『WC』最大のポイントは、なんといっても3つの文明が追加されること。追加文明はネイティブアメリカンの3部族、「アステカ」、「イロコイ」、「スー」だ。3つの部族はそれぞれ特徴的なユニットや建物を有しており、既存のヨーロッパ列強諸国に比べて、かなり個性的な戦いができると言える。とくに注目は3部族に共通する新建物「ファイアピット」。これは祈りを捧げる焚き火で、町の人を火の回りで躍らせることで各種の恩恵が得ることができるというもの。恩恵には、ユニット生産速度のアップや、特殊なユニットの誕生、全軍の攻撃力アップなどさまざまなものが存在する。また、既存文明の探索者にあたる戦士長（ウォーチーフ）も注目ポイント。各文明の戦士長は周囲の味方ユニットに特別な力を与え、「自然との友好」コマンドでは熊やピューマなど財宝の守り手を従えることもできる。この3部族にとっては、ファイアピットと戦士長の使い方こそが勝利のカギとなるだろう。
高貴なる者たちの歩兵文明アステカ。『AoEIII』では先住民族として登場しており、その優れた歩兵部隊で同盟者を勝利に導いてきた。今回は1文明として独立。強力な歩兵を中心とした、優れた軍事力で勝利を目指す。アステカの戦士長は、HPの高い歩兵ユニット。頑強な棍棒で絶大な近接戦闘力を誇り、さらには周囲の味方ユニットの獲得経験値にボーナスを与える特殊能力も持つ。
ヨーロッパとの融合を図るイロコイ文明。こちらも『AoEIII』では先住民族として登場したおなじみの存在である。ヨーロッパの最新科学を積極的にとりいれた異質の部族であり、大砲を生産できる唯一の新文明である。また、マントレットや破城槌など、強力な攻城ユニットを多数有するのも特徴だ。イロコイの戦士長は、動きの速い歩兵ユニット。近くにいる味方ユニットのHPをアップする能力を持つ。
誇り高き騎馬文明スー。斧騎士、ボウライダーといった強力な騎兵ユニットを多数擁しており、速戦速攻で敵対文明に大打撃を与えることができる。大きな特徴としては、家を建てなくても最初から人口上限が200人になっていること（『エイジ オブ エンパイア II 拡張パック：覇者たちの光陰』のフン族をイメージされる方も多いだろう）。スー族の戦士長は、近接攻撃を得意とする軽騎兵。周辺の味方ユニットに移動スピードアップの効果を与える。
ネイティブアメリカン3部族の襲来に、既存文明も負けてはいられない。まずは新建物「酒場」。酒場では強力な傭兵やアウトローを金貨で雇うことができ、自軍戦力とすることができる。雇えるユニットには、忍者や浪人などの姿も……！ ただし、酒場で雇えるユニットは、毎マップランダムで変化。どんなユニットを雇えるかは、酒場を建設してからのお楽しみというわけだ。
次に全文明共通の新ユニット。素早く移動できる「騎馬砲兵」。傭兵や戦士長に大打撃を与える「スパイ」。速射型の火砲「ガトリング砲」、などなど。最新の火器が多く、序盤速攻型のネイティブアメリカン3部族に対して、終盤型のヨーロッパ8文明といった違いが明確になりそうだ。
忍者をはじめとする一部のユニットは、敵に発見されずに移動できる「忍び足」コマンドを実行できる。実行中は移動速度が低下するが、敵の中枢を奇襲するなどの大胆な戦術もとれるのだ。ただし、新ユニットのスパイはこの忍び足を見破ることが可能。忍者VSスパイの戦いが熱くなる!?
ヨーロッパ文明に与えられた新機能が「革命」だ。これは工業の時代以降に実行可能な特殊コマンドで、革命後は本国から縁を切って独立（旗も変わる！）。入植者はすべて兵士となり、デッキも強力な軍事ユニットがそろう革命デッキに変化する。生産力をすべて捨てることと引き換えに、爆発的な軍備増強を得るまさに一か八かの新システムだ。
ほかにも新勝利条件「交易の独占」や、アンデス山脈、グランドキャニオンなどの新マップも追加。文明やユニットの追加だけでなく、『WC』ではゲーム性そのものも大きく向上している。
南米や西部の各地域など、新たなマップが多数登場！ 先住民族の種類や交易路の数にはそれぞれ差があり、マップごとの戦略を楽しめる。
革命デッキはガトリング砲、植民地民兵、甲鉄艦、砦車の4つが無限に使用可能。物資調達ができなくなる代償として、この強大な力を手に入れられる。
マップごとに指定された数の交易所を作成後、「交易の独占」を選択すれば勝利タイマーがカウントスタート。あとは交易所を守りきれば勝利となる！
シングルプレイヤーキャンペーンでは、新たにブラック家の2人の男が登場する。前作の主人公アメリアの父であるナタニエルと、息子であるチェイトン。白人と先住民族の混血である彼らは、いずれの世界にも属せない立場で植民地闘争時代のアメリカを生きることになる。
