『Smalland: Survive the Wilds』レビュー:小人になって大自然を生き抜くサバイバルゲームはアリすら脅威になる迫力満点の大冒険【電撃インディー#563】

セスタス原川
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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はPS5、Xbox Series X|S、PC(Steam/Epic)で配信中のオープンワールドサバイバルゲーム『Smalland: Survive the Wilds』のレビューをお届けします。

 なお、電撃オンラインでは尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

小人目線で自然を生きるサバイバルゲーム【Smalland: Survive the Wilds】

 本作は小人目線で広大な自然溢れる世界を冒険するサバイバルゲームです。蟻ですら脅威となる小人ですが、自然の物資や地形を駆使して力強く生き抜いていきます。

 基本は物資を集め、拠点を作り、活動地域を広げていくというスタンダードなサバイバルゲームの進め方になります。本作の特色が現れている点は、この世界が小人視点であることです。

 大きな湖に見える地形は、普段の我々からすれば水溜まりでしかありません。まるで怪獣のように周辺を徘徊する生き物は、普通なら気にも止めないような虫たちです。しかし、本作ではそれが命を落としかねない脅威となって降りかかってきます。

 日常生活で普段見ている風景を小人目線で見ることができるので、脳みそでは小さいと認識しているものが迫力感のある大きな存在となり、不思議な世界観が味わえるのです。

 ゲーム開始時にはキャラクターメイキングも可能。男女、体系、髪の色など細かく設定できます。小人と聞くとどうしてもエルフっぽいデザインにしたくなるのは筆者だけ……ではありませんよね?

 小人はこの世界では無力な存在です。探索の際には虫たちと敵対することになるのですが、最初は蟻1匹に対しても苦戦してしまいます。

 しかし知能は人並み。材料を集めて拠点を作り、武器を作っていけば、次第に虫たちにも対抗できるようになります。

 また、ゲームを進めると虫をテイムして乗り物のように利用できるようになります。探索を続けるうちに、非力な小人から少しずつ自然界におけるヒエラルキーが上昇していきます。

 小人の装備が成長すれば、より危険な虫がいるエリアも探索できるようになり、多くの種類の素材が集まり、探索範囲が広がり……と、プレイした時間に応じてゲームの幅が広がっていきます。

 拠点作成の際には間取りを自分で決められます。最初は素材が足りず小部屋くらいになってしまいますが、より多くの素材を集めれば広くて快適な拠点で過ごすことも可能です。

遊びやすさとやりごたえを備えたゲーム性【Smalland: Survive the Wilds】

 サバイバルゲームで気を付けなければいけないのは、やはり死亡してしまった際のアイテムロストです。

 本作にもアイテムロスとのシステムは搭載されており、死亡してしまうとその場所にアイテムを全て落としてしまいます。回収に向かう間に死亡してしまい持っていたアイテムが回収不能に……という“サバイバルゲームあるある”も体験できてしまいます。

 命の危機は虫たちだけではありません、高低差のある地形からの落下、水溜まりで溺れる、空腹で力尽きるなど、自然にはそこら中に危険が潜んでいます。

 本来であれば、止まることなくどんどん先を探索したいのですが、拠点にアイテムを預けておいたり、回復アイテムや食材を集めたりする必要があります。アイテムの用意や挑むエリアの危険度など、どれだけリスクをケアしてプレイするのか判断が試されますね。

 ゲーム内では時間の概念があり、夜になると虫の動きが変化するなど、危険も高まります。7日ごとに四季も変わり、冬場になると防寒が必須になるという仕様もあります。

 こういった細かい仕様により、クリア困難とまでいかなくても、程よい難易度でプレイし甲斐のある内容に仕上がっている印象です。

 アクションゲームが好きな筆者的には、虫との戦闘だけでも楽しめるレベル。序盤に発生する蟻たちとの熱い戦いは、アイテムが心もとない序盤ならではの楽しみがありました。

 また、ワールドを作成して複数人でのマルチプレイも可能。友人と探索すれば、それだけで新たな楽しみが発見できるでしょう。

 ゲーム開始時にゲームの難易度も細かく調整できるので、ガチガチにサバイバルをしたい、気ままに探索を楽しみたいなど、スタイルに応じた設定も可能です。

  • ▲ヘルプも充実していているのでゲームの進め困ることは少ないでしょう。

 サバイバルゲームの基礎を抑えつつ、小人視点という迫力感のある視点で世界観で描く『Smalland: Survive the Wilds』。システムはシンプルながら独自の色とやり込み要素を備えており、サバイバルゲームの入門としてもオススメできる作品です。ぜひお試しください。

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