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2016年6月20日(月)

太正桜に浪漫の嵐! 『サクラ大戦』生誕20周年の節目に数多のユーザーを熱狂させた、その魅力を振り返る【周年連載】

文:ライターM

 発売から、5年、10年、20年……そんな名作への感謝を込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中です。

 1996年の9月27日といえば、『サクラ大戦』一作目の発売日。奇しくも誕生日が同じ9月27日というライターMが、僭越ながらゲーム史に輝く名作の魅力を語らせていただきます。

『サクラ大戦』
『サクラ大戦』

 普段なら「日本刀を振り回す、黒髪ロングの和服美少女サイコー!」とか「エリカの黒猫衣装がたまらんのです!!(三作目)」などと妄想全開に書きなぐるところですが、今回はそこそこ真面目な路線でいきましょう。

 とはいえ、堅苦しい話ではなく「そうそう、『サクラ大戦』といえばアレだよね」などと、記事をネタに当時を懐かしんでいただければ幸いです。

『サクラ大戦』

ヒットしないわけがない!? あざといまでの見どころを凝縮した1本

 『サクラ大戦』が発売された1996年当時のゲーム事情といえば、家庭用ゲーム機では『ポケットモンスター(赤・青・緑)』や『バイオハザード』など名だたる名作が続々と発売され、アーケードでも『バーチャファイター3』がリリースされるなど、ゲーム業界全体が活気づいていた年だと記憶しています(某同人誌即売会の会場が有明に移転したのもこの年ですね)。

 そんな豊作ぞろいの中でリリースされた本作は、今見返しても魅力があふれまくり。さすがに今現在20代の方々には馴染みが薄いタイトルかもしれませんが、当時の盛り上がりといったら、シリーズものの大作RPGに匹敵する程でした。

 独断と偏見でヒットの理由を挙げてみると、まずは……

【豪華すぎる制作陣】

 原作は広井王子さんで、脚本はあかほりさとるさん。音楽が田中公平さんで、キャラクターデザインは藤島康介さんと、その筋の大御所がこれでもかというほど名を連ねています。

 各人がどれほどすごい方々なのかは割愛しますが、気になる人はGoogle先生に聞いてみてください。今も一線で活躍されている、90年代のエンタメを支えてこられた実力者ばかりです。実作業にどの程度携われたかなどの業界裏話はさておき、ネームバリューだけでも「これは!?」と期待値が高まります。

 ……2つめは!

【濃密な内容】

 ヒロインとの日常生活を楽しめるアドベンチャーパートと、俯瞰(斜め見下し)視点のバトルパートの二部構成で、TVアニメを意識した演出も織り込まれるなど、当時のゲーム作品としては斬新な作りでした。

 『パワードール』シリーズなどガチガチのタクティカルSLG好きだった筆者にとって戦闘パートは物足りなかったものの、今思えば、物語進行を妨げない心地よいゲームバランスでした。

『サクラ大戦』
『サクラ大戦』
『サクラ大戦』
『サクラ大戦』
▲オープニングだけでなく、随所にアニメ演出を挿入。アイキャッチや次回予告など、TVアニメを意識した演出となっていました。
『サクラ大戦』
『サクラ大戦』
『サクラ大戦』
『サクラ大戦』
▲マップ移動をベースとしたアドベンチャーパートと、斜め見下しタクティカルSLG風味のバトルパート。マウスカーソルを使ったポインティングなど、アドベンチャーパートの仕様も歴史を感じさせます。

 全編にわたって登場する会話システム“LIPS”も特徴的で、会話選択の制限時間が場面によって可変するというもの。短い制限時間で選択を求められたかと思えば、タイムアップ(何も選択しない)が正解などというケースもあり。当時は攻略本などを見て「そんなのアリ!?」と毒づいたものです。

 当時、恋愛要素を含むタイトルの多くは“フラグ消化”タイプで、どんなに好感度を上げようとも必須フラグを1つ逃すだけでバッドエンド確定という、なんとも不条理な仕様が主流。そんな中、好感度を上げれば確実にお目当てのヒロインとエンディングを迎えられた本作は、泣けるほどありがたかったです。

『サクラ大戦』
『サクラ大戦』
▲特徴的な会話システム“LIPS”。選択肢がひとつしかないなど、明らかに怪しい選択に戸惑った人も多いのでは?

 そして、3つめは。

【浪漫駄々漏れの世界観】

 文明開化から50年後、“大正時代の日本”がモデルと思しき“太正時代”。和洋折衷の文化で綴られるモダンな街並みが舞台で、夜は怪物や呪術が跋扈するという幻想世界。

 昼は大帝国劇場のスターという顔を持つ帝国華撃団・花組のヒロインたちは、いざ戦いとなれば、特撮戦隊モノ顔負けの舞台装置を通じて出撃して、霊子甲冑を操り悪を討つ……。

 もう世界観が狙い過ぎてズルイというか、これでワクワクしないのはよほどの捻くれ者ですよ。余談ですが、筆者が同居している大正生まれの叔母に言わせれば「お前は大正時代をなんだと思っているんだい?」と眉をひそめられはしたものの、アニメやゲームにおける大正時代の認識は胡散臭さがまかり通るというか、何でもアリですよね。

 ヒロインの個性も際立っていて、少々芋っぽい黒髪美少女、少しおませな金髪超能力幼女、ノリが関西なメカ好きメガネっ子、気まぐれツンデレお嬢様、陰のあるクールなロシア美女、拳で語る琉球空手娘と、見事なまでに記号の塊となっています。

 しかも、キャラクターの個性は戦闘パートのユニット能力と紐づけられていて、シナリオだけでは得られない説得力を持たせるなど、魅せ方も秀逸でした。

『サクラ大戦』
『サクラ大戦』
『サクラ大戦』
『サクラ大戦』
『サクラ大戦』
『サクラ大戦』
▲シリアスありコミカルありの日常劇からスチームパンクSFの世界へと急転するメリハリの効いた展開も魅力的でした。
『サクラ大戦』
『サクラ大戦』
▲忘れてはいけないのが、時おり挿入されるミニゲームの数々。本編をそっちのけでハマった人もいるのでは?

~登場人物一覧~

●真宮寺さくら(声優:横山智佐)

『サクラ大戦』
▲序盤から主人公の大神一郎に好意的かつ、ちょっぴりヤキモチ焼きとか、正統派ヒロイン好きを狙い撃ちです。

●神崎すみれ(声優:富沢美智恵)

『サクラ大戦』
▲高飛車なのか照れ屋なのか、不器用さがたまりません。

●マリア・タチバナ(声優:高乃麗)

『サクラ大戦』
▲陰のある男装の麗人なんて、いかにも宝塚的なヒロインで味がありました。

●アイリス(声優:西原久美子)

『サクラ大戦』
▲数年後が楽しみなちっちゃかわいいレディ。一部の方々には「成長させるなんてとんでもない」といわれそうですが……。

●李紅蘭(声優:渕崎ゆり子)

『サクラ大戦』
▲メガネっ子好きの視線を独占。個人的には広範囲を殲滅できるユニットとして重宝しました。

●桐島カンナ(声優:田中真弓)

『サクラ大戦』
▲こんなボーイッシュなヒロインが見せる一瞬の女らしさっていいですよね。

●大神一郎(声優:陶山章央)

『サクラ大戦』
▲我らが大神少尉ですね。最初は困惑してばかりだった彼も物語の進行とともに成長していきます。

●米田一基(声優:池田勝)

『サクラ大戦』
▲最初は昼間っから酒を飲みまくるおじさんという印象でしたが、しめるところはしめるカッコイイ大人です。

●藤枝あやめ(声優:折笠愛)

『サクラ大戦』
▲物語的にはいろいろとありましたが、艶っぽいボンテージ姿ですべてが許された気がしました。

●藤井かすみ(声優:岡村明美)

『サクラ大戦』

●榊原由里(声優:増田ゆき)

『サクラ大戦』

●高村椿(声優:氷上恭子)

『サクラ大戦』
▲事務や受付など一般人かと思いきや、花組をバックアップする風組としての一面も持つ三人娘。メインヒロインを差し置いて、三人娘が好きというプレイヤーも少なくなかったとか……。

メディアミックス展開の先駆け

 ナンバリングタイトルとしては5作目まで制作され、パズルゲームやソーシャルゲームなど、外伝やリメイク作品も多数制作されました。1997年にはOVAがリリースされ、2000年には1作目をモチーフとしたTVアニメも放映開始。巴里華撃団(3作目)や紐育華撃団(5作目)もOVA化され、ドラマCDや小説、コミカライズなど多岐にわたって展開。

 何よりも特筆すべきは、出演声優陣がキャラクターを演じた舞台“サクラ大戦・歌謡ショウ”です。今でこそ、声優が前面に出て活動をすることは珍しくありませんが、当時はかなり衝撃的でした(経歴的にもベテランの域にある声優陣が、キャラクターとのギャップをなぎ倒しているあたりも含めて……)。

 結果は10年にわたるロングランが示すとおりで、舞台俳優としての経験も豊富な声優陣の面目躍如といったところでしょうか。

シリーズはハードの垣根を超えて……

 当時のゲーム機事情はポリゴンに強いPlayStationとアーケード移植に強いセガサターンという図式で次世代機の人気を二分していました。

 1998年には「セガなんてダッセーよな」「プレステのほうがおもしろいよな」のセリフで世間をざわつかせた自虐的TV-CMも登場。よもや『サクラ大戦』シリーズが他機種に移植されることはないだろうと思っていたのですが、大人の事情でシリーズ5作目はまさかのPS2リリース。

 大神一郎を主人公とした物語は4作目までとなっており、純粋な続編ではありませんが、シリーズは『サクラ大戦V ~さらば愛しき人よ~』まで発売されています。

 近年では新たなゲーム展開の話もなく、いちファンとしては残念な限りです。なんとなく、今回の記事を書くにあたって改めてOPムービーを鑑賞してみましたが……いやこれはもう、思い出補正抜きにしてもワクワク感しかありません(とくに3作目!)。

 そんなわけで、久しぶりにドリームキャストを起動してみたところ、お約束のようにタイマーが電池切れ。かれこれ10年以上電源を入れていなければそうなりますね。せっかくなので棚の奥にしまい込んだサターンも引っ張り出して、久しぶりに太正浪漫に浸ってみようかと思います。

(C)SEGA
(C)RED

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