新作「機動戦士ガンダム アーセナルコマンダー」開発陣座談会。次の5年を作る“3人対戦”や“コマンダーカード”の導入と、もう1度アーケードゲームに熱狂するための数々の施策

文:電撃オンライン

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 バンダイ カード事業部のアーケードカードゲーム最新作となる「機動戦士ガンダム アーセナルコマンダー」。そのキーマンたちに座談会形式でいろいろなことを話してもらいました。

 現在好評稼働中のアーケードカードゲーム「機動戦士ガンダム アーセナルベース」。その“アーセナルの系譜”を受け継ぐ作品が、「アーセナルコマンダー」です。


 全国かつてない規模で行われるロケーションテストが予定されている本作最大の注目点は、「アーセナルベース」の1対1から“3人対戦(三つ巴の戦い)”へと生まれ変わる点、そして自らが指揮官として操作できる“コマンダーカード”が存在する点です。

 なぜ今、3人対戦なのか? 「アーセナルベース」からの変更点と進化、そして“0から一斉にスタートする、そして熱狂する”という、かつてのゲームセンターに存在した“なにか”を再び呼び起こしたいという強い思いを、キーマンの3名に語り尽くしてもらいました。

▲写真左から丹沢悠一さん、大岩尚生さん、石田博之さん。
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「機動戦士ガンダム アーセナルコマンダー」のキーマンたち

大岩尚生:バンダイ カード事業部 プロデューサー。他社でアーケードカードゲームのディレクターを経験した後、バンダイに入社し2022年のSEASON:03から「機動戦士ガンダム アーセナルベース」を担当している。本作「機動戦士ガンダム アーセナルコマンダー」のプロデューサーを務める。

石田博之:株式会社ジーン ディレクター。「ガンダムトライエイジ」も担当しており、「機動戦士ガンダム アーセナルベース」は立ち上げから開発に携わっている。本作「機動戦士ガンダム アーセナルコマンダー」のディレクターを務める。

丹沢 悠一:黒帯ゲームスのゲームデザイナーおよび、アーケードゲームプロデューサー・プランナー。「ロード オブ ヴァーミリオンRe:3」「フィギュアヘッズエース」「星と翼のパラドクス」など数々のアーケードタイトルを手掛けてきた。現在は独立し、本作の企画・筐体デザイン・運営サポートなどを行う。

「アーセナルベース」が10年続くブランドになるための“3人対戦”導入の経緯と葛藤

――まずは本作のコンセプトを教えてください。「アーセナルベース」を遊んでいるユーザーにとって、何が継承され、何が進化しているのでしょうか?

大岩
本作のコンセプトは、“「アーセナル」シリーズとして、10年以上続くブランドにするために、次の5年を作っていく進化”です。そのために「アーセナルコマンダー」を企画しました。ゲーム体験としてのコンセプトは“第三勢力、介入。指揮官自ら戦場へ”です。「ガンダムなら三つ巴の戦いがあるだろう!」というアイデアと、指揮官機に搭乗するエースパイロットが、戦場で戦いつつ、部隊も指揮するという体験をゲームにしました。

――「アーセナルコマンダー」を作るにあたって、“アーセナル”の名を冠するために「ここは変えてはいけない!」と意識した部分はありますか?

大岩
“バンダイ カード事業部がお届けする、大人向けのアーケードカードゲーム”であること、そして“戦略性の高いリアルタイムストラテジー”であること。この2点はベースとしてしっかりと引き継いでいます。また、“勝敗を決めるのは、デッキ構成が7割、プレイスキルが3割”というゲームバランスも、「アーセナルベース」から続く重要なコンセプトです。

 一方で大きく変えたのが、1対1から“多人数対戦”へのシフトです。1対1のゲームは、どうしても負けが込むとプレイヤーが離脱するきっかけになってしまいます。そうした“ガチの1対1で負ける”という精神的なハードルをなくしたい思いがありました。さらに、世界的にも『マジック:ザ・ギャザリング』の統率者戦(コマンダー)など、多人数戦のフォーマットがトレンドになっているという背景もありました。

――そこから本作の「アーセナルコマンダー」というタイトルに繋がるのですね。

大岩
「コマンダー」という言葉は、「ガンダムトライエイジ」や「アーセナルベース」でもプレイヤー自身を表す言葉となっています。

 また、「アーセナルベース」の略称が“AB”だったので、“AC”は次のタイトルという感じですよね。そして、アーケードゲーム自体の略称も“AC”と表現することがあります。

――多人数戦の中でも、“3人対戦”になった経緯を教えてください。

大岩
最初は多人数戦で定番の4人対戦を想定していたのですが、「ガンダムなら三つ巴の戦いがあるだろう!」というアイデアを落とし込みました。例えば『機動戦士Zガンダム』におけるハマーン、クワトロ、シロッコの戦いや、『機動戦士ガンダムSEED』の地球連合、ザフト、オーブのような構図ですね。

 そこに、「アーセナルベース」から変えずに引き継いでいる“右レーン・左レーンにユニットを出撃させる”というシステムを当てはめてみました。右にユニットを出せば右の相手に対するアクションになり、左に出せば左の相手へのアクションになる。これを組み立てていくと、ちょうど“3人対戦”という形が見事に成立したため、現在のシステムで走り出すことになりました。

――実際に大岩さんから“3人対戦”というアイデアを聞いたとき、石田さんと丹沢さんはどう思われましたか?

石田
私は、素晴らしい形だなと思いました。「アーセナルベース」は1対1の格闘ゲームのように言い訳ができないストイックな戦いで、それが楽しさでもあるのですが、負けたときの精神的な負荷も大きい。また、1対1だとどうしても「環境カードで組まないと勝てない!」となりがちですが、3人対戦ならプレイスキルやカードパワーだけでなく“プレイヤー間の思惑や読み合い”が介入します。だからこそ、“好きな量産型ザクのデッキでも勝てるかもしれない環境”を実現できるといった、好きなカードで遊べる可能性を感じました。

丹沢
対戦ゲームにおいて“3人”というのは鬼門で、ボードゲームなどでも3人で成功した事例は少なくて、4人対戦の方が安定しやすい傾向にあります。

 ただ、「人数を増やして負けたときのギスギス感を弱める」であったり、「心理的負担を減らす」という考えには強く共感していました。

 それでも「増やすのはいいけど、3はどうだろう?」というのが第一印象でした。ただ、開発から半年~1年ほど経ったあたりで、「みんなが鬼門だと思って触ってこなかった『3人』という新しい感覚のゲームができるんじゃないか?」と思えるようになりましたね。

「アーセナルコマンダー」には、1位を維持する“レースゲーム”のようなおもしろさがある

――3人対戦の課題は、どのように解決していったのでしょうか? 実際にプレイして思ったのが、2人が1人を集中攻撃することで、誰かが損をするみたいなことが起こりそうなんてことも思いましたが。

大岩
そこはゲームの勝利条件を大きく変えました。「アーセナルベース」は“相手の戦艦を落としたら勝ち”でしたが、「アーセナルコマンダー」は“ポイント制”で、戦艦を落とすゲームではありません。ポイント制だからこそ最後まで戦う意味がありますし、逆転もある。また、“漁夫の利をどう狙うか”という戦略が生まれます。1位と2位が3位をボコボコにして終わるゲームには絶対にしないよう、パラメータやルール調整を行いました。

石田
相手を倒す気持ちよさとは違った、“指揮官として戦場をコントロールして変えている感覚”が気持ちよさの主軸です。タイムアップまでに1位を維持できるか、追い抜けるかという“レースゲーム”に近い盛り上がりがあります。

――新しい読み合いが生まれそうですね。「アーセナルベース」を触ったことがない全くの初心者でも楽しめるものでしょうか?

大岩
はい。“経験者2人 vs 未経験者1人”でテストプレイをしても、未経験者が勝ったりするんですよ。基本的な触り心地は「アーセナルベース」に近いのですが、3人になったことで経験者でも勝てない局面が生まれる。今のタイミングなら、初心者からでも完全に横並びで遊んでいただけます。

“コマンダーカード”のデザインとこだわり

――本作から追加される“コマンダーカード”は、かなり特徴的なデザインをされていますが、「アーセナルベース」と比較してどういったことを意識されたのでしょうか?

大岩
現在のトレーディングカードゲームはリーダーカード制がトレンドです。本作の“コマンダーカード”はそのリーダーカード制をアーケードカードゲームに落とし込んだものです。“自分が指揮官として乗り込む機体”であり、色を持たせることでデッキの軸になり、ゲーム全体に影響を与える効果を持っています。

 アーセナルベースのカードはMS名・PL名が上部にありませんでした。アーセナルコマンダーでも、ユニットカード(MS・PL)は下に名前があります。これらを並べたとき、コマンダーがひと目で分かるようにしたかったので、名前が上部にあります。そして、ゲーム全体に影響を与える効果を持つので、手元で見ながら遊べるよう、表に効果が書いてあります。

 コマンダーカードには数値パラメータは持たせず、自身の属性(赤/青/緑)とテキストだけで個性を表現しています。コマンダーカードはプレイヤーの皆様がそれぞれ好きなものをデッキの軸として長く使っていただけるよう、デジタルな上方修正・下方修正がしやすいようにしています。本稼働後も、コマンダーカードは固定しながら、デッキの中身を新カードも混ぜて遊んでいくイメージです。もちろん、新しい弾のたびに新しいコマンダーカードたちが追加されていきますので、新しいデッキもお試しください。さらに、ゲーム画面に直接タッチしたり押し込んだりすることでスキルを発動できるのも、このカードの大きな特徴ですね。

――特別なボタンデバイスにそのコマンダーカードをセットする仕様も驚きました。
大岩
ゲーム中に自身の手でカードを触り、実際に操作している体験を作りたいがために、このデバイスをデザインしてもらいました。「アーセナルベース」は出撃後にカードを触る機会が少なかったので、リーダーカードを押し込むデバイスを丹沢さんたちと設計しました。

丹沢
初期には“クリアパーツで覆いをつける”とか、あらゆるパターンを作りましたけど、「せっかく手に入れていただいたカードが傷ついたら嫌だな……」という心理もありました。そこで、強く押し込まずとも上側を押すだけでも発動するように設計が落ち着き、見えやすさと遊びやすさを両立できました。

「アーセナルベース」とはまた違う“新しいゲームルック”に

――ゲーム画面の演出やグラフィックの印象も、これまでのシリーズとはかなり違いますね。

石田
“5年経ったからこそできる、よりガンダムが映える演出”を追求しました。ゲーム中の演出も、3人対戦だからこそ、画面のあらゆる場所で異なるガンダム同士が切り結ぶ、見栄えのするアニメーションに仕上がっています。

大岩
ビジュアルのルックは、ストリートなテイストやアメコミ調に影響を受けています。従来のグリーン調のリムライト(照り返し)の代わりに、ピンクやブルーのリムライトを入れたり、グラフィティのメニューボタンを作ったりと、新しい表現をカードデザインとゲーム画面の双方に組み込みました。さらに、ゲーム中のテンポを損なわせないように、勢いと熱量ある演出も取り入れています。

「アーセナルベース」のカードを使えるようにしたワケ、そして今後の展開は?


――プレイヤーが最も気になっていると思うんですが、「アーセナルベース」のカードはどれくらい使えるのでしょうか? 「使えると言っても、実際には使いものにならないほどの性能では?」という懸念も正直あります。

大岩
今作では多人数戦になったことや、新規ユーザー獲得のために、まずは全体的なシンプル化を図り、モビルスーツやパイロットの“遠距離/近距離”、“機動”といった数値や、“地形適正”、“リンクアビリティ”がなくなりました。それに伴って、「アーセナルベース」の結束戦術や共鳴戦術も撤廃されています。

 その上で、「アーセナルベース」のカードはすべて“カラーレス(無色)”のカードとして全種類使用可能です。無料で入手できる“無色用のコマンダーカード”も準備しており、「アーセナルベース」のカードを混ぜたり、「アーセナルベース」のカードと無色用のコマンダーカードだけのデッキでも戦えるよう、準備を進めています。

全国のアーケードゲーマーが熱狂するような、誰もが「よーいドン!」で始まる、白熱するゲームに

――最後に、本作に期待するファンやプレイヤーへ向けてメッセージをお願いします。また、本作のロケテストについても、ユーザーにお伝えしたいことがあればコメントをください。

石田
「アーセナルベース」の1対1のストイックな戦いが好きだった方々も楽しめる“奥深い読み合い”はしっかりと残しつつ、これまで「難しそうだな……」と敬遠していた方でも入りやすい、明るく楽しいゲームに仕上がっています。“3つの陣営が入り乱れるかっこよさ”をぜひゲームセンターで体感してください。

丹沢
何十店舗もの規模でロケテストを全国でやれて、華々しくデビューできるタイトルに関われたことがとても幸せです。“ゲームセンターに時折現れる、全く新しい遊びにみんなでよーいドンで乗り込む楽しさ”。これはアーケードじゃないと味わえない確かな体験です。かつてゲームセンターが好きだったけれど離れてしまった方も、今回は最大600円(最小200円)で、カードなしの手ぶらから1プレイ可能ですのでぜひ体験しに来てほしいです。

大岩
“3人対戦で、3人のコマンダーが戦う”ルールを実現するのにいくつもの課題がありましたが、石田さんの「トライエイジ」の頃からのノウハウ、丹沢さんのプロデュースしてきたアーケードタイトルのノウハウ、そして僕がディレクターを経験したアーケードカードゲームのノウハウや、4年以上運営させていただいたアーセナルベースのノウハウ──全部を集結させてようやく形にできた「これぞ!」というアーケードカードゲームです。ガンダムが好きな方、カードゲームが好きな方、そしてアーケードゲームの戦略性が好きな方、そのすべての人の心に引っかかるような新要素を用意しました。これまでにない、新しいゲームルール体験になっていますので、ぜひロケテストを開催しているゲームセンターに足を運んで遊んでいただけたら嬉しいです。

――本日はありがとうございました!

「機動戦士ガンダム アーセナルコマンダー」ロケーションテスト情報

実施時期:2026年8月28日(金)~12月20日(日)
実施店舗:全国約40店舗(毎週金・土・日を中心に開催)
プレイ料金:1プレイ 200円(カード1枚払い出し)? 最大600円(追加でカード4枚購入可能)
※ロケテストでは、カードを所持していなくてもゲーム内に用意されているレンタルデッキ(3種)から選んでその場ですぐに遊ぶことができます。

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