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腐れ縁の馴れ初め!!【O村の漫画野郎#14】

奥村勝彦
公開日時

 秋田書店の漫画編集者を経て、元『コミックビーム』編集総長もつとめた“O村”こと奥村勝彦さんが漫画界の歴史&激動の編集者人生を独自の視点で振り返る!

腐れ縁の馴れ初め!!

 あー。スタッフも決定し、半年間の準備期間となった新雑誌創刊。もし俺が青年誌に移籍したなら、速攻で会いに行こうと思っていた作家が2人いた。そのうち1人は次週紹介することにして、もう1人はご存知、桜玉吉(アミーゴ)である!!


 当時、ファミコン通信誌上で、やりてえ放題やりまくってて、なんか自由なやっちゃなあ、と思ってたのね。んでツテをたどって連絡先を調べ、早速、調布の喫茶店で初対面と相成った。


「あ、どうも秋田書店の奥村です」
「桜玉吉です………あの……元ヤンキー?」
「なんで?」
「だってマユ毛ないもん」


 初対面でコレである。俺が本当に元ヤンキーだったら、襟首掴んで引き摺り回して当然だったんだが、残念ながら俺は元ヤンキーではなかったんで、単にムカついた。

 しかも俺には中学生の頃、自分のマユ毛が薄いのを気にして、マユに毛生え薬を塗ったが全く効果が無かった過去がある。当然、真剣に腹が立った。

 なので、コイツとは末永く原稿を取りまくってやろうと決意した。だけども、そっから月に2度ほど通い始めたけど、結局、連載開始まで1年かかった。


 理由はおそらく、その当時、彼は元々イラストレーターで、なりゆきで四コマを描き始め、そっからさらになりゆきで漫画を連載したような形だったんで、本人に漫画家としての自覚も無かったし、正直、漫画専門雑誌&編集者が怖かったんじゃねえかな。たぶん。

 まあ、マユ毛のねえ編集者なので、余計に怖かったちゅうのもあるかもしれんが。


 彼の漫画専門雑誌(雑誌名は『GRANDチャンピオン』)初連載作品は、『ブロイラーおやじ FX』!! ひたすら下ネタ満載のギャグ漫画である。

 ファミ通の週刊連載と並行だったので、新雑誌が隔週だったから、毎回締め切りは大変だった。今も大変だけどな。

 ずっと、桜上水の仕事場でカンヅメ状態だったからなあ。ファミ通はたったの2ページだったけど、コマがやたら多くて4色ページなんで、手間もかかったし。

 なんで下ネタばっかりだったかというと……担当者に合わせたかららしい。やっぱり。


 それから、もう1人のイの一番の人は……待て!! 次回!!

(次回は9月7日掲載予定です)

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イラスト/桜玉吉

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