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『デイヴ・ザ・ダイバー』インタビュー:ダイビング&寿司屋経営の制作秘話、Switch版の特徴やDLC・スピンオフ・コラボの構想も明らかに【電撃インディー#490】

染谷 広人
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 今年6月28日にPC(Steam)版が正式リリースされた、海中探索&経営アドベンチャー『デイヴ・ザ・ダイバー』。その4カ月後となる10月26日、いよいよNintendo Switch版が発売されます。

 今回は『デイヴ・ザ・ダイバー』の開発ディレクターである、ネクソンのサブブランド“MINTROCKET”のファン・ジェホ氏に、本作の開発経緯やこだわりなどをお聞きしました。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

ユーモアのある明るい作品を作りたかった


──まずは自己紹介をお願いします。

ファン・ジェホ(以下、敬称略):僕はもともとネクソンで海外PAのプロジェクトマネージャーをやっていました。

 開発する側に移ってからの処女作は『エビルファクトリー(Evil Factory)』というモバイルゲームでした。アーケードのような難易度のゲームで評判はよく、次の機会で『ゴジラ ディフェンスフォース』というゲームを作りました。今回の『デイヴ・ザ・ダイバー』で3作目ですが、MINTROCKETのゲームとしては第1弾になりますね。

──『デイヴ・ザ・ダイバー』は世界販売累計本数が200万本を超え、コロコロコミックで連載も決まりました。あらためてですが、本作の魅力を教えてください。

ファン:最近はインディーゲームも暗い雰囲気のものが多くて、AAAゲームも映画みたいな形になっているじゃないですか。ですので、まずユーモアがあって鮮やかな感じのゲームが作りたかったというのがありました。

 『デイヴ・ザ・ダイバー』の舞台は、すべての魚が集まる“ブルーホール”という場所です。そこに寿司屋を開店して商売をしている最中、いろいろな深海の危機に遭遇して、それを解決していくというのが基本的な流れになっています。

 海の“探索パート”と寿司屋の“経営パート”を繰り返してストーリーを進めいていくと、新しいシステムやミニゲームが解禁されて、飽きさせない工夫をしているゲームです。

──ゲーム性としてはシンプルですが、“日中は魚を捕って夜はお寿司屋を経営”という部分だけを聞くと、「どういうゲームだろう?」となりますよね。

ファン:海に入ると魚が綺麗ですよね。鑑賞だけでも楽しんでもらえると思いますが、ユーザーさんには「あの魚を捕ったらいくらで売れるんだろう?」という部分も感じてほしかったんです。

 この魚を捕って寿司にして売ったらどのぐらい儲けることができ、儲けたお金でキャラクターを強化する、そのループがうまくできているのかなと思っています。

──ゲーム性に加えて世界観とか、ちゃんとしたストーリーは最後のほうありますが、基本ゆるいイメージですよね。

ファン:はい。ゆるく作っています。ユーザーさんにストレスとプレシャーを与えないのが方針です。武器の強化とかもありますが、それがなくても大丈夫な形で進めています。

──ユーザーからも高い評価を受けている本作ですが、どのような意見・感想が届いていますか?

ファン:一番うれしかったのが「中毒性が高い」という感想です。もうひとつが「新しい魚を見つけてそれを捕って、売ってお金を儲けて新要素を解禁していく流れがよかった」という意見もうれしかったですね。

ユーザーの声を素早くキャッチできる体制が必要でした

──ネクソンとMINTROCKETでは、ゲーム開発に対する取り組みが大きく違うように思われます。MINTROCKETならではの強みがあれば教えてください。

ファン:最初の『エビルファクトリー』は5人という小規模開発でした。ネクソンではセキュリティなどいろいろなプロセスがありまして、それの対応が5人では難しく、新規のゲームを作るときには障害になると思ったんです。とくにPC(Steam)のゲームは、ユーザーさんとの緻密なコミュニケーションが必要ですし、もう少し早い対応が必要でした。

 そのスピードを出すには、ネクソンの既存の大型ゲームの管理システムでは難しく、逆にMINTROCKETでは、ディレクターの自由と判断によって何を見せるか、どの時期でアップデートをするかなどを決める、自由度の高い形になっています。

──開発の自由度が高いとアップデートなどがスムーズに進みそうですね。その際、内部テストは開発スタッフの皆さんが実際にプレイしていたのでしょうか?

ファン:チーム内では客観的に見るのが難しいですので、日本とアメリカでテストを行って、なるべくデータを募ってゲームを仕上げる形にしていました。

──プレイ感は外からの意見も求めていったんですね。

ファン:そうですね。とくにエンディングがあるというシングルプレイゲームは、ネクソンでは初めての試みでした。僕のようなあまり経験がないディレクターの判断が正しいのかも疑問でしたので「早いうちにユーザーさんに公開して声を聞いて、そこを改善していこう」というのが早期アクセスを決めた理由です。

──今回のストーリーや世界観というのは、ファンさんが書かれたのでしょうか?

ファン:世界観、ストーリー、キャラクターなどの創案は全部僕がやっています。それをゲームとしてシステムに発展させていくのは、チームにいる専門の方がやっています。

──世界観を作るうえでとくにこだわったポイントはどこでしょう。

ファン:いろいろなシステムを取り組んでいるため、いい意味でゲームがゴチャゴチャしています。ただ、ミニゲーム集にならないようにするうえで、これをまとめるのにキャラクターが必要だなと思いました。

 例えばオットの息子のサミーは、父が農場を管理してくれる流れで“養鶏”を担当してくれます。いきなり農場があって養鶏があると要素が多くなりすぎるので、キャラクターを通じて要素を拡張していく形にしています。

──キャラクターといえば、個人的に一番びっくりしたのは突然始まるダフの夢の中でのライブでした(笑)。

ファン:あれは個人的にやりたかったんですよ。ダフだったら絶対にこういうのがあるべきだと思いまして。じつはチーム内にダフそのものという方がいるんです。アイドルのライブも観に行って、オタ芸についてもすごく詳しくて。その方に企画とか全部まかせました。

 でも、ゲーム中の流れでいきなりライブが始まるのって不自然じゃないですか。さらにダフって電話でのやりとりのみで、実際に姿を見せてくれるキャラクターでもありません。どうしようかなと考えたときに、夢という形なら区別できるのかなと考えました。

持ち帰った素材でマネージメントする要素が楽しい

──本作は、韓国の済州島にある実際の居酒屋のマスターが朝に釣りをして夕方になったら料理しているのがアイデアのきっかけとして生まれたとのことですが、そこから今の形になるまでどのような開発経緯があったのかを教えてください。

ファン:もともと考えていたのは、主人公がデイヴで宇宙を舞台にするゲームでしたが、とある事情で中止になりました。しかし、宇宙よりも未知な部分が多い深海でダイビングをして魚を捕るゲームは、基本的に最初からアイデアがあったんです。

 それでも“魚を捕って、それを売ってお金を儲ける”という要素に何か足りないなと思っていたんですが、前述の済州島の居酒屋さんを訪問したときに、マスターが朝に魚を捕ってそれを料理しているのを見て「あ、これはゲームに使える!」って思いました。

 そこで最初の案に寿司屋をくっつけてみたら“海に潜って魚を見て、お寿司にして売れるな”っていう考えが自然的に入ってきました。そこから寿司屋のシステムが発展していった形です。

──本作は『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』、『深夜食堂』、『ワンピース』の“オールブルー”など、さまざまな作品からインスパイアを受けたと語られています。1つの作品に多様な魅力を詰め込むうえで意識した部分を教えてください。

ファン:参考にするのは構造的な部分ですね。『深夜食堂』は夜のみオープンする店だから昼の間に準備しないといけない、という部分で影響を受けています。

 ゲーム部分でいうと、ダンジョンに入って何かを捕ってきてそこでマネージメントする『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』だったり、潜入して基地に捕虜を連れ帰って働かせる『メタルギアソリッド ピースウォーカー』なども好きで、アクションパートと経営パートをどういう風につなげるかという点で参考にしています。

 ドットアニメのシーンはもうちょっと違うんですけど、『北斗の拳』とかブルース・リーの動きとかも参考にしています。

──バンチョの料理バトルとかがそうですね。

ファン:そうですね。料理漫画とかを参考にしています。

個性的なおじさん3人組がかっこいい!

──本作は海洋探索の美麗なビジュアルが印象的ですが、もっとシリアスでかっこいいキャラクターで制作することもできたと思います。あえてデイヴ、コブラ、バンチョのように、コメディーでユーモアな中年たちにスポットを当てた理由をお聞かせください。

ファン:個性的なおじさんが3人出てくる組み合わせって、すごくおもしろいと思うんです。『グランド・セフト・オート』シリーズや『ルパン三世』でも、キャラの濃いおじさん3人が出てくるじゃないですか。そういうのがおもしろいと思っていたのに加え、もともと3人くらいはメインキャラクターがほしいと考えていました。

──デイヴ、コブラ、バンチョたちメインキャラクターそれぞれの特徴や魅力を、あらためて教えてください。

ファン: デイヴはゆるくて楽天的で、貪欲なコブラがお金儲けを考え、お寿司を作れるならなんでもいいというのがバンチョです。その組み合わせがうまくできているなと思います。

 コブラはもともと僕の処女作の『エビルファクトリー』にいたキャラクターで、武器商人として登場していました。そのキャラクターが好きで、もう一回使おうという話になりました。

 寿司屋を担当するキャラクターをどうするか悩んだときに、昔見た『アフロサムライ』を思い出して、武士道にハマっている黒人のキャラクターが寿司職人だったらおもしろそうという理由で、バンチョを作りました。早期アクセスのときにキャラ投票をしたんですけど、バンチョがダントツの一位でしたね(笑)。

──性格が常識人っぽいのはデイヴくらいしかいない気がします(笑)。

ファン:そうですね。でも、デイヴはいろいろ巻き込まれますが、それが実際に解決しなきゃいけない危機になるとやっぱりがんばって解決していくんですよね。

 ある意味でゲーム自体がデイヴの成長記なんです。普通に共感できるキャラクターが、世界の危機といえば大げさですけど、そういう問題を解決していくという流れが、みんな好きだったんじゃないかなと思っています。

 あと、3人のメインキャラクター以外で個人的に好きなキャラクターではサトーさんですね。とある作品のキャラクターをイメージしているのですが、ユーザーさんからは「引退してこうなっちゃったの?」とかありました(笑)。

──本作はそういう”攻めた”ところが多いですよね。

ファン:いろいろパロディとかいっぱい入れていて、それをユーザーさんが探してくれるとうれしいんですよ。『天穂のサクナヒメ』とか個人的に好きだったので、農場が解禁されるタイミングで少し出しています。

ゲーム作りの最大のポイントはテンポのよさ

──ゲーム制作において一番重視していることを教えてください。

ファン:制作者としては、テンポが一番重要です。例えば映画でテイクを撮るとき、何秒を撮影するかで感情って変わってくるじゃないですか。ゲームもそれと同じで、どのテンポで動かすかが重要だと考えています。

 例えば、個人的に好きな『龍が如く』シリーズですが、個人的にはメインストーリーで戦闘ばかりやっていると単調と感じてしまう人もいますよね。そこにテンポよくミニゲームとかが入ってきて、リフレッシュしてまたメインストーリーに戻るという流れがとてもおもしろく感じました。

 『デイヴ・ザ・ダイバー』を作っているときも、早期アクセスでいろいろなユーザーさんの意見を聞いて、バランスやテンポの悪いところを直していきました。もう1回潜りたいと思わせて、再び潜ったときはいきなりクジラが出るとか、海賊がイルカを拉致するとか、魚人族に会うとか、海の中で頼みごとをされるとか。そういう意外なイベントがテンポよく入っていて、ユーザーさんが飽きないような仕掛けを用意しています。

──たしかに探索のランダム性に加えて、頻繁にイベントが発生しますね。

ファン:探索パートと経営パート自体は複雑なゲームではないので、ずっと繰り返していておもしろいと感じてもらえるかは心配だったんです。そこで、どのテンポで新しい要素を見せていくのかが一番悩んだ部分ですね。

キャラクターの個性を出すのにもドット絵が最適でした

──ドット絵にこだわりがある本作ですが、ピクセルアートの魅力はどこだと思いますか?

ファン:濃いキャラクターを3Dで作るのって難しい部分がありますよね。ですので、個性を出しやすい平面的なドット絵でキャラクターを作ることにしました。

 最初にデイヴをドットで作って海に入れてみたら、キャラクターはいいんですけど背景の部分が平面になると海の深さがうまく表現できなかったんですよ。2Dではうまく表現ができずに背景を3Dにしましたが、キャラクターは2Dのままで見せる部分が一番難しかったです。

──ドットアニメのカットシーンがたくさん作られた理由もお聞かせください。

ファン:3Dゲームってすごく演出にこだわるじゃないですか。『ベヨネッタ』とかはカメラワークによる演出がすごいと思うんですけど、ドットだとそれができないので演出の部分ですごく悩んでいました。しかしアーティストさんが「これだ!」って思えるくらいすごくハイクオリティなカットシーンを作ってくれたんです。

 バンチョが料理をするところをカットシーンで作ることはもともと決まっていたんですけど、上がってきたものがすごくよかったので計画を変えてしまいました。ストーリーで食べるときの演出とかもカットシーンで入っているので、すごい分量が入っています。

 個人的にオットというキャラクターがごはんを食べて、逆戻りして子供になるカットシーンが好きなんですけど、これも3Dでは表現しにくいんじゃないかなと思っています(笑)。

──スタッフの方がもうノリノリで、こだわって色々なものを作っていったわけですね。

ファン:はい。2Dのドットのカットシーンではあまり参考にできるものがなかったので、最初はどう作るかの方向を決められなかったんです。すごく滑らかにしちゃうと見た目はいいんですけど、費用がかかり過ぎちゃいますし、雑に作っちゃうとインパクトが少なくなっちゃいます。それを調整していきました。

 もともと1つのカットシーンを作るのに3週間くらいかかっていましたが、方向性が決まってからは1週間くらいでパパっと作れるようになりました。

──ゲーム中のSNSでの投稿とか、1枚1枚の写真も楽しいなと思いました。

ファン:お寿司と料理を見て美味しいと思ってほしいんですけど、小さいアイコンではそれが伝わらないので、それをどういう風に見せたら満足できるかで苦労しました。

 例えば何かの寿司を売るときは小さいアイコンで表示されるじゃないですか。でも、それだけだと感動が伝わらないので、“クックスタ”というSNSに映す形で大きめのイメージを見せて、料理の美味しさを表現できるようにしています。

──深海魚系の料理とかは、一見美味しくなさそうに見えつつも、興味も持つみたいな絶妙なビジュアルになっていますよね。

ファン:魚って大きくは赤身と白身しかありませんよね。でも、深海でアンコウを捕ったときに白身だけ出たら少し物足りない感じがするじゃないですか。

 現実的ではないんですけど、アンコウの提灯をつけてみたり、なるべく魚の特徴を料理に反映できる形にしています。熱帯魚も切ってしまえば赤身だと思うんですけど、表面の色とかは熱帯魚の色とかを使っていますね。

 ちなみに「どんな味なのか?」は、YouTubeとかを見ると実際に深海魚を食べた方がいて、大体の味が検索できるんです。こういうサメはどんな味がするとか。それでも一部の深海魚を食べた人はあまりいないので、こんな形の魚なら大体こんな味がするんじゃないかなって、想像に任せていますね。

──いろいろな制作秘話があると思いますが、おもしろかったエピソードがあれば教えてください。

ファン:デイヴの体型についての話があります。アジアと欧米の違いだと思うんですけど、アジアって太っている人に対してからかうのはNGですけど、「太っているな?」くらいはOKだと思っていたんです。そこが欧米では、すごく敏感だったんですよ。

 アメリカ人の親友からは「このくらいなら大丈夫」と言われていたのですが、それにすごく敏感な方がいて、“ファットジョーク”の件でバッシングを受けることがありました。とはいえデイヴの体型について(ゲーム中のNPCの会話で)話をふらないのは微妙だと思ったので、言葉使いをゆるくして表現する感じにしました。

 あとは設定的な話ですが、もともとはゲームの舞台をフィリピンに設定していました。しかし、これも早期アクセスのときに「フィリピンはこうじゃないよ」とか「フィリピンはこういう気候なんだけどゲームに反映されていないよ」という話が出てきまして。ゲーム内では地域的な設定はすべてなくして、架空の場所にしています。

アップデートなどで本作をより濃いものにしていきたい

──さまざまなアップデートも予定されていますが、本作の最終進化目標のイメージはありますか?

ファン:リリース時に入れられなかったストーリーやキャラクターの裏話などは、機会があったら作っていきたいですね。例えば「デイヴは何をやっていた人なの?」とか「ダフってなんでこんなオタクになったの?」とか。そういう話ができたらおもしろいと思います。

──10月のアップデートではサイドミッションが追加され、カニかごでカニやロブスターが捕まえられるようになりました。

ファン:後半になっていくと魚人族の危機を解決するのがメインになり、ストーリーが濃くなっていくため、ユーモアな部分とかがあまり出てこなくなっていました。ですので、今回のアップデートではサイドミッションでユーモアな部分を増やしました。

 カニかごは、遊びや収集部分としての追加要素ですね。新たな料理も作ることができます。

──アップデートの作業の途中で、ひょっとしたら次回作のイメージが出たりしますか?

ファン:まだ『デイヴ・ザ・ダイバー』でやってみたいことが残っています。例えば新しい地域ですね。アマゾンとかの淡水魚にも、なかなか想像できないような変わった魚がいるじゃないですか。ああいうのと戦うのもおもしろそうです。そういうのも取り組んで、DLCを作りたいという思いはありますね。

 それ以外にもコラボのお話がいろいろ届いておりますので、コラボコンテンツも近いうちに紹介できるんじゃないかなと。

──コラボは漫画やアニメ作品、お寿司屋さんだったりするんでしょうか?

ファン:日本のお寿司屋さんとコラボができたらうれしいですね。ゆるい世界観ですので、何とコラボしてもおかしくないんですよ。

 お寿司屋にアニメや漫画のキャラが新しいお客さんとして訪ねてきて、「この魚を捕ってほしい」という流れもアリですから。まだ詳しくお伝えすることはできませんが、コラボのお話も届いていますし、開発チームからやりたいものを提案して進めているものもあります。楽しみにしていてください。

──本作のプレイを通じてユーザーのみなさんに開発が一番伝えたいメッセージがあれば教えてください。

ファン:基本的にプレッシャーなく、楽しんでゲームを進めても大丈夫な仕組みになっているので、いろいろな探検をして魚を集めて、パーティーとかも参加して、ゆっくりプレイしてほしいですね。

──今日は簡単なプレイしかできないので、「朝と昼のうち昼は時間をスキップしてサボるか」みたいな、イベントを進めることを重視せずに遊ぶのも楽しいですからね。

ファン:寿司屋をメインにプレイしたい人でしたら、探索パートをスキップして養殖場の魚を使って寿司屋を楽しむこともできます。時間スキップはもともとなかったんですけど、ユーザーさんが楽しみたいプレイスタイル合わせて遊べるように追加したものです。

 でも、じつは寿司屋のパートを内部でテストを行っていたとき、あまり評判がよくなかったんです。探索パートの邪魔になるという意見もありました。寿司屋が強制になってしまうとゲームの楽しさが冷めるんじゃないかなと気になっていたのですが、正式版がリリースしたあと、寿司屋パートが楽しいと言ってくれる方も多くて驚きました。

──今日一日の売れ行きの個数とかで「じゃあ今日は何個さばけるんだろう」とか、いろいろ考えていくのがおもしろかったです。

ファン:そこで得られる満足感はありますよね。内部テストの際は「これでどのくらい儲けて、どういう強化をするのか」というのはなかなか考えがいきにくかったんです。でも実際のゲームプレイだと、お金をためて装備をアップグレードをするのが目標になりますので、そこで寿司屋を楽しめる目標が出てくるのではないかなと思います。

──Nintendo Switch版が10月26日に発売されます。『デイヴ・ザ・ダイバー』を初めてプレイする人には、本作をどのように楽しんでもらいたいですか?

ファン:最初からNintendo Switch版を狙って作っていたわけではないんですけど、PC(Steam)版の体験版を公開したあたりから「Nintendo Switch版を出してほしい」という意見を多くいただきました。Steam Deckでプレイした人も多く、ゆるくプレイして、ちょっと置いておいてまた戻ってというプレイスタイルが携帯ゲーム機に合ってたのかもしれません。

 ちなみに、Nintendo Switch版ではJoy-Conを使って料理を作るといった独自要素も入っています。あとNintendo Switchの体験版ではローディングが少し遅かったのですが、そのあたりも改善しています。

──最後に『デイヴ・ザ・ダイバー』のファンに向けてメッセージをお願いします。

ファン:本作は“海”というテーマと“お寿司屋の経営”というテーマで作ったゲームで、どのくらいユーザーさんに認められるか予想ができませんでしたが、多くのユーザーさんに愛されてうれしいと思っています。

 今後もいろいろとアップデートしながら利便性の向上やコンテンツの追加、キャラクターを深掘りするストーリーなど、DLCやスピンオフまで動きたいと考えています。ぜひとも、今後も『デイヴ・ザ・ダイバー』の応援をよろしくお願いいたします!


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