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2017-04-12 12:00

『エグリア』をゲーム内課金なしの買い切りにした理由とは? 亀岡慎一さん&岡宮道生さんインタビュー

文:梅津爆発

 いよいよ明日4月13日に配信される新作スマートフォン用アプリ『エグリア ~赤いぼうしの伝説~』。本作の開発者インタビューをお送りします。

『エグリア』

 『エグリア』は、ブラウニーズ×DMM.com POWERCHORD STUDIOがタッグを組んで送るiOS/Android向けのオリジナルファンタジーRPG。ツノと記憶をなくしたレッドキャップ族の少年・チャボと、かつてたくさんの種族がともに暮らした奇跡の王国・エグリアの復興を志すエルフ族の少女・ロビン。彼らの出会いと別れが描かれます。基本的なゲーム内容については電撃オンラインの紹介記事をご覧ください。

 今回は制作総指揮とキャラクターデザインを担当されたブラウニーズの亀岡慎一さんと、プロデュースを担当されたDMM.com POWERCHORD STUDIOの岡宮道生さんにお話を伺いました。本作制作の経緯から、世界観やゲーム内容、そして気になる料金の話までいろいろ伺っていますので、ぜひご覧ください。(※インタビュー中は敬称略)

『エグリア』
▲岡宮さん(左)と、亀岡さん(右)。

■亀岡慎一さん

 『マジカルバケーション』(任天堂)や『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』(スクウェア・エニックス)、『ファンタジーライフ』(レベルファイブ)などの開発を手がけた後、株式会社ブラウニーズを設立して代表となる。

■岡宮道生さん

 DMM.com POWERCHORD STUDIO室長。『艦隊これくしょん -艦これ-』のエグゼクティブプロデューサー。

『エグリア』は亀岡さんが今までで一番自由に開発できたゲーム!?

――まずは『エグリア』開発の経緯から教えてください。

岡宮:数年前久しぶりに飲んだ時に、何か一緒に作りましょうよ!と、盛り上がったんですよ。

亀岡:ええ、でもその頃はまだうちの開発ラインも埋まっていたんで、近いうちにやりたいねって感じで。

岡宮:そんな感じで何度か飲みに行っていました。

亀岡:何度か飲みに行っている間に、ウチのラインが空いて動けそうになったので「実はこういうの作ってるんだよ」と社内で開発中のアプリを見せたら、「いいじゃないですかこれ。ウチでやりましょう」と言ってくれて。

岡宮:元々“スマホでコンシューマ・ゲーム”みたいなものをやりたいなと思っていたので、ちょうどいいタイミングでした。それと僕は、亀岡さんのやりたいことを自由にやってもらいたかったんですよ。亀岡さんが描かれるキャラクターはスクウェア・エニックス時代から好きでしたし、亀岡さん自身のキャラクターも大好きで(笑)。

亀岡:ワハハ(笑)。

岡宮:津田さん(※編注:ブラウニーズ デザイナー・津田幸治さん)のグラフィックもとても美しいので、それらを生かして自由にやってもらった方がいいかなと。

亀岡:元々は社内で「誰にも文句を言われずに好きに作ろう」と、休日に集まって作っていたんですよ。だからいろいろ言われたくなかったのですが、自由に作っていいということで「それならぜひ!」と。もしそのまま社内だけで作り続けていたら、リリースするのにあと5年くらいかかったかもしれません(笑)。

『エグリア』

――自由に作れることは、普通はあまりないですよね?

亀岡:『マジカルバケーション』の1作目も結構自由に作らせてもらえていたんですが、エグリアはゲーム開発人生で一番、好き勝手に作らせてもらえました。

岡宮:自分たちの好きにやったほうが、きっと楽しいものができますよね。

亀岡:ねっ。

――最初にゲームを見せた時期というのはいつ頃になるのでしょうか?

亀岡:2年ちょっと前くらいですね。見せてから、ラインが完全に空くまで半年くらいかかって、そこから本格的に動き始めました。

――その時点で現在の『エグリア』の形はある程度できていたのでしょうか?

岡宮:最初に見せてもらったときは縦画面でしたね。

亀岡:最初は片手で操作できるようにしようと、縦持ちでいろいろと模索していました。六角形のヘックスでバトルをやらせるというのは最初から同じですね。街は道が縦に走っていて、その左右に4件くらいずつ家があるレイアウトでした。その後、街の奥行きや広さを出すには横画面のほうがいいかなと試行錯誤した結果、今の形に落ち着きました。

『エグリア』

――基本的なコンセプトは最初から変わっていないんですね。

亀岡:自分の中にあったモノを自由に作らせてもらったので、基本的には変わっていません。バトル(採取)部分は、軸は自分のほうで固まっていたので、後のバリエーションは若いスタッフに任せました。当初自分で想定していたものとは少々違うのですが、おもしろくできたのでそれはそれでいいんじゃないかと。

『エグリア』のおもしろさをスタッフに伝えるのが大変だった!

――『エグリア』はどんなコンセプトで作られたのでしょうか?

亀岡:ムーミン谷みたいな世界観のゲームを作りたかったんですよ。キャラクターたちが立ってくれたら、後はそのキャラクターたちが勝手に動いてくれるので、リソースを消費していくタイプのゲームよりも作り易いし、スマートフォンにも合っているんじゃないかと。

 だからまずはしっかりとした世界観とキャラクターを作りたかったんです。例えばバトルに特化させると、どんどん次のボスを出さなきゃいけないじゃないですか。だから『エグリア』はバトルがメインのゲームではありません。スタッフにはなかなか理解してもらえませんでしたが(笑)。

――そうなんですか?

亀岡:「武器も防具もないですけど、プレイヤーに何をモチベーションに楽しませるんですか!?」みたいなことは何度も言われましたね。このゲームのよさを言葉で伝えるのは本当に難しかったです。(笑)。

岡宮:確かに最初のほうで「バトルなくてもいいですか?」と言われて、「珍しいけどそれも新しい感じで、まあいいか」と思った記憶があります。その他の部分とか全体のコンセプトで充分魅力を感じましたので。でも最終的にはバトルが入ってよかったんじゃないですか?

亀岡:当初はバトルと言うよりも、タケノコ掘りに行ったらクマに出くわして、しょうがなく戦うみたいなイメージでした。僕が思っていたよりも本格的になっちゃいましたが、おもしろいし「戦わなくてもいい」というコンセプトは変わっていないので、いい形でまとまったと思います。

『エグリア』

――スタッフの方たちが「これはおもしろい!」と反応されたのはいつくらいだったのでしょうか?

亀岡:結構あとじゃないかな(笑)。バトルや街作りなどの要素が注目されがちですが、メインは住民との交流なんですよ。住民との交流と、バトルや街作りがちゃんと連動した辺りでようやくおもしろさが伝わったんじゃないかな。それが去年の秋くらいです。

――結構最近ですね(笑)。

亀岡:バトル、部屋のカスタマイズ、家の増築等それぞれのセクションはよくできていたんですけど、すべての要素がしっかりつながったのがそれくらいでしたね。僕はずっと自信があったのですが、すべての要素がつながったバージョンを遊ぶまで「大丈夫かな……」と心配しているスタッフもいました。

――亀岡さんに自信があったから、スタッフの方たちは心配しながらもついていったんでしょうね。

亀岡:自信はあったけど不安もありましたよ。細かい調整をするのは自分じゃないですから「思い描いた通りに調整されるかな」と。実際につなげてみたら、スタッフにもおもしろさが伝わったし、僕も遊んでみてやっぱりおもしろいと再確認できたので「これはいける!」と思いました。

岡宮:それぞれのパートは、その時点まででもかなり作りこまれておもしろかったんですが、なかなか各要素がつながらなかったので実は内心は結構心配していました。だけど、全部がつながったモノを遊んだら……とても安心しました(笑)。

『エグリア』

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