『不思議の国の冒険酒場』レビュー:3DSの名作RPGがSwitchで進化。超お得価格の1500円で料理作り&酒場経営がのんびり楽しめる【電撃インディー#522】
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電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、12月21日に発売予定のNintendo Switch版『不思議の国の冒険酒場』のレビュー記事をお届けします。
なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
新要素:ニンテンドー3DS版からバランス調整され遊びやすさが向上!【不思議の国の冒険酒場:レビュー】
『不思議の国の冒険酒場』は、ファンタジー世界で酒場を経営して大きくしていくRPG。Nintendo Switch版ではニンテンドー3DS版からUIの刷新やゲームバランスの調整などが行われています。
■ニンテンドー3DS版からの新要素
・“賄い料理”の追加で育成難易度が緩和
・食べ物と飲み物を別枠化
・ゲームバランスの調整
・フィールドマップの表現向上
・UIを刷新
・BGMをアレンジ&新曲追加
・エフェクトが一新
とくに大きいのが、“賄い料理”の登場ですね。料理を作ったときに得られるCP(クッキングポイント)を使ってその場で料理を食べさせて経験値を得られます。
料理を食べて経験値を得られるのは従来通りですが、それに加えて“賄い料理”が登場したことで大幅に仲間を育成しやすくなりました。料理を酒場に回しやすくなったので、ストーリーを進めやすくなったのもうれしいところ。
ほかにもグラフィック面やBGMも現代風に刷新されています。全体的にクオリティアップとともに遊びやすさも向上しているので、ニンテンドー3DS版をプレイした人でも新鮮な気持ちで楽しめますね。
ゲームの流れ&ストーリー:ゆるくマイペースに酒場を発展させて国一番の酒場を目指せ!不思議の国の冒険酒場:レビュー】
本作のストーリーは単純明快! 小さな酒場“シュペック亭”を経営しながら、国一番の酒場を目指していきます。
細々と酒場の経営を続ける主人公のシーラと姉のカメリナの姉妹。しかし、立地のよさから一流料亭“七天使亭”に目を付けられ、土地を明け渡すように脅迫や嫌がらせを受けるようになってしまいます。
困り果てた二人は、幼なじみのフレットの助言もあって、酒場を守るため、料理コンテストの優勝を目指すことに!
ストーリーやキャラクターの関係性がシンプルで、目的も分かりやすくて物語に入り込みやすいです。
基本的には下記のような流れで酒場の発展を目指していきます。
■ゲームの基本的な流れ
・フィールド探索やお店などで料理の素材を調達
・酒場で料理を出してお金を稼ぐ
・10日、20日、30日に開催されるコンテストに料理を出品する
・コンテストの結果や酒場の売り上げが一定に達するとストーリーが進行
大きな目的は酒場で料理を売って売り上げを上げていくことですが、時間制限はないので気軽にマイペースに遊べます。
日数の経過の概念はあるものの、季節の変化によって売れやすい料理が変化するだけなので、そこまで気にしなくても大丈夫!
定期開催されるコンテストも上位入賞できなくてもまた何度も再出品可能なので、全体的にゆるく楽しむことができるのが魅力ですね。
ストーリーの進行によって仲間や探索できる街やフィールドが増えていき、それに伴って料理のレパートリーも増えていきます。
基本的なゲームの流れ自体は変わりませんが、できることが着実に増えていくので進めるのが楽しい!
料理:作った料理は酒場で出すか自分たちで食べるかの選択が可能【不思議の国の冒険酒場:レビュー】
料理は、必要となる食材を用意して調理法を決めることで作ることができます。
ランダム要素はなく、食材と調理法の組み合わせによって固定の料理が完成します。
レシピを見つけてその通りに料理していくのが基本ですが、オリジナル料理として自分で任意の食材を選択することも可能。正しい組み合わせを選ぶと料理が完成するので、料理にくわしい人ならレシピを入手しなくても大丈夫かもしれません。
とはいえ食材の組み合わせは膨大で、失敗すると食材が無駄になるので、なるべくレシピを入手したほうが無難ではありますね(笑)。
食材はフィールドで探索すれば無料で入手できますが、それだけでは自由に料理を作るのは難しいバランス。足りない食材はお店で購入できます。
食材の種類が非常に多いので悩みがちですが、ひんぱんに料理に使う食材は共通しているものも多いので、慣れてくると自分なりの買い物のパターンがつかめてきます。とくに海の近くのフィールドを探索できない序盤のうちは、塩を買っておくのが大事! ほかにはライスやパンなどの主食系が大事なあたり、料理の基本に忠実です。
作った料理の使い道は主に二つ。酒場で客に出してお金を稼ぐか、自分たちで食べて経験値を得るかです。
どちらも重要ですが、序盤は探索の安定感を高めるためにも、自分たちで食べて経験値を稼ぐことを優先したほうがいい印象ですね。
酒場に出す場合は同じ料理を出し続けると客が飽きてしまうなどの要素も。あるていどは幅広い料理を作る必要があります。
そのほか、季節や組み合わせによって売れやすい料理が変化するなどの要素もありまが、基本的には高い料理を優先しつつ複数の種類をローテーションしていけばいい感じなので、そこまでシビアではないです。
バトルシステム&探索要素:バトルはオーソドックスなRPG! 探索で食材を集めていくのがシンプルながら楽しい【不思議の国の冒険酒場:レビュー】
本作のバトルは比較的オーソドックス。
基本はコマンド形式で、攻撃やスキル、アイテムを駆使して戦っていきます。
素早さで順番が決定し、味方の直後に行動しそうな敵を倒しておくことで敵の手数を減らせるなどの戦略性も!
レベルは料理を食べることで上がっていきますが、スキルはバトルで得られる各属性のEPに応じて取得していけます。
スキルには物理系や魔法系などの概念も存在しますが、こちらも比較的分かりやすい効果のものが多いのですぐに理解できるはず!
バトルの難易度は、初めて探索するフィールドでは難しく感じることもありますが、ちゃんと育成すれば問題なく探索できるようになるバランス。
戦闘スピードの高速化+行動の繰り返し(直前の行動を繰り返す)による事実上のオートバトルも可能で、戦力さえ整えばテンポよく戦っていけます。
慣れてくると一部スキルやオーバーキルによって素材の大量ドロップを狙えるので、さらにバトルが楽しくなってきますね。
フィールドはそこまで広くないので、そのフィールドにある食材を全部拾ったとしても時間はかかりません。
宝箱を拾ったり食材を拾ったり、キャラクターを育成したりするのが目的で、探索の敷居は高くないですね。食材は一度の探索でゴッソリと手に入るので、それを使ってどんな料理を作ろうか計画するのが楽しいです。
一見するとシンプルなスローライフ系の作品にも見えますが、実際にはオーソドックスなRPGに調理&育成システムを組み込んだようなゲーム性が特徴の本作。
元々遊びやすいゲーム性でしたが、Nintendo Switch版では育成の緩和などでより遊びやすくなっています。1500円という価格ながらボリュームもタップリなので、年末年始にのんびりしたRPGが遊びたい人にオススメです。
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