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『メグとばけもの』は優しくて切ないストーリー+ドット絵の雰囲気が最高です!【東城咲耶子のおすすめインディーゲーム】

東城咲耶子
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 電撃オンラインユーザーのみなさん、こんにちは! 私、東城咲耶子がひたすらおすすめのインディーゲームをゆるく紹介する“東城咲耶子のおすすめインディーゲーム”第9回です!

 夏、満喫していますかー!!

 夏を満喫と言うと、なんだかビーチでBBQでウェイな香りがしてちょっと怯みますが、推しソシャゲの夏イベントとかありますしね!?

 水着に浴衣にいろいろありますしね!?

 私は、前回も「初夏なのにすでにバテている」と書いたのですが、相変わらず溶けそうになっています……。

 暑すぎません!? 何これ!?

 クーラー大好き、東城です!

 9回目も、対戦よろしくお願いします!

 さて、今回ご紹介するのは、先日の“電撃インディーゲーム大賞2023”で見事グランプリを受賞された『メグとばけもの』です。

 コメント欄でも、プレイされた方々からアツいメッセージがいっぱいでしたね!

『メグとばけもの』

 生放送時は未プレイでしたが、可愛らしいドット絵とエモを感じる雰囲気に「絶対、面白いやつじゃん!!!」と前々から気になっていたゲームでした。

 実際にプレイして、ぐしゃぐしゃに泣きながら「これは書かないわけにいかない」と思いまして、今回、ちょっと語らせていただきます。

 いつも闇深いゲームばかりやっていますが、私だってたまにはほっこりしたいときもある!

 今までのコラムもほとんどそうですが、なるべく多くの皆さんに初見で衝撃を受けて欲しいので、決定的なネタバレは無しで行きます!

 元々、100万ダウンロードを達成した名作『くまのレストラン』を生み出したインディーゲームデベロッパー・Odencatさんが、満を持して世に放った新作がこの『メグとばけもの』です。

 ある日、魔界に落ちてきた迷子の少女“メグ”が、魔物の“ロイ”とその友人の“ゴラン”と出会って、そこに住む数々の魔物たちにも助けてもらいながら3人で少女のママを探すというアドベンチャーRPGです。

 我々が主に操作するのはロイ。彼は最強コワモテモンスターなので、スタートからめちゃくちゃ強くて頼りになります。

 もちろん戦いも余裕!

 でもそれだけではクリアはできません。

 なぜならメグちゃんが泣くと、この世界は崩壊してしまうのです……。

 崩壊の少女と呼ばれる存在のメグちゃんを、小さい女の子のことなんてさっぱり分からないちょっとガサツなロイが、なんとか悲しませないように頑張る姿がたまりません。

 あるときはお馬さんごっこの馬になり、あるときは一緒にボールを蹴り、ありとあらゆる手を尽くしご機嫌を取りながら、ママの元に送り届けようと四苦八苦する優しいお話なのです。

 現代社会で汚れた心が浄化されるぜ……。

 推しポイントはたくさんありますが、私がこの作品を気になったきっかけは、やっぱりこのビジュアル! ドット絵が可愛すぎます。訴求力すごい。本当、魅力的。

 優しくて切ないストーリーにぴったりの、ほんわかしたドット絵の雰囲気が最高です。

 マップやメニュー画面、表情変化など、すみずみまで繊細に描かれていて、ドット絵の密度と立体感がすごくて驚きます。

 ドットって、こんなに豊富な表現ができるんだなぁ……。

 特にお花畑のシーンのこの画面の美しさ! 見て! 2人が初めて打ち解ける会話も含めて、一番好きなシーンです。

 もう1つは、キャラクターの可愛さ。

 ドット絵の見た目だけでなく、それぞれの性格や言動がすごく可愛らしいです。

 と言うのも、みんなちょっとずつ抜けていて「お! 悪役登場か!?」と思っても、どうもそうとも言い切れないキャラばかりで独特なシュールな愛らしさがあります。

 悪役(?)も、基本みんなほんわかしています。(笑)

 ロイたちに困難や試練を与えてはきますが、まったく憎めません。

 からの後半戦のシリアスな展開での、それぞれの良さがまた違った角度から光ってくる感じも、うーん……良い……。

 終盤の戦闘やラスボスはやや難しいですが、基本的に誰にでもクリアできる難易度設定です。

 イベント発生もマップ上で“!”が付くようになっているので迷いにくいですし、サブクエストを見逃すことなくしっかり楽しめるので、ゲーム初心者にもとってもおすすめです!

 メグちゃんと出会う前のロイは、好きなときに好きな物を食べられればそれで良いような魔物らしい存在だったのに、まっすぐ自分を見てくる小さなメグちゃんと交流していくうちに「誰かを守りたい」という、今まで感じたことのない新しい感情を知ります。

 世界が崩壊するから守るのではなく、この子に悲しんで欲しくない、大切にしたいと心の底から思うからで、そんな自分に混乱しながらも少しずつ成長していきます。

 それは、ロイだけでなく、友人のゴランやメグちゃんの成長にも繋がっていくのです。

 そして、物語は魔物の世界だけで終わらず、地上やそこに住む人間たちにもかかわって大きく動いていきます。

 「ああ~~!! なるほど~~!!?」と言いたくなるような気持ち良い伏線回収により、ただ優しいだけのストーリーで終わらないのも、この作品が“特別”になる理由だと思います。

 ロイとメグちゃんが心を通わせるほんわかした日常から、先の読めないミステリーようなドキドキハラハラにも物語は転がっていき、それだけでなく全力で号泣するくらいの切ない感動も見せてくれる……。

 ストーリーの展開がお見事で、のめり込んでプレイして心を揺さぶられまくりました。
この辺の衝撃は、ぜひ実際にプレイして味わって欲しいです。心が振り回される~。

 語りすぎると楽しみを奪ってしまうような作品なので、私に刺さったセリフを最後に少しだけ。

 戦闘中のロイのセリフで「こいつの前で胸張ってるときは、どんな攻撃だって全然痛くねえんだよ!」です。

 ロイがそれに気付いて奮起する瞬間、今までの2人の積み重ねがよぎって、どんなシーンよりもこのセリフで一番泣きました。

 ロイー! かっこいいよー!!

 もう1つ、メグちゃんが言う「ロイがさびしくてこわいなら……こんどはメグがいっしょにいてあげるの!」も好きなセリフです。

 自分のために戦い続けてくれるロイに対する、最高のアンサーだと思いました。

 重ねた時間の分、メグちゃんもちゃんと成長していくのですが、精神的に強くなったからこそ言えるセリフでこれもボロ泣きでした。

 メグちゃん、泣かないでえらい! 私は泣いた!

 無駄のないコンパクトなお話に重要なことがたくさん詰まっていて、すべてを目に焼き付けたいと思うような美しいゲームでした。

 本当に優しい心を持った人じゃなきゃ、こんなお話し書けないよぉ……。

 文句なしのグランプリです! 私の一票ももらってくれー!

 絵本のページをめくるように、メグとロイ、ゴランたちの物語を大切に楽しんでもらえたら嬉しいです。

 それでは、また!

 良いインディーゲームライフをー!

  • ▲サヤとあるぱか。私も魔界を旅して魔物と交流してみたいなぁ。

©Odencat, 2023

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