田中公平さんと日髙のり子さんの記念対談その4。50周年を目指して活動していきます

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 作曲家・田中公平さんと、声優・日髙のり子さんのスペシャル対談をお届けします。

 今なお高い人気を誇るOVA『トップをねらえ!』や名作ゲーム『サクラ大戦』など数多くの楽曲を手がけてきた作曲家・田中公平さんと、『タッチ』や『らんま1/2』といった名作アニメでおなじみの声優・日髙のり子さん。

 ともに活動40周年を記念した企画として、対談を実施。その模様をお届けします。エンタメのみならず、各方面の第一線で活躍を続けられているレジェンド級のお2人によるトークは、ファンならずとも必見の内容となっています。

 インタビューは4日連続で公開されるのでお見逃しなく。

記念対談まとめ

50周年を目指して活動していきます!

――お2人の活動40周年ということで、ご一緒に何かをやるご予定などは?

田中:一緒にやろうとしたんですよ。

日髙:公平さんのコンサートにゲストで出演するお話があって、進んでいたんですけど中止になってしまいました。お祝いしたいと思うタイミングも一緒なので、一緒にやっていきたいと思っています。

田中:いつも言っているんですよ、「何かあったら何でも手伝うから」って。日髙さんが私を必要とするならいつでもどうぞって。

日髙:それなのに、必要とする時はいつも曲じゃなくてトークという(笑)。

田中:仕方ないじゃないですか、作曲よりもトークが得意なんですから。

日髙:何を言っているんですか(笑)。

 だけど、公平さんと周年が一緒だというのもすごいご縁だと思います。『トップをねらえ!』の時にも周年が一緒だなんてまったく知らなくて、ただ気さくですごく気の合う作曲家さんという印象でした。

 たぶん私が活動30周年ということを言い始めた時に、公平さんも30周年で「あれ、もしかして?」となりました。

田中:「私もそうなのよ」って言うから、「ああ、そうなの!?」って。

日髙:でもね、いよいよ来年は30周年というタイミングでなぜか活動30周年コンサートにゲストで呼んでいただいたんです。「ん? おかしいぞ?」と。数え間違えてないですかと聞きました。

田中:そう指摘されて数えたら「本当だ……」って。

(一同笑)

日髙:「私は来年で30周年ですけど、同期ですよね?」って言ったら「えっ!?」って。でももうコンサートは始めていたので、翌年に真の30周年のコンサートをやって、そちらにも呼んでいただいたんですけどね。

 フライングで30周年をやったというのは私にとってはすごくネタでおかしかったです。だって完璧でいつも注意されてばかりなのに、初めて私が上から言えたんですよ。「今年でよろしいんですか?」って。

田中:わははははは(笑)。

日髙:「来年ですけど、私?」って(笑)。アレは最高に気持ちよかった。

田中:でも、ソレをネタにして私が「すみません、29周年でした」と言った時にみんなが崩れ落ちて、最高におもしろかったですね。

日髙:まさか真の30周年をやると思わなかったので、転んでもただでは起きないタイプだという感じはしますよね(笑)。

――何周年で何かをやるとしたら、お互い同じタイミングなわけですからね。

日髙:そうなんですよ。だから、「次の周年は何をやろうか」って企画していくのも楽しいし、また『サクラ大戦』とは違う作品でご一緒できる機会があったらそれが中心になるかも知れない。

田中:活動歴40周年の人っていっぱいいると思うんですよ。でも、その人が今ではあまり活動していないと、釣り合いが取れない。

 一緒に周年活動をやると言った場合、ちゃんと残っている人じゃないといけないので、日髙さんが活躍してくれたら同じくらい活躍しないと釣り合い取れないので頑張ろうといつも思っています。

日髙:本当にそれはありますよね。ジャンルは全然違うんですけど公平さんがいいお仕事をされていると「ああ、またいいお仕事をされている。私も頑張らなきゃ」みたいな気持ちにはなりますよね。

田中:2人で舞台に立って違和感がないというのは一番いいことですよね。この業界は浮き沈みがあるから、なかなかそういう人はいないんですよ。

――この場を借りて伝えておきたいことなどはありますか?

田中:まずは2人とも、50周年目指して頑張ります。50周年では必ず何かやりますので、その時まで売れ続けていることを目標に生きていきます。

日髙:本当に頑張らなくちゃ。だって同期とはいえ公平さんの方が年上ですから、私が先にやめるわけには行かない(笑)。

田中:66歳だから。「66歳ってどういうことよ?」って思うけど、あまり変わっていないんだけどね。老化のスピードが遅いんですよ。若いころは年上に見られたんですけど、歳を取っていくと逆転して若く見られるんです。

 水木一郎さんがおっしゃっていたんですけど、アニメの世界にいるとみんな若いんですね。

日髙:声優は分かるんですよ。声だけが若くても気持ちが若くないと、はしゃいだりすることができなくて声に違和感が出てしまうので、子どもの部分を持ちながらやっていらっしゃる方がすごく多いという印象。

 でも、作曲となるとちょっと違うのかな。連ドラの『エール』とか見ていてもね、主人公の裕一さんはどんどん大人になって、どんどん眉間に皺が寄っていってどんどん難しいことを言い始める。だから、公平さんのずっとお気楽な感じがすごいなと思っています。

田中:それはそういうものなんですよ。深く考えなくていい曲が書ければいいんです。いや、深く考えているんだよ? でも、いい曲ができればいいんです。

 やっぱり明るく正しく美しく、そして綺麗に生きていけば絶対大丈夫。アニメ業界は表現として必要なドロドロしたものもあるんですが、そういったものも綺麗に丁寧に、描くと皆さんが思っているセンシティブなものができあがると私はずっと思っています。

日髙:ここまでマジメな話をしていて今さら突っ込むのはおかしいですけど、「ボク、作曲よりトークが得意」という作曲家ってどうです?(爆笑) そうそういないでしょ?

田中:みんな、それしか褒めないんだもん。

日髙:曲はよくて当たり前になっちゃっているからですよ。

田中:ピアノ弾いて、歌歌って、指揮して……ライブコンサートが終わった後に来る人はみんな「いやぁ、トークおもしろかったです」って。お前ら、みんな褒めるところが間違っている(笑)。

日髙:やっぱりサービス精神なんでしょうね。真剣に歌っている時はお客様の顔が見えていないから、皆さんがその空気を味わって、すごく酔っているのに、そこでトークに入るとちょっといい空気が台なしになるの(笑)。

田中:ファンの子に言われたの。「公平さん、今の涙返して!」って(笑)。

日髙:そうなの。なんとなくみんながニコニコしてくれるのがうれしいなって思うみたいで。そうやってバランスを取っているのかなと。

田中:すごい感動させておいてずっこけたことを言う。大阪人だからいつでもウケを狙ってるの。日髙さんのしゃべるスキに何か突っ込むところはないかなって。

――最後に告知などありましたらお願いします。

田中:確か40周年の記念ソングが出たんだよね?

日髙:そうですそうです、『白猫プロジェクト』のキャラクターソングや『スターオーシャン:アナムネシス』の主題歌を担当している、SHADOW OF LAFFANDORの矢内景子さんに書いていただきました。

 矢内さんとの出会いは約2年前で、山寺宏一さんと関俊彦さんと組んだユニット“バナナフリッターズ”に『たべごろ!スーパーモンキーボール』のテーマソングとなった『恋するバナナーナ』という楽曲を提供いただいたことがきっかけです。

 現場で作品ひとつひとつを大切にしつつ、熱を込めて向き合う姿勢から、楽曲制作のご依頼をさせていただいた流れとなります。そこから何時間もお話をさせていただきながら、40年間のありのままを楽曲に詰め込んでいただきました。

田中:あ~、なるほど。

日髙:最近不思議なことに、また若い役が来るようになっているんです。ゲームのお仕事でも15歳って書いてあって「え? ……15歳!?」って驚くんです。

 ちょっと前だったら15歳らしくしゃべらなければと思っていたんですよ。だけれども、私の声を十分に分かっていらっしゃって、それで15歳を要望されているのであれば、15歳なりの青い感じの感情の持って行き方を出せばいいということが、最近わかりました。

 大人っぽい部分を出せたり出せなかったりではあるんですけど……今回はシンガーとしての等身大の自分を歌いたいと思って、『ドラマ』を矢内さんに書き下ろしていただきました。それは、自分の中で40周年一番のチャレンジですね。

田中:配信ライブも前にしたけど、どこかで歌うの?

日髙:40周年を12月に迎えたので、ここをスタートとして2021年1年間をアニバーサリーイヤーとしてやっていこうと思います。できることなら生で聞いていただく機会を持てたらいいなと思っています。公平さんは何かありますか?

田中:あと10年は頑張ります。

日髙:本当に一言!? じゃあ私が公平さんを代弁して……「作曲家の方が皆さん、パソコンなどを使って譜面を書いている方が多い中、ボクは90になっても100になっても手書きで書き続ける。その勢いでこの10年を走っていきたいと思います」と。

田中:それを僕が言ったことにして、まとめておいてください(笑)。

日髙のり子さん最新情報

『デビュー40周年記念ライブ Dramatic Night』(12月1日に無料配信)

 日髙のり子YouTubeチャンネルにて、期間限定でアーカイブ配信中。

『40周年記念アルバム「Noriko Hidaka All Time Best~40 Dramatic Songs~」』
■発売日:2020年12月2日
■定価:3,800円(税別)
■品番:PCCG01953
■発売:ポニーキャニオン

デビュー40周年記念楽曲『ドラマ』配信中

 配信サイト一覧

2021年2月11日 ストリーミングライブ開催予定

 その他の詳細情報は、日髙のり子OFFICIAL WEBSITE(norikohidaka.com)で確認のこと。

(C)SEGA

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