レビュー:『信長の野望 出陣』神ゲー説。スマートウォッチや歩数計よりも歩くのが楽しくなる位置ゲー+放置ゲー。私はこれで出不精が改善しました

染谷 広人
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 8月31日にiOS/Androidで正式サービスが開始される戦国ウォークゲーム『信長の野望 出陣』。ほかの位置情報アプリとどう違うのか、どうやって遊べばいいのかなど、本作のレビューをお届けします。

※今回使用したゲームデータは開発中のもので、正式サービス時とは一部変更になる場合があります。

  • ▲石高1万石、12万歩までがっつりプレイしました。

ほかの位置情報アプリと『信長の野望 出陣』は何が違う?

 現在いろいろなウォーキング系の位置情報アプリがあります。そこで気になるのが「『信長の野望 出陣』はほかの作品とどこが違うのか?」に尽きるでしょう。

 位置情報アプリには、歩きながらさまざまなものを集めていくタイプ、歩いてキャラクターの育成に特化したタイプなどありますが、ずばり『信長の野望 出陣』は放置系全国お出かけタイプに分類されます。

 誤解のないように言っておきますが、本作にも武将育成、合戦、内政、フィールドに出現する武将の友好度集めなど、ゲーム的な要素は満載です。ただ、けしてそこが一番の魅力ではないと思うんですよね。

 じゃあ、何が一番の魅力かというと、現実の日本地図とリンクした戦国時代を歩き、徐々に領地を広げて日本全国を制覇していくという満足感や達成感だと思います。

  • ▲各地域の制圧率が100%になったときの達成感はたまりません。領地化報酬で登用札10枚とかももらえるのも嬉しい!

 ほかの位置情報アプリって日本地図じゃなくても成立するんですよね。しかし、本作は戦国時代を歩くので日本地図を使ってじゃないと成立しない作品。実際の日本地図を領地化していくのが、やめられない止まらない!

 単純に領地を広げていくだけでなく、名城図鑑や名所録といった日本全国の名所や旧跡が図鑑に登録されるのも嬉しい要素です。

移動中は委任で放置してたまに登録拠点などを整理

 前述で、『信長の野望 出陣』を放置系全国お出かけタイプとしましたが、それは委任の便利さが理由です。委任中はフィールドの農民や商人などを自動でタップして武将を派遣してくれるので、基本的には委任状態で歩けばOKという放置プレイが可能です。

 拠点などの重要ポイントが自動で登録されるので、本作の基本プレイサイクルは、委任状態で歩いて拠点などを自動登録→拠点の登録数には制限があるので、途中で休憩しつつ登録された拠点を攻略するのがおすすめです。

  • ▲プレイヤーがすべきことのほとんどを委任中は自動でこなしてくれるので、基本放置プレイでラクできます。

 ただし、がっつり拠点を獲得するために出かける際は、拠点戦で兵糧を大量に使うので、事前に兵糧を貯め込んでおくこと。また、スマホによってバッテリーの消費が激しいので、モバイルバッテリーをいっしょに持ち歩きましょう。

  • ▲端末を逆さにすると省電力モードになるほか、委任中はグラフィック品質が軽量になるのでバッテリー消費が抑えられます。それでも長時間のお出かけの際はバッテリー残量に注意すること。

 そんな便利な委任機能ですが、さすがに自宅にいるときなどはあまり活用できません。「でも位置情報アプリって自宅だとそもそもすることないのでは?」と思った方、じつは『信長の野望 出陣』は自宅にいるときこそすることが多かったりします。

 自宅でできることは、フィールド上の農民や商人への武将派遣、時間をかけて離れた場所を領地化できる遠征がメイン。CBTでは金銭か兵糧を集めつつ遠征部隊が帰ってくるのを待つのが基本でしたが、新たに遠征時間を短縮できる早馬が追加されたので、こまめに派遣すれば領地拡大のペースが早まります。

  • ▲自宅で金銭や兵糧を稼ぐついでに早馬もチェック。1回タップすれば遠征時間が5分短くなります。

 そのほか、外出中は時間が限られることが多いので、部隊編成や内政は自宅でじっくり時間を使って考えるのがおすすめです。

  • ▲移動中に部隊編成や内政の担当を決める際は、自動編成や自動任命を利用。編成にこだわりがなければ序盤はこれで十分です。

『信長の野望』といえば武将集め。特定の土地にしか出現しない武将も!

 『信長の野望』シリーズといえば、登用で武将を集めるのが人気の要素。本作でもサービス開始時点で212名の武将が登場します。その多くは登用(ガチャ)で獲得することが可能です。登用はゲーム内通貨の小判(有償と無償あり)か登用札を使うと行えます。

  • ▲無償小判や登用札はミッションやマイレージポイントの交換などで手に入ります。歩いて領地を増やしていけば、自然と登用機会が増える印象です。

 武将は、合戦用の部隊に編成するほか、遠征部隊、派遣部隊、内政施設に配置することができます。とくに合戦用の部隊は、大将を誰にするか、副将や与力で部隊の特性(スキルのようなもの)をどう伸ばすか、大将と相性のいい武将を選ぶかなど、かなり深みのある編成を楽しめます。

 とはいえ序盤はそこまで編成を気にしなくても大丈夫。せっかく拠点を登録したのに拠点戦に勝てないということは起きず、ということは起きず、適当に組んだ部隊でも拠点戦に勝利できます。レベルが上がって最大部隊数などが増え、武将の数がそろってから本格的に編成を考えればOKです。

  • ▲同じ部隊に信長、秀吉、家康を編成すると発動する“三英傑”といった特殊な編成効果も存在。武将列伝などを閲覧して、特殊な組み合わせを探すのもたのしいです。

 ちなみに本作には、特定の地域や名城付近で友好度を集めないと獲得できない武将も存在。自分の生活圏外にお出かけする際は、こういった武将集めにも精が出ますよ。

  • ▲今回は、関東付近に出現する里見義堯、江戸城付近に出現する徳川家康のみ確認。上田城では真田幸村、熊本城では加藤清正が出現するみたいです。

ゲーム性のあるスマートウォッチや万歩計感覚で楽しもう!

 本作を2週間ほどがっつりプレイしましたが、自分が獲得できた領地は1万石ちょっと。天下統一には465万石以上が必要で、1万石だと達成率わずか0.3%です。毎週全国各地を回るような職業でも、天下統一には数年単位かかるのは間違いないでしょう。サービス開始時点で、それだけ膨大なボリュームが用意されているのは、日本全国が舞台の『信長の野望 出陣』だからこそですね。

  • ▲全国総石高は4,658,768石。果てしない道のりなので、まずはマイペースに市区町村の制覇を目指しましょう。千里の道も一歩からです。

 自分の生活圏を領地化したあとは、遠征で領地を拡大するのが基本になると少し味気ないと考える人もいるかもしれませんが、むしろ自分にとっては逆でした。

 例えば普段は秋葉原で電化製品を見ればいいやという考えでしたが、『信長の野望 出陣』をプレイしていると立川まで行ってみて、いつもは行く機会のない飲食店を訪れ、ついでに昭和記念公園を散歩するなど……。今までにない外出の目的を設けるモチベーションになりました。

 ほかにも江戸城周辺に出現する徳川家康の友好度を集めるために、大手町、有楽町、銀座周辺をくまなく散歩するのも楽しかったです。有楽町で各地のアンテナショップをめぐりつつ徳川家康の友好度も稼げるなんて、まさに一石二鳥でしたよ。

 都内を制したら、週末は近隣の関東地方、まとまった休みが取れれば遠方へ旅行。『信長の野望 出陣』で、そんなお出かけプランを考える機会が増えました。

 本作の特徴はゲームそのものを楽しみつつ、さらに普段行かない土地への歩みを考えさせてくれる部分でしょう。外出時は委任状態で放置するだけでも十分なので、ゲーム性のあるスマートウォッチや万歩計のような感覚でプレイするのがおすすめです。

  • ▲遠征では、実際にその土地を訪れなくても領地を獲得できるので便利。ただ、獲得した領地の色は違うため、いつかは自分の足で訪れたくなる仕様です。
  • ▲遠征は本拠か支城から出発。本拠や支城は移転できるので、領地を広げたい場所に築城するのがおすすめです。

 戦国好き、散歩好き、日本全国を旅するのが好きなユーザーは、ぜひとも『信長の野望 出陣』をプレイしてみてください。「普段あまり外出しないなあ……」と思ってる方も、軽い気持ちでプレイすると外に出る理由が増えるので、意外とハマる可能性がありますよ。

  • ▲すでに領地化した場所を歩くメリットもあるので、遠近問わずに外出の際は『信長の野望 出陣』とともに出陣しましょう。

 まだまだ暑さが続きますが、暦上では秋。どんどん過ごしやすくなってくる季節なので『信長の野望 出陣』とともに、戦国ウォーキングライフを楽しんでください!

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