想いを紡ぎ、繋げ、奏でて10年! 電子の歌姫・初音ミク主演のリズムACTゲーム『Project DIVA』【周年連載】

ライターM
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 あの名作の発売日から5年、10年、20年……。そんな名作への感謝の気持ちを込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中。

 第96回でお祝いするのは、セガゲームスが贈る大人気リズムアクションゲーム『初音ミク -Project DIVA-』シリーズです。

初音ミクとは?

 キャラクター・ボーカル・シリーズ01『初音ミク』は、2007年8月にクリプトン・フューチャー・メディアから発売された歌声合成ソフトであり、その歌声をイメージキャラクターです。

 譜面に歌詞を打ち込むだけで、愛らしいキャラクターが自分だけの歌を歌ってくれるというもの珍しさもあって、動画投稿サイト・ニコニコ動画との相乗効果で瞬く間に人気コンテンツとして定着しました。CGMコンテンツ(一般ユーザー参加型の創作活動)を支えるソフトや、イラストレーター・KEIさんがデザインを手掛けたキャラクターも人気を集めました。

 バーチャルシンガーの確固たる地位を確立した、もっとも知名度の高いキャラクターと言えるでしょう。

 ちなみに本ソフトを使って楽曲制作するクリエイターは“ボカロP(プロデューサー)”と呼ばれて親しまれ、現在ではプロのミュージシャンとして活躍されている方々もいます。

みっくみくにされ続けて10周年

 さてここからは、『初音ミク -Project DIVA-』シリーズについて語っていきます。

 知っている人も多いと思いますが、基本的な作品概要に触れておきましょう。本作は初音ミクが主演のリズムアクションゲームで、動画投稿サイトでもおなじみのクリエイターが創作した人気楽曲が多数収録されています。

 システムはシンプルで、画面外から流れてくるメロディアイコンがターゲットアイコンに重なる瞬間、タイミングよくボタン入力することで歌を奏でるというもの。

 最大の特徴はミュージックビデオのようなPV演出で、その内容はコミカルなものからシリアスなものまで楽曲に合わせて幅広く、キレのあるダンスやミクさんの魅力を引き出す多彩なモジュール(衣装)も大きな見どころとなっています。

 制作にあたってはクリプトン・フューチャー・メディアが運営するCGM型コンテンツ投稿サイト“piapro”とのコラボにより、CGMクリエイターがデザインしたモジュールも多数収録されました。

2009年7月2日 PSP『初音ミク -Project DIVA-』

 記念すべきシリーズ第1弾。細かなリニューアルはあるものの、基本システムが最新作まで踏襲されているあたり、完成度の高さがうかがえます。モジュールの変更や部屋のカスタマイズといった要素も本作から登場。

 筆者の場合、夢中で遊びすぎてPSP本体のボタンをめり込ませたり、背面のロックが外れてUMDディスクを吹き飛ばしてしまったりした思い出が……。

2010年7月29日 PSP『初音ミク -Project DIVA- 2nd』

 シリーズ第2弾では、長押しや同時押しといったゲームシステムの新要素が登場。収録曲としては、当時人気を博した名曲が網羅され、ミクさん以外のキャラクターが歌う楽曲も収録されました。

 少し余談になるのですが、この年の6月にはアーケード版『初音ミク Project DIVA Arcade』が稼働を開始します。

 また、『初音ミク -Project DIVA-』をより高画質で楽しめるPS3『初音ミク -Project DIVA- ドリーミーシアター』が発売。翌年の2011年8月4日には『初音ミク -Project DIVA- 2nd』に対応した『初音ミク -Project DIVA- ドリーミーシアター 2nd』も発売されています。当時流行していた家庭用テレビの3D立体視にも対応して話題となりました。

2011年11月10日 PSP『初音ミク -Project DIVA- extend』

 PSPのシリーズとしては最後となるタイトルで、モジュールの選択やデュエット設定など、操作周りで細かな調整を施した集大成的な内容となっています。


 とりわけ注目を集めたのが自由度の高い、むしろ高すぎるエディットモードで、譜面はもちろん背景やカメラアングル、モーションに表情など細部まで徹底的に作り込める内容となっていました。

 翌年の9月13日には『初音ミク -Project DIVA- ドリーミーシアター extend』が発売。鑑賞モードでは“初音ミクコンサート 最後のミクの日感謝祭 ファイナル”のステージを疑似体験できるなど、ファンにはたまらないサプライズも用意されていました。

2012年8月30日 PS Vita『初音ミク -Project DIVA- f』

 ハードの進化に伴って、待望の高画質仕様となったPS Vita専用ソフト。モデリングはすべてリニューアルされて、光源処理やスモークなど新たな表現手法が採用されました。3人同時出演も可能となって、ステージがより華やかなものに!


 ゲーム部分では画面スクラッチに対応した“★ターゲット”が追加された他、従来の“チャンスタイム”には入力結果で分岐するPV演出も追加されました。

 余談ですが、本作は横浜で開催されたイベント“夏の終わりの39祭り”でも大きく取り上げられ、後に通称“ミクナノー”さんとして親しまれることとなる着ぐるみさんも初お披露目されました。

2013年3月7日 PS3『初音ミク -Project DIVA- F』

 先行発売されていた『初音ミク -Project DIVA- f』のPS3版で、画質はフルHD対応に。基本的なゲーム性は同じで、セーブデータに互換性があるものの、“スクラッチ”などPS Vita特有の操作がアナログスティックを使った“フリップ”に変更されています。


 新たに6曲が追加され、カスタマイズ用アイテムとしてまさかの“ミクダヨー”さんが降臨! 愛らしさを一蹴してすべてを虚無に飲み込む謎の迫力は、あらゆる楽曲に畏怖と笑いをもたらしました。

2014年3月27日 PS3/PS Vita『初音ミク -Project DIVA- F 2nd』

 前作に磨きをかけたタイトルで、PS VitaとPS3の2機種同時発売となりました。ゲームの難易度を左右するヘルプアイテムやチャレンジアイテムが充実して、初心者にもやり込み派にも対応しています。

 新たな操作として“リンクフリップ”と“ダブルフリップ”(PS Vita版ではフリップではなくスクラッチ)が登場。線で結ばれた★ターゲットをノーミスでフリップしたり、2カ所同時にフリップしたりすることでボーナスがもらえました。


▲画像はPS Vita版。

▲画像はPS3版。

2016年3月24日 PS Vita『初音ミク -Project DIVA- X』

 本作ではシリーズ初となるストーリー仕立てのクエスト要素が登場。失われた歌の力を取り戻すため、ミクさんとともに5つのエリアを巡ってさまざまな課題にチャレンジすることになります。


 リズムゲームの新要素としては、チャンスタイム中の演奏を成功させることでモジュールが変化する“変身演出”や、コンサートライブのようにセットリストを連続で演奏する“メドレー楽曲”が話題となりました。

2016年6月23日 PS4『初音ミク Project DIVA Future Tone』

  • ▲画像はパッケージ版『Future Tone DX』のもの。

 全国の『初音ミク Project DIVA Arcade』プレイヤーを震撼させた、一切の誇張抜きで究極といえる一本です。

 アーケードからの移植自体は珍しいことではないのですが、PS4に最適化した結果、オリジナル版のクオリティを大幅に超えてしまったという、あまり例を見ない作品となっています。

 そもそも2010年にリリースされたアーケード版が今をもって現役稼働していること自体、奇跡的ではありますが、その魅力を丸ごと家庭用に持ってくるあたり、開発陣のミクさんへの愛や、セガというゲーム会社の本気と狂気を感じずにはいられません。


 さらに、2017年11月22日には新曲や新モジュールを加えたパッケージ版『Future Tone DX』がリリースされました。

2016年8月25日発売 PS4『初音ミク -Project DIVA- X HD』

 『初音ミク -Project DIVA- X』のPS4版です。収録内容はほとんど同じですが、PS4版ならではの要素としてライブエディットモードのライブ鑑賞がPlayStation VRに対応しています。


 グラフィック面や解像度はいうまでもなくPS4版が高く、『初音ミク -Project DIVA- X』ならではの要素を高画質で楽しみたい人にうれしい作品です。

2020年初頭 Nintendo Switch『初音ミク Project DIVA MEGA39’s』

 そして、『初音ミク -Project DIVA-』10周年記念日に最新作『初音ミク Project DIVA MEGA39’s』が発表されました。

 『初音ミク Project DIVA MEGA39’s』では、シリーズ初収録となる楽曲を含む、書き下ろしテーマソングを加えた全101曲がプレイ可能。Nintendo Switchならではの新ゲームモードが追加予定とのこと。

 PVがアニメ調のタッチにリニューアルされているのも特徴です。

 任天堂のハードで展開していた『Project mirai』や、VRの魅力を余すことなく伝えた『初音ミク VRフューチャーライブ』など、『Project DIVA』シリーズ以外の派生作品についても触れたいところですが、今回はここまでにしておきましょう。

 原稿を書くにあたって、筆者が『初音ミク Project DIVA Future Tone』を遊びすぎて疲れたとか、締め切りまでの時間がなくなったとかそういう理由ではありませんので悪しからず……。

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