『バックパック・バトル』はアイテムの整理整頓、パズル力、計画性が試されるインベントリ構築型ローグライト。カードゲーム好きならドはまりする【電撃インディー#572】

セスタス原川
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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はPC(Steam)で配信中のデッキ構築型ローグライト『バックパック・バトル』のレビューをお届けします。

 なお、電撃オンラインでは尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!


『バックパック・バトル』の内容は(商品紹介ページより)

 バックパックに荷物を詰めよう! レアアイテムを買いあさり、カバンに整理整頓して自分だけの強力なビルドを組んだら、他のプレイヤーたちと対戦だ!

ビルディング&プランニングが試されるバトル【バックパック・バトル:レビュー】

 本作はインベントリ構築型ローグライトで、バックパックの中のアイテムを強化しながら非同期戦闘の対戦を勝ち抜いていくゲーム性です。限られたバックパックの容量と予算の中で、プレイヤーはさまざまなアイテムシナジーを模索していきます。

 本作のゲームの流れは、まずは最低限のバックパックとゴールドを持った状態でゲームがスタート。ショップでアイテムを買い足してバトルへ。その後再びショップに戻り、追加のゴールドでさらに買い物をしてバトルへ……の繰り返しです。

 バトルは完全オートバトルで、アイテムがそれぞれのクールタイムごとに自動で発動。操作介入の余地はないので、プレイヤーはバトル前のバックパック構築段階に全力を注ぐことになります。

 ショップでは追加の武器や追加容量を購入できるので、バトルを繰り返すことにプレイヤーのアイテムが整っていきます。このゲームの面白くもあり難しいところは、ここで購入するアイテムの選択です。

 まずはどのアイテムを購入するのか。アイテムは大きく分けて武器、防具、回復、その他の特殊アイテムがあり、自分がどんな戦法で戦いたいのかを決めることが大切です。強い武器で押し切るのか、回復アイテムを集めて持久戦をするのか、序盤のアイテム購入の段階で、今回のゲームで使用するバックパックの中身の方向性を決めるのです。

 この方向性に関しても、ショップで購入できるアイテムがランダムに提示される関係上、毎回思い描くようなアイテムを揃えられるとは限りません。提示されたアイテムによって毎回違ったバックパックの中身になることでしょう。この再現性の難しさが本作の中毒性の一因となっています。プレイするたびに違うバトルが待っているのですから。

 ゲーム開始時にプレイヤーは役職を1つ選択します。役職によって何が変わるかと言えば、専用アイテムと派生役職が変化します。例えば、パイロマンサーを選択した場合“ヒート”と呼ばれる炎のバフ効果が登場。これは他の役職にはない行動力をサポートする効果を持っており、他にもこの“ヒート”の保有数を参照して効果を発揮する専用アイテムも登場します。派生役職は、その後さらに専用アイテムが登場して、より強力なアイテムを購入できるようになります。

 プレイしている際の感覚は、カードゲームを何も無い状態から始めている感覚に近いです。子供の頃にカードゲームを体験した人ならば味わったことがあるでしょう。限られたお小遣いの中でカードを集めてインベントリを構築して、新しく手に入ったカードでインベントリを強化していく……。あの1歩1歩前に進んでいく感覚が、このゲームでは毎回体験できるのです。

 バトルは敗北数によるリタイア方式で、9回勝つか5回負けるかまでバトルが続きます。相手には近しい勝数の相手が選ばれるようになっており、まずはお互いに駆け出し段階のバックパックで戦います。

 戦闘中はさまざまなステータスバフやデバフがあり、お互いが装備している武器で攻撃しつつ、その戦いをバフでサポートするのがバトルのセオリーです。役職ごとにある程度シナジーが発生するような出現アイテムが設定されていますが、自分で「このアイテムとこの効果は合わせたら強そう!」といった発見ができるのも本作の面白いポイント。

 またバックパックの形、アイテムの配置はプレイヤー自身が全て設定可能。同じアイテムと容量でも繋げ方次第でより多くのアイテムを詰め込んだり、隣接することで発揮するアイテムの効果を引き出したりできるようになります。これはプレイヤーのパズル力が試される部分ですね。

 アイテムの一部には合成という2つのアイテムが合体する効果があるので、それを狙って次の試合から一気に強化したアイテムで戦うのも戦法の1つでしょう。そのために、最初の数戦はアイテム補強のために捨てるという戦略もアリです。

 本作は一度プレイを終えるとまたゼロからのスタートになるので、毎回新しい発見や体験が得ることができます。勝ち切るかリタイアまでプレイしても時間はそこまでかからないため、1度プレイしてもすぐにそのまま次の試合に挑んでしまう中毒性があります。

 アイテムを集めて戦わせるというシンプルなゲーム性ながら、構築力、パズル力、計画性とさまざまな技量を試される『バックパック・バトル』。特にローグライト、カードゲーム好きには刺さること間違いなしの作品となっていますので、当てはまる方はぜひ一度プレイしてみてはいかがでしょう。

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