ムービーですよ。実は、すでに見せてもらいました。
ごえモン:僕もひと足先に見せてもらったけど、あれはすごかったね。3DCGによるキャラクター表現がとにかく素晴らしくて……。思わず鳥肌が立ったよ。
えまぬえる:出だしもキャッチーなんだけど、中盤からスゴ味を発揮する作品なんですよ。あんな映像、見たことがない。演出もすごいですけど、カメラワークも、思わずため息ついちゃうレベルでした。
YU:超見たいです!
ごえモン:このPVに、チラッとだけ『dシュディスタb』の映像が収められているから、見てみるといいよ。先行視聴した時のレビューも書いているから、よかったらこっちもチェックしてみてね。
YU:ディスク2の紹介部分でチラッと出ていますね! 確かにすごく動いてますね。
ごえモン:……。
えまぬえる:……。
YU:……なんですか、その微妙に勝ち誇ったような表情は?
ごえモン:見せてもらったからあえて言うけど、実際の映像を見た時の衝撃は、それどころじゃないから。ド肝を抜かれるって、こういうことを言うんだな、ってえまぬえると一緒に実感させられたよ。
YU:ど、どういうことですか!?
えまぬえる:俺たちがド肝を抜かれた理由は、後日掲載予定のスタッフインタビューを読んでもらえればわかると思いますよ。
YU:……わかりました。そのインタビューを楽しみにしておきます!
YU:今回はだいぶ飛ばし気味に見てきましたけど、じっくりPlayViewを見ると映画と同じくらい時間がかかりそうですね。
えまぬえる:メカ設定の6面図とかを流し見しているだけでも楽しいですし、しっかり見ると新たな発見があります。絵の拡大もできるなど、本にはない利便性もありますし、デュランダルのガウォークとか、劇中にほとんど登場しなかったものもジックリ見ることができます。
ごえモン:そして『dシュディスタb』の新規映像がある、と。
えまぬえる:他にも、『映像ヒストリア』には、出演声優のインタビューをはじめとした新規制作コンテンツや、今までに発売されたアイテムには収録されていなかったいコンテンツまで網羅しているので、間違いなくお得ですって。
YU:『マクロスF』が好きな人はコレクションアイテムとして。初めて触れる人はこれ1本で『劇場版マクロスF』を完璧に楽しめるオススメのBOX! ということでいいですよね?
ごえモン:すごい。急遽呼ばれたのに綺麗に結論をまとめてくれた。
YU:お前らが役立たずなんじゃ!!
→『dシュディスタb』キーマンにインタビュー! サテライト社内の様子も
→『dシュディスタb』ライブ映像を先行視聴レビューを掲載中!
→『劇場版マクロスF 30th dシュディスタb BOX』開封レビューはこちら!
(C)2009, 2011 ビックウエスト/劇場版マクロスF製作委員会
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