20年遊ばれ続けている『FF11』の歴史と魅力の秘密に迫る。その1はサービス開始から『プロマシアの呪縛』まで

電撃オンライン
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 2022年5月16日に20周年を迎えた、スクウェア・エニックスのMMO(多人数同時参加型オンライン)RPG『ファイナルファンタジーXI(以下、FFXI)』。今なお、多くのプレイヤーたちを魅了し続けている『FFXI』の魅力を拡張ディスクやバージョンアップなどとともに振り返る!


『FFXI』周年記事まとめ

『FF』シリーズ初のMMORPG『ファイナルファンタジーXI』がスタート!(2002年5月16日発売)

 2002年5月16日にサービスが開始された『FFXI』は、当初PlayStation 2版のみの発売で、プレイするには外付けのハードディスクであるPlayStation BB Unitが必要でした。このPlayStation BB Unitの入手は困難でしたが、『FF』シリーズ初のMMORPGということで、サービス初日にプレイヤーが殺到。なかなかログインできず、プレイヤー登録にもかなりの時間を必要としました。

 ログインできたプレイヤーもMMORPGに初めて触れるという人が多く、最初はHPやMPを回復するための宿屋を探したり(『FFXI』では宿屋ではなく、その場に座り込むヒーリングによってHPやMPを回復します)、広大すぎて街から出られないといったことも。
 しかし、そのわからないことを、他のプレイヤーとチャットで教えあうといった様子が見られたのはオンラインゲームならではの光景でしょう。

プレイヤーたちを魅了した、“生きている”広大な世界

 プレイヤーが所属する国は全部で3つ。それらの国は、世界観はもちろんのこと、国に住むNPCたちの性格や国風なども細かく設定されているため、移動手段が乏しかった初期のころに歩いてほかの国に移動すると、本当に別の国に遊びに行ったかのような気分が味わえました。

 単なる広さや美しさだけではなく、このヴァナ・ディールという世界が生きているように感じられ、プレイヤーが冒険者としてこの世界で生活している感覚を味わえたのが、本作の大きな魅力です。

 最初のオリジナルディスクのころは2022年の今ほど多くのコンテンツはなかったものの、この時点ですでに膨大な量のクエストを始め、プレイヤーが所属する国から依頼されるミッションも実装されていました。国ごとにまったく異なるテイストで描かれた物語はとてもおもしろく、ほかのプレイヤーとお互いの国の物語のおもしろさの自慢し合う冒険者もみられました。

 やがて各国の物語は1つの物語となり、過去に人類を滅ぼさんとした“闇の王”との戦いへと導かれます。この“闇の王”は強敵で、当時のレベル上限では討伐することが難しかったほど。その強敵を仲のいいフレンドと力を合わせて倒したときは、かなり感動しました。

11種類のジョブを組み合わせるシステムが、レベル上げをコンテンツへと昇華

 『FF』シリーズといえば、忘れてはならないジョブシステムは本作でも健在。初期に選択できるジョブは6種類で、クエストをクリアすることでジョブチェンジが可能になるエキストラジョブと呼ばれるものが5種類実装されていました。

 プレイヤーはこれらのジョブのレベルを上げること自体を1つのコンテンツとして楽しみました。というのも、レベルを1つ上げるのにも時間がかかり、最初期の最大レベルであるレベル50まで上げるだけでも数カ月かかるほど。そのうえメインジョブに加えて、そのメインジョブの半分のレベルまで能力を発揮できるサポートジョブというシステムもありました。これにより、冒険者たちはメインのジョブ以外にもさまざまなジョブを育成し、レベル上げがにぎわう結果となったのです。

バトル以外の楽しみも満載の『FFXI』は複数人でも遊ぶとさらに楽しみがアップ!

 レベルの上限は2002年9月には55に引き上げられ、続く11月には60まで引き上げられました。そのタイミングに合わせて、各ジョブの専用装備“アーティファクト”も実装されたのも印象深いです。

 なお、Windows版が発売されたのもこの時期になります。

 バトル以外にも、アイテムを製作する“合成”のシステムもありました。その素材を集めるためにモンスターを倒すだけで1日過ごしたり、レベル上げの合間にコツコツと合成を行ってスキルを上げて過ごすなど、多彩な遊び方ができるのも本作のおもしろさと言えます。

 なお、今でこそ1人で遊ぶ手段が増えた本作ですが、当時は何をするにもパーティで行うのが基本となりました。レベル上げもパーティのほうが圧倒的に効率よく行えましたし、ミッションで戦うボスも1人ではとても勝ち目がないほど強かったからです。しかし、これらのために一期一会のパーティを組んだり、それをきっかけにフレンドとなった人と一緒にクリアして見たエンディングは、今でも最高の思い出です。

 ときにはレアなアイテムを落とすモンスターの取り合いなどもありましたが、それらも含めて、“人との繋がりが感じられる”のがオンラインゲームである『FFXI』の最大の魅力だと言えるでしょう。

新ジョブや新エリアの追加で世界が広がった。『ジラートの幻影』(2003年4月17日発売)

 2003年4月17日、『FFXI』初の拡張ディスク『ジラートの幻影』が発売されました。このディスクでは、新たなエキストラジョブとして、侍、忍者、竜騎士、召喚士が追加されました(召喚士のみ4月15日に先行して実装)。

 新たに5つのリージョンが追加され、一部の既存リージョンにもコロロカの洞門などの新ダンジョンが追加されました。

 このディスクでは、“闇の王”を倒したあとの新たなミッションが追加されました。その『ジラートの幻影』ミッションでは、古代ジラート人のカムラナートとエルドナーシュの兄弟の陰謀に立ち向かうことになります。

 また3つの国のミッションにもさらに高ランクのものが追加。それぞれの国を揺るがす大事件に、決着がつくこととなります。

 新たなコンテンツとして、裏世界“デュナミス”やコンフリクト(PvP)の1つ“バリスタ”なども実装されたのがこのころです。

世界を作った“神”に迫る壮大な物語がスタート! 『プロマシアの呪縛』(2004年9月16日発売)

 2004年9月16日に、第2の拡張ディスク『プロマシアの呪縛』が発売。このディスクでは新たな物語と、それに合わせた新エリアの追加がメインとなっていました。

 新エリアの多くは、ストーリーを進めることで行ける仕組みに。そのエリアのなかに、オープニングに登場するタブナジア侯国跡地が見える“蒼剣の丘”が追加されたことも話題になりました。

 新エリアにはさまざまな試みがなされており、ジョブレベルが異なるプレイヤーがともに行動できるよう、エリアごとに決まったレベルに制限される場所もありました。また、インビジやスニークなどの知覚遮断を見破る通常モンスターがいるエリアもあり、熟練の冒険者でも移動中にもかなりのスリルが味わえました。

 ストーリーでは、“世界の終わりにくる者”と男神プロマシアに関する物語が楽しめました。ただしこのストーリーで行われるバトルは難易度が高く、またレベル制限での戦いに備えてレベルごとの装備を揃えるなどの部分で苦労することもありました。

 その難易度も度重なるバージョンアップで緩和されていき、今ではレベル制限も撤廃されたため、ほとんど苦労せずにクリアできるようになっています。

 記事その2では『アトルガンの秘宝』から現在までの振り返りをお届け!


『FFXI』周年記事まとめ

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