ゴルフとサーフィンが趣味の陰陽師。でも、その力は本物で…【怖い話してもいいですか？】

文：電撃オンライン

公開日時：2025年06月14日(土) 18:00

　ホラーゲームの開発を行う株式会社FORCESの仁平孝佳氏が体験または聞いたオカルトエピソードをお届けするコラム“怖い話してもいいですか？”。

　今回は友人の陰陽師との出会いの話をお届けします。

趣味がゴルフとサーフィンの陰陽師がガチだった話

　「僕は友だちに陰陽師がいます」

　こんな風に言うと、みなさんビックリしたり怪しんだりするのですが、彼に本当に力があるかどうかは別にして、友だちであることは事実なのです。

　彼との出会いは起業して間もない頃、あるお店の開業パーティでした。

陰陽師

「どーもっス」

　想像していた陰陽師のイメージとはかけ離れた、むしろ真逆な軽いノリの人でした。趣味はゴルフとサーフィンだそうです。

　思えば出会いから漫画のキャラクターのような人でしたが、ちょっとしたきっかけで彼に視てもらうことになりました。

　名前の漢字と生年月日、彼がした質問はこれだけです。

　そこから陰陽師を名乗る彼は、僕の過去の出来事、今の状態、未来のことなどを断定してスラスラと話し出しました。

陰陽師

「大学生の時に海で死にかけましたね」

陰陽師

「起業したと聞きましたが、結婚もしたんですね」

陰陽師

「仕事は心配ないです。40歳の年に仕事の内容に変化が起きます。でも今の仕事の延長なので心配しないで下さい」

陰陽師

「守護霊は亡くなったお祖母さんですね、右足を引きずっていたでしょう。すごいですね、とても徳の高い方です」

　驚きでした。

　そもそも小中高大と「視える」という友人知人がいた僕は、霊能力というものを信じたいと思っています。

　これは、ゲーム開発というエンターテインメントに身を置く以上、そういったものは信じていた方が楽しい、という考え方でもあります。

　しかし彼に関しては、それにしてもという印象でした。

　それまで占い師に興味本位で見てもらったことも2度ほどありましたが、どちらとも言える、なんとでも解釈できるという内容でした。ですが陰陽師を名乗る彼は全て断定して話します。

仁平

「間違ってたらどうするんですか、信用無くしますよね？」

　そんな僕の質問に

陰陽師

「僕が言ってるんじゃないですよ、あなたの後ろにいるヒトが言っています」

　あっけらかんと返されました。

仁平

「自分は取り憑かれやすいと言われ続けてきたのですが、本当ですか？」

陰陽師

「そうですね、でも守護霊様が身を挺して守ってくれているので、その力を超える存在が憑かない限りは大丈夫ですが、一度お祓いして結界を張りましょう」

　身を挺して守ってくれる守護霊、お祓いに結界。

　オカルト好きにとっては興味をそそられるワードがポンポン出てきます。

仁平

「その結界は今じゃダメですか？」

陰陽師

「僕たち陰陽師は、簡単に言うと探偵なんです。取り憑いているお化けの根本が何なのかを調べないといけないので、少し時間をください。結界は仁平さんにも張りますが、お家にも張りますね」

　数日後、陰陽師が家に来ました。

陰陽師

「おじゃましまーす」

　にこやかに挨拶すると、そのままマンションの家の中を一通り眺め、リビングの椅子に座って会話を始めました。

　1時間ほど文字通りの雑談を続けるので、不思議に思った僕は質問することにしました。

仁平

「あの、お祓いはしないんですか？」

陰陽師

「あ、もうすぐ終わります」

　終わります？　話していただけなのに？

陰陽師

「終わりました」

　あまりにも想像と違う事態に困惑しかありませんでしたが、陰陽師は続けます。

陰陽師

「ここで話している間、鬼がずーっと僕を脅してきてたんですよ。お前の娘がどこにいるか知ってるぞ、このまま帰らないならお前の家族を◯してやるぞって」

仁平

「ええ！」

陰陽師

「なので無視しました。こういう存在は無視すると力が弱くなるんです」

陰陽師

「どれだけ脅しても僕が全然反応しないので、怖がって小さくなったところを捕まえて、二度と悪さしないようにしました。1時間かかっちゃいましたね」

　面白いというのが正直な感想です。
　
　僕はいつかホラーゲームを作りたいと思っているので、ネタになってありがたいとも思いました。

陰陽師

「それじゃあ結界を張りますね」

　そう言って陰陽師は窓と玄関、そして各部屋でササっと印を組んでいました。その後、僕の背後に立ち、首元で印を組みます。

陰陽師

「お化けは首の後ろから取り憑くので、ここで結界を張るんです」

　そう言って左手を皿のようにし、右手の拳をギュッと閉めるような動きをしました。

陰陽師

「これでもう金縛りにはなりませんよ」

仁平

「え、それ言いましたっけ？」

陰陽師

「あれ、仁平さんからは聞いてませんでしたっけ？」

　なんとも不思議なやりとりでしたが、子供の頃から毎日かかっていた金縛りが、その日から本当にパタリと消えました。

　20年近く悩まされてきた金縛りから解放されたんです。

　ありがたいのとホッとしたのと、しかしその反面……え、じゃあ今までの金縛りは……そういうことってこと？

　陰陽師のおかげで穏やかな睡眠は手に入りましたが、僕の周りはさらにオカルト色が強まっていくこととなるのでした。

【株式会社FORCES】開発中のゲームタイトル

『鋼の戦騎ARMIS』

　『鋼の戦騎ARMIS』は、Vampire Survivorsなどで知られるローグライトのゲームジャンルに、日本の往年のロボットアニメを彷彿とさせる重厚なドラマと個性豊かなキャラクターたちの物語を組み合わせた“群像劇（ドラマチック）ローグライトアクション”です。

　プレイヤーは、鋼鉄の戦騎“ARMIS”に乗り込み、無数の敵との熾烈な戦いを繰り広げながら、様々なキャラクターの運命と向き合うことになります。