TGSに来ると頭が良くなる!? 学習系アプリや東方、専門学生作の秀作までインディはよりどりみどり【電撃PS】
- 文
- まさん
- 公開日時
2019年9月12日から15日の4日間、幕張メッセにて開催されていた日本最大のゲームイベント・東京ゲームショウ2019。期待の新作タイトルからインディタイトルまで幅広いゲームが集う、年に1度のお祭りです。
前回、前々回に引き続き、担当ライター・まさんが独自に選んだインディゲームを紹介していきます。来年に行こうと思っている人たちのためにも、少し変わった視点でレポートしていきますよ!
ゲームを遊んで数学に詳しくなっちゃう『あかほん! プロトタイプ』
場所:HALL9-A17
前回は日本語を学べるRPGを紹介しましたが、インディーゲームコーナーにはほかにも学習アプリがありました。なぜだ。みんなそんなに頭が良くなりたいのか! ……まあそりゃ、なりたいですよね。
そんなわけで、こちらは、Chloroというブースにあった微分積分などの数学が学べるアプリ『あかほん プロトタイプ』シリーズ。動画を見るように、ゲーム中のキャラクターからいろいろな数学知識を学べるアプリです。
個人的に気にはなっていたのですが、いきなり問題を出されて答えられなかったらどうしよう。元塾講師としては忘れてるのがバレたら恥ずかしいな……とか思って初日はしり込みしていたんですよね。周囲に聞いてみても同じ反応だったので、もうこれは自分でやるしかないと、一般日に突撃してきました。
そして実際に遊んでみると……うん、その心配は杞憂でしたね。ひたすら問題を解くようなゲームではなく、対話形式の物語を見ていくことで考え方を身につけていくアドベンチャーのような作品でした。
肝心な部分ではいったんゲームが止まって考える時間を与えてくれますし、基本的には見ていくだけで数学の考え方を学べます。現在『微分積分編』が配信中なので、勉強が苦手だと感じている学生の方にオススメですよ!
エルフやオーガが暮らす現代社会ファンタジー『Coffee Talk』
場所:HALL5-S01
今回、インディーゲームコーナー自体は大きくなったものの、見渡してみると何か物足りない気がします。それもそのはず。じつは、インディゲームは専用のコーナーだけではなく、パブリッシャーがついたところや、海外ブース。外周のその他のブースなど、いろいろなところに散っているのです。
本作は、そんなインディーゲームコーナー以外の場所にあったタイトル。じつは、今年のKONAMIブースにはコーラスワールドワイドのインディゲームが展示されていました。なかでも、この『Coffee Talk』は注目度が高い1本。
ご覧のようにコーヒーを出してお客と会話をしていくゲームですね。出てくるお客はエルフとかドワーフなどの異種族ばかりなのですが、舞台は現代的というか未来っぽくて、その世界観が自分好みです。
インディーゲームファンの間では『VA-11 Hall-A』と比較されがちなのですが、漫画の『バーテンダー』や『深夜食堂』などの影響があるらしく、会話の雰囲気や客と店員のフランクな関係にも、それらの影響を感じました。
ラテアートを書いて客に出せるなど、コーヒーを出すことへのこだわりを感じる部分も。日本語もバッチリだったので、早く家でも遊びたいですね。
気持ち良いアクションと恐ろしいほどの完成度! 『モチ上ガール』
場所:10-E24
昨年のTGSレポートやビットサミットでの展示などで何回か紹介してきたのですが、メディアスケープの『モチ上ガール』も忘れてはいけません。とにかく完成度が高いアクションなんですよ。『海腹川背』のようなワイヤーアクションなのですが、操作がシンプルなのが素晴らしい!
モチを伸ばして空中の物体につかまれば、振り子のように移動できますし、地面に向かってモチをぶつけるとダッシュになるなど、モチ1つでいろいろできるのが楽しいんですよね。壁にぶつけるとローリングで移動することも出来ますし、氷にぶつけたときの反応など、とにかく細かく考えられていて操作のストレスがありません。
そして、今回の展示ではボス戦も追加! ボスの周囲に出ている画鋲に餅をぶつけて刺し込み、装甲が剥がれたらモチをぶつけて転がしていく……といった本作らしいギミックが楽しめました。開発者はコレを高校3年生の時に作ったんですよね。いや~すごい。これまた、早く発売して欲しいタイトルでした。
爽快過ぎるアクションで発売が楽しみな東方二次創作『幻想郷萃夜祭』
場所:HALL8-N09
自分があまり詳しくないジャンルが東方系(コンシューマーの東方二次創作は仕事柄ほぼプレイ済)なのですが、そんな自分でも気になってしまったタイトルが本作。
美しいドット絵のアクションはたくさんありますが、本作最大の特徴は操作の気持ち良さにあるでしょう。コンボもサクサクつながるし、何よりダッシュが早くて快適。動かしていてイライラしないんですよ。
それでいて、東方二次創作系らしくボス戦は結構ガチンコ。STGのようなものすごい弾幕の嵐を、ダッシュ中の完全無敵時間を利用して避けながら戦うという気持ち良さと緊張感が合わさったバトルになっています。試遊の段階でも、かなり期待が持てる作りでしたよ!
ECCコンピュータ専門学校のブースにあったアイデアが光るアクション『ノイジ―ガール』
場所:HALL1-N20
突然ですが、クイズです。TGS会場でしかできないゲームがたくさんあるところってな~んだ? 答えはゲームスクールコーナー! 未来のクリエイターを目指す大学生や専門学校生たちの作品が展示されているこのブースには、アイデアが光る作品がいっぱいあるのです。
しかし、学生作品なので市販されていない! それなのに、商品として出ていてもおかしくないクオリティのゲームがいっぱいあるんですよ。来年もTGSに行くなら、ぜひ立ち寄って欲しいところです。自分も体力と時間さえあれば、ここを重点的に1日回りたいくらいです。今年は腰が痛くてダウンしましたが……。駄目なおじさんすぎる……。
そんなわけで、自分が見て来た専門学校生作品のなかでかなり気になったのがコレです。『ノイジ―ガール』という1画面のアクションなのですが、ルールが変わってるんですよ。このゲームでは”ドカーン!”とか”ドゴゴゴゴ”といった擬音が現実的な物体として出現するので、擬音を持ち上げて敵にぶつけていきます。
敵にぶつけると音が(実際の見た目としても)大きくなって跳ねかえってくるので、それを持ち上げてさらにぶつけて……というサイクルが新しく、ゲームとしても爽快!
ステージによって出てくる擬音も英語になったり、韓国語になったりと、舞台となる国に合わせて変わるのも考えられています。製品版で出たら買っちゃうタイプのゲームですね。
というところで、第3回目はここまで。次はラストになりますが、インディゲームに限らず会場内で気になったものをレポートする番外編をお届けします。大手のゲームだけじゃない、ちょっと変わったTGSの魅力を感じてください。では、また!
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