『キングダム ハーツ コレクション [I~III]』おすすめのプレイ順は?初代『KH』プレイレポも掲載

文:ハチ

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 『キングダム ハーツ』シリーズ過去作をまとめてプレイできる『キングダム ハーツ コレクション [I~III]』が、Swich2やPS5などで2026年10月8日に発売されます。本記事では、『キングダム ハーツ コレクション [I~III]』のオススメのプレイ順や、筆者とシリーズの思い出などをお話していきたいと思います。


■KINGDOM HEARTS 25周年特別映像「友達だから、出会えたー」

『キングダム ハーツ』シリーズの主要作品をまとめて楽しめる『キングダム ハーツ コレクション [I~III]』


 『キングダム ハーツ コレクション [I~III]』は、『キングダム ハーツ』シリーズの主要タイトルをまとめて楽しめるコレクション作品です。

 『キングダム ハーツ』は、ディズニーとスクウェア・エニックスから生まれたRPG。選ばれし者が持つことができる“キーブレード”を手にした少年・ソラが、ドナルドやグーフィーとともにさまざまなディズニーやピクサーの世界を巡り、世界を脅かす闇へと立ち向かっていく物語が描かれます。

 『キングダム ハーツ』シリーズにはナンバリング作品以外にも数多くの関連作品が存在するため、「興味はあるけれど、どれから遊べばいいのかわからない」という人もいるかもしれません。

 そんな人にも注目してほしいのが、2026年10月8日に発売される『キングダム ハーツ コレクション [I~III]』です。
 
 PS5とNintendo Switch 2、Nintendo Switchはもちろん、XBOXやPCでも遊べるようになっているので、より多くのハードで『キングダム ハーツ(KH)』を楽しめるようになっています。


 名前だけを見ると『KH』『KHII』『KHIII』の3作品を収録したものにも思えますが、実際の内容はかなりのボリュームですよ!

 本作は、『KINGDOM HEARTS -HD 1.5+2.5 ReMIX-』、『KINGDOM HEARTS HD 2.8 Final Chapter Prologue』、『KINGDOM HEARTS III+Re Mind』という3タイトルをまとめたセットです。

 そして『1.5+2.5』や『2.8』という数字も、『KH1.5』『KH2.8』という1本のゲームを表しているわけではありません。

 それぞれ複数のシリーズ作品を収録したパッケージの名称となっているんです。

 『1.5+2.5』には、シリーズの原点となる『KH』から『KHII』を含む6作品。

 『2.8』には、『KHIII』へとつながる『Dream Drop Distance HD』『χ Back Cover』『0.2 Birth by Sleep -A fragmentary passage-』の3作品。

 そして『III+Re Mind』には、『KHIII』本編と、その追加DLC『Re Mind』が収録されています。

 つまり『キングダム ハーツ コレクション [I~III]』では、全11作品を楽しめるというわけです。すごい!

 なお、『358/2 Days』『Re:coded』『χ Back Cover』の3作品はゲームとしてプレイするのではなく、映像作品となっています。


『KINGDOM HEARTS -HD 1.5+2.5 ReMIX-』収録作品
・KINGDOM HEARTS -FINAL MIX-【ゲーム】
・KINGDOM HEARTS Re:Chain of Memories【ゲーム】
・KINGDOM HEARTS 358/2 Days【映像作品】
・KINGDOM HEARTS II -FINAL MIX-【ゲーム】
・KINGDOM HEARTS Birth by Sleep -FINAL MIX-【ゲーム】
・KINGDOM HEARTS Re:coded【映像作品】

『KINGDOM HEARTS HD 2.8 Final Chapter Prologue』収録作品
・KINGDOM HEARTS Dream Drop Distance HD【ゲーム】
・KINGDOM HEARTS χ Back Cover【映像作品】
・KINGDOM HEARTS 0.2 Birth by Sleep -A fragmentary passage-【ゲーム】

『KINGDOM HEARTS III+Re Mind』収録作品
・KINGDOM HEARTS III【ゲーム】
・KINGDOM HEARTS III Re Mind【DLC】

初めて遊ぶならどれから? 『キングダム ハーツ』シリーズおすすめプレイ順


 これだけ多くの作品が収録されているとなると、シリーズ未経験者が気になるのは「結局、どれから遊べばいいの?」と迷っちゃいますよね。

 ここからは、あらすじやオリジナル版の情報とあわせて、オススメの順番で紹介していきます。

1:KINGDOM HEARTS -FINAL MIX-


 【オリジナル版『KINGDOM HEARTS』:2002年3月28日発売/PlayStation 2】

 すべての始まりとなるシリーズ第1作。

 デスティニーアイランドで暮らしていた少年ソラは、世界が闇に飲み込まれたことで幼なじみのリク、カイリと離ればなれになってしまいます。

 “キーブレード”を手にしたソラは、王様を捜しているドナルド、グーフィーたちと出会い、リクとカイリを捜すため、さまざまなディズニーの世界を巡る冒険へと旅立ちます。

2:KINGDOM HEARTS Re:Chain of Memories


 【オリジナル版『KINGDOM HEARTS Chain of Memories』:2004年11月11日発売/ゲームボーイアドバンス】

 『KH』と『KHII』のあいだを描く物語。

 リクと王様を捜して旅を続けていたソラたちは、“忘却の城”と呼ばれる謎の城へたどり着きます。しかし、城を進めば進むほど、ソラたちは大切な記憶を失っていくことに……。

 今回収録されている『KINGDOM HEARTS Re:Chain of Memories』は、ゲームボーイアドバンスで発売された『KINGDOM HEARTS Chain of Memories』を3Dでリメイクした作品です。

 カードを使って攻撃や魔法などを繰り出す、シリーズでも独特なバトルシステムが特徴となっています。

3:KINGDOM HEARTS 358/2 Days

 

 【オリジナル版『KINGDOM HEARTS 358/2 Days』:2009年5月30日発売/ニンテンドーDS】

 少年ロクサスを主人公に、XIII機関で過ごした358日間を描いた作品。

 XIII機関の一員として任務をこなすロクサスは、アクセル、シオンと友情を深めていくなかで、自分自身が何者なのか疑問を抱くようになります。

 オリジナル版はニンテンドーDS用ソフトですが、本コレクションではストーリーを追える映像作品として収録されています。

4:KINGDOM HEARTS II -FINAL MIX-


 【オリジナル版『KINGDOM HEARTS II』:2005年12月22日発売/PlayStation 2】

 眠りから目覚めたソラが、ドナルド、グーフィーとともに再び冒険へ。

 ハートレスだけでなく、新たな敵“ノーバディ”やXIII機関との戦いが本格化していくことに!

 行方のわからないリクを捜すソラの冒険と、ロクサスをはじめとするさまざまな人物の運命が交錯していきます。

5:KINGDOM HEARTS Birth by Sleep -FINAL MIX-


 【オリジナル版『KINGDOM HEARTS Birth by Sleep』:2010年1月9日発売/PlayStation Portable】

 『KH』よりも過去の時代を描いた物語。

 キーブレードマスターを目指すテラ、ヴェントゥス、アクアという3人のキーブレード使いが主人公となり、それぞれの視点から物語を追っていきます。

 後のシリーズへと大きな影響を与えるマスター・ゼアノートも登場し、『KH』1作目へとつながっていく出来事が明らかになっていきます。

6:KINGDOM HEARTS Re:coded


 【オリジナル版『KINGDOM HEARTS coded』:2008年11月19日発売/携帯電話専用ゲーム】

 ソラたちの冒険を記録した“ジミニーメモ”に発生した異変を調査する物語。

 メモをデータ化して作られた世界を舞台に、データのソラがバグを取り除くための冒険に挑みます。

 『Re:coded』は、ニンテンドーDS向けにリメイクした作品で、本コレクションでは映像作品として収録されています。

7:KINGDOM HEARTS Dream Drop Distance HD


 【オリジナル版『KINGDOM HEARTS Dream Drop Distance』:2012年3月29日発売/ニンテンドー3DS】

 ソラとリクの2人が“キーブレードマスター承認試験”に挑む物語。

 2人は“眠りに閉ざされた世界”を巡りながら、新たな力を身につけていくことになります。

 その一方で、マスター・ゼアノートの大きな計画も明らかになり、『KHIII』へ向けて物語が大きく動き始めます。

 今回収録されるのは、ニンテンドー3DS版をHD化した作品になります。

8:KINGDOM HEARTS χ Back Cover


 【オリジナル版『KINGDOM HEARTS χ Back Cover』:2017年1月12日発売/PlayStation 4】

 はるか昔、伝説として語られてきた“キーブレード戦争”の時代を描く映像作品。

 マスター・オブ・マスターと、その弟子である“予知者”たちを中心に、キーブレード戦争へと至る出来事が描かれます。

 『358/2 Days』や『Re:coded』とは異なり、既存ゲームを映像化したものではなく、最初から映像作品として制作されたタイトルで、『KINGDOM HEARTS HD 2.8 Final Chapter Prologue』に収録されました。

9:KINGDOM HEARTS 0.2 Birth by Sleep -A fragmentary passage-


 【オリジナル版『KINGDOM HEARTS 0.2 Birth by Sleep -A fragmentary passage-』:2017年1月12日発売/PlayStation 4】

 『KINGDOM HEARTS Birth by Sleep』のその後を、アクアの視点から描いた作品。

 闇の世界に取り残されてしまったアクアが、テラやヴェントゥスへの思いを胸に戦い続けます。

 『KH』の裏側で起きていた出来事ともリンクし、その物語は『KHIII』へとつながっていきます。

 『KINGDOM HEARTS χ Back Cover』同様、『KHIII』へとつながる物語として『KINGDOM HEARTS HD 2.8 Final Chapter Prologue』に収録された作品です。

10:KINGDOM HEARTS III


 【オリジナル版『KINGDOM HEARTS III』:2019年1月25日発売/PlayStation 4】

 これまで積み重ねられてきた物語(ダークシーカー編)が、ついにクライマックスへ。

 マスター・ゼアノート率いる闇の勢力に対抗するため、ソラは失ってしまった“目覚めの力”を取り戻すべく、ドナルド、グーフィーとともに様々な世界を巡ります。

 これまでのシリーズに登場した多くの人物や物語が集結し、マスター・ゼアノートとの長きにわたる戦いが決着を迎えます。

11:KINGDOM HEARTS III Re Mind


 【オリジナル版『KINGDOM HEARTS III』追加DLC『KINGDOM HEARTS III Re Mind』:2020年1月23日配信/PlayStation 4】

 『KHIII』本編のクライマックスで起きていた“もうひとつの物語”などを描く追加コンテンツ。

 大切な人を救うため、ソラが仲間たちの心をたどっていくことで、本編だけでは描かれなかった出来事や戦いが明らかになります。

 ストーリーが『KHIII』本編の結末を前提としているため、『KHIII』をクリアしてからプレイするのがオススメです。

プレイ順とは別! 『キングダム ハーツ』シリーズの物語を時系列で見ると?


 ここまでオススメのプレイ順を紹介しましたが、『キングダム ハーツ』シリーズには、それとは別に“物語上の時系列”があります。

 『KH』1作目よりも過去を描いた作品があるほか、複数作品の出来事が同じ時期に展開している場合もあります。

 公式サイトのタイムラインをもとに、おおまかな流れを見てみましょう。

【はるか昔】

『KINGDOM HEARTS χ Back Cover』
↓
『KINGDOM HEARTS Union χ』
↓
『KINGDOM HEARTS Dark Road』

 キーブレード戦争にまつわる時代から、若き日のゼアノートへとつながっていく物語。

 このうち『χ Back Cover』は本コレクションに収録されていますが、アプリゲームだった『Union χ』『Dark Road』は収録されていません。

【『KH』の約10年前】

 『KINGDOM HEARTS Birth by Sleep』

 テラ、ヴェントゥス、アクアの3人の物語を通して、『KH』へつながっていく出来事が描かれます。

【すべての始まり】

 『KINGDOM HEARTS』

 ソラがキーブレードを手にし、ドナルド、グーフィーとともに世界を巡る最初の冒険へ。

【『KH』から『KHII』の間】

 『KINGDOM HEARTS Re:Chain of Memories』
 +
 『KINGDOM HEARTS 358/2 Days』

 この2作品は一部の時間軸が重なっています。

 ソラとリクが“忘却の城”でそれぞれの戦いを繰り広げる一方、『358/2 Days』ではロクサスたちの物語が進んでいます。

【ナンバリング2作目】

 『KINGDOM HEARTS II』

 眠りから目覚めたソラたちが再び冒険へ。XIII機関との戦いも本格化します。

【『KHII』後】

 『KINGDOM HEARTS Re:coded』

 “ジミニーメモ”に残された謎をきっかけに、データのソラの冒険が始まります。

【『KHIII』へ】
 『KINGDOM HEARTS Dream Drop Distance』

 ソラとリクがキーブレードマスター承認試験へ。『KHIII』へ向けて物語が大きく動きます。

【『KHBbS』から『KHIII』へ】

 『KINGDOM HEARTS 0.2 Birth by Sleep -A fragmentary passage-』

 『Birth by Sleep』後のアクアの物語が描かれます。

 『KH』の裏側ともリンクし、『KHIII』へつながっていきます。

【ダークシーカー編クライマックス】

 『KINGDOM HEARTS III』
 ↓
 『KINGDOM HEARTS III Re Mind』

 ソラたちとマスター・ゼアノートをめぐる長い戦いがクライマックスを迎えます。

【『KHIII』の先へ】

 『KINGDOM HEARTS Melody of Memory』

 これまでの冒険を振り返りながら、『KHIII』後へとつながる物語も描かれます。

 なお、『Melody of Memory』は今回の『KHコレクション[I~III]』には収録されていませんが、リズムゲームなので『KH』シリーズの音楽を楽しめるので非常にオススメです。

 リズムゲームではありますが物語もあり、カイリの過去やこれからのストーリーにからみまくりで、とても重要な内容なんですよね……なので、未プレイの方はぜひ!

ゲーム好きもディズニー好きも…いえ、全ての人類にプレイしてほしい


 ここまでいろいろと説明してきましたが、時系列を見ると「『KH』よりも前の話となる『Birth by Sleep』や『χ Back Cover』から始めたほうがいいの?」と思う人もいるかもしれません。

 ですが、シリーズをわかりやすく遊ぶなら、筆者としては先ほど紹介したプレイ順がオススメ。

 何も知らない状態では意味がわからなかった言葉や出来事が、別の作品を遊ぶことで少しずつつながっていく……その感覚も、『キングダム ハーツ』シリーズのおもしろさだからです。

 とはいえ「今からこれを全部追いかけるのは大変そう……」と思った人もいるでしょう。

 来年で25周年を迎えるシリーズをイチから追いかけるとなれば、それなりのボリュームがあります。


 ちなみに『キングダム ハーツ』シリーズは、アクションが苦手な人でも安心のバトルシステム&物語を楽しみやすい難易度が用意されている作品でもあります。

 「ストーリーが気になるけれど、アクションRPGはちょっと苦手」という人なら、まずは難易度を下げて物語を楽しむのもひとつの手です。

 『358/2 Days』『Re:coded』『χ Back Cover』の3作品については、映像作品として収録されているため、バトルを攻略する必要もありません。


 ただし、これだけは声を大にして言いたい!

 『キングダム ハーツ』シリーズは、アクションも最高に楽しいんです!

 キーブレードを振るってハートレスを次々となぎ倒したり、魔法を使ったり、ドナルドやグーフィーと力を合わせたり。

 そして作品を重ねるごとにアクションも進化していきます。

 同じ“キーブレードで戦う”という基本はありながら、それぞれの作品に特徴的なシステムが用意されているので、順番に遊んでいけば、20年以上にわたるシリーズのアクションの進化も体験できます。

 物語を中心に楽しみたい人は難易度を下げて、アクションをとことん楽しみたい人は歯ごたえのある難易度へ。

 自分に合った遊び方で、この長い物語を楽しんでみてください。

24年前の思い出がよみがえる! 子どものころに信じていた“世界”が『キングダム ハーツ』にはあった


 ここからは、すべての始まりとなった『KINGDOM HEARTS』のFINAL MIX版『KINGDOM HEARTS -FINAL MIX-』のプレイレポートを、昔の思い出と共にお届け!

 初代『キングダム ハーツ』がPlayStation 2で発売されたのは2002年3月28日。

 2026年の今から振り返ると、もう24年以上も前の作品になります。

 
 じつは筆者にとって、『キングダム ハーツ』はかなり思い出深い作品です。

 初めて本作と出会ったのは小学生のころ。

 CDを買いにお店へ行ったとき、たまたま目に入ったのが『キングダム ハーツ』でした。

 当時の筆者は、それまでRPGをほとんどプレイしたことがありませんでしたし、それどころか、PlayStation 2すら持っていません。

 それでも『キングダム ハーツ』が気になった理由は、とても単純。

 ディズニーのキャラクターたちに惹かれたからです。

 父もディズニーが好きだったこともあり、プレイしてみたいとのことで誕生日にPlayStation 2を買ってもらえることに。


 こうして『キングダム ハーツ』は、筆者が本格的にRPGの世界へ足を踏み入れるきっかけとなりました。

 そして、小学生だった筆者が『キングダム ハーツ』の世界をすんなり受け入れられたのには、今思えばちょっと変わった理由がありました。

 子どものころの筆者は、アニメやゲームの世界は、どこかに本当に存在していると思っていたんです。

 アニメやゲームの映像は、スタッフがその世界へ“ロケ”に行って撮ってきたもの。

 だから作品ごとに描かれている場所は違っていても、本当はどこかで全部の世界がつながっていると、本気でそんなふうに考えていました。


 そんな筆者にとって、ソラたちが世界を飛び回り、その先でディズニーのキャラクターたちと出会っていく『キングダム ハーツ』の世界観は、驚くほどしっくりくるものでした。

 『アラジン』の世界も、『リトル・マーメイド』の世界も、『くまのプーさん』の世界も、それぞれが本当にどこかにあって、普段は離れているだけ。

 だからソラがグミシップに乗って、その世界をひとつずつ訪れていくことも、当時の自分にとっては決して突拍子もない設定ではなかったんです。

 むしろ、「やっぱり世界ってつながっているんだ!」くらいに思っていたのかもしれません。


 大人になった今なら、『キングダム ハーツ』が異なる作品や世界をひとつの物語として成立させるために、どれほど巧みに世界観を構築しているのかを考えてしまいます。

 でも、小学生だったころの自分には、そんな理屈は必要ありませんでした。

 いろんな世界は本当に存在していて、それらはどこかでつながっている。

 そんな自分のなかにあった空想と『キングダム ハーツ』の世界観が、あまりにもきれいに重なったんです。

何を得るか、何を差し出すかでめちゃめちゃ悩んだ思い出。

 実際にゲームを始めたときの衝撃は、今でも覚えています。

 まず驚いたのが、グラフィックの美しさ。そして音楽。

 画面のなかに広がる世界を見て、音楽を聴いた瞬間、子どもながらに鳥肌が立ちました。

 単純に「映像がきれい」「音楽がいい」というだけではありません。

 身体の奥というか、魂そのものを揺さぶられるような感覚。

 それまでゲームをほとんど遊んでこなかった筆者にとって、ゲームでこんな気持ちになれること自体が衝撃でした。


 しかも、冒険を進めるほど大好きなディズニーのキャラクターたちが次々と登場します。

 何よりうれしかったのは、それまでアニメーション映画として見ていた世界に、自分自身で入って歩き回れたことです!

 映画では画面の向こう側にあった場所を、ソラを操作して自分の足で歩ける。

 小学生だった筆者には、それだけでも夢のような体験でした。


 なかでも思い入れがあった作品が、『ターザン』と『ヘラクレス』です。

 筆者はもともとこの2作品が大好きで、ほぼ毎日ディズニー映画を観ていました。

 でも、東京ディズニーランドへ行っても専用のアトラクションがあるわけではなく、関連グッズも少なかったんですよね。

 好きなのに、なかなかその作品の世界やキャラクターたちに会えない。

 子どもながらに、ちょっと寂しく感じていたことを覚えています。

 ところが、『キングダム ハーツ』には彼らがいたんです!

 『ターザン』の世界“ディープジャングル”を自分の足で歩き、ターザンたちと一緒に冒険できる。

 そして“オリンポスコロシアム”へ行けば、ヘラクレスにも会える。

 当時の自分にとって、それがどれほどうれしかったことか。


 ディズニーのなかでも自分が特に大好きだった作品を、ちゃんとひとつの“世界”として用意してくれている。

 それだけで『キングダム ハーツ』というゲームが、自分のことをわかってくれているような気さえしました。

 今振り返れば、『キングダム ハーツ』が筆者に与えてくれたのは、単にディズニーのキャラクターが登場するRPGという体験ではなかったのだと思います。

 子どものころに「きっとどこかにある」と信じていた世界へ、本当に連れていってくれるゲームだったんですね。


 そんな大好きな『ターザン』の世界“ディープジャングル”には、今でも忘れられない敵がいます。

 カメレオンのような姿をしたボス、ステルススニークです。

 その名のとおり姿を消すことができる敵なのですが、小学生だった筆者は、こいつをどうやって倒せばいいのかまったくわかりませんでした。

 今ならわからないことがあれば、スマートフォンで検索すれば、攻略方法はすぐに見つかりますが、筆者が『キングダム ハーツ』を遊んでいたころは、少なくとも小学生だった自分にとって、ゲームの攻略情報をいつでも簡単に調べられるような環境ではありませんでした。

 わからないなら、自分でなんとかするしかない。

 「どうしたら出てくるの?」「どうやったら攻撃できるの?」と、何度も何度も試行錯誤しました。

 あまりにも倒せなくて、最後には泣きながらコントローラーを握っていたほど。


 それでも諦めずに挑戦を続けて、ようやく倒せたときのうれしさは、24年経った今でも覚えています。

 あまりにもうれしくて、自分へのお祝いとして駄菓子屋さんへ行き、きなこ棒を買って食べました。

 いま考えると、なんとも小学生らしい“クリア祝い”ですよね(笑)。

 24年経って何度も『キングダム ハーツ』をプレイしている私は、もうステルススニークには簡単に勝てるので祝うほどでもないですが、やはりきなこ棒が食べたくなります(笑)


 逆に、24年経ってもまったく成長を感じられなかったこともありました。

 物語序盤のデスティニーアイランドでは、ソラとリクが競争する場面があります。

 これが子どものころから、とにかく苦手!

 何度挑戦してもリクに負けていた記憶があるのですが、大人になった今ならさすがに勝てるでしょう……と思って挑んでみたら、今回も見事に負けました(笑)。

 しかも、引っかかった場所まで昔とほぼ同じ。

 橋の一部が抜けているところでうまく進めず、そのあいだにリクはどんどん先へ。


 ステルススニークはあんなに簡単に倒せるようになったのに、どうしてリクには勝てないのか。

 でも、不思議と「やっぱりリクには勝てないくらいが、しっくりくるな」と思ってしまいました。

 子どものころは純粋に「今度こそ勝ちたい!」と思っていたはずなのに、シリーズを追いかけてきた今では、ソラの少し先を走っているリクの姿を見ると妙に納得してしまうんですよね。


 24年経って、ゲームの腕前は少し変わった。

 でも、リクとの競争では相変わらず同じ場所で引っかかっている。

 そんな“変わったところ”と“変わらないところ”の両方に出会えるのも、昔遊んだゲームをもう一度プレイする楽しさなのかもしれません。

いつもいかだの名前はハイウィンドです。

 そして今回、再プレイしていて特におもしろかったのが、初めて遊んだころとは“見えているもの”がまったく違うことです。

 当時の筆者は、この先にどんな物語が待っているのかなんて当然知りません。

 登場人物の言葉も、意味深な演出も、そのときに見たものをそのまま受け取っていました。

 でも、シリーズを追いかけてきた今、もう一度最初からプレイすると――。

 「最初に聞こえてくるこの声って……」

 「ここでカイリが話している、昔いた世界って……。だからこんな反応をしているんだ」

 「このとき、この人はきっとこんなことを感じていたんだろうな」

 「そうか。この場面の裏では、あの出来事が起きていたのか」

 そんなことばかり考えてしまいます。

 当時は何気なく通り過ぎていたセリフや演出が、シリーズのその後を知っているだけで、まったく違う意味を持って見えてくるんです。

 いろいろな作品をプレイして、さまざまな人物の物語を知ったうえで原点へ戻ってくると、「このとき、この人には自分の知らない物語があったんだ」と想像できるんですよね。


 同じゲームを遊んでいるのに、24年前の自分と今の自分では、見えている世界がまったく違うんです。

 何も知らずに初めて世界へ飛び込む楽しさがある。

 そして、すべてを知ったあとでもう一度同じ世界へ帰ってくる楽しさもある。

 “知らない”から“知っている”へ変わることで、同じ場面の見え方まで変わっていく。

 それもまた、長い年月をかけて物語を紡いできた『キングダム ハーツ』シリーズならではの醍醐味なのだと思います!

 だから今回の『キングダム ハーツ コレクション [I~III]』で初めてシリーズに触れる人には、少しうらやましさも感じます。

 「私も何も知らない状態で、またこの世界に飛び込みたい。」と何度も思いました(笑)。

 そして、すべての冒険を終えたあとには、ぜひもう一度最初の『キングダム ハーツ』へ戻ってきてほしいです。

 きっとそのとき、最初に見えていたものとは少し違う世界が、そこに広がっているはずです。

3人がのんびりお話しているだけで嬉しいよ……。

 きっと“自分にとって大切な物語”と出会うのはほんの少しの偶然。

 私も『キングダム ハーツ』との出会いはCDを買いに行ったお店で、たまたま見つけた1本のゲームでした。

 そんなゲームは私の中で唯一無二の作品となり、いまこうして『キングダム ハーツ』の記事を書いています。
 
 あの頃の私に言ったらとても驚くでしょうね(笑)。

 この記事が、誰がが『キングダム ハーツ』と出会うほんの偶然のきっかけになってくれたら嬉しいです。

昔『KH』にドハマりしていた私のためにお友達たちがくれた誕生日プレゼント。小学生には高かったろうにみんなでお小遣いを貯めてくれたのかと思うと……涙。20年ほど経った今でも大切にしています。

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

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