この夏おすすめのヴァンサバライク5選:Swich版『ヴァンパイアサバイバーズ』など低価格で満足度の高い作品をチェック!【電撃インディー】
- 文
- まさん
- 公開日時
電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、2023年8月17日にNintendo Switch版が配信された『Vampire Survivors(ヴァンパイアサバイバーズ)』と、本作のヒットをきっかけに生まれた“ヴァンサバライク”というジャンルで、この夏に遊んでおきたい5タイトルを紹介します。
なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
そもそもヴァンサバライクとか『Vampire Survivors』とは何ぞや?
インディーゲームにそれほど興味がない人でも、きっとどこかで耳にしたことがある『Vampire Survivors』というタイトル。
2021年に早期アクセスとしてSteamでリリースされた本作は、シンプルながらも熱中してしまう中毒性の高さと、499円という安価な値段で大ヒット。インディーゲームファンを中心に口コミで広まり、次々にフォロワーを生みだしました。
攻撃は自動で行われ、ほぼ移動のみの操作で多くの人が遊べるカジュアルさ。レベルアップごとに3つのスキルのなかから1つを選び、自分を強化していくインフレの楽しさと射幸心を煽る絶妙な演出。無数の敵に当たらないように動かしながら、自動で発動するド派手な攻撃で敵を駆逐していく爽快感。そして、それらが繰り返されていくサイクル。
1つ1つは既存のゲームでもあるシステムや演出でも、それらが組み合わさった中毒性の高さと驚くべき値段の安さが合わさり、色褪せることがないのが『Vampire Survivors』なのです。そして、そこから生まれた多数のフォロワーによって、ヴァンサバライクとでも言うべき一大ジャンルが生まれました。
ちなみに、この手のジャンルは生まれたばかりということもあり、じつは名称が決まっているわけではありません。メディアによって“サバイバーライク”と呼ばれることもあれば、今回のように“ヴァンサバライク”と書かれている場合もあり、はたまた“大群サバイバー”なんて呼ばれ方もあります。
もともとのジャンルである“ローグライトアクション”で括られていることもあるのですが、今回の記事ではわかりやすさから“ヴァンサバライク”で統一しています。
もっとも、この“ヴァンサバライク”というジャンル自体は『Vampire Survivors』が始祖ではありません。厳密に言えば、開発者自らがリスペクトしているタイトルとして挙げたスマートフォンアプリの『マジックサバイバル』が始まりと言っていいでしょう。
リスペクト元のタイトルとしては、もう1つローグライクゲームの『CvRL: Serenade of Chaos』という作品も挙げられており、こちらはitch.ioという海外のインディーゲームサイトで配信中。
ただし、海外のサイトで、ちょっと遊ぶまでのハードルが高いこと。サバイバー系よりもかなりローグライク寄りという理由もあり、今回は深く取り上げません。あくまでもヴァンサバライクに絞って紹介していきます。
本家『Vampire Survivors』と、この夏遊んでおきたいヴァンサバライク5選
今回はNintendo Swich版『Vampire Survivors』の配信記念ということで、まずは始祖である『Vampire Survivors』。そして、リスペクト元となった『マジックサバイバル』から軽く紹介していきつつ、現在発売されている無数のヴァンサバライクから、遊んでおきたいタイトルを挙げていこうと思います。
いや、本当に多いんですよヴァンサバライク。もう、これを書いている今でも生まれ続けてるくらい。しかも、質も価格もバラバラ。『Vampire Survivors』に匹敵するもの。超えそうなもの。値段相応なもの。紹介しようと思ったけど、エッチなので編集部NGが出たもの。
そう言い切れるくらい、ムチャクチャあります。この記事を書く前から趣味で触れてはいるのですが、もう尋常じゃないくらいあるんですよね。なので、ここでは個人的に遊んでおもしろかったものや、一般的なレビューなどの評価が良いものを中心に、ヴァンサバライクのオススメタイトルを紹介していきたいと思います。
Vampire Survivors(ヴァンパイアサヴァイバーズ)
まずは、何と言っても本家本元である『Vampire Survivors』から。この手のジャンルを遊びたいなら、この作品だけ遊んでも十分満足できるくらいのタイトルです。大ヒットしたのは伊達じゃありません。
もともとはPC版だけだったのですが、Nintendo Switch版が発売したことで、Nintendo Switch/Xbox One/Xbox SeriesS|X/PC(Steam)/Android/iOSと多機種で遊べるようになりました。
ゲームは、とっても単純。一定時間で攻撃が発動するキャラクターを操作して、マップの四方八方から迫る敵を駆逐。倒した敵が落とす経験値アイテムを拾ってレベルアップするごとに、3つのアイテムや武器から1つを選んでプレイヤーを強化していく。この繰り返しです。
どんどん強くなっていく自分に対して、敵も種類や数が増えてパワーアップ。攻撃手段も画面もインフレにインフレを重ね、どんどん派手になっていくなかで、ただひたすら30分生き残る。ヴァンパイアがサバイバーになるゲームではなく、ヴァンパイアや怪物たちからサバイバーとして生き残り続けるゲームです。
ゲームオーバーになっても、手に入れたお金で基礎攻撃力を強化したり、新たなキャラクターを解禁したりといったアップグレードができるので、遊んだ結果が無駄になりません。
1つ1つはよくあるシステム。あれ? もしかして今、「自動で攻撃が発動して、自分は移動するだけなんてどこがおもしろいのだろう」と思いました? 確かに、遊んだことがないとそう思ってしまうかもしれません。だけど、そうではないのです。
移動の操作だけに割り切っていることに意味がある! 攻撃がオートで発動するということは、自分が出したいと思ったときに出せないという弱点でもあります。迫り来る敵に対して回避しながら、早く攻撃が発動して欲しいとやきもきするのもまた一興。とくに、武器が少なくて発動までの間隔が長い序盤はハラハラしますね。
こちらがインフレしていけば攻撃も派手になり、敵もどんどん倒せて気持ちよく脳汁がドバーッ! となるのが醍醐味でもあります。とはいえ、それだけだと簡単なだけのゲーム。本作のポイントは、敵が落とした経験値アイテムやゴールド、ボスが落とす宝箱を自分で拾いに行かないといけない点にあります。
レベルアップしたいのに敵が経験値アイテムのほうにいて拾えない。そこをなんとか誘導して取りに行く。自動攻撃の発動を待つ。レベルアップして拾える範囲を増やす。あの手この手で、ズズーっと経験値アイテムを吸い込んでレベルアップ。移動する操作だけでも熱い駆け引きが生まれ、何より楽しい!
さらに、ボスが落とす宝箱からはランダムでアイテムや武器が出るのですが、これってスロットみたいなんですよ。良い武器が出るか、わざわざ待たせる時間があってそこもドキドキ。お金のかからないガチャみたいな感覚ですね。これがまた、やめられないサイクルを生みだしているのかもしれません。
それから、拾った瞬間に発動するアイテムの存在も重要です。周囲を一定時間停止できるものや、一気にせん滅できるものなどピンチを覆せるアイテムが多く、ほどよいランダム性があります。こうした要素と地道な強化のバランスが快感に繋がっていると個人的には思いました。
遊べるハードも多いので、迷ったらまずは『Vampire Survivors』! むしろ、これだけでもOK!
マジックサバイバル
は~、もうすっかりヴァンサバを堪能したな~。そんなアナタ。ここは1つ、リスペクト元である『マジックサバイバル』を遊んでみるのはいかがでしょうか。
え? リスペクト元から進化してるんだから、元を遊ぶ必要はない? いやいや、決してそんなことはありません。むしろ、シンプルかつスマートフォンで遊べることもあり、こちらもハマれるんですよ。今でも十分遊べます。
基本的なシステムやゲームのサイクルは『Vampire Survivors』と同じですが、こちらは魔法が中心。最初から近接攻撃ではなく、魔法でバンバン攻撃します。
あと、大きく違うのはレベルアップのしやすさ。敵を倒しただけでも経験値が入ります。画面全体を覆う魔法で大量の敵を一気に倒せるので、必然的にレベルもどんどん上がるのです。とにかくインフレのテンポが速い。宝箱もそこら辺にポンと出現して、抽選するような演出もなくシンプルです。
あまり射幸心は煽られませんが、その分インフレしていく気持ちよさをストレートに味わえます。じわじわ追い詰められる感覚もあって、リスペクト元と言えども侮れません。
動画を見ることで1回だけやられても復帰できる要素など、スマートフォンの基本無料らしい要素も。アップデートでの仕様変更も頻繁に行われ、現在進行形で進化し続けている作品でもあります。始祖にして、まだまだ発展途上。本当に生まれたばかりのジャンルなのです。
Brotato
2023年8月3日にNintendo Switch版が出たばかりの新作。2022年の早期アクセス時代から評価が高かった、ポテトが主役のヴァンサバライクです。
公式いわく“トップダウンアリーナシューターのローグライト”。デッキ構築型ローグライトのようなプレイ感があり、『Vampire Survivors』の次に遊ぶゲームとしても、新鮮なプレイ感を提供してくれると思います。
本作の特徴は、小さいフィールドとウェーブ制。短時間のウェーブで襲ってくる敵からひたすら逃げ回り、タイムアップで次のウェーブに移行。ウェーブの合間にキャラの特性、アイテム、武器の取捨選択をしていくという流れになっています。
経験値アイテムを必死に拾い集めなくても、ウェーブが終わるとすべて回収されること。タイムアップまで逃げ切るゲーム性であること。3つのなかから選ぶのではなく、お金さえあればいくらでも取得できること。そして何より、ゲーム開始時から強くなる永続強化が存在しないローグライトであること。
これらの要素が合わさり、見た目こそヴァンサバライクですがプレイした感覚は全然違います。こちらは、最適の組み合わせを考えて装備を入れ替えていくビルドの楽しさと、デッキ構築型のローグライトアクション要素が強めです。
短時間でサクッと終わるので遊びやすく、成長要素やアップグレードのゴリ押しではなく自分の知識と腕で最適解を構築していくスタイル。ヴァンサバライク系でも、もう少し自分の腕が反映している実感や頑張っている充足感が欲しい……なんて人はこちらがオススメです。
20 Minutes Till Dawn
タイトル通り、とにかく20分間生き延びることが目的のツインスティックシューター。ゲームのサイクルはヴァンサバライクですが、メイン武器の銃は自分で照準を合わせて攻撃する必要があります。
レベルアップで自動攻撃できるサブウェポンを獲得できるものの、銃を撃って弾切れ(リロード)になることが条件の強化もあり、移動だけに専念できるヴァンサバライクよりも積極的でアクション寄り。
10分でサクッと遊べるモードやエンドレスもありますが、メインとなるのは20分のサバイバルです。これがまた、実際に遊んでみると長い! いや、本家『Vampire Survivors』の1ゲームが30分なので、それよりも確実に短いんですよ。ですが、あらためて20分とタイトルでも強調されているように、すごく長く感じられるのです。
おそらく、陰鬱で終わりがない雰囲気もあって体感が長く感じられるのでしょう。レベルアップ以外で休憩できるタイミングがないので、ほっと一息を吐く間もない。とてもヒリヒリします。怪異と戦うのは、こんなに苦しいことなのか……!
敵の猛攻も止まらないし、画面も無限スクロールで逃げ場がなく、追い詰められている空気感が独特。インフレしていくのではなく、むしろジリジリと苦しめられながら最終的に強くなる流れなので、残り10分とか15分でやられると悔しさ倍増です。
独自の雰囲気と、クトゥルフ系の怪物相手に銃撃しまくる快感。スキルツリーのような形でビルドを行い、武器ごとのシナジーを考えて取得していくのは本作ならでは。
自動攻撃も楽しいけれど、やっぱり攻撃は自分でしてみたい。そんな人は、本作からツインスティックシューターというジャンルのゲームに入っていくといいかもしれません。
Rogue:Genesia
ここまでヴァンサバライクな作品を紹介してきましたが、お気づきになられたでしょうか。そもそも『Vampire Survivors』そのもののフォロワーの紹介は避けているのですが、それを踏まえても各作品ごとに差別化できていますよね。
分け方としても、『マジックサバイバル』はそもそもの始祖。『Brotato』はローグライトとデッキ構築型の遊び。『20 Minutes Till Dawn』は、本家より回帰したツインスティックシューターの遊び。ヴァンサバライクな作品は、ツインスティックシューターとローグライトの楽しさが混ざった作品でもあり、そのどちらかを伸ばしていくかでも差別化できているわけです。
そして、今回紹介する『Rogue:Genesia』は、ローグライト寄り……というよりも、『Slay the Spire』のようにステージを選択して攻略していくタイプ。
時間まで生き延びるのではなく、決められた数のモンスターを倒すとワールドマップに戻れます。宝箱や選択肢イベントのあるポイントもあり、マップの奥にはボスも存在。1つ1つのステージ内でのアクションやアップグレードの強化はヴァンサバライク。全体を通したゲームサイクルは、ステージ攻略型のスレスパライクとでも言うべき内容ですね。
個人的に好きな点としては、経験値アイテムを吸い込んだ時の音。これがもう気持ちいい! 常にギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュワワワワワワー! とテンションが上がる音が鳴り続けるので、ステージをグルグル回っているだけでも楽しくなれます。
ちなみに、まだ早期アクセス中なのでステージやコンテンツは少なめです。とはいえ、値段が580円と安価なので現時点でも十分でしょう。ヴァンサバライクは本家も含め、だいたい600円以下で買えちゃうからありがたい。
Choo Choo Survivor
ラストはかなりの変わり種。ヴァンサバライクとひと口に言っても、そのままでは本家に勝てるわけがない。というわけで、たいていのヴァンサバライクは何かしら差別化を図っているのですが、なかには変わった方向に走るものもあるのです。
そんな風変わりな作品のなかから、独自の魅力を放つ『Choo Choo Survivor』を取り上げたいと思います。
このゲームで操作するのは、なんと人間じゃなくて列車。列車なので自由に動けません。線路上を左右に動くことしかできないのです。つまり、前進と後退のみ。ゾンビは全方向から迫ってくるので、とにかく進むしかありません。進行率100%、ゴール目指して突き進むべし!
ちなみに、公式いわくジャンルはバレットヘヴン/ホードサバイバルジャンルだとか。また、新しい定義名が出てきてしまった。
それはともかく、このゲームの特徴は、やはりなんと言っても列車であること。列車なのでアイテムを拾いに行くことはできませんが、プレイヤーがマウスを動かして明かりで照らせば、アイテムが自動的に引き寄せられてきます。
武装は基本4種類。それらをアップグレードして強化しつつ、ひたすら左右に進むゲーム性はわかりやすく、ゾンビを薙ぎ払って進行する感覚はほかのフォロワーにない斬新さ。今回紹介した作品のなかでは人を選ぶほうですが、350円だし体験版もあるので気軽に遊べますよ!
さて、いかがだったでしょうか。『Vampire Survivors』の大ヒット以降、大量に生まれたヴァンサバライクは、安価で買えて短時間で遊べちゃう。それでいて熱中できるという性質を持っています。
まず最初に遊ぶなら、間違いなく『Vampire Survivors』をオススメしますが、そのフォロワーだって負けてはいません。このジャンルにハマってほかの作品もやってみたくなったアナタ。せっかく値段も安いことですし、今回紹介したものも含めてヴァンサバライクに手を出してみると楽しいですよ。
あと、じつは18歳未満厳禁なえっちぃゲームにも良いヴァンサバライクがありましてねえ。たとえば、大セ……え? 電撃オンラインは健全なサイトだからエッチなヴァンサバライクは駄目ですと!? エローグライトを紹介しちゃ駄目!? サキュバスとか出しちゃいけない!? そ、そんな殺生な~。
【電撃インディー】おすすめインディーゲームはこれだ!
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