若きギャングスターが活躍する王道ストーリーが“富を極めし者”の魅力(ネタバレ控えめ)【オクトラ大陸の覇者シナリオ秘話インタビュー3】
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- タダツグ
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スクウェア・エニックスのiOS/Android用RPG『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー) 大陸の覇者』の開発者インタビューをお届けします。
本作が2月4日に配信100日を迎えたことを記念し、開発ディレクターの鈴木裕人氏とメインシナリオを担当された普津澤画乃新(ふつざわ かくのしん)氏へのインタビューを、複数回に渡ってお届けします。
※ストーリーのネタバレが含まれますので、ご注意ください。
若きギャングスターたちが活躍する王道ストーリーが“富を極めし者”の魅力
――それではここからは、物語的にはすでにすべて実装済みであるメインストーリーの“富を極めし者”、“権力を極めし者”、“名声を極めし者”、そして“全てを極めし者”について、描きたかったテーマや注力した部分などを教えてもらいたいと思います。普津澤さん、お願いできますか?
普津澤:はい。まずは全体的なところからになるんですけど、本作のメインストーリーは悪役を中心に据えて展開していく物語にしようということが、企画の段階ですでに決まっていました。
ですので僕も“いい悪役”を描けるように考えました。
――いい悪役……読み手の印象に残る個性的な悪役という意味でしょうか。たしかに、どいつもこいつも個性的でしたね(笑)。悪役にもしっかりスポットが当たっているからこそかもしれません。
普津澤:“富を極めし者”でいえば、ヘルミニアというお金に固執した人物を主軸に置き、それに立ち向かうギャングスターたちの戦いを描くという王道的な物語を意識しています。
『ジョジョの奇妙な冒険』の第5部っぽいとご指摘を受けることも多いのですが、実際のところ、ものすごくリスペクトさせてもらっています。若い頃に読んで、影響を受けましたので。
――わかります、僕も大好きなもので(笑)。
普津澤:ただ、あえてこれを機に読み返すといったことはしませんでした。
昔読んだときの感動を自分のなかで咀嚼して、自分なりの形で表現したつもりなんですけど、思ったよりまんまだったんでしょうか(笑)。好意的に受け止めてくださった方も多いようでホッとしましたが。
――ヴァローレから感じられる、不思議なイタリアっぽさも納得です。
普津澤:“富”はマフィアものでいくと決めてからは、映画『ゴッドファーザー』の影響なのか、自分のなかに“マフィアといえばイタリア”というイメージもあり、ああなりました。
下品なセリフの回しは『レザボア・ドッグス』などのクエンティン・タランティーノの映画の影響も大きいですね。
ああいう下ネタを交えつつも延々とダベる感じが大好きなので、これを機に挑戦してみました。
――ピエロ・デッラによくチキン呼ばわりされているんですけど、そのあたりにルーツがあるわけですか。“富を極めし者”のシナリオで興味を抱いた方には『ジョジョ』第5部と『レザボア・ドッグス』も刺さるかもしれませんね。ちなみに、バルジェロたちも色々な悪事に手を染めているんでしょうか?
普津澤:彼らの根底にあるのは“ヴァローレをマシな町にしたい”という思いなので、ギャングではあるものの、本当の意味で人の道から外れる悪事に手を染めたりはしていないと思います。
ただ、かといっていわゆる“善人”や“お人よし”ではないため、生きるために盗みとかしたことはあるでしょうけど。
――のし上がるためであっても、人間としての筋は通すといった解釈ですかね。自分の思い描いていたバルジェロファミリーにぴたり符号します。それだけに、この先“富を授けし者”編で彼らがどんどん汚れていったりしたら、本当にショック過ぎるので勘弁してほしいです(笑)。
普津澤:どうですかね(笑)。僕もバルジェロファミリーは大好きなので、ここからの“富を授けし者”編の展開をお見逃しなく、ということで。
●動画:『オクトパストラベラー 大陸の覇者』 メインストーリー予告PV④「富を授けし者」(ネタバレあり)
――大丈夫だって確約してほしかったー! これからの展開が楽しみです(笑)。では“富を極めし者”編でお気に入りのシーンはありますか?
普津澤:なにげないシーンなんですけど、3章の冒頭でバルジェロ一味が一緒にダラダラ飯を食っているシーンですね。
――あそこからクライマックスまでが怒涛ですよね。ティツィアーノが印象的なセリフを口にしたりして、いい緩急になっていたと思います。
普津澤:昔はカビたパンとか食ってたろうな、と想像しながら書きました(笑)。
下ネタを言い合いながらも胸に決死の覚悟を秘めていたりとか、ギャングたちの生き生きとした青き日々をが少し見えたシーンかなと。
――なるほど。では鈴木さんはいかがでしょう?
鈴木D:僕はなにげないシーンというか、細かなところなんですけど。1章の後半でピエロ・デッラが犬の鳴き声を真似するシーンが印象に残っています。
――本当に細かいですね(笑)。でも、覚えています!
鈴木D:あれは開発スタッフが、わざわざ特殊なイベントコマンドの使い方をしてまで演出を実現してくれたんですよ。
スタッフの愛着と心意気が感じられたことで、自分にとっても特別なシーンになりました。
――素敵ですね! ちなみに自分は、ピエロ・デッラがさまざまなパターンでプレイヤーをチキン呼ばわりしてくるところから、普津澤さんのこだわりが感じられてすごく好きです。選択肢が出るたびにシナリオが進まないほうを選んで、何度ピエロ・デッラにチキン呼ばわりされたことか。ホントに最高ですよ、あのくだり(笑)。
普津澤:ありがとうございます(笑)。ピエロのチキンネタが尽きるかどうかも、お見逃しなく。
鈴木D:ああいった掛け合いの端々から、バルジェロたちの友情というか深い関係性が感じられていいんですよね。まさに青春ギャングです。
『オクトラ』シナリオ秘話インタビュー
- 1:絶望にまみれたダークストーリーの誕生秘話と副作用(ネタバレ控えめ)
- 2:富、権力、名声…欲望の象徴が物語の主軸となった経緯(ネタバレ控えめ)
- 4:恋愛ストーリーとしても見どころ満載の“権力を極めし者”(ネタバレ控えめ)
- 5:問題シーンだらけ。名声を極めし者アーギュストの話を掘り下げます!(重大なネタバレあり)
- 6:そこまで…考えられていたのか!? 大女優の死に際のセリフに込められた意図(重大なネタバレあり)
- 7:ラストバトル演出を含めて、全てを極めし者に切り込む!(重大なネタバレあり)
- 8:ネフティとキャットリンの深いところも聞いちゃいました(ネタバレ控えめ)
- 9:今後のシナリオ更新速度やコンテンツボリュームは?(ネタバレ控えめ)
- 10:あの処刑シーンでカメラがパンアップ…生存確率は!?(重大なネタバレあり)
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『オクトパストラベラー 大陸の覇者』特集ページはこちら(電撃オンライン)
『オクトパストラベラー 大陸の覇者』公式Twitterはこちら
OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応端末: iOS
- ジャンル: RPG
- 配信日: 2020年10月28日
- 価格: 基本無料/アイテム課金
OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応端末: Android
- ジャンル: RPG
- 配信日: 2020年10月28日
- 価格: 基本無料/アイテム課金