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『キュイジニア』レビュー:ダンジョンで食材を集めてレストランで振舞うライフシム。かわいいキャラとおいしそうな料理が最高【電撃インディー#526】

柏又
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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、BattleBrew Productions開発、Marvelous Europe、XSEED Games発売の『Cuisineer(キュイジニア)』をレビューします。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

ダンジョンで集めた食材をレストランで振舞うゲームの流れがおもしろい!【キュイジニア:レビュー】

 本作は、主人公のポムが世界旅行に出かけた両親の代わりにレストランを営むゲームです。主人公は、冒険者である経歴を生かしてダンジョンで食材を調達。持ち帰ったものを料理して訪れる客に振舞います。

 なお、主人公の活動時間は9:00~24:00でポーズメニューや会話中以外のほとんどの状況で時間が経過。レストランの営業時間は最大で23:00まで、ダンジョン探索後は滞在時間に関係なく22:00に町に戻ります。

 12:00以降にダンジョンに出発すると、出発時刻に応じて最大HPにペナルティを受けるので、ダンジョン探索とレストラン営業は別の日に行う感じになりますね。

ローグライク風で緊張感のあるダンジョン探索パート【キュイジニア:レビュー】

 ダンジョン探索パートは鳥瞰視点のアクションゲームで、入るたびに自動生成されるマップを探索。モンスターを倒して食材を獲得するほか、木や石といった素材を集めます。もちろんモンスターは攻撃してくるので、ダッシュを利用して回避しつつ2種類装備できる武器を使ってダメージを与えていくプレイスタイルになります。

 武器の組み合わせは自由で2つとも遠距離武器にしてしまっても問題ありません。本作の遠距離武器は、手持ちの数を使い切るとリロードにわずかながら時間がかかるのですが、それでも便利なセレクトになります。

 ダンジョン内は起動させるとすべてのものにダメージを与えるトラップが多数配置されているほか、落ちるとダメージを受ける谷間や溶岩などで区切られています。本作は回復手段が限られているうえ、やられてしまうとほとんどの持ち物をロストしてしまうため、そこそこ緊張感のあるプレイが楽しめます。

 マップのなかには立て続けに敵が出現するエリアやボスとの戦いもあって、自動生成マップといってもゲームのメリハリは結構ありますね。これらのエリアをクリアすると宝箱から追加の食材や装備品が得られるので挑戦するメリットももちろんあります。

 周囲が安全であればいつでも脱出できるので、基本的にはカバンがいっぱいになった頃合いで帰るプレイが基本になります。

装備はパワーよりも追加効果が大事

 主人公は同時に2種類の武器が装備できるほか、“手袋”と“ブーツ”をそれぞれ装備できます。これらの装備品には、“コンボの最終段が氷属性になる”や“ダッシュすると炎のダメージゾーンが出現する”などの追加効果が、1つにつき2種類まで付与されています。

 本作は武器の強化が可能ですが、強化してもダメージが劇的に上がるわけではありません。その代わりに豊富に用意された追加効果を組み合わせることで、より大きなダメージを発生させるバランスになっていると筆者は感じました。

 装備品はお店で買うほかにダンジョンの宝箱から入手できます。また、追加効果は街の“醸造屋”に行うことで変更できるので、より良い効果を求めてハマれる人はハマれそうですね。

調理と会計で忙し楽しいレストラン運営パート【キュイジニア:レビュー】

 レストランは入り口でボタンを長押しすることで営業と休業を切り替え可能。営業を開始するとさまざまなお客がやってきて料理を注文します。

 プレイヤーが基本的に行うのは、お客が注文した料理を調理設備で作ることと、食べ終わったお客の会計を清算すること。調理自体は素材さえあればボタンを押すだけで設備が自動調理しますし、ほとんどのお客は出来上がった料理をカウンターまで取りにきてくれるので複雑な操作はありません。

 ただし、12:00に始まる“ランチタイム”と18:00開始の“ディナータイム”は立て続けにお客が来店するので、料理を指定して清算するだけでもかなり忙しくなります。筆者的には、みんな料理をおいしそうに食べるのでゲームを遊んでいてお腹が空いてきますね。

 お客が増えてくると食べるときの効果音が気になる人もいるようですが、アップデートで食事の音をオフに設定可能なので大丈夫。なお、お客のなかにはまれに食い逃げする不届き者がいるので注意したいところですね。

 ちなみに本作の開発はシンガポールのスタジオなのですが、レストランで作る食事のレパートリーに日本食や和風洋食がけっこうあって日本のプレイヤーでも親しみやすいと思います。料理のグラフィックがどれもこれもおいしそうなのも好評価です。

レイアウトしだいでやって来る客層が変化するのも興味深い

 レストランのお客にはいくつかのタイプがあって、それぞれ店内の移動速度や食事に使う時間などが異なります。席数が少ないうちはプレイヤーが配膳して回転数を上げることもできます。

 序盤はテーブルと椅子が一組しかありませんが、大工のアルダーから家具を買ったりレストランのアップグレードを行うことでお店の規模が大きくなってより多くのお客を呼び込むことが可能に。さらにアルダーの売る家具のなかには特定のタイプのお客を呼び寄せる効果があります。

 家具の組み合わせやレイアウトにこだわることで、雰囲気だけではなくやって来る客層も変化させられるのはおもしろい要素ですね。

 また調理器具や冷蔵庫をアップグレードすることで高価な料理を作れるようになり、より多様な食材を保存可能になるなど、レストランをどんどん繁盛させていけるのも楽しいです。

かわいいキャラクターとおいしそうな料理に癒される良ゲー【キュイジニア:レビュー】

 ここまで紹介してきた『Cuisineer』。掲載されたスクリーンショットのとおり、キャラクターがとてもかわいく描かれていて、世界観も(両親が滞納した税金を除けば)非常に優しい内容となっていて遊んでいて癒されますね。

 ダンジョン探索がやや難しめですが、遠距離武器主体で立ち回って無理をしなければ食材を持ち帰るぶんには厳しくありませんし、難易度設定で被ダメージを調整可能なのでアクションがあまり得意ではない人でも楽しめると思います。

 キャラクターがかわいいと思ったなら遊んでみて損はないと思いますし、ダンジョン探索とレストラン運営の融合したゲーム性が気になる、という人ならうってつけですね。とくに、複雑な操作や設定にこだわらない人に向いていると筆者は感じました。

©2023 BattleBrew Productions Private Limited. Published by and licensed to Marvelous Europe Ltd and Marvelous USA, Inc.

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