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『ヘレの海底都市計画』レビュー&攻略:海底都市建築シミュレーションは空気の管理が大事。かわいいヒロインと街づくり&ストーリーの両方が楽しめる【電撃インディー#503】

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、GameProjectNandTが開発するPC(Steam)用シミュレーションゲーム『ヘレの海底都市計画 ~箱庭に空気を植えるSLG~』を紹介します。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

基本的なシミュレーションゲームで遊びやすさは抜群

 シミュレーションゲームと言えば、陸上で建物を建築したり、農地を作って作物を収穫したりするといった印象でしたが、本作の舞台は海底。そこで街作りをすることになります。

 今までプレイしたことのあるシミュレーションゲームだと、海はあってもあくまで陸地がメイン。内地から海に出かけるような感じでした。なので、海底が舞台になっているのは、それだけでもかなり新鮮です。

 実際にプレイしてみたら、海底だからこその要素も用意されていました。それが“エアー”という要素です。

 海やプールなどで潜ったことがあるとわかると思いますが、息継ぎをせずにずっと潜っていられません。それと同じようにゲーム内でも空気の役割を持つ“エアー”がないとほとんど活動できません。

 住居を作って人を呼び、建物を建築したり、農地を作ったりすると住人が自動でお金や資源を集めてくれます。それらが“エアー”がないとほとんど回収できなくなってしまいます。“エアー”は何をするのにも必要なエネルギーというわけです。

 エネルギーという要素自体は目新しいものではありませんが、それが空気をベースにしたものなので、海底で街を作っているという雰囲気がわかりやすく伝わってきます。

  • ▲“ミラの花”という植物を設置することで範囲内に“エアー”を供給できます。

 実際にシミュレーションゲーム部分で建築できるのは住居、生産施設、加工施設、商業施設の4種類。

 “住居”は建築すると街の住民が自動で増加します。住民がいないと何もできないので、“住居”の建築がすべての基本。住民が“生産施設”に行けば資源、“商業施設”に行けばお金が獲得できます。“加工施設”は資源をお金に換える施設なので、どれかに偏るとうまく回らなくなってしまいます。

  • ▲建物のレベルをあげると“エアー”の消費が増えますが、効率が良くなります。

 さらにこれらは道と隣接していないと効果を発揮しません。自由に道を作れるので、制限されることはあまりありませんが、左右対称にしたり、思うような街作りをしたい場合は少し考える必要があるでしょう。

  • ▲筆者は見栄えをあまり気にしないので、かなり不格好です。

 さらに建築したものは簡単に違う場所に動かせます。最初から思うような街作りをしてもいいし、効率を求めて後から形を整えても大丈夫。シミュレーションゲームとしては取っつきやすい部類で、気軽にプレイできるのもポイントです。

海底を探索して集める建物の設計図

 本作では設計図を入手し、“研究”することで新しい建物が建てられるようになります。

 設計図は探索で集めるのですが、こちらは簡単なRPGのようなものになっています。探索を行う探査艇にはHPやエアー、積載量が設定されており、お金を支払って装備や回復をしてから探索に出発します。

 探索は3方向の中から好きな方向を選んで進んでいくシステム。進んだ先でさまざまなベントが発生します。それを繰り返してエリアごとに決まっている“WAVE”の最後までたどり着くとクリアになります。

  • ▲道中にはルートをふさぐ岩があることも。確率で良いことや悪いことが起きる場所もあります。

 敵が待ち構えていることもあるので、そのときは魚雷で倒すか、無視するかを選択できます。状況に応じてどちらを選択してもいいですが、敵を倒すと設計図などを入手できるので、できるだけ倒したいところ。

 ただし、魚雷の数や種類は探索前に購入したぶんしかありません。イベントはランダムで発生するので、“WAVE”の最後まで敵と会わない可能性もあるし、毎回敵と遭遇してしまうこともあります。なので、“WAVE”がどれだけあるかを見て選択するのが重要になります。

  • ▲HPやエアーが減る罠のようなものもあります。

 また、HP以外は探索の終了後に引き継がれません。もし、魚雷を大量に用意しても探索で使い切らなかったら無駄になってしまうので、適切な量を持っていくようにしましょう。

短めで読みやすいストーリー

 街作りをベースにしつつ探索も行えるなど、オーソドックスなシミュレーションゲームとは少し違った要素も楽しめる本作ですが、それを行うことになった背景がストーリーで描かれます。

 ストーリーは、特定の建物を建てることで解放され、任意のタイミングで読むことができます。

  • ▲1話の長さは短めになっているので読みやすいです。

 プレイヤーが発展させていくことになる街の名前は“ガーデン”。そこでは、定期的に街を作り直す遷宮が行われていました。

 その理由というのが、長い時間の中で老朽化などによる綻びが起きてしまうから。そして、街作りの技術を継承していくためでした。古くなったり、壊れたものを新しく買い替えたりするのは我々の感覚でもわかります。それの規模が大きくなったという感じですね。

  • ▲ちなみに、海底に街を作って住んでいるのは、何かしらの理由で地上に住めなくなってしまったからのようでした。

 いっしょに街作りをするのは、“ガーデン”に唯一残った鯨津見(ときつみ)ヘレという少女です。“先輩”と呼ぶ人が不在にしているかわりに彼女が街を管理しているようでした。

 最初は「代理人なのか」くらいの感想でしたが、ストーリーを進めていくと“先輩”がなぜヘレに街を任せていなくなったかが語られるなど、先が気になって仕方ない展開に!

 1話当たりが短いことに加え、序盤からこれらの話に触れられるので、あまり紹介できないのが悔やまれるところ。ストーリーはプレイして確認してみてください。

攻略:天文台を意識せず効率よく資源などを集められる場所に施設を作ろう

 本作は遷宮で唯一残っている天文台を拠点に街作りをすることになります。最初は建物などを建築できるスペースが限られるので選択肢は多くありません。しかし、“研究”でエリアを解放していくことでスペースに余裕ができていきます。

 ストーリーとして、天文台と鯨津見ヘレだけだった街を新しく作っていくということなので、どうしても天文台を中心にだんだん街を広くしていきがち。ですが、本作ではどこに建物を建ててもお金や資源を集められます。

 天文台とつながっていない場所に道を作って“住居”を建てれば住民が現れますし、周りに“生産施設”、“加工施設”、“商業施設”を建てれば、施設に応じたものも獲得できます。

 つまり、街作りの面では天文台という施設はなくても問題ないんです。

 というわけで、できるだけ資源などを集めやすい場所を早めに確保したいところ。おすすめは“エリア4”です。

 “エリア4”ではお金以外の資源を入手できる場所が固まっているので、確保してしまえば、お金や資源の確保が楽になります。

  • ▲船のまわりに資源が固まっているので、いきなりここに建築するのがよさそうです。

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