『FF14』14時間生放送インタビュー⑤:サブ放送に出演した5名の開発・運営スタッフが語る今と未来

電撃オンライン
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 10月8日に放送されたスクウェア・エニックスのMMORPG『ファイナルファンタジーXIV(以下FFXIV)』の14時間生放送。そんな長時間イベントの合間に敢行した、さまざまなセクションのスタッフインタビュー企画をお届けしてきました。その締めくくりとして、第5弾ではサブ放送に出演した5名の運営・開発スタッフへのインタビューをお届けします。

 なお読みやすさを高めるため、それぞれのコメントに若干の編集を加えています。開発者の方々の発言が、そのまま記事に掲載されているわけではないので、あらかじめご了承ください。

◆インタビュー企画のリンクはコチラ!
インタビュー①/吉田直樹氏、室内俊夫氏
インタビュー②/廣井大地氏、石川夏子氏、織田万里氏
インタビュー③/祖堅正慶氏、絹谷剛氏、藤田麻美氏
インタビュー④/祖堅正慶氏、今村貴文氏、石川大樹氏

10周年に関係なくパッチをひとつひとつ丁寧に作っていきたい

  • ▲左から林洋介氏(リードアイテムデザイナー)、望月一善氏(リードコミュニティプランナー)。

――14時間生放送でサブ放送自体がひさびさですよね。前回がもやし旅でしたよね?

林洋介氏(以下敬称略):もやし旅は厳密にはサブ放送ではなかったですね。その年のサブ放送としてドマ式麻雀をやっていたので、サブのサブという立ち位置でした。

――となると、こういう形でサブ放送が行われるのは4年ぶりぐらいですか?

望月一善氏(以下敬称略):それぐらいですね。前回はサブ放送という形ではなくて、本放送ともう1ラインを同時に走らせて、幕間に映すという形で青魔道士チャレンジをやっていたという感じですから、今回のようなサブ放送はすごくひさしぶりだと思います。

――ひさびさにサブ放送をやられていかがでしたか? ゾディアック・ウェポン制作自体もひさびさだったと思いますが。

望月:大変なのは挑戦している武田でしょうね(笑)。

林:僕たちは横からやいやいと言っているだけなので、気楽といえば気楽ですね。

望月:サブ放送は林がいてくれれば何とかなるだろうと思っていたので、ここだけMちゃん(『FFXIV』プロジェクトマネージャー。)とガッチリ調整させてもらって「頼むから林くんをください」と懇願していました。メインとサブで奪い合いなんですよ(笑)。

林:なんだ、メインも(出るチャンスが)あったんだ!(笑)

望月:メインに出るといっても14時間の中で1枠だけ。サブは14時間丸々使えるわけで、あなたはサブ放送でいただきたいわけですよ。

林:なるほどね、ありがとうございます(笑)。サブ放送といっても、以前は前廣さん(現『FFXVI』シナリオ担当)や高井さん(現『FFXVI』ディレクター。 "高"の字は、正しくは はしごだか)がいたうえで、自分は端っこのほうにいるだけだったので、本当に最初から最後までいるというのはじつは今回が初めてなんですよ。いまインタビューにお答えしている時点では、まだ放送が終わっていないので不安しかないですね(笑)。

――『FFXIV』ではパッチ6.25がまもなく実装されますし、その先もパッチ6.3と続いていきます。ゲーム外ですと"ファンフェスティバル"も発表されて、これから来年の『新生』10周年に向けておふたりとも大変になりそうですが、その意気込みをお聞かせください。

林:放送やイベントに関しては、どちらかというと受け身なので、需要があればという感じではあります。開発スタッフとしては、10周年に向けてというよりは、それに関係なく、パッチをひとつひとつ丁寧に作っていきたいですね。仕事もしないでこういうことばかりやっているわけではないと強調したいです(笑)。

――望月さんはいかがですか?

望月:基本的にゲーム外の施策は宣伝チームの人たちと話し合いながら作っていくのですが、年末にオーケストラコンサートがあって、さらにその先には北米、欧州、日本の3拠点で"ファンフェスティバル"を3回やるんですよ。スケジュール、内容ともにどちらも大変ですね。

 林が「パッチごとに丁寧に作る」と言っていましたけれど、開発チームは、本当にすごいクオリティーのものをパッチごとに丁寧に作っていくわけですよ。そのゲームのイベントをやることのプレッシャーは本当にすごくて……。

 ゲームはいいのにイベントはつまらないと思われるのは嫌ですし、そもそも中途半端なものになってしまうと、開発に対しても、お客様に対しても失礼です。「何をしたらいいんだろう」、「今回はどうしようか」ということが頭の中でグルグルしているのがいまの状態ですね。

林:"ファンフェスティバル"では、来年の状況が読めないので明言はできませんが、プレイヤーの皆さんに直接お会いできたらすごくうれしいですね。たぶん、自分だけじゃなくてほかの開発スタッフもそう思っているはずです。みんなの顔を見ることができたらすごくうれしいなと。

――林さんたちは“デジタルファンフェス”のTHE PRIMALSのライブでダンスを披露されていましたよね。きっと次のファンフェスでも、お客さんがいる前で何かサプライズがあるんじゃないかなと期待しているのですが……。

望月:どうなんでしょうね(笑)。

林:(ダンスは)みんなが生で見られない状態だったから、何とかごまかせたところがあるので……(笑)。

望月:それはあるよね(笑)。

林:カメラワークがよかっただけの可能性がかなり高いんですね(笑)。

――そのあたりのサプライズを含めて期待しております!

常に何らかの"新しい表現"を模索し続けていく

 続いて、サブ放送にゲストとして出演されていた、リードアーティストの市田真也氏と、リードプロジェクトマネージャーの松澤祥一氏にもお話をうかがうことができた。

  • ▲左から市田真也氏(リードアーティスト)、松澤祥一氏(リードプロジェクトマネージャー)。

――まずは14時間生放送のサブ放送に出演されたご感想からお聞かせください。

市田真也氏(以下敬称略):ひさびさのサブ放送の枠での出演だったので、最初は緊張していました。ですが、いざしゃべりだして皆さんのコメントを見ていたら、改めて「こういう場は楽しいな」と感じることができましたね。ひさびさに体験できてよかったです。

――昔の開発の話もされていましたね。

市田:そうですね。聞かれてもないのに過去の話を語ってしまいまして……(笑)。

――松澤さんはいかがですか?

松澤祥一氏(以下敬称略):今回、市田と林がメインであの場でしゃべると決まっていて、僕の役割はその穴を埋めればいいというのが明確でしたから、すごく気が楽でしたね。比較的、皆さんのコメントも見る機会がありましたので、楽しんで参加できました。

――これから来年に向けて『新生』10周年が待ち受けていて、さらにゲーム内でもパッチ6.25、パッチ6.3……と続きますが、ご自身のご担当領域でプレイヤーの皆さんに期待してほしいことをひと言ずつお願いします。

市田:6.25では新コンテンツとなる"ヴァリアントダンジョン"がリリースされます。つねに新しい遊びを模索しながら作った結果ですので、ぜひ遊んでいただければなと。グラフィック側もがんばって作っていますので、そちらにも注目していただきたいです。

――パッチ6.1で実装された"輝ける神域 アグライア"を見ても、グラフィックもつねに進化しているなと感じられます。

市田:つねにギリギリのラインを攻めてがんばっています(笑)。

――6.3の情報が出るときに、つぎのアライアンスレイドも期待しています。

市田:何らかの"新しい表現"をつねに模索していますので、ぜひ実装時は注目いただければと思います。

――松澤さんはいかがでしょうか。

松澤:私の場合、この質問がすごく難しくて……(苦笑)。

――全体を管理されている立場だからそうですよね(笑)。

松澤:コンテンツに言及するわけにもいきませんし、施策的に表に出せないものが多かったりするので……。たとえばですが、出前館コラボの"ピザを食べる"エモートのキャンペーンや、今回の14時間生放送などは、自分が宣伝チームといっしょになって仕込みをしています。ゲーム単体だけではなく、ゲーム外でもいっしょに時間を共有できるものがあるということも『FFXIV』の魅力のひとつだと思っているので、そういったところにも期待していただければなと。

――"ピザを食べる"エモートは、これまでにない施策でおもしろいなと思いました。

松澤:仕込み自体はだいぶ前から行っていて、先に北米で"GRUBHUB(グラブハブ)"というデリバリー企業と組んでやる形になったのですが、日本ではパートナーシップを組むところも含めて調整に時間がかかってしまって、いまのタイミングになってしまいました。

 ですが、SNSなどでプレイヤーの皆さんが実際にエモートを使っていただいているスクリーンショットをアップされていたりするのを見て、盛り上がっていただけたようでよかったですね。

――"ファンフェスティバル"も発表されましたし、これから大変になりそうですね。

松澤:"ファンフェスティバル"に関しては、比較的、私の手がかからない部分で、ほかのメンバーが一生懸命準備してくれています。ファンフェスティバルも、ゲーム外で『FFXIV』を楽しむといった施策の一環になると思いますので、ぜひご期待ください。

"噂を検証する"といった企画をまたやりたい

 14時間生放送のサブ放送で、ゾディアック・ウェポン制作に挑戦したコミュニティプランナーの武田諒治氏にも話を伺った。武田氏がMCを務める公式番組"ハイデリン探検隊"の次の展望などを語っていただいた。

  • ▲武田諒治氏(コミュニティプランナー)。

――まだ絶賛チャレンジ中のところですが、わざわざありがとうございます! 現在、14時間生放送のサブ放送でゾディアック・ウェポン制作に挑戦中ですが、現状の感触を教えてください。

武田諒治氏(以下敬称略):自分自身が作ったのが緩和される前だったので、緩和されてからどれぐらいいけるのかなというのがわからなかったのですが、アートマは無事にそろって、これから黄道十二文書に挑むところです。今日中に黄道十二文書が終わるといいなと思っています(その後、放送では無事に黄道十二文書が終了)。

――当時、自分も作ったのですが、あれはなかなか大変でした……(笑)。

武田:自分もヘビーだったという思い出が強いですね(笑)。それを思い出しながらやっていこうかなと思います。

――『FFXIV』公式番組"ハイデリン探検隊"をずっと続けられていますが、今後の抱負や、『新生』10周年に向けてやってみたいなどありましたら教えてください。

武田:前までは新規の人に向けて、その方々が飛ばしがちだったコンテンツを紹介していたのですが、最近の放送では、パッチが実装されてそこで追加された新しいコンテンツを紹介することが増えてきました。それを継続しつつ、ご飯を食べながら、ゲームをプレイしながら気軽に見られる番組を続けていけたらなと思っています。

 個人的にやりたいなと思っているのは、第1回目の放送のときにやらせていただいた、"噂を検証する"といった企画ですね。あれ以降、そのようなネタができていないので、またできたらいいなと思っています。

 あとは、グニサカさんがボードゲーム好きで、ゲーム内で遊べるミニゲームのように、実際のコンテンツ以外でも『FFXIV』で遊ぶ何かを考えたいという話をしています。それこそ謎解きといったような企画を考えていこうかなと話しているところです。

――ある意味、ユーザーイベント的なものを作っていきたいということですね。

武田:そうですね。半公式イベントのようなイメージで、皆さんに遊んでいただけるようなものを作れればいいなと思っています。

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