2015年3月4日(水)
スマートフォン用アプリ『チェインクロニクル ~絆の新大陸~』が、明日3月5日にVer.2.3にアップデートされます。その内容を紹介するとともに、開発者インタビューをお届けします。
最新バージョンアップでは、昨年末に行われたセガネットワークスファン感謝祭2014で発表された第4章“罪の大陸篇”が実装される他、新キャラクターや新システムが多数追加。新キャラクターの声優は、緑川光さん、小林ゆうさん、小山茉美さん、浪川大輔さん、緒方恵美さん、伊瀬茉莉也さん、藤村歩さんら豪華声優陣が担当します。
■第4章あらすじ
ケ者の大陸を出航してまもなく、航行不能になってしまった義勇軍の船は、罪の大陸に漂着する。そこは各地の様々な凶悪犯が集められ、収監されている巨大な監獄だった。
黒の軍勢の出現によって秩序が崩壊し、犯罪者たちが我が物顔で闊歩する狂気の大陸。そこで義勇軍は、3つに分断されたクロニクルの存在を知り、それを巡る囚人三つ巴の争奪戦に巻き込まれてしまう。
混沌に支配された罪の大陸に、はたして再び秩序が戻るのか? 罪の大陸のクロニクルは、義勇軍を新たな冒険へと誘っていくのだった。
今回、第4章のストーリーや新たに追加される要素について、チーフディレクターである松永純氏と同ディレクターの山浦大輔氏にお話を伺いました。明日の実装の前に、ぜひご覧くださいませ。(※インタビュー中は敬称略)
▲チーフディレクターの松永氏(写真左)とディレクターの山浦氏(写真右)。 |
――ファン感謝際で発表された第4章“罪の大陸”ですが、実装日はいつになりますでしょうか?
山浦:Ver.2.3のアップデートに合わせて、3月5日を予定しています。
松永:今、おっつけるべく馬車馬のようにやっています(笑)。
▲新章“罪の大陸”は、2014年12月に開催されたセガネットワークスファン感謝祭2014で電撃的に発表された。 |
――スバリ、新章の見どころは?
松永:今回義勇軍が上陸するのは、犯罪者しかいないっていうとんでもない大陸で。善人が誰もいない、思うがままに振る舞っている悪人たちにもみくちゃにされ、さてどうなる義勇軍! ……という波乱の展開が待っています。第3章の“ケ者の大陸”では、本能の赴くままに行動するケ者たちの中でどうしていくかという話を主軸に描きましたが、第4章では、登場人物が全員悪人という中で、どう彼らと絆を結んでいくのかというのが物語の見どころになります。
注目していただきたいのは、登場キャラたちのカッコよさです。とにかく皆、キャラが立っているんです。というのも、この大陸にいるのは、九領の第一領主であるシュザのようなダークヒーロー的人物ばかりなんです。マンガでも映画でも、悪側の視点というのは絶対におもしろいですよね。だから、登場キャラがみんな悪、というのは絶対におもしろいだろうと以前から考えていて。当然、そんな場所はユグドでは用意できなかったので、まさに新大陸だからこそ実現できた物語になっています。爆弾魔やら殺人鬼やらマフィアのボスやら、とんでもないキャラたちが繰り広げる、怒涛のストーリーを楽しんでもらえればと思います!
――犯罪者の大陸というと、監獄島のようなイメージでしょうか。
松永:まさにそうですね。元々、世界が混乱する前は犯罪者の収監場所として、さまざまな国が共同で運営していた大陸、という設定です。ですが、黒の軍勢たちが現れたことで犯罪者たちが自由になってしまう。そんな混沌とした場所を舞台にしています。この大陸には3つの監獄がありまして。愚かさ故に罪を犯してしまった人たちが集まる“愚痴の獄”、欲にまみれて罪を犯してしまった人たちのいる“貪欲の獄”、感情に流されて罪を犯してしまった人たちのいる“憤怒の獄”。個性の別れた3つの監獄が、互いに相争っているという設定で。みんな悪人で、みんな戦争中という、まさに手が付けられない状況から、物語は始まります。
――開発されていて、手応えはいかがですか?
松永:めちゃくちゃおもしろいですよ! ケ者の大陸は、義勇軍が海に出て初めて上陸する大陸ということで、“新大陸”を感じてもらう、というところにわりと物語のパワーを割かせてもらいました。ですが今回は、直球で物語の“楽しさ”に全力を注いでいます。とにかくステキなキャラクターが多いですし、ストーリーも派手な展開になっているので、ぜひ楽しんでいただければと思います!
――罪の大陸のキーパーソンやオススメのキャラクターを教えてください。
松永:今回は本当に、全員オススメしたいくらいキャラが立っているので、迷うんですが……ストーリー上のキーパーソンは、やはり3つ監獄をそれぞれ統べるボスたちですね。まさに悪の中の悪というところで、魅力的なのがそろっています。やはり悪の華というのは、絵にするにしても筆が走るところがあるのか、キャラデザインも非常にカッコイイです! それと、先ほどから全員悪人と連呼していますが、わずかながら善人や中立のキャラも登場します。圧倒的な悪の渦の中で、彼らが義勇軍とともにどう立ち回るのかというのも、おもしろい部分ですので注目いただければと思います。
■ ストーリーの注目人物 ■
【ザエル】
▲愚痴の獄のボス。善悪の判断なく、思うがままに振る舞った結果、国を1つ滅ぼしたという、まさにド直球な大犯罪者。 |
【ヴァレリオ】
▲貧欲の獄のボス。巨大マフィアのボスで、かつていた大陸の、すべての国を裏から牛耳っていた男。監獄も牛耳っている、計算高いタイプ。 |
【ゼィヒア】
▲憤怒の獄のボス。触れたらどうなるかわからない、ミステリアスな風貌が印象的。 |
松永:さらに、酒場で仲間となるキャラたちも、魅力的な面々がそろっています。キャラクターとしての魅力はもちろん、バトル面でもおもしろいものがそろっています。1つ目が“爆弾”です。名前の通り爆弾を設置して、敵が踏んだり一定時間経過したりすると爆発する、というギミックです。続いて“炸裂弾”ですね。着弾した後に拡散してダメージを与えます。どちらも遊びとしておもしろいのはもちろん、ビジュアル的にも派手なので、熱いバトルが楽しめると思います。
また、監獄という閉鎖空間をモチーフにした“領域”というスキルも入っています。自分の周囲や指定した位置に四角いゾーンを作って、そこに入った敵を毒状態にしたり、味方の攻撃力アップをしたりといった様々な効果を与えます。ポジション取りが重要になってくるので、キャラクターを動かすのが楽しくなると思いますよ。
■ バトルの注目人物 ■
【ボムボマー】
▲自分の話を聞いてもらえないと、すべてを粉々にしようとしてしまう、困った爆弾魔。新要素“爆弾”の使い手。 |
【アリシア】
▲かわいい表の顔からは想像できない、裏の顔を持つ二重人格者。新要素“領域”の使い手。 |
【ドーリィ】
▲殺戮人形という恐ろしい異名を持つ少女。新バトルシステムの炸裂弾を使いこなす。 |
【レオン】
▲犯罪者ひしめく監獄の大陸にいる善人その1。看守として、平和を取り戻すために奮闘するが、いつも空回ってばかり……。 |
【ローゼマリー】
▲犯罪者ひしめく監獄の大陸にいる善人その2。看守だが、やる気はゼロ。 |
松永:あと、新章のキャラクターたちには、敵や味方にバッドステータスが付くと強くなるという要素が用意されています。そして今回は、味方にバッドステータスを付けるといういかにも犯罪者らしい、困ったキャラもいて。これをいかに駆使するかというパーティ編成のおもしろさも用意しています。今までのキャラにもバッドステータスを付けるキャラはたくさんいるので、そこも含めて組み合わせを楽しんでいただければと。
山浦:今回の新しい戦い方は、これまでのバトルと比べるとまったく違うゲームに見えるかも……というくらい、派手になっています。ぜひ新キャラたちを入手していただき、皆さんも実際に体感していただければと思います。中にはビックリする仕掛けのキャラもいるかもしれません(笑)。
――新章実装ごとにバトルに新要素が追加されるのは新鮮でいいですね。
松永:それと実は、基本のシステムにも今手を入れていて、弓が強化されます。今回は、銃がかなりピックアップされる形なので、それとバランスを合わせるためにも、弓の基本性能を調整した、という意図です。
山浦:弓って、矢を射るじゃないですか。敵に当たる位置が弓のキャラクターに近いほど威力が強くなるようにしているんです。弓使いキャラを前線に出して攻撃させるとか、スリリングじゃないですか?
松永:今までの性能にプラスで、近い敵には威力のボーナスが入るようになっています。ですので遠距離攻撃はそのままに、中距離でさらに力を発揮できるというところで、銃や魔法とは異なる立ち回りができるようになればと思っています。
――バトル以外のところでの新要素はありますか。
山浦:以前、複数パーティを使ってバトルを行えるようにすると発表しましたが、ついにそのシステムをお届けできることになりました。ここではこのパーティが戦って、次はこのパーティが戦って……という、ちょっとした戦略ゲームみたいな感じですね。魔神襲来イベントや踏破イベントといったような、『チェンクロ』の大きなイベントの柱の1つになればいいなと考えています。
松永:キャラクターを手に入れたけど使い場所がない、とユーザーさんに思われてしまうのが開発的に一番悲しいんですよね。ですので、いろいろなキャラクターを使って遊んでいただけるようなアップデートを心がけているんです。絆アビリティふくめて、これでおおむねやれたとは思っています。とはいえ、今後遠くないタイミングでさらにもうひとつ、大きなイベントシステムを用意するつもりでいます。こちらも楽しみにしていただければと思います。
山浦:大きなイベントシステムだけでなく、『チェンクロ』のバトルをガッツリ遊んでいただくために、バトルの速度調整機能も強化しました。従来は等速・倍速のみでしたが、高速側を1.5倍~3.0倍で調整できるようにしました。早さはポーズ画面中にすぐに調整できるようになっているので、急に強敵が現れても大丈夫です(笑)。
あとストーリーを大切にする『チェンクロ』らしく、バトル中にドラマを挿入できるようになります。イベントバトルなどで、WAVEまたぎの時に、バトル前後と同じようにキャラクターたちが語り合うドラマシーンがカットインで入って、キャラクターがいろいろ話したりきるようなるんです。それで、この時の選んだ選択肢で攻撃力が上がったり、マナがもらえたりなどの効果が発生したりします。
――おお、ステータスにかかわってくるんですね!
松永:ストーリーとバトルをもう少し融合させたいという想いはあって。今は、がっつりとストーリーを読んで、バトルはバトルでという両極のような感じですけど、もう少し間を埋めるようなことができればと思っています。
山浦:あとゲームのUIも若干変わります。ホーム画面のお知らせを見やすくしたり、バトル前のパーティ確認画面が見やすくなったり、合成時の素材に選んだアルカナがわかりやすく表示されたり、細かい部分を修正します。
▲ドラマの挿入は、今後いろいろなクエストで使っていきたいと話すおふたり。 |
――現在開催中のイベント“羽ばたく自由の鷹”でVer.2のディードが登場しましたが、すでに発表されているキャラクターもそろそろ登場するのでしょうか?
松永:はい。お待たせしてしまいましたが、ようやくセガネットワークスの運営チームさんと、提供方法についての折り合いがついたので、Ver.2キャラを登場させる体制が整いました。ずっと以前に情報が出ていた、ハルアキ&トウカなども出せると思います。
ただ、個人的な話になりますが、この2人はストーリーを考えるのが難しかったですね(苦笑)。物語としてほぼ完結したキャラクターだったので……。ハルアキ&トウカのストーリーは初期のころから、僕のほうでがっつり書かせてもらっているのですが、九領の外伝の時にハルアキ&トウカの部分だけ筆を入れさせてもらって、2人のエピソードを完結させてしまったんですよ。Ver.2キャラが控えていることは認識していたんですが、なかなか体制が整わない中で、ユーザーさんに対して本道の濃い物語の提供ペースが遅くなっている印象があったので、後で困るのは覚悟でやってしまったんですが……案の定、何を書けばいいのか悩みました。完結させた物語の、後日談の後日談になるので(苦笑)。
――ハルアキとトウカは電撃オンラインの人気投票でも上位で、彼らのシナリオが好きだというコメントが圧倒的でした。
松永:そういっていただけると本当にうれしいです。近日中にもう一度楽しんでいただけると思います。またその他のキャラについても、それぞれ番外編ではない、きっちりとした“その後”が描かれますので、楽しみにしていただければと思います! とはいえ、Ver.2の各キャラクターは、その後の物語が描かれたからといって、それで終わりというわけではありません。今後も義勇軍の一員として活躍していきますし、いろいろなところで登場します。
いろいろなキャラクターがかかわるという意味では、遠くないタイミングで、第2部のチェインストーリーの追加も予定しています。これからも、メインのストーリーを進めつつ、間にチェインストーリーや外伝など、メインの世界観にのっとった、濃い物語をキッチリ用意して、ユーザーさんに楽しんでいただければと思っています。
――第2部の外伝も用意されるのでしょうか?
松永:そうですね。ただ外伝は、メインストーリーがきちんと終わった後に、その物語を補強するものだと思っているので。まだ2部は始まったばかりですし、ようやく新大陸が現れたくらいのタイミングなので、まだ早いかなと。ですが、将来的にはもちろんやりたいと思っていますので、ご期待ください!
――ファン感謝際で、『七つの大罪』のコラボが発表されましたよね。
山浦:今回のコラボイベントはアニメの放送時間帯にあわせて、スタートが3月15日の日曜日になります。『七つの大罪』は週刊コミック誌で連載されている人気作品ですし、これを機会に多くの方が『チェンクロ』をプレイしてくださるとうれしいですね。
(C) 鈴木央・講談社/「七つの大罪」製作委員会・MBS |
松永:あと、pixivさんで行った『チェンクロ×pixivイラストコンテスト』にも大変たくさんのご応募をいただきまして。
山浦:最終的に2,113通になりました。最終日に一気に届いて(笑)。
松永:どれもクオリティが高くて。なんというか、『チェンクロ』への愛と、キャラクター制作に対する熱をものすごく感じました。この場を借りて、参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。
――審査員として岸田メルさんが参加されていますが……。
山浦:あー、はい、そうですね(笑)。
松永:まぁ、長い目で見ていただければと!
――最後にユーザーにメッセージをお願いします!
山浦:去年の夏に第2部をスタートさせてからケ者から監獄といろいろ多彩に展開していますが、本作をずーっと遊んでいただけるよう、これからも新しい試みをどんどんやっていきます。“みんなで作る『チェンクロ』”を合い言葉に、もっといろいろな人にいろいろな形で楽しんでいただけるコンテンツを目指して開発していきますので、よろしくお願いします!
松永:『チェンクロ』は、キャラクターがいて、物語があって。そしてゲームがあって。その中で、「このキャラが好き!」とか「ゲーム性が好き!」いう方もいれば、全部ひっくるめて好きというファンの方もいてくださって。1年以上たった今でも、いろいろなタイプのユーザーさんがいてくださって。それが本当にうれしいです。ですので僕たちとしては、どの方たちにも「『チェンクロ』は楽しい! 熱い!」と今後も感じてもらえるようにしたいと思っています。あっちを立てたらこっちが立たないということはしません。キャラクターも、物語も、ゲームも全部広げていくつもりですので、これからも前進を続ける『チェンクロ』にご期待ください!
(C) SEGA/(C) SEGA Networks
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