電撃オンライン

『キングダム ハーツ』発売から20年。ディズニーとの共演、魅力的な物語やキャラが話題に【周年連載】

AkスズタクZ佐藤滑川けいと
公開日時

 あの名作の発売日から5年、10年、20年……。そんな名作への感謝の気持ちを込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中です。

 今回お祝いするのは、スクウェア・エニックスより発売されている『キングダム ハーツ』シリーズ。2002年3月28日にシリーズ1作目のPS2用ソフト『キングダム ハーツ』がスクウェアから発売され、以後はさまざまなハードでタイトルがリリースされてきました。

 いくつもの特徴があるのですが、最大のポイントはなんといっても、ディズニーとスクウェア・エニックスによるタイトルで、ディズニーの人気キャラクターが登場すること。最近では作品をモチーフにした“ワールド”が発表されることが、世界中で大きな話題となります。

 以下では、電撃の編集、ライターがタイトルの魅力や当時について振り返ります。

 なお、掲載は編集者、ライターの五十音順。

ディズニーファンの願いに答える『キングダム ハーツ』の魅力 文:Ak

 自分が『キングダム ハーツ』シリーズを初めてプレイしたのは、『キングダム ハーツ ファイナル ミックス』でした。プレイの動機は、自分が大好きな『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の参戦を知ったからで、英語音声だったのも、原作ファンにはうれしいところです。

 プレイして驚いたのは、そのワールドの再現度! 元はストップモーションアニメだった『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の世界が、美麗な3DCGで再現されているのが衝撃的でしたね。ソラたちを通じて、自分もその世界の一員になれた気がしました。

 ハロウィンにマンネリを感じて、ハートレスを利用してイベントを盛り上げようと画策するハロウィンの王、ジャック・スケリントン。そのせいでトラブルが起こるといったストーリーの流れも、原作ファンからすると「ありそう!」と思える展開でよかったです。

 キャラの言動や動きが徹底的に再現されていて、動いているのを見るのがとにかく楽しい! 

 その他のディズニーのワールドの再現度も素晴らしく、本作から興味を持って初めて見たディズニーの作品もあります! 新たな作品との出会いのきっかけをくれた本シリーズに感謝です。

 その続編である『キングダム ハーツII』にも『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』は続投。さらにこちらは自分の好きな『パイレーツ・オブ・カリビアン』も参戦するとあって、当然プレイしました!

 最初は、実写映画の参戦で他のディズニーの作品やソラたちとの共演時に違和感がないか不安でしたが、まったくの杞憂でしたね。しっかりジャック・スパロウをはじめとする登場人物の特徴を押さえつつも、ディフォルメされたキャラクターと共演しても違和感のないグラフィックのバランスになっていて感動しました。

 特にジャック・スパロウのあの手のひらをウネウネさせる謎のクセまで再現されていたのが、ファン的にはうれしかったですね。

 シリーズを重ねて、グラフィックの進化とともにディズニーのワールドの再現度もどんどん上がっていって、続編が出るのが本当に待ち遠しかったです。

 『キングダム ハーツ』本筋のストーリーは関連作品も含めて非常に壮大で、シリーズをしっかり追うのは大変ですが、ワールドひとつひとつは独立しているので単体作品でも楽しめます。自分の好きな作品が登場しているシリーズを選んで遊ぶのもオススメですよ。

己のライター人生に一番関わりが深いシリーズ 文:スズタク

 ゲームライターとして電撃編集部で働き始めて、早や十数年。今まで担当してきた作品の中で、一番関わりが深いタイトルを挙げるとしたら間違いなく『キングダム ハーツ(以下、KH)』シリーズです。

 高校生当時に大ハマりした『KHII FINAL MIX+』がきっかけでゲーム業界を目指したので、誇張でもなんでもなく『KH』は僕にとって“人生の道標”なんですよね。その後、電撃編集部に入ったあとは、『KH』好きをアピールした甲斐あってかさまざまな記事をやらせてもらいました。開発者の方々に会ってインタビューしたり、お仕事でコンサートにも連れて行ってもらったりとゲームライター冥利に尽きます。

 なかでも一番の役得は、やっぱり発売前のゲームに触れられること。仕事として初めて関わったのはたしか『KH 358/2 Days』で、当時DSを駆使して1人で4人マルチプレイを実践していたのを覚えています。その後に出た『KH Birth by Sleep』では、あまりにもゲームがおもしろくてのめり込みすぎた結果、ソフトが世に出る前に隠しボスの“ヴァニタスの思念”を倒してやろうと息巻き、見事に玉砕しました。

 ナンバリング最新作の『KHIII』を先行プレイした時は、先に遊べる喜びよりもプレッシャーのほうが大きかったです。国内だけでなく全世界が注目する超大作だったので、万が一にも情報が漏れてはいけないとピリピリしていました。『KHIII』に限らず発売前のゲームはどれも取り扱い要注意なのですが、“『KH』シリーズのナンバリング最新作”という業界トップクラスの機密情報が放つ“圧”はすさまじかったんでしょうね。

 まあ、実際にプレイを始めたらプレッシャーよりも、ゲームが楽しいという気持ちのほうに心が支配されて無我夢中で遊んでいたわけですが。『KHIII』はラスボス戦のBGMが特に素晴らしく、先行プレイしていた時はバトルの途中でポーズをかけ、何度も曲をループしてメロディを耳に焼きつけていました。

 シリーズ1作目から連綿(れんめん)と続いていた“ダークシーカー編”は『KHIII』で決着がつきましたが、まだまだ謎は残っていますし、『KH Melody of Memory』で新たな旅の予感も描かれています。シリーズ20周年という折にどんな展開が発表されるのかわかりませんが、“鍵が導く心のままに”これからもイチファンとして応援していこうと思います。

登場から20年! この先の展開を期待せずにはいられません!! 文:Z佐藤

 “ド肝を抜かれる”という言葉がありますが、世界のディズニーと『ファイナルファンタジー(以下、FF)』シリーズで名を馳せていたスクウェア(現スクウェア・エニックス)の共演は、当時、まさにそんな感じでした。

 とにかく異例中の異例でしたし、発表時から「一体どんな超大作が誕生するのか?」と、ワクワクが止まらなかったのを覚えています。誕生から20年、今やスクウェア・エニックスを代表するタイトルの1つにまで成長を遂げたのは、ファンの1人としてもうれしく思いますね。


 『キングダム ハーツ(以下、KH)』の魅力は、ディズニーのワールドやキャラクターと、スクウェア・エニックスが制作する骨組みの部分(世界観、ストーリー、キャラクターなど)が、見事に調和しているところでしょう。

 ゲームの中でディズニーの部分が強かったり、スクウェア・エニックスの部分が強かったりしたら、プレイした時の印象も偏って“化学反応”みたいなものは生まれなかったでしょうし。両者が絶妙な力加減で融合し、互いにその魅力を引き出し合っているように感じます。『FF』のキャラクターの活躍も大きな見どころになっていて、ファンにとってはウレシイところです。


 シリーズの中で1番好きなタイトルを挙げるなら、『KHII ファイナルミックス+』ですね。もう仕事を忘れてプレイしていましたし、力が入り過ぎてマジで左手の親指が取れそうになったほど(笑)。セフィロスを倒し、“XIIIキノコ”の全クエストを達成し、“XIII機関”の再現データ全員を倒し、ロクサスを倒し、“留まりし思念(鎧と呼んでました)”を倒し……。特定の条件を満たすと、ソラの頭にちょこんと載った王冠の色が、銅→銀→金と変わるのですが、金に変わった時には涙が出ました。


 そして、まさに集大成と言えるクオリティのタイトルとなったのが『KHIII』。ソラを主人公として、ゼアノートとの戦いを描いた“ダークシーカー(闇の探究者)編”の決着編であったり、『塔の上のラプンツェル』『アナと雪の女王』『ベイマックス』といった新たなディズニーのワールドが登場することもあって、発売前から大いに盛り上がりました。

 実際にプレイして驚いたのが『パイレーツ・オブ・カリビアン』のワールド。もはや映画そのままで、映画にソラが登場している雰囲気を感じられて、本当にスゴかったです。ゲーム後半には歯ごたえのあるバトルが用意されていて、アクション面でも遊びごたえたっぷりに仕上げられていました。


 2002年3月28日にシリーズ1作目が発売され、20周年を迎える今年。2月10日にNintendo Switch向けにクラウドバージョンが発売されました。が、それに続く新たな動きが!? そんなことを期待しながら、改めて過去作をプレイし、その先の展開に思いをはせてみるのもいいのではないでしょうか?

もはや雰囲気だけで泣ける名作『キングダム ハーツ 358/2 Days』 文:滑川けいと

 『キングダム ハーツ』のシリーズ1作目が発売してから、なんと今年で20年を迎えます。1作目のころは高校生だった筆者も、今ではそこそこ立派な大人です。あれからそんなに経つんだなぁとしみじみ。

 筆者を『キングダム ハーツ』の世界に引き込んだのは、間違いなく1作目。ですが、特にお気に入りを挙げるなら『キングダム ハーツ 358/2 Days』です。

 ビックリしたのが、『キングダム ハーツII』で敵として登場してきた“XIII機関”の一員になるということ。「そうそう、これこそ求めていたスピンオフ」と小躍りした記憶があります。主人公は、“XIII機関”に入ったばかりの少年ロクサス。“XIII機関”メンバーが上官として指導してくれるのにはゾクゾクしました。

 この作品で印象深いのが、夕陽の中で仲間と肩を並べ、シーソルトアイスを食べるシーンです。あの、懐かしいようなさみしいような、なんともいえない気持ち……当時は言葉にするのが難しかったのですが、今こそ最適な言葉がわかります。そう……エモい!

 当時はエモいという言葉がまだ生まれていませんでした。思い起こすと、シーソルトアイスのシーンだけではなく本作全体のちょっとせつなげな雰囲気に、エモいという言葉がぴったりです。

 当時、シーソルトアイスのシーンに心を打たれた筆者に友人が「シーソルトアイスは現実に存在する」という情報を提供してくれます。筆者、すぐにコンビニを何軒もハシゴしました。友人には、シーソルトアイスは東京ディズニーシーに売っているというところまで教えていただきたいところでした。

 もうひとつ、本作のちょっとしたお気に入りポイントを挙げるなら、モーグリです。モーグリが“XIII機関”の黒いコートを着て無口でいるのがめちゃくちゃカワイイんです。モーグリファンの方は、絶対に抑えておくべき存在です。

 『キングダム ハーツ 358/2 Days』は、キャラクターが魅力的で雰囲気がよく、これのみプレイしても楽しめると思います。ですが、よりいっそう堪能するためにぜひ『キングダム ハーツII』とあわせてプレイすることを強く、強くオススメします。『キングダム ハーツII』と関連している部分を探しながらプレイするのが特に楽しいと思います!

『キングダム ハーツ』は幸せの詰まったおもちゃ箱 文:fu-go

 『キングダム ハーツ』という奇跡のシリーズがこの世に生まれて20年。まずはおめでとうございます。シリーズ作品いずれも素晴らしいのですが、自分がもっとも思い入れのあるタイトルは初代『キングダム ハーツ』です。PS2、PS3、PS4とプラットフォームを変えるごとに何度も何度も物語を堪能し、隠しボスに挑み、ワールドの隅々までを探索してトリニティや宝箱、99匹の子犬たちを集めました。

 個人的に、他の『KH』タイトルに比べて初代『KH』が秀逸なのは宝箱の配置だと思っています。見えている宝箱が、物語を進めてハイジャンプやグライドといったアビリティを習得することでようやく取れるようになっているのですが、本当に「あとちょっとで手が届くのにギリギリで届かない!」という絶妙な場所に置かれているんです。

 取れないのが悔しいので、初めて訪れた場所で開けられなかった宝箱が強く記憶に残るようになっていて、新しいアビリティを覚えてソラの行動範囲が広がるたびに、前回訪れた時の記憶を頼りにワールドを歩き回っていましたね。見事に宝箱を開けた後も探索中に今度は新しいトリニティを見つけたりと、新たな発見がとめどなくあふれてくるのが楽しくてすみずみまで走り回っていました。

 冒頭で述べましたが、初代『KH』は移植版が発売されるたびにやりこんでいるので「もう十分かな」と思ったんですが、また1つ楽しみができました。最近子どもが生まれたので、初代『KH』を一緒に遊びたくてウズウズしているんです。見えている宝箱をどうやって開けようとするかだったり、どのようにワールドを探索するかだったりを後ろから眺めていたいなと。

 初代に限らず『KH』は誰もが幸せになれるおもちゃ箱のようなシリーズだと思っているので、その箱を開けた時にどんなリアクションをとってくれるのかがとても楽しみです。

 大好きなシリーズで全作品発売日に買っているほどなのですが、実は『KHIII』はアレンデール(『アナと雪の女王』)のワールドに足を踏み入れる直前で止まっています。結婚、出産、引っ越しと生活が一変し、ゲームを遊ぶ時間も少なくなりましたので1人で『KH』を遊ぶのはいったんここまで。『KHIII』で味わえるであろう驚きや喜びの続きは、子どもと一緒に心ゆくまで楽しもうと思います。

『キングダム ハーツ』シリーズ 過去記事

© Disney. © Disney/Pixar. Developed by SQUARE ENIX

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら