三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。
何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。
そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は1999年5月27日にPlayStationで発売された『beatmania APPEND GOTTAMIX』を紹介します。
何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。
そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は1999年5月27日にPlayStationで発売された『beatmania APPEND GOTTAMIX』を紹介します。

思い出コラムをもっと読む衝撃の『NaHaNaHa vs. Gattchoon Battle』。笑いと格好良さが同居する奇跡のトラック
当時の筆者は思春期真っ只中。普段聴く音楽といえばJ-POPやHIP-HOPが中心で、もちろん格好良い曲もネタに振り切った曲も無数に知っていました。
しかし、本作に収録されている『NaHaNaHa vs. Gattchoon Battle』を初めてプレイした時のカルチャーショックは、今でも忘れることができません。
この楽曲は、日本を代表するコメディアンであるせんだみつお氏と谷啓氏のギャグやボイスをフィーチャーし、両者がクラブDJとしてバトルを繰り広げるという怒涛のトラックです。
一見するとコミカルなネタ曲のようですが、土台となるサウンドメイクは超本格的で圧倒的に洗練されています。「面白くて、最高にカッコいい曲が存在するのか!」と、後頭部を殴られたような衝撃を受けました。
単なるギャグに留まらず、音楽としての圧倒的なクオリティと遊び心が完璧に融合した体験は、筆者にとって「音楽ってこんなにも面白いんだ!」と初めて全身で実感した瞬間でした。
“ごった煮”だからこそ味わえた、音ゲー本来の楽しさと楽曲の奥深さ
『GOTTAMIX』の凄さは、この1曲だけに留まりません。本作は、インディーズや多彩なアーティスト陣による挑戦的な楽曲が目白押しでした。ダンスミュージックはもちろん、既存の音ゲーの枠組みに囚われない実験的なサウンドが目一杯に詰め込まれています。
5つのボタンとスクラッチを操作し、リズムを刻みながら音を重ねていく心地よさ。難易度の高低に関わらず、「音を奏でること自体が楽しくてたまらない」というフィーリングをダイレクトに届けてくれる楽曲が多数ありました。
単なるスコアアタックやリズムゲームの枠を超え、「世の中にはこんなに自由で面白い音楽がたくさんある」という純粋なワクワク感を与えてくれました。
「自分も作ってみたい!」―プレイヤーから作り手へと導いた一曲の存在
この『beatmania APPEND GOTTAMIX』との出会いによって、筆者の音楽観は根底から覆されました。
それまでの「聴くもの」「遊ぶもの」だった音楽が、「自分でも作ってみたい!」という強い創作意欲へと変わったのです。
「いつか自分も、こんな風に面白くてカッコいい曲を作りたい」その時に芽生えた衝動が、数年後にDTM(デスクトップミュージック)の世界へと足を踏み入れる直接のきっかけとなりました。
現在、筆者のDTM歴は20年を超えましたが、今なお曲作りをする際の根底にあるのは、あの日に本作から受け取った信念そのものです。
未だに『NaHaNaHa vs. Gattchoon Battle』の持つ壁の高さやクオリティの凄まじさに打ちのめされ、超えられずに苦しむ日々ですが、それこそがクリエイターとしての原動力になっています。
笑いとクールが同居する「音楽の面白さ」の原点
『beatmania APPEND GOTTAMIX』は、単なる1作のゲームという枠に留まらず、プレイした人間の感性を揺さぶり、音楽の無限の可能性を教えてくれる歴史的名盤。
時代を超えても一切色褪せないその斬新さと音楽への情熱は、今なお聴く者の心を掴んで離しません。「音楽をプレイする楽しさ」の原点を、ぜひ多くの人に知ってほしい一作です。