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ローグライクRPG『機神伝 STRIKE-G-』&思考型アクションパズル『フラッシュモーター・カレン』試遊レビュー。ホープムーンの名作ゲームが復刻

文:信濃川あずき

公開日時:

 G-MODEアーカイブス+で現在配信中の『機神伝 STRIKE-G-』と『フラッシュモーター・カレン』の試遊レビューをお届けします。
※本記事はジー・モードの提供でお送りします。

 フィーチャーフォン時代の名作を現行ハードに蘇らせる復刻プロジェクト“G-MODEアーカイブス”。他社タイトルを取り扱う“G-MODEアーカイブス+”に、ホープムーンの作品が参戦しています。

 今回紹介するのは、そのホープムーン作品から名作2本。Nintendo Switch版が2026年8月6日、Steam版が2026年8月20日に配信開始となった『機神伝 STRIKE-G-』と、2026年2月5日から配信中の『フラッシュモーター・カレン』です。

 それぞれ序盤をプレイさせていただきましたので、2本まとめてレポートをお届けします。

『機神伝 STRIKE-G-』プレイレビュー

Nintendo Switch版はこちら

相棒と挑むロボットバトル!

 『機神伝 STRIKE-G-』は、2005年にフィーチャーフォン向けとして配信されたシミュレーションRPGです。

 物語の舞台は、地軸異常による大災厄を経験した近未来の地球。太平洋上に浮かぶ人工島“辰港市(たつみなとし)”は、地上最後の楽園と呼ばれています。


 楽園と呼ばれる都市だけに表面上は華やかですが、その内情には無法地帯も広がっています。ここから始まるのは、そんな街の片隅で暮らす少女と、1体のロボットの物語です。

ジャンクの山で出会った相棒

 主人公の少女ユウリは、日本本土からこの島へ渡ってきた不法移民。移住のさなかに両親とはぐれてしまい、いまは島内の無法地帯“ジャンクヤード”にあるガレージで暮らしています。

 そんなユウリが、ジャンクの山から掘り当てたのが人型戦闘兵器“フィギュアマシン”でした。しかも彼女、それを自力で直してしまうのです。あどけない見た目からは想像もつかない技術力……。


 ところが、拾いものを黙って持ち帰らせてくれるほど、ジャンクヤードは甘い場所ではありません。マシンを横取りしようとするジャンク屋から逃げたユウリが駆け込んだのは、姉がわりとなって面倒を見てくれている三嶋初子のもとでした。

 初子はここで、たいへん頼もしい手際を見せてくれます。目撃者はお金で口をふさぎ、マシンの所持認可コードもデータにちょっとよろしくないアクセスをして登録。あっという間に、ジャンクから発掘されたフィギュアマシンは初子のガレージの所有物になりました。ワイルドでかっこいいお姉さま!


 登録されたコードは“SGR-FM275”。ストライクギガンツランカーフィギュアマシンの登録番号275、という意味なのだそうです。

 ストライクギガンツとは、マシン同士が戦うバトルゲームのこと。辰港市いちばんの娯楽です。そしてこのフィギュアマシン、搭載されているAIがたいへん紳士的で義理堅く、自分を助けてくれたユウリに恩を返したいと考えていました。


 ストライクギガンツで活躍すれば注目を集め、ユウリの両親を探す手がかりになるかもしれない。初子からそう聞かされたマシンは、出場を決意します。ユウリはこの相棒に“アスラ”と名付けて登録。ふたりは、ともに戦いの道を歩むことになりました。

 とにかく、冒頭から全キャラクターがカッコいいのです。あどけないのに技術力の高いユウリ、強引な手続きもやってのける初子さん、そしてやたらと紳士的なアスラ。この三者の距離感が、序盤からすでに心地よく仕上がっています。


 特にぐっときたのは、アスラの言葉づかいです。恩とは何かを問われて「恩とは己の内より生ずる真心の体現」と答え、かと思えば「我が主君殿! 共に覇道を進もうぞ!」と力強く宣言。ちょっと古風な、侍のようなAIなんです。

 令和のいま、AIと会話をするのはすっかり当たり前になりました。それだけに、ガラケーの時代にこれほど個性的なAIとの掛け合いが描かれていたことには、あらためて感心させられます。

辰港市には強くなれる場所がいっぱい!

 ゲームは、辰港市内の各施設を移動しながら進行していきます。おもな行き先は4カ所です。

 武器を購入したり、アイテムを売却したりできる“ジャンクヤード”。アスラの改造を行う三嶋初子の“ガレージ”。ストライクギガンツ参加者のための修練場である“ダンジョン”。そして、マシン同士が1対1で戦う“アリーナ”。


 やることはシンプルで、ダンジョンでポイントを稼ぎ、そのポイントで機体を強化し、アリーナで勝負する。この流れを回していきます。マップの構成そのものは簡素なのですが、それでも近未来の都市らしい雰囲気がビンビンです。

一歩ずつ、慎重に迷宮を進む

 ダンジョンは、入るたびに構造が変化するローグライク系。敵や、次のフロアへ向かうエレベーター、まれにアイテムの入ったコンテナなどが配置されています。

 目的は、敵を倒したり売却用のアイテムを手に入れたりして、ポイントを稼ぐこと。アスラの強化資金は、基本的にここで貯めることになります。


 注意したいのが、ダンジョン内では歩くたびに“FUEL(燃料)”が減っていくこと。一部の武器を使うときにもFUELを消費します。もちろんHPも、敵の攻撃を受ければ減っていき、なくなるとゲームオーバー。セーブ地点からのやり直しになるので、これは絶対に避けたいところです。

 つまり、FUELとHP、そしてバルカンなどの残弾数。この3つを管理しながら進んでいくことになります。


 戦闘は、敵と隣接しているときは格闘武器、離れているときは射撃武器と、状況に応じて持ち替えるのが基本。そしてこちらが一歩動くと、敵も一歩動きます。ただしまっすぐこちらに向かってくるわけではなく、ランダムでいろいろな方向へ動くのがクセモノなのです。

 ですので、自分の攻撃の射程に相手を入れつつ、相手の攻撃は受けない位置を探して、一歩ずつタイミングを計っていくことになります。この駆け引きが、じつに楽しい。まっすぐ向かって来られるよりも位置取りの難易度が高く、感覚としては駒を動かすボードゲームを遊んでいるかのよう。


 そして、いちばんヒヤッとするのが次の部屋に入った瞬間です。すべてランダム配置ですので足を踏み入れたら目の前に敵、なんてこともしばしば。かと思えば、コンテナだけが置かれたボーナスステージのような部屋に当たることもあります。この振れ幅が、探索にほどよい緊張感を生んでいます。

 ここが限界かも……と思ったら、コマンドの“脱出”からいつでも撤退できます。入り直せばHPもFUELも残弾数も回復するので、序盤は欲張らずに、きつくなったら脱出して入り直す、を繰り返すのがおすすめです。


 無理はしない、何度でも入る。この2点を心がけていれば、アスラは少しずつ確実に強くなっていきます。

強化の方向性はプレイヤー次第!

 アスラの強化は、ジャンクヤードでの武器の買い換えと、ガレージでの改造の2本立て。どちらもポイントを消費するので、とにかく貯めておくに越したことはありません。


 ガレージで伸ばせるのは、HPとFUELの最大値のほか、格闘武器の威力に関わる“出力”、防御力の“装甲”、回避力の“反応”、格闘武器の命中率を上げる“格闘”、そして遠距離武器の威力と命中に関わる“射撃”です。

 どこから手をつけるかは……お好みで。自分の好きな戦いかたに合わせて、アスラをチューンナップしていきましょう。ちなみに筆者は力こそパワーなタイプなので、迷わず格闘と装甲から上げました。


 というのも、序盤の改造コストはけっこうお高めだと感じました。まんべんなく伸ばしていくのは難しそうです。どんな戦いかたをしたいのかを先に決めて、伸ばす場所を絞り込む。この取捨選択そのものが、本作の楽しさのひとつだと思います。

視聴率30%の大舞台で目立て!

 アリーナは、フィギュアマシン同士が1対1で戦う場所です。賭け事の対象にもなっていて、テレビ放送の視聴率はなんと30%超え。辰港市を代表するおばけコンテンツというわけですね。

 ユウリとアスラがここに挑むのは、経営が傾きかけている初子のガレージを立て直すため。そして、ユウリの両親を探すためです。目的がはっきりしているぶん、1戦1戦に力が入ります。


 バトルフィールドには、ダンジョンと同じようにコンテナが点在しています。相手の動きに気を配りながら、コンテナを壁として利用しつつ攻撃を仕掛けやすい位置へ慎重に進んでいきましょう。

 最初の対戦相手は、チュートリアルを兼ねているのか穏やかな強さでした。改造をしていない状態でも、勝ちを狙えそうな印象です。ところが2戦目からは遠距離武器を使う相手が登場。段階を追ってしっかり手強くなっていきます。


 勝利するとポイントが手に入り、さらに新たな対戦相手が出現します。1戦ずつ進めていける構成なので、ここでも無理はせず、ときどきダンジョンやガレージに戻って鍛え直しながら挑戦していくのがよさそうです。

ガラケーだったらアチアチになりそう!

 ローグライク系のダンジョンだけでも充分に遊びごたえがあるのに、そこへマシンの改造、アリーナでの対戦、さらに続きが気になるストーリーまで乗っている。ガラケーのあの小さな端末に、いったいどれだけ詰めこまれていたんでしょうか……。


 それでいて、ショップは1カ所にまとまっていて、強化もガレージで完結。あちこち移動する必要がなく、遊ぶうえではシンプルです。この整理のうまさは、限られた画面と操作で気持ちよく遊ぶための工夫だったのかもしれません。

 ローグライクなダンジョン探索と、ロボット同士のバトル。このふたつをじっくり味わいたい方に、ぜひ手に取っていただきたい1本です。

『フラッシュモーター・カレン』プレイレビュー

Nintendo Switch版はこちら

仮想環境で挑むパズルゲーム

 ここからは『フラッシュモーター・カレン』をご紹介します。2008年にフィーチャーフォン向けとして配信されたアクションパズルゲームです。


 本作を起動すると、まずはパズルのチュートリアルから始まります。ストーリーは、パズルを進めていくことで少しずつ解放されていく仕組みです。

 チュートリアルにあたる“パズルA”は全10ステージ。ひとつひとつが大切な操作の説明になっているので、すべてクリアしてから先へ進むのがおすすめです。

パズルの基本

 ステージをスタートすると、まだ開いていないゲートと、そのゲートを開くためのスイッチが配置されています。そして、ここでいちばん見るべきは画面左上の数字。


 これは、スイッチを押したあとの制限歩数です。スイッチを押したら、この歩数以内にゲートへ入らなければゲームオーバー。ステージによっては、最短ルートを通ってようやく間に合うというギリギリの数字が設定されているので、動き出す前によく考えなければなりません。

 筆者はさっそく初見のステージで操作をミスし、一歩を無駄にしてゲートにたどり着けませんでした。操作ミスすら命取り……。


 つまり本作は、まずどうやってスイッチまでたどり着くかを考え、次にスイッチを押したあとどうやって歩数以内でゲートへ戻るかを考える、2度おいしいパズルなのです。

飛び降りるときはためらわず!

 カレンができる行動は、歩くことのほか、箱を押す、1マス分ジャンプする、1段分の段差をのぼる、そして段差を降りるなど。


 ここで覚えておきたいのが、のぼれるのは1段分だけということ。その一方で、降りるときは高さがあっても平気なのです。

 この、扱える段差の違いがそのまま攻略の鍵になります。来た道を引き返していては歩数が足りない、というときも、高い場所からためらわずに飛び降りてしまえば間に合います。行きと帰りで違うルートを通ることもあるということです。

敵は足踏みで誘い出す

 ステージによっては、敵が出現することもあります。敵は、カレンが1つ行動するごとに1歩動きます。カレンのアタックで倒せるので、つい力任せに突っ込みたくなるところですが……ここでも落ち着いていきましょう。


 有効なのは、その場で“足踏み”をして敵を誘導する方法です。相手の動きを見ながら位置を整え、攻撃を受けない状態でアタックします。自分がその場に待機して行動可能な状態を保ち、敵が一歩動いて行動を使い切り目の前に現れる……という形になるよう誘導するのです。

 チュートリアルの段階からしっかり頭を使わせてくれる、ほどよい難易度。この先どこまで難しくなるのかと想像すると、かなりの歯ごたえが期待できそうです。


 ギミックの種類も多すぎず、かつさまざまなアクションを楽しめるだけの数がそろっています。まさに、ちょうどいいパズルです。

電脳空間に現れた夢見る少女

 続いて、パズルの合間に語られていくストーリーをご紹介します。

 舞台は、現在よりもかなり先の未来と思われる世界。生命体の全感覚を電子的に置き換え、ネットワークの中であたかも現実のように活動できる仮想環境“フロンティア”が普及しています。


 アミューズメント施設を中心に、娯楽として幅広く利用されているフロンティア。人々は現実とは異なる姿“アイコン”をまとって、その中での暮らしを楽しんでいます。ただし利用者が増えるとともに、この空間を使った犯罪も横行するようになっていきました。

 物語は、一転して緊迫した場面へと切り替わります。無人のロボットアイコン“オートマトン”が暴走し、破壊活動を行っている区画があるというのです。


 現場で対処にあたっていたのは、FSS(フロンティアセキュリティサービス)のエージェントで、猫型アイコンの“ラグ”。しかし神経系に大きなダメージを受け、フロンティアからログアウトする“アウトロン”もできず、万事休す。

 そこへ現れたのが、ひとりの少女型アイコンでした。一般ユーザーが避難したはずの隔離ドメインになぜ少女が……と焦るラグ。ところが少女は慌てるそぶりも見せず、暴走したオートマトンを倒してラグを救ってくれるのです。


 少女は、ぽつりと「今夜の夢は、ちょっとヒロイックだ」と呟きます。なぜここにいるのか、どうしてこれほど高度に動けるのか。疑問だらけのラグに、少女は「カレン」とだけ名乗ってアウトロンしていきました。

夢を見ていたのは誰か

 ラグは追跡の結果、カレンのコネクト先が医療関連の施設であることを突き止めます。

 場面は変わって、カントウ医大付属病院の病棟。入院患者の“かれん”は、このところよく見る夢について考えていました。妙にご都合主義で、しかも内容を自分で操れてしまう夢……。そんなかれんのもとへ、FSSの関係者が面会を求めてきたと告げられます。


 カレンとかれんは、どういう関係なのか。そして、猫のアイコンをまとったラグの正体は……。序盤から、気になることばかりです。


 なお、会話の中には専門用語が当たり前のように登場しますが、いつでも用語解説を開けるようになっているのでご安心を。ここは、読み手への配慮がうれしいところです。

上質なパズルに上質な物語

 筆者の率直な感想として、とにかくストーリーの続きが気になります。娯楽の場として広がるフロンティア、それを守るセキュリティ、夢と言いながら空間内を自由に動き回る少女、そして病室の少女。登場人物の全員がミステリアスで、知りたい欲求が尽きません。


 ところが、いざパズルを始めると、今度はひたすらパズルを解いていたくなってしまうのです。この中毒性がなかなかのもので、ストーリーを解放するためにパズルをこなすというより、上質なパズルに上質なストーリーがついてきて両方楽しいヤッホイ、という感覚です!


 グラフィックも、ガラケーの時代にこれを遊んでいたらさぞ驚いただろうな、と思わされるクオリティです。パズルゲームがお好きな方には、ぜひ手元に置いておいていただきたい1本です。

ローグライクもパズルも普遍的な楽しさ!

 というわけで、G-MODEアーカイブス+で配信中のホープムーン作品から2本をご紹介しました。

 ロボットを育ててバトルに挑む『機神伝 STRIKE-G-』と、一歩の重みをじっくり味わう『フラッシュモーター・カレン』。ジャンルは違いますが、どちらも限られた画面と操作の中で遊びの芯をきっちり作り込んでおり、ストーリーも濃厚です。

 当時のフィーチャーフォンで、ここまでのものが動いていたというのですから驚きです。そこも含め、色あせない名作をぜひお楽しみください!

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