『百英雄伝』先行プレイレポート。懐かしいけど新しい令和のJRPGは濃すぎる英雄たちと寄り道三昧も旅の醍醐味!?【電撃インディー#573】
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505 Gamesより2024年4月23日に発売予定の『百英雄伝』(PlayStation 5、PlayStation 4、Xbox Series X|S、Xbox One、Steam、Epic Games Store、Nintendo Switch)は、『幻想水滸伝』シリーズのクリエイターである村山吉隆氏、河野純子氏らが集結したRabbit & Bear Studiosが手掛ける新作RPGです。
今回は、メディア向けに公開されたβ版のプレイレポートをお届けします。胸躍る王道の物語、愛さずにはいられない個性的すぎる英雄たち、バトルで動き回るドッドアニメ。90年代ごろに遊んでいたJRPGのトキメキを、令和に体験できる本作の魅力をたっぷり紹介していきます。
なお、電撃オンラインでは尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
ノアとセイ、少年たちの友情の行方は……【百英雄伝】
物語の舞台は、多様な種族が暮らし、さまざまな文化を持つ国々が集まるオールラーン大陸。この世界には不思議な力を秘めた魔導レンズ(ルーンレンズ)が存在し、その力は人々の戦いにも生かされています。
魔導レンズの研究を進める帝国・ガルディアは、ルーンの遺跡調査のために、友好関係を結んだ諸国連合との合同任務を実施。主人公の1人ノアは、諸国連合の警備隊としての初任務でこの調査に参加することになります。
ノアが所属する部隊は、渋くて頼れる古強者ガオウ、クールな美貌の剣士ミオ、元気いっぱいなリャンの4人編成。若いノアとリャンを、経験豊かな大人たちが見守ってくれていて、とてもバランスがいいんですよね。
ちなみにノアは、一部のセリフで選択肢が発生します。プレイヤーの選択によっては、かなり面白い子になりますよ。警備隊のメンバーなど一緒にいる英雄がリアクションをくれるので、いろいろ試したくなります。
帝国側から参加するのは、今回の任務で指揮を執る若き士官セイ・ケースリングとその副官ヒルディです。主人公の1人でもあるセイは真面目でクールな青年で、愛嬌があって穏やかなノアとは正反対なタイプ。
しかし任務をこなすなかでセイが、笑顔を見せてくれたり、信頼を寄せてくれたり、素顔を見せるように。セイだけでなく、本作はセリフや仕草から内面がわかるような演出が随所に用意されていて、英雄の見せ方が上手いなと何度もうなってしまいました。
調査が進みルーンの遺跡を発見したノアたち。そこでセイから本当の任務の目的が明かされた一行は、遺跡の内部を調べることになります。しかし、ある事故が起き、ノアとセイは仲間たちからはぐれて2人で行動することに……。
出会ってからあまり時間も経っておらず、生まれも育ちも、立場も大きく違うノアたち。しかし2人で助け合っている様子や交わす会話が尊くて、「これはお互いにとって、大切な記憶になるよね」と思わすにはいられないストーリーが展開していきます。
無事に仲間と合流し、遺跡の調査も終えたノアとセイには、確かな絆が芽生えているのでした。
しかし帝国と諸国連合の友好関係は、かなり危ういもので……。優秀な士官であるセイは、そのことにも気がついているんですよね。嫌な予感しかしませんが、ノアたちの未来が明るいものであることを祈らずにいられません。
そんな願いも虚しく(知ってはいましたけども)、何者かの思惑により、世界は争いへの道を進み始めます。そのなかでノアの故郷にも、魔の手が伸びるのでした。
その危機を救ってくれたのは、なんとセイ! 彼は国境付近にある帝国の村が、警備隊によって襲撃されているという噂が帝国内に流れていることを教えてくれます。セイは事態を調べるために、諸国連合側からの協力を得て調べていたというのです。
今回の事件を不信感を抱き、帝国に戻ることにしたセイ。そして、ノアも急いで拠点であるエルティスワイスに戻るところでβ版の物語は終了となりました。
彼らの運命がどうなっていくのか、そして今回は出会えなかったもう1人の主人公、聖域を守護するガーディアンの部族の少女メリサは、どう物語に関わってくるのか……。続きが気になりすぎて、早く4月23日になってほしいです。
物語を進めるなかで、ノアたち以外で印象に残ったのが、ノアたち警備隊の雇い主であるグリュム伯のぺリエールです。彼女は若く、爵位を継いで間もないようですが、帝国の実力者オルドリック公爵に対して、正面から物申すことが出来る豪胆な人物。
ただ無鉄砲な行動ではなく、ちゃんと領民や諸国連合のことを考えているからこその行動なんですよね。序盤ですが、優れた領主であることがにじみ出ています。ちょっと、危なっかしく見える部分も多いですけどね。
若いノアやぺリエールたちが奮闘している姿は、見ていて応援したくなります。若者が活躍するだけでなく、ガオウだったり、ぺリエールに仕えるユンカースだったり、彼らを見守って支える年長者の姿が描かれているのも、多様な人々が住む世界の群像劇らしさを感じられて好きです。
寄り道最高! ただし、序盤は少し大変かも【百英雄伝】
本作はキャラは2Dのドットアニメ、町やフィールドは3Dで表現されています。古きよきJRPGの雰囲気をそのままに、現代の技術で再現されている世界に見惚れてしまいます。
キャラが生き生き動く姿に感動しますし、建物内やフィールドにおける光の表現がキレイだなと思いました。
一定まで進めると町のなかを歩き回ったり、フィールドを自由に動き回ったり出来るようになります。次の目的地は全部ではありませんがマップに表示されるので、指示の通り進んでいけば物語をスムーズに進めることが可能です。
ちなみに私は指示をまるっと無視して、ノアが動けるようになった瞬間に町の探索を始めました(笑)。住人たちに話しかけることで、どんな場所かや生活の様子を知れるのが楽しいんですよね。
あと住人たちだけでなく、動物たちが充実しているのも面白いです。猫に犬に、アライグマに……。各地で動物を見かけたときは、絶対に声をかけています。
また町や施設には、明らかに普通の住民とは異なる派手なキャラクターがいることが……。その人物は、ほぼ仲間になる英雄たちです。彼らに話しかけて勧誘したり、条件を満たして実力を認められたりすると仲間になってくれます。
英雄たちに対するノアの向き合い方が素晴らしくて、彼ならたくさんの仲間に恵まれるのも納得です。
物語を進めるだけで、主人公やガオウたちを含めてパーティに必要な6人の英雄をそろえることが出来ます。この初期のメンバーが見た目も性格も個性派で、「すごい人たちが仲間になったな」なんて思ったんですけど、一緒に過ごすうちに全員に愛着がわいてくるんですよね。
ときには物語進行に関係ない場所に寄り道することで、英雄に出会うことも! 何て言ったって『百英雄伝』、世界にたくさんの仲間が散らばっているのは明らか。好奇心を持っていろいろな行動をすることで、縁を作っていくことが大事になりそうですね。
今回の範囲で仲間になった英雄のなか、一推しなのがシシの心を持つ少年のギギナ。インパクトしかない存在感と、シシからチラリと見える素顔と尻尾。この子、絶対にかわいい……。
もともと獣人キャラに弱く、さらに猫好きの私としましては、好きにならないという選択がありませんでした。製品版でも連れ歩いて、最強の戦士にしてあげると心に誓いました。
本当にいい味を出した英雄ばかりなので、仲間の人数が少ない序盤から、パーティ編成に誰を入れるか何度も悩むことに。この考える時間も、楽しいんですけどね。
ちなみに英雄の声を担当するキャストが、かなり豪華です。現時点で公開されていない英雄でも、「この人は!」とピンとくる声がいくつもありました(予想が外れている可能性もありますけど)。ほかにはどんな英雄に出会えるのか、期待が高まります。
序盤の難点は、移動手段がダッシュしかないこと(移動速度が早くなるアイテムはあります)。行けるエリアはまだ多くありませんが、すみずみまで見て回るのは、若干時間がかかります。
過去の電撃オンラインのインタビューでテレポートをしてくれるキャラが登場するという話があったので、移動手段が増えてからが寄り道の本番ですね。
また人によっては、序盤は物語の動きや出来ることが少なく感じるかもしれません。英雄になるための下積み期間ということで、平和な時間を味わいつつ、じっくりと世界や操作に慣れていきましょう。
多彩な魔導レンズや英雄コンボを駆使して戦おう【百英雄伝】
任務をこなすなかで、ダンジョンに挑むことがあります。ダンジョン内はトロッコや祠などのギミックが用意されており、ちょっとした謎解きが必要になります。英雄たちがヒントをくれることもあるので、彼らの言葉に耳を傾けるのも大事ですよ。
ダンジョンやフィールド移動時、ランダムエンカウントでバトルに突入。バトルはターン制で、敵味方合わせた行動順が画面上に表示されます。敵の全滅で勝利、逆に味方全員が戦闘不能(HPゼロ)になると負けになります。
まずは攻撃やアイテムなど、味方全員分の行動を決めていきます。行動順ではなく、パーティリストの上から決めて形式なので注意しましょう。行動順が早い敵や全体攻撃をしてくる敵など、危険な相手を優先して倒すことで、バトルを有利に進められます。
もしもHPが減っている味方がいる場合は、敵より早く回復して、戦闘不能になるリスクを減らすのがオススメです。
戦いのポイントになるのが、魔導レンズと英雄コンボ。
魔導レンズは、英雄が身に着けているレンズに応じた技や魔法を使用出来ます。技ではSP、魔法ではMPを消費。魔導レンズは、敵も使用してくる場合があるので要注意です。
使用する技によって消費SPに差がありますが、毎ターン回復するので、必要なSPが貯まったら惜しみなく使えるのが嬉しいところ。英雄の動きも凝っていて、見ていて楽しいです。
レビューの範囲では主に回復魔法にお世話になりました。全体回復もあってかなり強力なのですが、MP回復アイテムが少ない序盤は使いどころに悩みます。回復アイテムがお手ごろ価格で購入できるので、そちらで基本回復しつつ、強敵で使用するという形で戦っていました。英雄が成長するほどMPも増えていくので、仲間が強くなったら、派手な魔法を使った戦いにも期待が出来そうです。
英雄コンボは、パーティに特定の組み合わせの英雄がいると仕える協力技です。この演出も最高なものばかりでした。最初に使用できるようになるのがノアとセイのペアなのですが、それまでの展開も合わせて胸アツでした。友情って素晴らしい。
英雄コンボの組み合わせは、ほかにもいろいろな種類があるようです。美少女ペアとか、親子ペアとかあったりするのでしょうか。英雄コンボも編成決めの大きなポイントになりそうです。
バトルは、“おまかせ”でオート進行することも可能です。ランダムエンカウントのため、戦闘数も多くなることが予想できるので、雑魚戦をサクサクプレイ出来るのは嬉しいです。優先行動なども決められるので、自分に合ったスタイルで組み合わせを見つけたいですね。
ダンジョンなどを進めると、ボス戦が発生します。ボス戦では通常の行動に加えて、特殊なギミックが発生します。ギミックの内容は、フィールドや敵に合わせたものになっていました。なかにはクセが強いものもありましたが、乗り越えて勝てたときの達成感は最高です。
今回試遊できたβ版は主人公が全員そろう前の序盤までの範囲ですが、いろいろ寄り道して、気がついたら8時間以上プレイしていました。それでも見落としているところがありそうで、もう1回最初から始めたりして、ずっと遊んでいたくなるすごい作品です。
公開済みの情報で英雄たちのお芝居を見られる“劇場”など、やりこみ要素がたっぷりあることもわかっているんですよね。発売後はずーっと、オールラーン大陸に住みこんで冒険することになりそうです。
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