感想:4年ぶり開催の親子パソコン組み立て教室は工場見学とワークショップ体験のいいとこどり。そして長野県はメシが美味い【マウスコンピューター】

そみん
公開日時

 7月29日に長野県飯山市にあるマウスコンピューターのパソコン製造工場“マウスコンピューター飯山工場”で行われた“親子パソコン組み立て教室”を取材してきました。

 仕事に疲れたので信州の美味しいお米を食べたくなった……という理由も多少ありますが、息子のたつまる(小5)のゲーミングPC熱が高まってきているので、来年の参加に向けて予習をしておきたいなと(参加できるかどうかは抽選ですけどね)。

 対象が小学校6年生ということで、大人目線で楽しめるのか、ちょっと不安な部分もありましたが、自作PCのポイントがいい意味でコンパクト(2~3時間)にまとめられており勉強になりました! 夏休みの自由研究にも役立つんじゃないかと。

そもそも“親子パソコン組み立て教室”とは?

 “親子パソコン組み立て教室”は、今年(2023年4月)に30周年を迎えたマウスコンピューターが2010年から続けてきた恒例の夏イベント。2019年夏の開催のあと、コロナ禍の影響もあって開催中止が続いていましたが、この2023年に4年ぶりの開催となりました!

 マウスコンピューターといえば、G-TuneやNEXTGEARなどのゲーミングPCブランドでも有名ですね。

 2023年は全国の小学6年生とその保護者様(2名1組)の親子ペア30組を対象とし、長野県飯山市にあるマウスコンピューター飯山工場で実施。マウスコンピューターの特徴であるBTO(Build to Order=受注生産)により、用途に合わせて“参加者自身でカスタマイズしたパソコンを組み立てる”ことをメインテーマに開催されました。

  • ▲こんな感じで進みます。所要時間は2~3時間といったところ。

 参加者は部品説明&部品集めを行った後(グループによって順番は前後)、休憩をはさんだのち、自分で組み立て→品質チェック(起動確認)→梱包と、実際に工場で行う流れを体験することになります
(ちなみに、全体を通じて同じスタッフがサポートについてくれるので、雑談なども含めて絆を深めながらPC組み立てを体験できるのもポイント。わからない部分があってもちゃんとガイドしてくれるので、自作PC知識がない親御さんでも安心です!)

  • ▲実際にスタッフが作業をしている机や工具を使ってパソコン組み立てを体験できます。

 ちなみに組み立てたパソコンは通常販売価格の3割引で購入可能。親目線としては、これもけっこううれしいポイントだったりします。

「親子パソコン組み立て教室のスタートでチュウ!」のお約束は4年ぶりでも健在!

 “親子パソコン組み立て教室”の冒頭(開校式)には、マウスコンピューター代表取締役社長の小松永門(こまつ・ひさと)さん、飯山市市長の江沢岸生(えざわ・きしお)さんからの挨拶がありました。

  • ▲マウスコンピューター代表取締役社長の小松永門さん。

 小松社長は「(親子パソコン組み立て教室の体験を通じて)モノをつくる楽しさをぜひ体験してほしいです。そして、モノをつくるということは、部品を集める前準備や、作り終わった後の検査・梱包など、“つくるという工程だけじゃない”ことも意識してみてください。前準備や後片付けも大事なんです」とコメント。

  • ▲飯山市市長の江沢岸生さん。

 江沢市長は4年ぶりの親子パソコン組み立て教室開催に関するお祝いとあわせて、飯山工場付近・千曲川(ちくまがわ)にかかる中央橋の由来についても解説。千曲川は源流に川上村を持ち新潟港まで流れていますが、その真ん中にあたる部分にかけられたので中央橋と名づけられたとのこと。橋長は365メートルと、非常に覚えやすいものとなっています。

  • ▲散策中に飯山城址付近から撮影した千曲川&中央橋。次回は気合を入れて七福神巡りをがんばろうかな。

 また、飯山市は『故郷(ふるさと)』『朧月夜』『春の小川』『春が来た』『紅葉』など多くの名曲で知られる高野辰之氏のゆかりの地でもあることが語られ、学校でそれらの曲を習ったであろう子どもたちも興味深そうに聞いていました。かくいう自分も、「もしかしたら、あの山がウサギを追った山かも」なんて思いながら観光できました。こういう知識って、旅行の際に大事ですよね。

  • ▲親子パソコン組み立て教室の一日校長をつとめる高橋和樹さん。

 さて、そして開校式のトリをつとめたのは、親子パソコン組み立て教室の一日校長をつとめる高橋和樹さん。本日のガイドを行う先生(スタッフ)は、今回の参加者の当選を引き当てた方たちとのことで、「そんな運命の糸で結ばれた担当の先生と一緒に仲良く楽しい1日にしてください」「みんなで最高の夏休みの思い出を作ろうね」と元気よくコメント。

 そして、恒例となる挨拶「親子パソコン組み立て教室のスタートでチュウ!」&決めポーズを披露。集合写真の撮影後、イベントがスタートしました。ここまで写真撮影を含めて約15分。かなりテンポがよかったです。

なるほど、そんな例え方があったか。わかりやすい言葉でPCパーツの特徴や注意点を図説

 さて、ここからは2グループに分かれて、部品説明と部品集めを進めることに。自分は部品説明のほうを見学することにしました。

 ここでの流れは、メインスタッフがスライドを交えて解説をしたあと、個別のスタッフ(先生)の指導のもと、実際にパーツの設置を実践練習するというもの。

 「メモリはCPUが作業をする机。大きいほど多くの作業ができるけど、片付けないと机がいっぱいになってしまう」「HDDは遠くにある本棚。取り出すのに時間かかるけど、たくさんのデータを入れられる。SSDは近くにある引き出し。欲しいデータをすぐに出せるけど、たくさんは入らない」など、PCパーツの役割をわかりやすく教えてくれました。

 ふむ……息子に説明する時にパクろう。もとい、参考にさせていただこう!

 また、「CPUを取り付ける時にゴールドの面は触っちゃダメ!」など、PCの自作についての知識がゼロでも安心できる親切なアドバイスをもらえるのも好感触でした。

 パーツ設置の実践練習の際も、「練習だから怖がらなくて大丈夫!」とか「CPUを固定するバー部分は少しバネが硬いから、一気にバーを下ろそうとせずに、1、2、3回くらいで力をこめると固定しやすいよ」など、先生方が積極的に話しかけながら教えている姿も印象に残りました。
(ドライバーでのネジ締め・外しが好きになってくると、いろいろな物を分解したくなっちゃう人もいるから注意してねというアドバイスも聞きましたが……確かになあ。覚えがあります)

 このへん、大人とか子どもとか関係なく、“わかりやすく親切に”というスタンスが徹底されている印象を受けましたね。

 ちなみに開校式の前に、参加者は手袋と静電気防止のリストバンドを装備済み。たしかに精密機器は手の脂とか静電気に弱いですもんね。細かいところですが、こういう“当たり前”をちゃんと実践してくれるPC教室は本当にありがたいです。

パーツ集めをしながら工場見学。先生たちのガイドが等身大で親子ともども興味津々!

 パーツ集めは、専用のタブレット付きカートを使い、工場内の各所を回るもの。工場見学の要素も兼ねており、付き添いの先生(スタッフ)から、さまざまな豆知識や雑談が披露されていました。

 出荷前のパーツがずらりと並ぶ光景は圧巻でしたし、熱に弱いパーツが保管された部屋はちょっと肌寒いほど温度管理がされているなど、やっぱり工場見学って安定の楽しさがありますよね。

 すべての先生の言動をチェックできたわけではありませんが、学校生活の雑談をしたり、PCと関係のない話をしたりと、先生・生徒というより友だち感覚で交流している方たちもおり、「お兄さん」「お姉さん」と呼んで慕う子どももいました(なかには、早くもあだ名的な愛称をつけて呼んでいる子供もいたような)。

 さて、このパーツ集めですが、実際に工場で行われているものとほぼ同じ工程とのこと。マウスコンピューター飯山工場では、多様なBTO(Build to Order=受注生産)に対応するセル生産方式が行われていることで有名です。

 1人のスタッフが1台のパソコンについて最初(パーツ集め)からを最後(梱包・発送)まで担当する流れにおいて、最初に重要となるパーツ集めは、カートに設置されたタブレット&バーコードスキャナーでガイドされることに。構成表のバーコードをスキャンすると、在庫保管棚で指定された部材場所のランプが点灯するので、正確にピッキングできるわけですね。

 今回の参加者も、事前に注文した自作PCパーツを工場内の各所でバーコードスキャンし、そこで光ったパーツを回収していっていました。予備知識がない子どもでも初見で確実に指定のパーツを集められるわけで、なるほど、非常に理に叶ったシステムだと感心させられました。

自分の手でPCを組み立てる楽しさと苦悩。デスクトップ&水冷CPUクーラーは特に大変そう

 部品説明と部品集めをあわせて40~50分くらい。そこから少し休憩を挟んだら、いよいよ子ども自身でのPC組み立ての時間です!

 おそらく、普段は見たことがないであろうパソコンの中身となるパーツや、何も入っていない状態の空っぽの外枠フレームを見て、楽しそう、あるいはちょっと不安気な表情を見せる子供たち(と、それを見守る親御さんたち)。

 いやあ、PCの組み立てって、大人でもちょっと怖いですもんね。高額なパーツを壊したらイヤだし、配線を間違って故障したらイヤだし……。

 ただ、結論的にはそのあたりの心配は不要でした。部品説明&部品集めをともにしてきた先生がしっかりナビゲートしてくれますし、本当に難しくて苦戦が続くときは力を貸してくれますし。

 最終的には検品(起動確認)も現地で行うので、仮に何かがあったとしても、きちんと解決してくれます。そういう意味では、手取り足取り丁寧親切安心です。

 が、大前提としては“子ども自身の力でPCを組み上げること”が大事です。自分の息子が苦戦していたら、つい出しゃばって手伝いたくなってしまいますが、そのへんは“見守り力”も大事かもしれませんね。

 ちなみに、苦戦しているところは人それぞれでしたが、そのなかでも無線LAN用のパーツにアンテナ線をセットする部分は、パーツや線自体がとても小さい&単純に押し込むだけではダメで、ちょっと引っかけるようなコツが必要と、やや難しい印象。なかには「ラスボスだよ……」と真剣な顔で挑むお子さんも。もし来年以降にチャレンジする方は、パーツ説明の際の実践練習の時にうまくコツをつかんでおくことをおすすめします。
(休憩時間に復習をすることも可能です)

  • ▲複雑な配線を見て、悩むのも楽しむのも気持ち次第ですよね。
  • ▲楽しく線をつないでいく子どもたちが多かったです!

 それにしても、PC組み立てということでファンの設置や配線も行うことはなんとなくイメージしていましたが、搭載パーツやブランドに関するシールまで自分で貼ることになるとは!

 ガイド用の透明なプラスチックパーツがあるので、正しい位置に曲がらないようにシールを貼ることの難易度は下がっているのですが……緊張しますよね。

 まあ、多少曲がったとしても、それはそれで“世界で一つだけの自分のPC”という感じがして悪くない気もしますが。このへんも十人十色で、ちょっとずれたことをめちゃくちゃ悔しがる子どもいれば、「そんな雑でいいんかい!」とツッコミたくなるくらい豪快な子どももいて、シールの貼り方にはけっこう性格が出る気がしました(笑)。

 パソコン組み立ての所要時間は使用パーツなどによっても大きく変わるのですが、資料的にはノートPCは30分目安、デスクトップPCは60~90分目安、フルタワーPCは120分以上目安とのこと。ただ、水冷CPUクーラーはやや設置パーツが多いため、もうちょっと時間がかかっていた印象でした。

 ただ、タイムアタック競技ではありませんし、組み立ての難易度に極端な差があるわけではありません。水冷CPUクーラーを欲しいけど時間がかりそうだからやめよう……は本末転倒なので、お間違えないように。個人的にPC選びのコツは、自分の欲望に忠実になったほうが結果的に後悔は少ないです(予算設定の範疇で)。

梱包までがモノづくり。修了証書をもらったあとは、30周年テープで梱包を

 そんなこんなでパソコンを組み上げて起動確認も終わったら、修了式へ。高橋校長から修了証書を授与され、自分だけのパソコンとともに記念撮影を行います。

 これで親子パソコン組み立て教室も無事終了……とはいかず、なんとパソコンの箱詰め・梱包まで自分でやることに! いい意味でセル生産方式を忠実にトレースしていて、すごいですよね。

 ちなみに梱包で使われるテープは、マウスコンピューター30周年記念仕様の特別なもの。さらに30周年記念シールも貼られます。

 これらの30周年仕様の梱包は近日中に実施されますが、今回の親子パソコン組み立て教室では一般実施に先駆けて、いちはやく実施されたとのことでした。こういうスペシャル感、うらやましいですね!

 余談ですが、取材ついでにメシも楽しんできましたが、長野県は米もうまいけど、肉もうまかった! ……(信州そばを忘れていないか?)という心の誘惑も受けつつ、来年、運よく当選して息子のたつまると来ることができたらどんな美味いものを食べようか、今から悩んでおります。

まとめ:工場見学とワークショップ体験のいいとこどり。夏休みの自由研究としてもアリだし、PCをお得に買えるのもうれしい!

 話がそれて、変なまとめ(長野県はメシが美味い)になりましたが、実際のところ、親子パソコン組み立て教室は工場見学とワークショップ体験がセットになったワクワク感が詰まった面白いイベントとなっていました。

 工場見学の感想や先生(スタッフ)に聞いたことをまとめれば夏休みの自由研究として提出できますし、長野県の観光とあわせて遊びに行くのもおすすめです。

 組み立てたパソコンは通常販売価格の3割引で買えるのもけっこう大事です。高額商品なので、3割分が浮くと、それだけ美味しいものを食べられますしね。交通費や宿泊費にあてるのもいいでしょうし、安く変えるにこしたことはありません。

 例年、定員以上の応募があって抽選での参加にはなってしまいますし、小学校6年生対象という条件もありますが、来年(2024)小6のお子さんがいらっしゃるご家族は、夏休みの思い出づくりに親子パソコン組み立て教室を候補に入れて損はないかと思います!

2023年度「親子パソコン組み立て教室」開催概要

開催日時:2023年7月29日(土)
 午前の部 9:00~12:00終了予定
 午後の部 14:00~17:00終了予定
会場:株式会社マウスコンピューター 飯山工場(長野県飯山市木島500番地/駐車場あり)
対象:全国の小学6年生とその保護者の方(2名1組)
募集人数:30組(午前・午後の部 各15組)
応募受付期間:6月1日(木)11時~6月18日(日)23時59分まで
応募方法:2023年度「親子パソコン組み立て教室」特設サイトよりWEB申し込み(受付は終了しています)

パソコンの組み立て時間および、構成・費用の紹介(資料より転載)

 組み立てるパソコンは、一部を除きマウスコンピューターで販売を行っているパソコンの中から好きなモデルをお選びいただけます。デスクトップ、ノートパソコンの構成一例と、組み立て目安時間(※1)は下記をご参照ください。

 パソコンのことはあまり詳しくない、どんなパソコンを選べばいいのかわからない、という参加者様には、お電話、またはフォームで組み立てるパソコンについてご相談を承っておりますので、安心してイベントにお申込みいただけます。組み立てるパソコンは、通常販売価格の3割引(※2)にてご購入いただけます。

■参考例1:G-Tune DG-I5G1D 【組み立て時間目安 60分】

OS:Windows 11 Home 64ビット
CPU:インテル Core i5-13400F プロセッサー
グラフィックス:GeForce GTX 1660 SUPER
メモリ:16GB(8GBx2/デュアルチャネル)
M.2 SSD:500GB(NVMe Gen4×4)
電源:500W(80PLUS BRONZE)
WEB販売価格:17万9800円(※2)(※3)

■参考例2:mouse F4-I5U01CG-A 【組み立て時間目安 30分】

OS:Windows 11 Home 64ビット
CPU:インテル Core i5-1240P プロセッサー
グラフィックス:
 メモリー1枚時(シングルチャネル):インテル UHD グラフィックス
 メモリー2枚時(デュアルチャネル):インテル Iris Xe グラフィックス
メモリ:8GB(8GB×1 /シングルチャネル)
M.2 SSD:512GB(NVMe)
パネル:14型液晶パネル(ノングレア)
WEB販売価格:12万9800円(※2)(※3)

※1:組み立て時間の違いは、難易度によるものではございません。取り付ける部品の量によって、組み立て時間が異なります。
※2:注文受付時の標準価格および標準構成からの3割引となります。
※3:参考例は6月1日(木)現在の標準販売モデルおよび標準価格になります。


そみん:どんなゲームでも美味しくいただく雑食ゲーマー。ゲーミングPCを増やして、息子とMMORPGとか遊びたいなあ。


本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら