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『アリス・ギア・アイギス』を遊び愛する島田フミカネさん、海老川兼武さん、柳瀬敬之さんの座談会を掲載

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 コロプラより配信中のiOS/Android/PC向けアプリ『アリス・ギア・アイギス』が、1月22日に配信2周年を迎えました。その特集記事をお届けします。

 『アリス・ギア・アイギス』は、『ダライアスバースト』を始め、コンシューマ向けソフトやアーケードゲームを長年手掛けてきたピラミッドが開発・運営を担当する、3Dアクションシューティングです。3Dグラフィックで緻密に描かれた“アクトレス”と呼ばれる美少女がカッコいいメカを身にまとって、宇宙や大空を舞台に縦横無尽に活躍します。

 座談会に参加していただいたのは、アクトレスやギアをデザインしている島田フミカネさん、海老川兼武さん、柳瀬敬之さん。企画発足の感想から始まった座談会は、3人の“ありすぎる『アリス・ギア』愛”によって、ゲーム内の感想や要望に発展しました。ゲームを遊ばれている人だけでなく、3人のイラストのファンもぜひご覧ください。

 なお、インタビュー中は敬称略。

『アリス・ギア・アイギス』2周年特集記事

3Dがバリバリに動くアプリに驚く

――改めてになるのですが、最初に企画を聞かれた時にはどのような感想を持たれましたか?

島田:一番最初に話を聞いたのは、荻窪の喫茶店でした。開発もデザインも大変そうなジャンルだし、自分もどのくらいスケジュールをとれるのかわからなかったので、そこを見極めてからと逃げ道作りつつ、「おもしろそうだからとりあえず進めましょう」と返事をしました。

(一同笑)

海老川:最初ピラミッドさんはボスなどを発注しようとしていたのかなと思っていましたが、キャラデザインにも興味がありましたので、出来ればキャラデザインもちょっとやってみたいとはお伝えしました。

柳瀬:最初に企画書を見せてもらった時には「スマホでこれを実現できるの?」という感想がまずありました。3DのSTGで、ギアを付けて戦って、ボリュームもある。企画書の内容がどこまで成立するのか、見えませんでした。

――ピラミッドさんにその技術的に見えないなどの疑問はお話しされたのでしょうか?

柳瀬:当時、スマホでバリバリの3Dをやっているタイトルはそこまで多くなかったですし、時間がかかるだろうと予想していたので、その段階では様子見で、その都度進捗を教えてもらうようにしました。

 結果、こちらの想定以上に早くテストバージョンが上がってきて驚きました。ただそこから停滞していたタイミングがありましたね。

――プロト版ができてから、ネットワークに対応させるのに時間がかかったとお聞きしています。

柳瀬:そのあたりはソーシャルゲームならではの苦労なのでしょうね。時間は多少かかりましたが、システム、グラフィックなど自分が思っていた以上のものがあがってきたことに驚きました。

――進捗報告は定期的に行われていたのですか?

島田:割とこまめにありましたね。夜中に集まって、モデルやゲームを見せていただきました。ただ、リリースされてからのほうが、“ゲームの不満をぶつけ合う会”が頻繁に行われました。

海老川:自分は遊んでいて気になったところを書き留めていたリストを持参したりしてしましたね(笑)。

(一同笑)

海老川:このボタンはこっちにあった方が便利かな~とか細かいことはすぐ忘れてしまうのでメモを取っていただけなんですけどね(笑)。

島田:遊んでいると、気になることが出てくるんですね。それこそゲーム中のシステムのことだけでなく、運営にかかわることも言っていました。特に最初のころはTwitterの展開がないとか、告知が遅いとか……。結果的に、変えられない仕様であったとしても、「なぜこうなってるのか」を聞かないとモヤモヤしたままなので、逐一聞いていました。

三者三様だった初期作業を振り返る

――アクトレスやギアをデザインする際には、ゲームの仕様を踏まえつつ決められているのですか?

島田:ギアの装着位置や武装の共通モーションなど、ゲーム仕様に影響する部分は予め決められています。いただいた資料には、キャラクター部分の設定と詳細もまとめられていたので、それをふまえつつ、デザインをしていきました。

 楓を例にすると、“和風の大和撫子”で、持っている武装はライフルとビームソード、標準的サイズ感、剣術といった情報が箇条書きで並んでいます。それ以外についてはこちらで自由に発想していきました。


――相談はどのようなタイミングでされるのですか?

島田:いただいたものでイメージがわかない場合は聞きますが、いつもやっている仕事ではありますからね。とりあえずこちらのイメージではこう、というラフデザインを出してみて、あまりにかけ離れているようだったら言ってほしいとお願いしました。個人的なことで言えば、むしろ、時期的に大変で。

――時期ですか?

島田:同時期に別々の3タイトルで、「主役キャラで、メカは白」というオーダー内容かぶりの事態になってしまって。

(一同笑)

島田:もちろん全部同じデザインにするわけにはいかないので、どうしたものかなと。

 ただ、『アリス・ギア・アイギス』はSF寄りの世界観、設定であることが企画書でわかっていたので、メカニックのラインをそちらに寄せたものにしました。リアルミリタリーでもなく、剣と魔法のファンタジーでもない、いわゆるアニメメカ……アニメチックかつキャラ性を強くした感じを意識しました。

海老川:SF寄りの世界観は島田さんの得意ジャンルですよね。ギアが浮いているのも他作品との差別化の一つではありましたね。

柳瀬:「キャラとの接続ジョイントを書かなくていいのか」と感じたことを覚えています。

島田:そこらへんの温度感はちょっと難しいんですよね。浮遊しているパーツに違和感というか、ちゃんと設定がないと嫌って人もいるでしょうし、じゃあリアルにしましたといって納得されるのかどうかもわからないので。

 ただ、最初に「月を掘り返して宇宙コロニーにして、宇宙に脱出して数百年経っている」という設定がある時点で、メカニックが少し浮いているくらいでは、問題にならないのかなと。世界観が凝りかたまっていると、それに縛られてしまうのですが、本作の自由度は広かったです。

海老川:個人的にはキャラデザが初めてのことだったので右も左もわからず、一から十まで意見を聞きつつの作業でした。キャラの方向性はピラミッドさんから指示があったので、そこから「僕が考えるならばどうするか」を意識していきました。

 とはいえ、島田さんがデザインされた楓さん(吾妻楓)がいて、アリスギアにおけるデザインの方向が見えていたのでデザインやラインを増やしていくならばこれくらいで、間引いていくならこれぐらいかなというようにコントロールしていきました。

――ギアはいかがですか?

海老川:ギア部分に関してはメカデザインの要素が強い箇所でしたので悩む要素は少なかったです。例えばリンちゃん(日向リン)であれば、イノシシのモチーフを提示されていたので、それをどのようにデザインに落とし込むのか…と。

 後は女の子が纏うメカなので島田さんに見てもらいながらバランスを調整していきました。

――それは直接お会いした際に? それともメールベースで?

海老川:直接お会いできる時がある場合は直に見ていただいて、難しい場合はメールで送って赤ペン入れてもらう感じでした。

――いただいた意見で方向性が変わることはありましたか?

海老川:いや、大きく変わることはなかったですね。

島田:「方向性を変えましょう」というものはありませんでしたね。「この方向性でいくのであれば、こちらのほうがよりいいですよ」とか「キャラが隠れているので、こうしたほうがいい」とか……メカより、専用スーツデザインのほうが主でした。

海老川:島田さんはコスチュームの情報量の調整が得意なので、意見をいただくと段違いに変わるんですね。シタラ(兼志谷 シタラ)もピラミッドさんのオーダーと島田さんのチェックバックを織り交ぜながら作業を進めました。カラーリングでも最初シタラは赤をメインカラーにしていたのですが、リンちゃんも赤だったので、カーキに変更にしたり……わからないことだらけだったからこそ、なんでも聞いてしまえと(笑)。

(一同笑)

――柳瀬さんはいかがだったのでしょうか?

柳瀬:初期はかなり苦労しました……だから、今のを聞いて「そうしておけばよかった!」と思いましたね。最終的に島田さんの監修はあるのですが、その前にピラミッドさんとのやり取りで修正が多かったので、もっと早い段階で相談しておけばよかったなと。

――どのようなやりとりがありましたか?

柳瀬:発注書には、1キャラに対して動物や衣装の方向性、小物などのモチーフ案が複数書いてあって、どういうバランスですべて盛り込むのか悩みました。

 メインに据えるモチーフがあって、その他の要素は、なんとなくそのテイストが入っているくらいでいい、というのを理解するのに時間がかかりましたね。やよいでは「ラジカセのモチーフってどういう取り入れ方で?」とピラミッドさんに直接聞いたりしました。

 そういうこともあって、初期はオッケーが出るまで長かったのですが、以降は比較的スムーズでしたね。

――序盤こそ苦労されたようですが、わかれば早かったと。

柳瀬:ただ、夜露(比良坂 夜露)など、キャラ部分を島田さんにお願いしたものもあります。当時はそこについてせめぎ合いがありましたが、最終的にはよかったと思っています。

島田:外部に発注する際のフローを確立できていなかったなど、ピラミッドさん側で慣れていないところもあったと思います。

 柳瀬さんの話にもありましたが、発注書にあるすべての要素を拾うのは難しいんですね……いままで10年以上、デザインを手掛けてきた経験からすると、仕様をすべて入れてもカッコよくなるとは思えない。でも、書いてあることを反映しないわけにもいかない。

 それがあって、要素を捨てていいのかを判断するのは悩みました。「発注書にあることを守ったうえで、カッコよくできないと負けだな!」とか考えてしまうんですよ。

柳瀬:まさにそこですね。仕様に沿って作ることをやってきていたので、捨てることができなかった。これまでの経験があったからこそ、弊害になってしまった……。

海老川:僕はモチーフが多いと逆にやりやすいタイプですね。リンちゃんはイノシシとくノ一だったのですが、くノ一テイストに和風の要素を入れています。くノ一モチーフも言われると「ああ、そうかもな」という程度ですが。

柳瀬:“言われるとわかる程度のライン”を把握するのに苦労しました。

デザインしやすいモチーフがあれば、しにくいモチーフもある

――オーダーに対して、デザインに組み込む際、どのような過程があるのですか?

島田:……言語化しにくいですね(苦笑)。意識としては、「ちゃんとしたものを描く」くらいしかないんです。ラフを描いて、眺めて、できているのか、足りないならば足すという感じですね。

海老川:大きな塊を削りつつ、形を整えていく作業に似ていると思います。なんとなくイメージを思い浮かべながらグリグリと……。

島田:むしろルーチンがしっかりあるのであれば、教えてほしいですね。

(一同笑)

島田:最終的に形になっているのですが、その過程で試行錯誤はあります。スムーズに決まるキャラがある一方で、苦労するキャラもいる。ルールが確立できているならば、すべてのキャラが一発でOKをもらえるわけですからね。

海老川:モチーフでも形にしやすいものと、しにくいものがあります。例えば鳥であれば、羽や爪、くちばしがあると、カッコいい形にしやすいのです。

柳瀬:個人的には、海老川さんはシタラで悩んでいた記憶が強いですね。あれは“象”が難しかった?

海老川:像よりもインドというモチーフをSFテイストに落とし込むのが難しかったですね。

島田:それで踊り子のような半透明のレースの衣装にしたら、あとから「技術的に半透明は無理です」と言われました。

(一同笑)

海老川:半透明パーツはやってみたかったですが技術的には厳しかったみたいですね。

島田:逆に、もし半透明ができていたら、プラモとか立体化するのが大変だったかもね。

柳瀬:あ~~、確かに(笑)。

海老川:プラモといえば、ちょっと前に上京してきた時、スタジオで綾香ちゃんのパッケージ書いていましたね。

島田:シールドのデザインが大変で「こんなことになるなら、もっと簡単にしておけば……」と思いました。

(一同笑)

海老川:自分でデザインしたのに(笑)。このようなシールドのデザインはゲームの仕様上再現できないものだったようですが、ピラミッドさんが裏技でなんとかしたようです。

島田:開発の最初期では余裕があったので、そういった試行錯誤をする時間が、デザイナーと開発双方にありました。

 今はそういうことをやるのは、現場に負担かけるので難しいですね。かなり前にデザインを納品していても、モデル製作は実装に近い時期になってしまうようなので。

 「すぐに返信ほしいです」と3Dモデルのチェックが回ってきて、「あんなにデザインしてから時間あったのに」ってつい愚痴を言っちゃうんです(笑)。

柳瀬:油断すると2年前に渡しているものが出てくるとかありますからね。

海老川:それどころか、3年前のデザインがまだ実装されてなかったりもしますからね(笑)。

島田:初期に発注があって、提出しているのは(楓の)お姉ちゃんとかそうですね。楓、愛花、ゆみの初期実装組デザインした直後くらいだったかな?

――綾香は初期発注の後にどうしても島田さんにお願いしたいと、少し後から発注したとピラミッドさんから聞いています。

島田:初期発注だと最後にデザインしたのが綾香ですね。

海老川:お正月に作業していましたよね。

――初期発注のキャラやギアがまだ控えていると聞けば、逆に楽しみもありますね。初期から徐々に、発注の内容も変わっていったのでしょうか?

島田:今は発注する側も、される側も互いをわかっていて「これくらいはいけるよね、これは無理だよね」というベースが構築されたので、わりとこちらにお任せの、ふわっとした最低限のものになってます

 発注から納品まであまり余裕がないことが増えているので、そういったデザイン前段階の部分ではスムーズに進めざるを得ないというか。

海老川:そうですね(笑)。サービスが開始してしまうとスケジュール的にはどうしても厳しい場合が多くなってしまいますからね。

柳瀬:もうすこし早めに発注してくれれば、とは思いますが、今現場に何が必要か、なにが遅れているかの判断も、その時にならないと見えない部分もあるでしょうし、難しいところですね。

海老川:そういう意味では、2019年はピラミッドさん担当だったギアデザインのヘルプで入るケースが多かったですね。

 ピラミッドさんが試行錯誤されたラフのスケッチを見て方向性を確認しつつデザインを引継ぎ、時には1からデザインし直す作業ですね。後は最終段階でのデザインの調整(監修)などです。

――モデラー主体で考えると、カッコいいけど作りやすい把握しやすいだけの形になってしまう。そこがモデラーとデザイナーの違いだとピラミッドさんは考えているようです。

海老川:それはあるかもしれませんね。琴村姉妹のギアも最初上がってきた時かっこいいギアではあったのですが、どこか煮詰め切れていない感じがありました。ピラミッドさんがデザインしたギアのコンセプトを汲み取り、どう修正していけばクオリティを底上げできるかが、監修のポイントだと考えています。

島田:社内のモデラ―さんは現場にいるからこそ、最適化された手順でメカの素体的なとこまでは、さくっと作っちゃうんですが、ここにちょっと手を入れればぐっとよくなるな、というのが多いですね。手間との兼ね合いがあるので見極めが難しいところですが。

柳瀬:実際に3Dを作るモデラーさんのデザインだと、無意識に「作業しやすい、動かしやすい」ものになるのかも。

後から加わる仕様に思わずジェラシー!?

――初期は、他のデザインに赤を入れるのにためらったという話でしたが……。

島田:半年をすぎたあたりから、赤を入れる行為自体が少なくなりました。お互いに考えがわかってきて、慣れてきたわけです。初期は明確に「これはいけません、こうです」と言っていましたけど、最近は「これでも悪くないけど、僕の好みだとこうかな」という案を出すようになりました。

柳瀬:島田さんの赤はこちらが「なるほど」という指示があがってくるので、「好きにもっとやって」という感覚ではありました。

海老川:僕は島田さんが100%正しいものだと思っているので、赤に反抗する気はゼロですね(笑)。

柳瀬:そこは島田さんがチェックしているという信頼関係ですよね。こちらの勉強にもなりますし。

島田:でも、今はほとんどやっていないですよ。聞かれたら答えますけどね。

柳瀬:「あれ? 今回は赤がないじゃん!」って逆に不安になったりもします。あと、ギアは海老川さんに見てもらいたいんですが、さすがに2人ともにアドバイスお願いするのはマズイかなと(苦笑)。

――海老川さんが監修する時はどこを意識されていますか?

海老川:デザインの方向をてらしあわせて、「ここのディテールを入れたほうがよくなる」とか「ここのラインはつけたほうが見た目がいい」とかですね。

 あとはゲームでできる範囲で、調整してもらっています。リリースして数ヶ月ぐらいの余力があったころは、プレイアブル前のデザインを確認して修正を入れたりしました。おこがましい言い方になるのですが、「メカ部分については、見てあげないといけない」という意識が僅かばかりありました。

島田:確かにリリース後しばらくは、かなり見てましたよね。

柳瀬:個人的にはピラミッドさんのだけじゃなくて自分のも、もっと見てほしいですね。発注の指定が難しいとかわからない時は、「ちょっと見て」って思います(笑)。

海老川:いやいや(笑)。 柳瀬さんの武器、少し見たものもありますがなんでしたっけ?

柳瀬:やよい(藤野やよい)の武器と、まだ出ていないキャラの武器は丸々見てもらったのがあります。そのキャラは、ギアも島田さんに見てもらいました。

島田:そういうので一番極端な例がアマ女のコロちゃん(州天頃椎奈)ですね。ベースがピラミッドさんデザインで、ボトムの腿は海老川さん、スネが僕。さらにトップスは海老川さん、武器は僕が担当してます。……可能なら全要素を監修しなきゃ、って理想に燃えていたころですね。

(一同笑)

島田:初期の仕様だと、専用ギアはデュアルと片手剣になってたんですが、「せっかく銃で殴れそうなデザインなんだから、変形武器にして格闘でも活用しないともったいない!」と言っていました。

 専用の仕様やモーションが発生するので現場は大変だったようですが…

柳瀬:中華娘の王 紅花も色々ありましたね。気になったアーマー部分を修正したり。

島田:相談を受けてSP装備や浮いているトップスのパーツの修正は僕がしました。今は全体の作業量も増えてるし、理想に燃えても現場がパンクしちゃうので、監修出しまくるのはあのころがピークでしたね(笑)。

 それで、中盤くらいから「ずっと全力で作っていくのはお互いもたない」となって。我々はデザイナーなので、見た目がよくなるならば時間やお金をかけてほしいのですが、それはどこかで無理が出てくるわけです。この作品の製作体制における落としどころを学びはじめたころです。

――ピラミッドさんも大変だったと聞いてます。それではキャラモデルだけでなく、システムや演出などについてはどうでしょうか?

海老川:最近ではSPの演出案も設定画に描くようになりましたね。最初は特に入れていなかったんですが、描いておけば拾ってもらえるかなーと(笑)。

島田:ゲームシステムにしろ、アクションにしても、演出にしても我々が「やってほしい」と言っても、「できるかわからない」と言われて断られるわけですね。もちろん、簡単に約束できないことはわかってはいるのですが、いざできる状態になった時、まず内部制作のキャラで試すんですね。

 僕らがあれだけ言ってもやってくれなかったのに、内部制作のキャラから豪華な演出やできなかった技術が搭載されていくのはズルいですね。そうせざるを得ないのはわかるんですが、でもズルい!

(一同爆笑)

島田:初期のメインキャラについては手堅く作っていると聞きました。この後、楓ちゃんや夜露ちゃんはパワーアップしていくと思うので、これまでに作ってきた技術をぜひそこで入れてほしいですね。

海老川:汎用ギア用のヘッドアクセサリーも3人でデザインやってたりもします。それらがいつ実装されるのかは、この記事をきっかけに聞いてみたいですね(笑)。

島田:デザインして、モデルもできているのにぜんぜん実装されない物もありますからね。

海老川:自分の担当したキャラがゲームにチラッと出てきた時に、「まだプレイヤーキャラとしては実装されていないから、言っちゃダメかな…」ということもちょいちょいありますね(笑)。

柳瀬:オープニングでシルエットで出ているキャラとかね!

――ピラミッドさんが公開しても大丈夫だと言っているので、ぜひお願いします。

海老川:まだプレイアブルではありませんが鳳加純さんとアンジェリカの2人は、私が担当させていただきました。でもニーナより前にデザインしてるので結構前ですね。

島田:それとお姉ちゃん(吾妻京)を加えた3人ですね。デザインしたのはかなり初期で、スーツ姿を改めて見ると、二周年現在の基準からすると、ちょっとシンプルかなと感じます。でも物語で“東京最強チーム”ってやたら強調されるんですよね(笑)。だから、もうちょっと豪華にしていてもよかったかな……。

海老川:楓さんがデザインの基準になっている時ですからね。……デザイン、今から変えてもいいですか?

(一同笑)

柳瀬:ディティールだけでもバージョンアップしたい気持ちはよくわかります。

――プレイアブル前であればDATAの変更は可能なんでしょうね。

柳瀬:昔では考えられない作りですよ。

島田:お姉ちゃんのギアであれば、OPのシルエットで出てくる時とデザイン少し変わります。あれは後から出てきたキャラとかぶったので、変えたいというのがありました。

 監修しているとはいえ、あれだけ数があり、内部制作のもの、外部デザインのものがあると、線画だと似ていなくても、画面上だと色や形の印象が近くなることがあるんです。こちらが先にデザイン納品していても、実際にゲームに登場するのが後だった場合、「似ている」と言われるのはこっちですからね。

海老川:「島田のデザインがかぶっているじゃん」とか言われそうですからね。

島田:そう! なので可能な限りは修正対応してもらってもらいます。すべてが100点満点とはいきませんが、自分らとしては「平均75点くらいまではあがったかな」って。

――他にデザインについて、何かありますか?

柳瀬:ナデちゃん(仁紀藤 奏)はSPスキルでバイクに乗っているのですが、他タイトルでバイク系メカを装備したキャラを描いていたので、ピラミッドさんでは「バイクが登場すると怒られるのでは?」と気を使ってたそうなんです。

 こちらとしては、「むしろ来い!」って思っていました。

海老川:ナデちゃんのギアも結構ブラッシュアップしましたね。

島田:海老川さんが直したものをピラミッドさんが見て、さらにそこに「こういう意図だと思う」とこちらで加えました。あと、ナデちゃんのランスを書き直したのですが、その後で会長のランスも同じようなデザインになっていて、「気は回してもらったな」と感じました。

キャラの人気が出る理由はどこにあるのか……

――別の人のデザインについて、どう考えていますか?

島田:この3人で言えば、仕事で初めてご一緒した、とかであれば、お互い特別な印象があると思うのですが、これだけずっと一緒にやっていて、なんならズブズブの関係なので、改めて言う事はなくなるんですよね。

(一同笑)

柳瀬:この世界観は、島田さんが楓さんをデザインして、作り上げたものに積み上げられています。ゲームを遊んでキャラが好きということはあっても、デザインに言いたいことがあるなら、完成する前の作業中ですね。

島田:ダメだったらその時に言ってくれよと。

海老川:確かに(笑)。キャラクターとして見た好みとかであれば、ありますけどね。それに、いいと思ってもデザインで互いに「すごいと思います」と言い合うのも変ですからね(笑)

――キャラに関してもお互いにやり取りされるのでしょうか。

島田:こっちのほうがいいと思う…というのはあったりしますが、デザイナーはデザインの外観部分しか決定権ないので、ゲームに登場した時、トータルでどんな反応か?っていうのはコントロールできないですね。もうお出ししたら結果を待つしかない。

 僕らが頑張っているデザインの良し悪しはユーザーの第1印象としては重要ですが、特にキャラが愛されるのかどうかは別の要素も大きいので。

海老川:そこは難しいところですね。

島田:どの仕事でもそうですが、デザインをしている時は全力投球でやっています。ただ、愛されるキャラになるかは、劇中での印象、どのように扱われるのかに寄ります。デザイナーが関与していないストーリーに最も大きく左右されるので、なんとも言えないですね。

柳瀬:ロボットアニメでも、そのメカが劇中で活躍したらプラモが急に売れたりとかありますから。

――一推しのキャラやデザイン等ありますでしょうか。

島田:デザインは互いに納得してやっているので、本心では「これはないな…」と思いながら提出するような状況にはなっていません。自分担当のものであれば、全体的にどれもが好きと言えますし、言い方かえれば、突出した良し悪しのないフラットという感覚です。

 劇中での印象込みでいいなら、最近はサンティ先生にドはまりしています。やっと★4がひけて、エピソードをすべて読んだら「この子、カワイイじゃん!」って。

(一同笑)

海老川:結局そういう話になりますよね。あとはちょっといやらしい話になりますが「このキャラにはお金、かかったからなあ…」って時にも思い入れができますよね(笑)。

柳瀬:それは滅茶苦茶ある! 夜に「出ません!」ってピラミッドさんにメールするくらい、やよいが出なくて。あの瞬間は荒れていました! そういうことがあったので、やよいはやっぱり使いたくなりますね(笑)。

――柳瀬さんはよく連絡されるのですか?

柳瀬:さすがにスカウトで出ないなんて話することは、そうそうないですよ。ただ、スカウトレベルの導入など、キャラが引きやすくなっていったのには、自分含めユーザーさんの要望を検討した結果だそうです。

 ちなみに僕はゆるく遊んでる層なんですが、島田さんと海老川さんは理論派ゲーマーなんですよ。だから打ち合わせしていると思ったら、気が付いたら『アリス・ギア・アイギス』のシステムの話を延々としていることがあります。

――デザインの話ではなく?

柳瀬:違うんです。デザイナーの話ではなく、ゲームシステムとか高難易度をどうやって攻略するのかをひたすらに話しているんです。すごいな~って。

島田:話の中でピラミッドさんから「高難易度をクリアできましたか?」と聞かれたのですが、“高難易度”をどのレベルに寄せるのかが重要じゃないですか。ユーザーさんの中にも、ソロでクリアとか、★3でクリアしている人がいますが、そこを基準にされると困る。

 僕くらいの腕だと、ヒーラーは各属性に1人いれば、なんとかクリアできるくらいですね。どのキャラにも雑魚戦向きやボス戦向きなどの差はあるのですが、腕や知識で埋められる範囲。でも、ヒーラーの有無だけは、高難易度をプレイする際に決定的に違いますね。

海老川:先日やっていた高難易度イベントで属性が重力と冷撃で構成されてるマスがあって、どっちもヒーラー持ってなくてクリアするの大変でしたね(笑)。

柳瀬:もう俺は付いていけない話になってる(笑)

海老川:僕は、カブトガニ(リムルインバス)に関してはプレイヤーの皆さんに謝罪するべきだと思っています(笑)。

(一同爆笑)

島田:トラクタービーム、ダッシュで距離とろうとしても吸われて。どうすればいいんだ~って言ってたら、格闘連打していればかわせると教えてもらって。それは、わからないだろうって最初は思いました。

――これから始める方にオススメのキャラはありますか?

島田:普段のイベントやストーリーなら、見た目が好き・第一印象でいいと思います。レベルさえ上げればどのキャラでも大差ない難易度だと思うので。高難度ミッション含めるなら、「文鳥さん(文島 明日翔)」。プレイスタイル等好みによる差はありますが、それは70点か80点かみたいな感じ。でも文鳥さんは戦力120点。

(一同笑)

島田:とはいえ、本作はキャラゲーでもあるので、「このキャラがあればオッケー」という話だけだと寂しいですよね。マルチで若干使用されてる頻度が低いけど、自分の好きなキャラでいくのは楽しいです。効率だけを考えると違うプレイスタイルになるけど、それだけじゃないだろうと!

――開発にかかわっているだけでなく、プレイしているからこそいろいろな意見がでてくると。

島田:そうですね。いくら自分たちがキャラをデザインしていても、アクションゲームとしておもしろくなかったら、プレイは続けられないですよ。

柳瀬:そこは大きいですね。思い入れがあるうえにおもしろいから話せる。

海老川:ゲーマーとして楽しみつつ、仕事としても参加してます。それがなかったら、もう少しドライになっていたかもしれません。

島田:海老川さんとちょっと前に話をしたんですが、高難易度は苦労するしゲームオーバーになるんですが、我々が10回やったら1回くらいクリアできるくらいになっている。それくらいなのかなっていう印象です。

海老川:エンジョイ勢の自分たちが何とかクリアできているので、コアユーザーさんはそれよりうまくクリアできているだろうなと思っています。

島田:でも久しぶりに、クリアするために練習して頑張るプレイスタイルを楽しんでいますね。★4キャラを引いて育成することも大事なんですが、高難度はキャラ性能だけでは勝てないので、攻撃パターンを覚えたり、敵の編成を考えてこちらも対策をする必要があるのです。
昔はそういう遊びをするのが普通だったんですけど……。

海老川:それこそ昔は「やっと手に入れたゲーム、骨の髄までしゃぶりつくしてやる」って(笑)。

(一同笑)

島田:大人になると、諦めがついてくるんですよ。買った以上はクリアみたいな責任も薄れてきますし。子どものころだと、お年玉で買った貴重なゲーム、クリアできないなんて許されないって感じでした。でも、『アリス・ギア・アイギス』は、一プレイ数分でリトライしやすいので今でも続けられてますね。

海老川:そういう戦略性があるうえで、キャラクターに魅力を感じた方々が、遊んでくださっていると思います。

柳瀬:自分たちで言うのはあれですが、よくできているといろいろなところから感じています。

島田:『アリス・ギア・アイギス』には専用装備のギアがあるので、使う装備はある程度パターンになると思うのですが、どのキャラとキャラを連れていくのか、チーム単位でのカスタマイズがあります。あとはSPをどのタイミングでためるのか……使うタイミングより、ためるタイミングが難しい!

海老川:雑魚戦でどれだけゲージをためられるかがポイントですよね。このように話している内容が、パラメータのことばかりなんです(笑)。

島田:僕らは在宅デスクワークなので、やろうと思えば長時間出来るんですよね。会社員の人みたいに、通勤や休憩時間とかの制限ないので。だから、気になるところが目につきやすいんだろうと思います。

柳瀬:仕事中にプレイしても怒られないですからね。

島田:そう! 「デイリーミッションくらいなら、画面見ないでもスナイパーがいればやれるだろう」とか思って、別件のビデオ会議中にも遊んでました。もちろんwebカメラには映らないように。

(一同笑)

柳瀬:タバコ休憩のタイミングに片手で遊ぶ人の話は聞きました。ちょっとした息抜きですよね。

デザイナーが認めたくない表現とは!?

――本作はイベントが特徴的だと思うのですが、どのようにとらえていますか?

島田:そうですね……いわゆるパロディーの展開はわかりやすく盛り上がります。酒の席で、「あの先生のパロディーをやろう」と与太話をしている時は楽しいんですが、実際の企画が上がってきた時は冷静でないと。

 自分はガンダムネタとかメジャーどころを入れてくるところもあって、最初、シタラちゃん(兼志谷シタラ)のしゃべり方が少し苦手だったんですよ。こっちだってオリジナルのコンテンツなんだから、自分たちが他の人にパロディで使われるくらいでなくてどうするのかと。

柳瀬:やりすぎてよくない話題になることもありますからね。

島田:見ていて危険な時もあるんですよ。これまでギリギリ足を外さないですんでいると思っていますが、パロディについての線引きを、僕は比較的厳しめに設定しているので、先回りであれこれダメ出してます。

――悪ノリになるのか、ちゃんとコントロールできるのか……。ただ、ピラミッドさんとしても、高橋よしひろ先生や、所十三先生にはしっかり企画意図を説明して発注しているとのことで、慎重にやっているそうです。

海老川: 意識としてオリジナル作品を作っていることを念頭においておかないと、ギリギリを攻めたつもりだったが、足を踏み外してしまうことがある。そのようにして間違えてしまった作品をたくさん見てきました。

 そのため、こちらが気づいた時にはピラミッドさんに注意したこともあります。

島田:前にも「これはデッドボール!」ということがありました。

海老川:関与してないことに関しても名前が前面に出てるスタッフのせいになってしまうこともありますからね。

柳瀬:ゲーム業界に詳しい人や、仕事でかかわっている人はそう思わないのですが、普通に楽しんでいる人はデザイナーがやったと思うことはありますからね。

海老川:日向リン<アナザー>でSPアグレッシブパイルを使うと発光したうえに、移動時に残像が付くんですね。その時にはピラミッドさんから「他の作品の表現に似ているから、確認してほしい」と連絡が来ました。

――パロディーでやったように見えるかも、ということでしょうか。

海老川:電話がかかってきて「海老川さんが嫌だと言ったら、変えます」と言われたのですが、一般的な高速移動の表現として残像が付くことはあります。踏み外しているような表現ではないと思ったので、問題ないのではないではないでしょうか、と戻しました。

 結局のところ、表現の境界線というのは人によってそれぞれ違うので難しいところです。

 ピラミッドさんは本当に危ないと感じたら確認してくれるので、そこは助かっています。確認がなくてあれがポンと出てきていたら、驚いたかもしれませんが(笑)。

――確認があったから、心構えもできたわけですね。

海老川:スマートフォンの中で演出を表現するにあたって、制約や制限があり、選択肢はどうしても限られてしまいますからね。最善を模索した結果、なにかのパロディーに見えてしまうのでは、ということもあるわけで、大変だと思います。

島田:パロディーもユーザーさんにしてみれば、ただおもしろかった、受けた、で済むところもあるかもですが、デザインに関しては、「このほうが受けます」だけで武器ドカ盛で派手にしたり、露出度を上げたり、そればっかりになるのは避けたいな、というのはあるんですよね。

 ユーザーはデザイナーの思惑など関係ないので、ユーザー至上主義なら「デザイナーの書きたいものなんてどうでもいい。客の楽しめるものを見せてくれ」という意見はもっともで、そこに乗ったほうがユーザーに対して誠実なのでしょうが……悩みますね。

――そういった中で、デザイナーのこだわりをどう盛り込まれてるのでしょうか。

島田:キャラクターも多数なので、クセがあるものも入れて幅を出していかないと。やっぱり自分担当キャラはかっこよく、主役級で、っていう欲は出るのですが、参加者全員がそうしてるとあっという間にインフレしちゃう。明らかにこのキャラは物語のメインストリームに入るわけではないけど、だからこそギアを通好みのデザインにできるなとか……。

 それに、あまりに受けを計算して狙ったものは、同業者目線では疑問符つけられることもありますしね。デザインするうえでのバランスは重要ですね。

柳瀬:わかるわかる。「あれ? 島田さん、どうしたんですか?」って周りはなりそう。

島田:海老川さんとかも「ああ、島田さんも巨乳になびいたんですね。わかりますよ」とか言ってきそう。そしたら「コイツめ!」ってなるわけです。

(一同笑)

――ピラミッドさんにお聞きしたのですが、東雲チヱは難しい設定のキャラだったので、島田さんにお願いしたそうです。いつも以上にキャラの設定や物語を発注時にお渡ししたそうですが。

島田:複雑な背景を持つキャラなので、結構手探りなところはありましたね。結果的にいい反響をいただけたそうで安心しました。ギアについてもキャラのバックボーンをわかったうえで、いいと感じてもらったとか。

 ただ、時々イベントと新キャラの実装が同時で、しかもメインシナリオにほとんど出ないケースがあるのは気になっています。

 リリアーナイベントでは、突然出てきた新キャラ(チヱ)がとんちきなことをやっているように見えるのですが、キャラのエピソード読んで、御蔵座家との関係性とか知って見ると印象がまったく違う!

海老川:チヱは本当にそうですよね。僕はチヱの★4はまだ引けていないんですが、★3は出たんです。これを読んでからイベントをやったら、全然印象が違うからもったいないなと思いました。

島田:もちろんすべてをコントロールするのは大変だとは思いますが、イベント同時に新キャラの加入というのはキャラをどう受け止めていいのか……ずっと前から顔見せして、性格等ある程度分かっているならともかく、スカウトで引いてストーリーを読むまで、そのキャラの話題に加わりようがないのはちょっと寂しいと個人的に思います。

――いろいろと連動させることもあるため、すべてを合わせるのは大変だとは思うのですが、頑張ってほしいと。

柳瀬:デザインは頑張ってやっているので、愛されるキャラにしてほしいというのは願いですね。

島田:先ほどの話ともかぶるのですが、頑張ってデザインしたキャラが生きるか死ぬか、日の目を浴びるかはシナリオにかかっています。別に僕らの担当キャラを贔屓してほしいと言っているのではないですよ(苦笑)。でも、不憫なキャラがいるのは確か。まだ掘られていないキャラなどは、今後フォローしてほしいと思っていますね。

海老川:桃歌ちゃんも一時期連続でスポットが当たった時期がありましたが、それで「開発陣から贔屓されてる!」って思われちゃうのはかわいそうですしね。でも桃歌ちゃんは不遇な時期もありましたのでバランスは取れてるのかな(笑)。

3年目に入る2020年での展望は?

――運営開始から3年目に入ります。これまでにも少しふれていますが、これから望むことはありますか?

島田:先ほどもありましたが、初期のキャラが多かったので、ゲーム中の演出やデザインで新たにできるようなことをフィードバックすることはそこまでやれていない。具体的にはSPの演出とか、双子ちゃん(琴村姉妹)から実装されたアーマーを途中でパージするとか……それができるならば、自分のキャラにも落とし込みたいという気持ちはあります。

 実は最初からパージはアイデアとしてあったんですが、「技術上実装できない」と言われていたんですね。技術的に無理ならしょうがないと思っていたら、ある日突然実装されていました。そして、できるようになって試すのは内部制作のキャラ。それを見て、我々は「また内部のキャラに新機能を搭載して!!」と憤慨するわけです。

(一同笑)

島田:事情は頭ではわかっているんですが、人間なので黒いモヤモヤが心の中に沸き上がってくるので、それを解消させてほしいです。

海老川:2年目はどちらかと言うとサポートに回ることが多かったので、3年目はまたギアとまとめて新キャラをデザインしてみたいですね。あとは島田さんも言っていましたが、初期キャラにも今一度スポットを当ててほしいですね。

柳瀬:同じになってしまうのですが、せっかくならばキャラとギアをセットで作りたいですね。

 あと、海老川さんはボスを数体やられていますが、俺は敵をまだ作れていないんですよ。ゲームの仕事は操作する自キャラは後ろ姿が多いのですが、敵は正面から見られる。さらにボスであれば演出にもこだわれて楽しいので、可能ならばやりたいです。

海老川:ネタバレになるので詳しくは言えないのですが、実は敵側でまだでていない重要なボスもデザインしています。島田さんも出ていないキャラ、いますよね。

島田:かなり重要な役どころなんですかね。まだ顔見せもしてない。

 そうそう、要望としては、小さい隊長をアクセサリーとしてつけて一緒に出撃できるようにしてほしいですね。

海老川:あれをアクセサリーにすると、更衣室でダブるので避けたいとピラミッドさんが言ってましたね。あ、でもここで書かれたら、「島田さんの要望だから検討されるのかな」とか勘繰られるかもですね(笑)。

島田:ぶっちゃけると、僕がTwitterに本作について書くのはプレッシャーとして出している狙いもありますよ。

(一同笑)

柳瀬:「デザイナー本人がこんなことを言っているぞ」という圧になりますからね。

島田:圧といえば、「大型ヴァイスのセルケトに速攻でやられた」と初期につぶやいていたのですが、現在では当時よりかなり弱くなっています。昔は回転攻撃で一撃死でしたからね。ボスの無敵時間も今みたいに発光で強調されてなかったし、大変でしたよ。

――島田さんの意見なども参考にセルケトは色々調整をされたとのことですね。

海老川:地味に長い無敵時間で、必殺技を無効化されると悲しいですね。あとアクションやシューティングゲームが苦手なプレイヤーでも平等に楽しめるモードがあるといいですよね。

島田:難しいですよね。自分は高難度に挑んでいる時期は歯応えある難易度で楽しめるのですが、そこはきつい人もいるでしょうし、一方でソロクリアをしている人もいる。どこに向けて作るのかは、悩ましいです。

――他にゲーム機能などの要望はありますか?

島田:更衣室をもっと充実させて、使いやすく楽しくしてほしいですね。背景を変えられるようにしたりとか……。

海老川:スクリーンショットの話になると、話が長くなりますよ!

(一同笑)

島田:海老川さん、こだわったスクショを撮りますからね。デザイナーだからなのか、アングルとかの絵作りがうまいのかも。あと、スクショを撮る時は、戦闘中のカメラ設定を「遠」にしててもカメラを寄れるようにしてほしいですね。

海老川:可能ならフレンドで同伴する衣装がセッティング出来たり、背景も自由に選択できると嬉しいですね。あとSP使用時に一時停止できるようにしてほしいとか…

――横にいるピラミッドさんが冷や汗をかいているので、要望はここらへんにしましょうか。最後に読者、ファンにメッセージをいただければと思います。

島田:ここまでご覧になられてわかるように、なんだかんだ言っていますがプレイヤーとして楽しみつつかかわっています。商品などの展開が出るのは個人的にも楽しみなので、このコンテンツが続くようにぜひ応援してください。

海老川:ほとんど同じことになるのですが、ゲームはスタッフが頑張って作っています。3周年に向けていろいろと展開していくと思いますので、一緒にアリスギアを楽しみましょう。よろしくお願いいたします。

柳瀬:本当にありがたいことに、ゲームだけでなく、立体物やグッズなど周辺も賑やかになってきています。3周年に向けて、おもしろい仕掛けを用意してくれていると感じています。ゲームは少しやるだけでも楽しいです。周りを含めて、まるっとコンテンツを楽しんでほしいです。

――今日はありがとうございました。

※星はレアリティを表します。
※詳細はゲーム内お知らせをご確認ください。
※対応スマートデバイスの購入および通信料は自身での負担となります。
※アイテム課金制です。一部キャラクターは有料のランダム型アイテム提供方式により提供されます。
※20歳未満の人がアイテムを購入する際は、保護者から同意をもらうか、一緒に購入するようにしてください。
(C)Pyramid,Inc. / COLOPL,Inc.

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