【ウマ娘が1.8倍楽しくなるお話 36】アニメ3期――キタサンブラックの物語にはやはり“あの存在”が不可欠だよねってお話
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- 柿ヶ瀬
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皆様ご無沙汰しております。ウマ娘が1.8倍楽しくなるお話、約半年ぶりの更新となります。柿ヶ瀬です。
アニメ『ウマ娘』3期が始まりました。2周年のちょっと前に情報が出てから、あっという間に放送開始となった気がします。その間にいろいろありました。衝撃のネオユニヴァース育成シナリオ。『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』の配信。ロンシャンとL'Arcシナリオ実装。そして……。
『ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -GAZE-』名古屋公演DAY2の新情報。筆者は土日、本業の仕事をしており、現地はおろか、配信で見ることも叶わぬ無念の状態。しかし19:25頃、一段落ついたところでXのタイムラインを覗くとそこには「ノースフライト」の文字がたくさん並んでいました。
え、ノースフライト!?
約2年前、当コラム第14回にて、サクラバクシンオーを最強スプリンターにした馬として、ノースフライトを紹介しました。
ノースフライトがウマ娘になったらアグネスデジタルみたいに絶叫して倒れるんだろうな~と書きましたが、実際は現実味がなく「アニメ3期直前のタイミングでノースフライトなの!?」という虚を突かれたような感覚でした。このタイミングに情報が出るのは、一体なぜなのか、考えても答えが出るわけもありません。昨年の夏からウマ娘になるという情報が出たものの、声優が決まったのが1年後だったデアリングタクトなんかもいます。『ウマ娘』はまったく予想がつきません……。
ともあれ、筆者がウマ娘の情報に初めて触れた2016年からずっと言い続けていた、マチカネタンホイザとノースフライトが出ないかなあという思いは、現実のものになってしまったのでした。世の中何が起こるかわからないものです。ホントに。
と、ノースフライトの話を延々するのもいいのですが、少し時期を外してしまった感があります。今回のコラムは、やはり『ウマ娘』にとって大きな大きなコンテンツ、アニメ3期のお話をしていくことにしましょう。
やっぱり3期ものっけからサプライズ! ドゥラメンテ登場!
アニメ3期1話、大変に盛り上がりましたね。始まるまで多くの人たちがどうなの? 来るの? 来ないの? とやきもきしていたあの馬。皐月賞から始まるならば……と考えた人も多かったのではないかと思いますが、予告なしからのドゥラメンテ登場。ドゥラメンテが日本のトレンド1位になったりするなど注目度の高さを再確認しました。
アニメ1期から5年。アプリウマ娘がリリースされてから2年半。ウマ娘から競馬に触れるようになった人たちもそれぞれに競馬のことをを自主的に勉強し、キタサンブラック世代にドゥラメンテという二冠馬がいることを多くの人が知りました。だからこそのドゥラメンテが登場するかしないか、気になっていた方も多かったと思いますが……。やはり登場しました。
1話を見ることでわかることは多かったと思います。トウカイテイオーに憧れるキタサンブラックの様子がことさらに描かれていましたが、二冠馬・後に故障で菊花賞に出られなくなる・特徴的な歩き方……。この15年クラシック世代において、トウカイテイオーに比定されるのはドゥラメンテなんですよね。いざ出たのを見た後に言う結果論みたいな形にはなりますが、やはり「『ウマ娘』におけるキタサンブラックの物語」にはドゥラメンテは必須だったのだなあ、となったのでした。
それからカノープスのメンバーと一緒にいる見たことないメガネのウマ娘。いやー最後「ス」で終わるカノープスっぽい馬……。さっきノースフライトを紹介した回のコラムで共に紹介したロイスアンドロイス、メチャクチャ該当しますねぇ……。ノースフライトに続いて、ということはあるんでしょうか。
ウマ娘3期アニメが1.8倍楽しくなる?
さて、その3期アニメですが個人的に1期や2期の頃と違うなって感じるところが筆者にあり、今回はその話をしていきたいなと思います。
3期で紡がれるキタサンブラックとサトノダイヤモンドの物語は、2015年の皐月賞から始まりました。今から8年前のことです。両馬の現役中の2016年に『ウマ娘』のプロジェクトは発表され、キタサンブラックが引退したあと、そしてサトノダイヤモンドの現役中の2018年4月にアニメ1期が始まっています。98年クラシックの1期、91年クラシックだった2期と比べ、つい最近と言って差し支えない時代が舞台となっています。
そうすると当然なのですが、実際のレースを見ている人がそれだけ多くなります。さらにSNS、特にX(旧Twitter)が隆盛していた時期で、その当時のポストもたくさん残されています。筆者のXにも「ドゥラメンテなんだ今の脚」なんて皐月賞当時のツイートを掘り返せる、いわば歴史の証言が豊富な時代なんです。なので、ウマ娘で描かれているお話に自分も参加しているような気分になれることもあるのです。
SNSと言えば、この何年かで競馬関係者(馬主、厩舎関係者、牧場関係者などなど)がSNSなどでファン向けへ発信することが増えたり、大きく拡散されたりするようになりました。この関係者の方々はやはりキタサンブラックやサトノダイヤモンドの世代の馬に関わっていることも当然多いわけです。
アニメのレースシーンではもちろんキタサンブラックやドゥラメンテ以外のウマ娘も走っていて、史実にあったレースが再現されています。そうなると当然そこには、これまでより多くの人が好きだった馬や一口馬主として出資した馬、そしてより多くの競馬関係者たちが携わった馬が、名前は違ったり出なかったりするものの、ウマ娘と化して走っていることになるのです。
1話の皐月賞とダービー。これはこの馬、あれはあの馬と様々に話題になりましたが、その中から今回は1頭、キタサンブラックと同じブラックタイドを父に持ち、ダービーではキタサンブラックの隣の大外18番枠に入り、キタサンブラックに1つ先着した緑の勝負服と帽子に身を包んだウマ娘の話をしましょう。
名前は出ませんでしたが、そのモデルになった馬を好きだった人はすぐにわかったかと思います。気付かなかったとしてもウマ娘開始から競馬を見始めた人ならば、彼が走っているところを見たことがある人も多いのではないかと思う馬でした。
その馬の名はタガノエスプレッソ。
2017年にキタサンブラックが引退した後も、なんと10歳となる昨年2022年まで走り続けました。2歳時にデイリー杯2歳Sで重賞勝ちをし、クラシック三冠はすべて13着、2019年に障害転向し、2020年京都ジャンプSではあのスーパースターオジュウチョウサンの障害戦連勝記録に待ったをかけ、2022年の京都ハイジャンプを勝利で飾り引退しました。平地と障害で重賞勝ちも成し遂げ、種牡馬にもなったタガノエスプレッソ。調教助手の方に名付けられたあだ名“おじじ”がファンにも周知され、長く愛された馬です。
そんなタガノエスプレッソがウマ娘の姿で走っている姿を見て、SNSではおかしくなっちゃうファンが続出。やがて“おじじ”と名付けた調教助手の方がアニメに言及するポストをして、一部界隈では盛りあがっていたのです。
ドゥラメンテの登場に湧いた『ウマ娘』3期1話の影には、こんな小さな、しかし熱いお祭り騒ぎも起こっていたのです。タガノエスプレッソ以外にも、コメートやグァンチャーレなど、他にも「そうなのでは?」と思えるウマ娘たちを見て沸くファンや関係者を確認することができました。
3期ではこれからもたくさんのレースが描かれるはずです。キタサンブラックやサトノダイヤモンドが活躍しているレースには、名前が出なかったり、違う名前になっているけれど、必ず誰かが好きだった馬、誰かが携わった馬が登場します。そんな人たちがSNSなどで大はしゃぎしてくれる。3期アニメにはそんな楽しみ方が間違いなく増えると筆者は思っています。
当時は知ることができなかった馬を知るチャンスでもあるでしょう。名もなき馬にもドラマがある、そんな一端に少しでも触れることができたら素敵だなあと筆者は考えています。
というわけで、久しぶりの復活となった当コラム、今回は3期アニメのちょっと違った楽しみ方を提案してみました。またいずれひょっこりと出てくることもあるかと思いますので、再びお会いできることがありましたらどうぞよろしくお願いします。
そしてアニメ『ウマ娘』3期の続きに期待していきましょう! それではまた!
“まとめページ”でこのコラムをチェック!
連載コラム“ウマ娘が1.8倍楽しくなるお話”のまとめページはこちらです。過去に掲載してきたコラムをここで一気に読むことができます。いろいろな驚きや発見があると思いますので、ぜひチェックしてくださいね!!
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