みなさんこんにちは。ここから1カ月前に時は遡る……。とにかくゲームの合間に映画館行きまくっていたあの頃。偶然が重なることってあるよね。今回はそんな話。思わせぶりオッシーがコラム62回目をお送りします。

このコラムでは、狂ったようにプレイしている日々のゲーム体験や、ゲーム以外の趣味である映画鑑賞などで摂取したエンタメコンテンツを、短文レビュー形式でお送りしています。
ブラッド・ピットがイッヌと冒険する映画⋯⋯じゃないの!?(実話)【ラスト・サバイバー】
●映画『ラスト・サバイバー』
予告編で何度か見かけていて、ブラッド・ピットと相棒のイッヌが冒険する映画だと認識して観に行った。人間とイッヌのバディ物とか面白いに決まっとるやんけ。
⋯⋯ん? 主人公ブラッド・ピットじゃなくね? いやでも相棒はイッヌだし、まあ後からブラッド・ピット出てくるんだべ。
⋯⋯⋯んん?? 確かに、イッヌとの友情もあり、大自然の中でのアクションもありで、確かに予告で見た内容といえば内容ではある。でも一向にブラッド・ピットが出てこない。
⋯⋯⋯⋯んんん??? あの⋯⋯ワンコが◯◯(自主規制)したんですけど⋯⋯。え、ここから新しいイッヌとブラッド・ピット出てくるの? どんな超展開が待ってるんや?
(映画鑑賞後)めっちゃおもろかったけど、中盤からイッヌもブラッド・ピットも出てこないやんけ! 予告詐欺かいな!!
劇場の通路に貼られている近作のポスターが目に入る。ブラッド・ピットがイッヌと並んでいるポスター⋯⋯。そこには『ハート・オブ・ビースト』と書いてあるのだった。
別の映画なんかい!! いやそんなバカな(やつがおるかい!)とお思いの向きもあろうかと思いますが、マジで勘違いしてました。
だってさ、こんな近い時期に、男主人公とイッヌが自然の中で冒険する映画が公開すると思わないじゃん!! 完全に(犬が)被っとるやろがい!! こんなん間違えるな言う方が無理があるやろがい!
『ラスト・サバイバー』の主人公はパイロットだけど、ブラッド・ピットもセスナっぽいやつにイッヌと一緒に乗っとるやろがい!!
でも映画はめっちゃ面白かったです。『ハート・オブ・ビースト』も公開されたら観に行こうと思います。
世紀末&ワンコ=『メタルマックス』! 人間なら自分の足で歩こう!【ラスト・サバイバー】
世界観としては、疫病で人間のほとんどが死滅した後の、生き残りによるポストアポカリプス。こういう世界観大好きだから、よく映画とかゲームとか観るんだけど、本作も例に漏れず世紀末テンプレ満載でいい。
主人公のヒッグと愛犬ジャスパー、そして元軍人のバングリーは、世紀末世界で拠点を築いて生き抜いている。
ヒッグは元パイロットでセスナもあるので、それで廃墟となった街に繰り出しては物資を調達している。ヒッグはいいヤツなので、これまた人里離れた集落に物資を届けて、お礼に豆をもらったりして生活している。
そんなある日、情け容赦ないヒャッハー集団がこのエリアに現れたことを知る。
元軍人のバングリーは、『トレマーズ』のバードみたいに、世紀末前にプレッパー的に物資を集めたり武器を揃えたりしているので、ヒャッハー集団が拠点に偵察にきても即皆殺し。
心優しいヒッグは、「もしかして難民かもしらんから、すぐ殺すのイクナイ!」と諌めるものの、基本的に他人を信じないオッサンのバングリーは意に介さず。
これ、疑心暗鬼になって殺し合いに発展するやつじゃ⋯⋯と不安になるものの、この二人(と一匹)は絶妙なバランスでうまく噛み合っているみたいで、平穏(?)なふたりサバイバー生活がしばらく続く。
ある日、ヒッグは無線で呼びかける声を受信する。“グランド・ジャンクション”という場所に生存者が集まっているらしい。
ポストアポカリプス物が好きな人には常識だけど、大体こうやって「地上の楽園がありまっせ~」的なヤツは8割(筆者調べ)ヤベー場所なんだよね。
名作世紀末RPG『メタルマックス2』のデスクルスや、『ウォーキング・デッド』、『28日後…』でも、大抵目指した先は碌なもんじゃなかったやろ?
そんなフラグは露知らず、ヒッグは“グランド・ジャンクション”に興味を抱き始める。バングリーは現実主義者なので、「そんなとこ行ってもなんもならんで」と言うが、ヒッグはもう止まらない!
それが元で軽い諍いがあった矢先、ヒャッハー集団が拠点に襲いかかってくる。命からがら撃退したものの⋯⋯愛犬ジャスパーは勇敢に戦い、殉職するのであった⋯⋯。
(このへんで、筆者も思ってた映画と違う映画を観に来たことに気づきました)
愛犬を失ったことで、土地に残る理由もなくなったヒッグは、バングリーと袂を分かち、“グランド・ジャンクション”を目指して旅立つことに。
まあ正直この辺のくだりは、旅立つにしても別にイッヌ連れていけばいいし、イッヌ死んだのも別にバングリーのせいってわけじゃないだろうしで、若干無理やり感はあった。
別れ際、バングリーから餞別として「もってけ」と押し付けられたのは、大量の手榴弾。なんでや。
まあもちろん、これが伏線で後半この手榴弾が大活躍するんだけど、この時点でそれが分かるわけもなく、バングリーさんの餞別センスに脱帽するばかりである。
大草原の小さな家とマーガレット・クアリーとヒャッハー【ラスト・サバイバー】
そうして一人セスナで旅立ったヒッグだったが、速攻で機材トラブルでセスナが不時着を余儀なくされる。
ヒッグ「オレは整備士だったんだ(キリっ!)」じゃないんだわ。長旅になるの分かってたんならちゃんと整備しとけ。カプコンヘリかよ。
そうして降り立った地には、牧場主とその美しい娘。娘役はマーガレット・クアリー。
映画『サブスタンス』以来のマーガレット・クアリーだったけど、この子はマジで美人だね! 『サブスタンス』の時はヤベー感じの役だったけど、今作では完全にヒロイン枠。
世紀末で薄汚れた格好をしていても隠しきれない美貌。娘に余計な虫が付かないか心配してヒッグにキツく当たるパパ(牧場主)を尻目に、どんどん急接近する二人。
お、これは、パッパを置いて二人で“グランドジャンクション”目指すパターンやな? なんならパッパはここで(心残りがないように脚本上の都合で)死ぬパターンのやつやな? ぼくはくわしいんだ!!
案の定、謎のヒャッハー集団が今度は牧場に襲いかかる! あー、これはパッパがヒャッハーに殺されて、心置きなく二人で逃避行できるやつや! と半ば確信しながら観てたんだけど⋯⋯ハズレました!
なんとパッパご生存で、ヒッグ、クアリー、パッパでセスナで逃避行するまさかの展開。明らかに定員オーバーな感じだけど、なんとか目的地に向かう御一行。これは予想を裏切られたわ。
退場したと思ったバングリー編がめっちゃ面白すぎる件【ラスト・サバイバー】
一方、ヒッグが去った後のバングリーのシーンがちょくちょくインサートされるのよ。
いやさ、普通あんな感じで、今生の別れっぽい演出だったら、もうバングリーは出てこないと思うやん? クアリー一家との出会いもそうだけど、全体的にロードムービーっぽい流れだからさ。各地での出会いは一期一会な感じだと思うじゃん。
なんだけど、本作では、ちょくちょく出てくる。バングリー編。
どうでもいいけど、このバングリーとパッパ(牧場主)がどっちもおじいちゃんに片足突っ込んだ感じで、ぶっちゃけ似てるのよ。
だから、最初は気づかずに、パッパ(牧場主)が急に暗視ゴーグル被って夜警してるんだと思ってたわ。パッパもプレッパーして重武装してたんやなって。
そんなバングリー編だけど、ひとり残されたバングリーは寂しさを覚えつつも、一人で拠点を守っていた。たまにくるヒャッハーをスナイプして皆殺しにしつつ、ニッコリしながら薬莢に火薬を入れたりしてる。楽しそう。
ところが、ある日、ヒャッハー集団が大人数で襲いかかってくる。ゾンビ映画かってくらいの大人数。さすがのコマンドー・バングリーさんでも多勢に無勢。
暗視ゴーグルつけて暗闇からのステルスキル(ナイフ)、ハンドガンによるヘッドショットなどを駆使するが、徐々に追い詰められて、見張り塔の上に立てこもる展開。
この見張り塔によじ登るヒャッハー集団は完全にゾンビ映画のそれ。
この立て籠もり戦法は功を奏して、なんとか敵を押し留めるんだけど、なんとバングリーさんの武器庫を見つけたヒャッハーがRPGを発見! RPGまで完備してるんかい、バングリーさん⋯⋯。
ヒャッハーが撃ったRPGが見張り塔に直撃し、バングリーさんは⋯⋯。こんなにバングリー編見せたのに、結局やられるんかい!
この頃には、バングリー無双を見てすっかり好きになっていたので、正直悲しかった。
約束の地は大抵碌なもんじゃない。でも戻って空爆は殺意が高すぎる【ラスト・サバイバー】
一方のヒッグ御一行は、とうとう“グランドジャンクション”に到達。ガチガチの警備で武装解除されつつも、中に案内される御一行。中は、世紀末とは思えない、文明が残っている空間だった。
とはいえ、管理者の趣味で、80年代のレトロな雰囲気。『フォールアウト』を彷彿とさせる感じ。ようやく安全で文明的な生活を送れる⋯というところから、徐々に違和感を覚えて、この集団の異質さに気付く展開、あると思います(ポストアポカリプスあるある)。
それはまったくその通りなんだけど、本作はその過程が早すぎるのよ。
普通だと、最初は集団のリーダーに歓迎されるやん? そこで歓待を受けて、数日は豪勢な暮らしをさせてもらえるやん? でその内に、入ってはならない部屋に迷い込んで真実を知るやん? そんで脱出するやん?
その一連の流れを、本作はマジで一気に終わらすのよ。RTAかと思ったわ。
リーダーとの初対面で異常さに気づき決別→護衛の武器を奪って脱出→途中で、人間を食料にしている冷凍庫に遭遇→住民が豹変して襲いかかってくるのを撃退→セスナに乗り込んで脱出。
ここまで、10分足らずでこなすRTA走者。
普通だと展開早すぎてついていけない! となりそうなもんだけど、ポストアポカリプス大好きマンには、もはや親の顔より見た展開なので問題なし。
むしろ、あるある要素のジェットコースターで楽しすぎた。
そんで脱出するところまでは既定路線なんだけどさ、本作はここからが一味違う。
普通なら、命からがら逃げ出すじゃん? だってセスナは非武装だし、向こうは重武装した兵士っぽいやつらだからね。それこそ、RPG持ち出して撃墜しようとしてきてもおかしくない。
ところが、ヒッグたちは「やられたらやりかえす、倍返しだ!」とばかりに、踵を返すのよ(セスナだから旋回する、だけど)。
そして戻って何をするかというと、ここでバングリーの餞別が登場! 大量の手榴弾を低速飛行で“グランドジャンクション”にポイポイポイ。
哀れ、約束の地は瓦礫の山と化したのだった⋯⋯完。
いやさ、確かに“グランドジャンクション”に巣食う集団に騙されて殺されそうにはなったけど、戻って焦土にするほどではなくない? まあ、今後同じような犠牲者を生まないように、という正義感からだと思うけど、オーバーキルすぎて笑った。
なんなら、主人公は最初から“グランドジャンクション”を破壊しにきたエージェントだったんじゃないか説まであるでこりゃ。
出戻り(ヨッメとパッパ付き)主人公を迎えるのは⋯⋯【ラスト・サバイバー】
約束の地がアカンかったし、牧場もヒャッハーに襲われて戻れず、ヒッグたちは、バングリーと住んでいた拠点に戻ることに。とはいえ、先述の通り、バングリーはヒャッハーに襲われて、拠点も焼き払われているわけで⋯⋯。
拠点に辿り着いた一行は、おびただしい数のヒャッハーの死体を目にする。これではバングリーもひとたまりもなかっただろう⋯⋯と絶望するヒッグ。
するとどこからか軽快な音楽⋯⋯。そこには、包帯まみれで(何故か)パンツ一丁でコーヒーを淹れるバングリーの姿が!
(しかもコップは4つで、主人公一行をもてなす為にコーヒーを入れていたのだと思われる)
バングリー!!! ワレ生きてたんかい!!! よかった!
この後はエピローグ的に、ニッグが助けに行っていた集落にバングリーもいくことに。
最初は孤高を気取っていたバングリーも、歓待のパーティーでいきなりギターを弾き始めるデレっぷりを見せる。こういう強面だけどお茶目なオッサン大好き!
ヒッグも旧家に一人で行き、死んだ元妻(の思い出)と決別。クアリーとイッヌを偲びながら結ばれるのであった⋯⋯完。
総評:思ってたんとちょっと違うけど、めっちゃハッピーエンド。でも犬は⋯⋯
ということで、ポストアポカリプス物とは思えないハッピーエンドで幕を閉じた。味方側の人間は誰も死なないし、主人公は爆美女のヨメが見つかるしで、鑑賞後の後味もよろしい。
前項でも言ったけど、バングリーとパッパ(牧場主)が似ているので、どっちかは死ぬやろなぁと思っていたので、どっちも生存エンドは意表を突かれた。
イッヌがアレなので、そういうのが苦手な人にはオススメできないけど、絶望オブ絶望が定番のポストアポカリプス映画では群を抜いてハッピーだった。
正直、間違えて観に行った映画だったけど、結果アタリで大満足! 『ハート・オブ・ビースト』観たら比較しようっと!(全然関係ないけど⋯⋯)