電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、漫画家の川尻こだまさんとゲーム開発者のKazuhoさんが開発した2D横スクロールアクション『ゴブリン・ノーム・ホーン』のレビューをお届けします。

なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
【ゴブリン・ノーム・ホーン】無慈悲な労働に晒されるゴブリン。謀反を起こして魔王を撃破せよ!【おすすめ度:8点】
『ゴブリン・ノーム・ホーン』は、漫画家の川尻こだまさんが手がけた超カジュアルな2D横スクロールアクションゲームです。
主人公は、小さなゴブリンの“ネックビ”です。川尻こだまさんのタッチで描かれた一角単眼パンイチゴブリンがなんともいえない味わい深さでかわいい。左クリックで“オジギ”、右クリックで“アイサツ”ができます。
そんなかわいらしいネックビとユルい手描き風ビジュアルで構成された世界ですが、取れる行動は“労働”もしくは“謁見(謀反)”という世知辛さ。プレイヤーはネックビを操作して勤労に励み、ドングリをためて装備を強化し、魔王の撃破を目指します。
労働は“便所そうじ”“たんぽぽのせ”などの、6種類の簡単なミニゲームとなっています。これらを地道にこなすことで、報酬としてドングリを受け取ることができます。
どれもクリアするだけならサクッとできる簡単なミニゲームなのですが、評価S以外で得られるドングリは渋いため、プレイヤーはおのずと評価Sを目指すようになるかと思います。

これが意外と難しく……しかもリトライがお手軽なので「もう一回!」と無限ループすることになるでしょう。労働の出来によってもエンドが分岐しますので、やりこみ要素としてもお楽しみください。
川尻こだまさんが描くユルいビジュアルの裏に隠れた“労働 or 謀反”のちょっとブラックな世界観や、なぜか“ソウルライク”と評される本ゲームには、一度プレイすると癖になる魅力がいっぱいです。レッツ労働! 打倒魔王!
まさかのソウルライクな骨太アクション。一見無意味に思える労働にも隠された秘密が…?【ゴブリン・ノーム・ホーン】
このゲームの本質的なおもしろさに気づいたのは、魔王の攻撃をパリィできるとわかった瞬間でした。

それまでは、労働をなんとなくこなしていたのです。なんとなくトイレを掃除して、なんとなく装備を強化して、なんとなく魔王に挑んで、倒されて……。プレイしていくうちに“オジギ”で角を魔王にぶつけて攻撃できるのは理解したものの、与えられるダメージは到底魔王を倒せるものではありません。
単純に装備を強化すればいいのか、それとも何か別の戦い方があるのか? そんな悩みにヒントをもたらしたのが、労働のひとつ“もんばん”でした。

“もんばん”は、門に向かってやってくるサルや犬に対して大声を出し撃退するミニゲームです。犬とカラスは単純に向かってきたタイミングで「コラーッ!」を繰り出せばよいのですが、サルは一筋縄ではいきません。
遠くから攻撃を繰り出してくるもの、近づいてきたと思ったら突然距離を取って突っ込んでくるものなど、攻撃をしてくるタイミングも撃退できるタイミングも違うので、少しでも間違えると即アウトとなります。
慣れてサルの攻撃パターンと行動パターンの関連性を見分けられるようになるまでトライ&エラーを繰り返し続けました。そして、“もんばん”を繰り返していくうちにあることに気付いたのです。
「あれ? これ……魔王ももしかして同じように撃退できるんじゃね?」と。
この瞬間、脳内で響いたのはまさに「エウレーカ!」。ただの“単純労働”だと思っていたものが実は修行になっていた、ということに気付いた瞬間すべてがハマっていく。雷に打たれたような衝撃が全身を駆け抜けてたまらなくなり、労働をほっぽり出して魔王の元へ。
魔王が攻撃を繰り出す瞬間を狙って元気なご挨拶「おはようございます!」。
至近距離でクソデカ挨拶を浴びた魔王は耳がキーンとなりチャンスが訪れます。そこですかさず“オジギ”をすることで大ダメージを与えることができたのです。挨拶にお辞儀はつきものというわけですね。

さらに、よくよく魔王を観察すると“もんばん”で出てきたサルの動きがそのまま魔王の攻撃パターンに応用できたり、大剣を繰り出してきたときは姿勢を低くする“お掃除”で回避できたり……。
リスポーンを繰り返しながらパターンを覚えて高難易度なアクションをこなす、まさに“ソウルライク”な戦闘を繰り広げるための基礎がいつの間にか身についていたのでした。

雑用だと思っていた日常の小さな積み重ねが大きな目標を達成するための糧になる。なんかもう、人生(?)じゃないですか? この仕掛けにより、“労働”に対するものの見方が変わりました。
『ゴブリンの謀反』見事な伏線回収、さすがの川尻こだまと言わざるを得ません。
カジュアルにサクッとクリアできるのに、充実感と満足感は最高【おすすめ度:9点】

中毒性の高いミニゲームや、装備が強化されていく快感、そしてソウルライクな高難易度&爽快アクションにより、プレイ時間約2時間のボリュームでも満足感を得られるゲームでした。
ただ、ミニゲームは本当に難しかったです。もう奇跡的に評価Sを取るのが精一杯だったので、最終的には“発電”でひたすら右人差し指を酷使し続けることになりました。技術や反射神経の必要がなく連打のみ、というのはある意味救済的な立ち位置のミニゲームでありがたい限りです。
ミニゲームを繰り返すのが苦にならない人、そしてサクッとソウルライクなアクションを楽しみたい方へおすすめしたいゲームとして、おすすめ度8点といたします!
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