電撃オンライン

ADVから突然の本格音ゲーへ!『In Falsus』レビュー。カード編成も絡む新感覚リズムゲームが面白い【おすすめ度:8点/電撃インディー#1470】

文:えむ

公開日時:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、lowiroが開発・配信するPC向けADV×リズムゲーム『In Falsus』の先行レビューをお届けします。


 感情や偽りが首元に表れる近未来の世界を舞台に、5人の少女それぞれの視点から物語を追う『In Falsus』。日本語フルボイスで描かれる長編ADVに、キーボードとマウスを組み合わせたリズムゲーム“Encounter”や、素材からカードを作る“カード形成”を組み合わせた独自のゲームシステムが特徴です。

 少女たちの本心や世界の謎を少しずつひもといていくシナリオと、本格的なリズムゲームの両方を楽しめる作品となっています。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

『In Falsus』発表トレーラー

『In Falsus』先行プレイ感想。嘘が許されない世界で5人の本心を追う長編ADV×本格音ゲーの魅力を紹介【おすすめ度:8点】

5人の視点から、少しずつ世界の仕組みが見えてくる


 舞台は、感情や偽りが首元に表れる近未来の世界。“ニア・ケーナ”、“メイ・アルダー”、“高槻あやめ”、“アイリス・リール”、“ストーリー・エティエンヌ”という5人の少女が、謎めいた政府直轄のプログラムへ参加させられたことで、日常が大きく変化していきます。

▲謎めいた政府直轄のプログラム“ARRC”

 本作は、この世界の仕組みや少女たちが置かれている状況を、最初から細かく説明してくれるわけではありません。会話や出来事を読み進めながら、少しずつ世界について理解していく作りです。

▲“ARRC”へ参加するニアとメイ

 私も最初は「何なんだ、この世界は?」という状態でした。それでも、嘘をついた人物の首元が赤く反応することなど、この世界では当たり前になっているルールが徐々に見えてきます。

▲発言に反応して首元が赤く光るアイリス。

 シナリオは5人それぞれの出来事を時系列に沿って選び、別の人物のシナリオを読むことで、その先のエピソードが解放されていく形式。

 同じ時間帯を別の人物の視点から追うこともあり、外から見た印象と、本人が胸の内で考えていたことの違いが見えてきます。

▲左からニア、メイ、あやめ、アイリス

 とくに私の印象に残ったのが“メイ”と“アイリス”です。

 どちらも最初は冷たく、他人を遠ざけるような人物に見えました。しかし本人の視点では、表に出していない迷いや、誰かや何かを大切に思うような一面もうかがえます。

 一見すると刺々しかった言葉や態度の裏側を知れるのは、複数視点で進む本作ならではの面白さだと感じました。

 日本語フルボイスで描かれるため、5人それぞれの口調や、表には出さない感情も伝わりやすくなっています。

嘘を隠せないからこそ、“沈黙”にも意味が生まれる


 そして、嘘を隠せない世界だからこそ、何を話すかだけでなく“あえて何も言わない”ことにも意味があります。

 他人のシナリオでは不自然な沈黙に見えた場面も、本人の視点になることで「あのときはこう考えていたのか」と腑に落ちることがありました。ここは個人的にかなり好きな部分です!

 さらに本作には、自ら言葉を発さない“ミュート”という選択も存在します。5人のうちストーリーもミュートを選択しており、会話ではスマートフォンにメッセージを入力して意思を伝えます。

▲右側が、自ら言葉を発さない“ミュート”のストーリー

 嘘を隠せない社会で何も語らないという行為は、私には自分を守るための一種の黙秘にも見えました。

 一方、作中では“ミュート”であることを理由に距離を置かれるようなやり取りもあり、何も語らないこと自体が周囲から警戒されているようにも感じられます。

 自由に嘘をつけない世界ならではの息苦しさが、こうした日常のやり取りから自然に伝わってくるんですよね。


 5人には、まだ明かされていない事情も多そうです。少女たちを集めたプログラムの目的や、首元に表れる現象の正体など、「この先どうなるんだろう」と思わせる謎がいくつも残されました。

 この先にも複数の章が用意されているとのことで、5人の物語がどのように広がっていくのかも楽しみです。

シナリオの重要な局面で始まる本格音ゲー“Encounter”がカッコいい!


 シナリオの重要な局面では画面が異質な空間へ切り替わり、リズムゲーム“Encounter”が始まります。

 ADVから本格的なリズムゲームへ一気に切り替わる初回の演出には、「ここで音ゲーに入るのか!」と思わずテンションが上がりました!

 序盤の時点では、なぜこの世界で音楽による対峙が発生するのか、この空間が何なのかといった部分はまだ謎のまま。

 この仕組みがシナリオを進めることでどのように解き明かされていくのかも、続きを読みたい理由のひとつです。

▲ADVから音ゲーへの切り替わりがカッコいい!
▲メイとの“Encounter”

 リズムゲーム自体も素直に面白い! 私はシナリオを進める合間に、解放済みの楽曲を難易度を変えながら何度も遊んでしまいました。

 マウスで空中の“フィールド”を追いながら、キーボードでノーツを処理していく操作も独特で、慣れてくるとこの忙しさが気持ちいいです。

▲シナリオの合間にも、解放済みの楽曲へ何度も挑戦してしまいました。

慣れが必要な独特の入力方法と、攻略の幅を広げる“カード形成”


 一方、私はリズムゲームを遊んだ経験が少ないこともあり、操作に慣れるまではかなり苦戦しました。デフォルト設定ではA/S/D/F、Shift、Spaceに加えてマウスも使用。

 低い譜面レベルでは比較的すんなり遊べたものの、私がプレイした譜面ではレベル5前後から通常ノーツで使う3キーがASDとSDFで頻繁に切り替わるうえ、ShiftやSpace、マウスによる入力も組み合わさり、譜面そのもの以上に入力位置の変化でミスすることが多かったです。
 
▲音ゲーは爽快! 特にマウス入力が好きでした。

 また、本作には“カード形成”という独自のシステムがあります。楽曲をクリアすると手に入る素材“粒子”を“設計図”へ配置してカードを形成します。“設計図”はいわばパズル盤のようなもので、“粒子”をどこに配置するかによってステータスや追加効果が変化します。

 楽曲を遊んで素材を集め、その成果を次の“Encounter”へつなげていく仕組みですね。


 カードの形成や編成を突き詰めれば、音ゲーの腕前とは別軸の攻略の幅も広がりそうです。事前のカード編成まで含めて“Encounter”を攻略するのが、本作ならではの要素でしょう。

 このように、5人の本心を少しずつ知っていくADVと、つい繰り返し遊びたくなるリズムゲームには、それぞれ明確な魅力があります。

 とくに、シナリオを楽しみながら本格的なリズムゲームにも挑戦したい人とは相性のいい作品だと感じました。両者がこの先どのようにつながっていくのかも含め、続きを確かめたくなります。

▲『In Falsus』は2026年9月9日にSteamで発売予定。

電撃オンライン読者レビュー募集中


 電撃オンラインでは、読者による点数付きレビューを募集中です。おすすめしたいゲームがあったら、ぜひ投稿お願いします。

【注意事項(2026年7月時点)】
●投票は1人、同一作品に対しては月1回までです(月が変わったら再投票可能)。同一作品について月2回以上の投票があった場合、無効票とします。

●特定のゲームを他の人におすすめしたい方のみ、10点満点中でおすすめ度を記入してください。
(5点以下は、おすすめしたくないということなので、回答不要としています)

●入力いただいたハンドルネームおよびコメントは、文字数等を編集のうえ電撃オンラインほか、当社の刊行物、Webサイト、イベント等にて紹介する場合があります。

読者レビューに投稿する

電撃インディーのSteamキュレーターページが開設!


 電撃オンラインのインディーゲーム応援企画“電撃インディー”では、Steamのキュレーターページを公開しています。

 本ページでは、電撃インディーで紹介したインディーゲームを中心に、さまざまなゲームを紹介しています。

 最新タイトルや電撃インディーがおすすめするインディーゲームを紹介しているので、ぜひフォローしてチェックしてみてください。

電撃インディーSteamキュレーターページはこちら

電撃インディーの特集ページはこちら

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この記事を共有

公式SNS